レプリケーション形態のスレーブサーバ側のリポジトリを修復する場合の対応手順を説明します。
環境が壊れている場合は、スレーブサーバのリポジトリを作成し直して修復します。
データベース内のデータが壊れている場合は、スレーブサーバのリポジトリデータだけを修復します。
標準データベースを使用している場合
RDBを使用している場合
標準データベースを使用している場合
RDBを使用している場合
■環境が壊れている場合
標準データベースを使用している場合
【マスタサーバでの操作】
修復するスレーブサーバ側リポジトリと同名のリポジトリを停止します。
irepbacksysコマンドを使用し、修復するスレーブサーバ側リポジトリと同名のリポジトリをバックアップします。
手順2で作成したバックアップディレクトリ(Solaris、Linuxではバックアップファイル)を、修復するリポジトリが存在するスレーブサーバに転送します。
スレーブサーバの情報を削除します。
(コマンドを使用する場合)
リポジトリの環境定義をファイル(リポジトリ環境定義ファイル)に出力します。
irepconfig print -R リポジトリ名 -o リポジトリ環境定義ファイル
手順aで作成したリポジトリ環境定義ファイルから、対象のスレーブサーバを示す「slave_info(レプリケーション先ホスト情報)」項目の行を削除します。
リポジトリの環境定義を変更します。
irepconfig modify -R リポジトリ名 -f リポジトリ環境定義ファイル
(Interstage管理コンソールを使用する場合)
手順1で停止したリポジトリの[環境設定]画面で、[詳細設定 [表示]]をクリックします。
[レプリケーション先ホスト一覧]で、修復するリポジトリが存在するスレーブサーバのホスト名を選択し削除します。
【スレーブサーバでの操作】
修復するリポジトリを停止します。
手順1で停止したリポジトリを削除します。
以下の項目をマスタサーバ側リポジトリと同じ設定にしてリポジトリを作成します。
(コマンドを使用する場合)
リポジトリ名
suffix
ena_directory
encrypt_type
(Interstage管理コンソールを使用する場合)
リポジトリ名
公開ディレクトリ
データベース格納先
ユーザパスワード暗号化方式
マスタサーバから転送したバックアップディレクトリ(Solaris、Linuxではバックアップファイル)を、ireprestsysコマンドを使用し-dataonlyオプション指定でリストアします。
リポジトリ名は、バックアップしたリポジトリの名前と同じものを指定してください。
データベースの置き換えをするかどうかの確認メッセージが表示されますので、置き換える場合は、“y”または“Y”を入力してリストアを続行してください。リストアを中止する場合は、“n”または“N”を入力してください。その他のキーを入力した場合は、確認メッセージを再度出力してキー入力待ちとなります。
例
バックアップディレクトリ X:\Backup\irep\rep001_back
リポジトリ名 rep001
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -R rep001 -dataonly Data already exists in database store. (C:\Interstage\Enabler\EnablerDStores\IREP\rep001\data) Are you sure of deleting data in database store? (y/n):y IREP: 情報: irep11001: リストアが成功しました。 X:\Backup\irep\rep001_back [rep001]
バックアップファイル名 /backup/irep/rep001_back.tar.gz
リポジトリ名 rep001
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 -dataonly Data already exists in database store. (/var/opt/FJSVena/EnablerDStores/FJSVirep/rep001/data) Are you sure of deleting data in database store? (y/n):y UX:IREP: 情報: irep11001: リストアが成功しました。 /backup/irep/rep001_back.tar.gz [rep001]
バックアップファイル名 /backup/irep/rep001_back.tar.gz
リポジトリ名 rep001
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 -dataonly Data already exists in database store. (/var/opt/FJSVena/DStores/FJSVirep/rep001/data) Are you sure of deleting data in database store? (y/n):y UX:IREP: 情報: irep11001: リストアが成功しました。 /backup/irep/rep001_back.tar.gz [rep001]
リポジトリの設定をスレーブ運用に変更します。
(コマンドを使用する場合)
リポジトリ(スレーブサーバ)の環境定義をファイル(リポジトリ環境定義ファイル)に出力します。
irepconfig print -R リポジトリ名 -o リポジトリ環境定義ファイル |
手順aで作成したリポジトリ環境定義ファイルに以下の値を指定します。
●「operation_mode(運用形態の指定)」項目に「slave」を指定します。
●「master_host(マスタのホスト名)」項目にマスタサーバのホスト名を指定します。
リポジトリの環境定義を変更します。
irepconfig modify -R リポジトリ名 -f リポジトリ環境定義ファイル |
(Interstage管理コンソールを使用する場合)
以下の画面に表示されている、リストアしたリポジトリをクリックします。
・Interstage管理コンソール(スタンドアロン)の場合
[システム] > [サービス] > [リポジトリ]の[リポジトリ:状態]画面 |
・
Interstage管理コンソール(管理サーバ)の場合
[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [セキュリティ] |
[環境設定]画面で、[詳細設定 [表示]]をクリックし、[レプリケーション定義]で“スレーブで運用する”を選択します。
[スレーブ運用定義]で、マスタサーバのホスト名を設定して、[適用]ボタンをクリックします。
修復したリポジトリを起動します。
【マスタサーバでの操作】
レプリケーション先ホスト情報を設定します。
(コマンドを使用する場合)
リポジトリ(マスタサーバ)の環境定義をファイル(リポジトリ環境定義ファイル)に出力します。
irepconfig print -R リポジトリ名 -o リポジトリ環境定義ファイル |
手順aで作成したリポジトリ環境定義ファイルの以下の各項目に、修復したスレーブサーバ側リポジトリの内容を指定します。
●「operation_mode(運用形態の指定)」項目に「master」を指定します。
●「slave_info(レプリケーション先ホスト情報)」に、接続先スレーブサーバの情報を指定します。
リポジトリの環境定義を変更します。
irepconfig modify -R リポジトリ名 -f リポジトリ環境定義ファイル |
(Interstage管理コンソールを使用する場合)
以下の画面に表示されている、修復したスレーブサーバ側リポジトリと同名のリポジトリをクリックします。
・Interstage管理コンソール(スタンドアロン)の場合
[システム] > [サービス] > [リポジトリ]の[リポジトリ:状態]画面 |
・
Interstage管理コンソール(管理サーバ)の場合
[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [セキュリティ] |
[環境設定]画面で、[詳細設定 [表示]]をクリックします。
[レプリケーション先ホスト一覧]の[追加]ボタンをクリックします。
[レプリケーション先ホスト情報]の各項目に、修復したスレーブサーバ側リポジトリの内容を設定して、[適用]ボタンをクリックします。
修復したマスタサーバ側リポジトリを起動します。
irepbacksys、およびireprestsysコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“バックアップコマンド”を参照してください。
RDBを使用している場合
【マスタサーバでの操作】
修復するスレーブサーバ側リポジトリと同名のリポジトリを停止します。
【スレーブサーバでの操作】
修復するリポジトリを停止します。
マスタサーバで停止したリポジトリを削除します。
環境構築時にバックアップしたスレーブサーバ側リポジトリの資源をリストアします。ireprestsysコマンドを使用し-confonlyオプション指定でリストアします。
例
バックアップ先ディレクトリ X:\Backup\irep\rep001_back
リポジトリ名 rep001
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -R rep001 -confonly
バックアップファイル名 /backup/irep/rep001_back.tar.gz
リポジトリ名 rep001
ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 -confonly
修復したリポジトリを起動します。
【マスタサーバでの操作】
マスタサーバで停止したマスタサーバ側リポジトリを起動します。
ireprestsysコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“バックアップコマンド”を参照してください。
■データベース内のデータが壊れている場合
標準データベースを使用している場合
【マスタサーバでの操作】
リポジトリを停止します。リポジトリが複数定義されている場合は、修復対象となるスレーブサーバ側リポジトリと同一名のリポジトリを選択します。
irepbacksysコマンドを使用し、手順1で停止したリポジトリをバックアップします。
手順2で作成したバックアップディレクトリ(Solaris、Linuxではバックアップファイル)を、修復対象のリポジトリが存在するスレーブサーバに転送します。
手順1で停止したリポジトリの[環境設定]画面で、[詳細設定 [表示]]をクリックします。
[レプリケーション先ホスト一覧]で、修復対象のリポジトリが存在するスレーブサーバのホスト名を選択し削除します。
【スレーブサーバでの操作】
修復対象のリポジトリを停止します。
転送したバックアップディレクトリ(Solaris、Linuxではバックアップファイル)を、ireprestsysコマンドに-dataonlyオプションを指定して、データベース内にデータだけをリストアします。
リポジトリ名は、バックアップしたリポジトリの名前と同じものを指定してください。
データベースの置き換えをするかどうかの確認メッセージが表示されますので、置き換える場合は、“y”または“Y”を入力してリストアを続行してください。リストアを中止する場合は、“n”または“N”を入力してください。その他のキーを入力した場合は、確認メッセージを再度出力してキー入力待ちとなります。
例
バックアップディレクトリ X:\Backup\irep\rep001_back
リポジトリ名 rep001
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -R rep001 -dataonly Data already exists in database store. (C:\Interstage\Enabler\EnablerDStores\IREP\rep001\data) Are you sure of deleting data in database store? (y/n):y IREP: 情報: irep11001: リストアが成功しました。 X:\Backup\irep\rep001_back [rep001]
バックアップファイル名 /backup/irep/rep001_back.tar.gz
リポジトリ名 rep001
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 -dataonly Data already exists in database store. (/var/opt/FJSVena/EnablerDStores/FJSVirep/rep001/data) Are you sure of deleting data in database store? (y/n):y UX:IREP: 情報: irep11001: リストアが成功しました。 /backup/irep/rep001_back.tar.gz [rep001]
バックアップファイル名 /backup/irep/rep001_back.tar.gz
リポジトリ名 rep001
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 -dataonly Data already exists in database store. (/var/opt/FJSVena/DStores/FJSVirep/rep001/data) Are you sure of deleting data in database store? (y/n):y UX:IREP: 情報: irep11001: リストアが成功しました。 /backup/irep/rep001_back.tar.gz [rep001]
修復したリポジトリを起動します。
【マスタサーバでの操作】
レプリケーション先ホスト情報を設定します。
(コマンドを使用する場合)
リポジトリ(マスタサーバ)の環境定義をファイル(リポジトリ環境定義ファイル)に出力します。
irepconfig print -R リポジトリ名 -o リポジトリ環境定義ファイル |
手順aで作成したリポジトリ環境定義ファイルの以下の各項目に、修復したスレーブサーバ側リポジトリの内容を指定します。
●「operation_mode(運用形態の指定)」項目に「master」を指定します。
●「slave_info(レプリケーション先ホスト情報)」に、接続先スレーブサーバの情報を指定します。
リポジトリの環境定義を変更します。
irepconfig modify -R リポジトリ名 -f リポジトリ環境定義ファイル |
(Interstage管理コンソールを使用する場合)
Interstage管理コンソールを使用し、以下の画面に表示されている、停止したリポジトリをクリックします。
・Interstage管理コンソール(スタンドアロン)の場合
[システム] > [サービス] > [リポジトリ]の[リポジトリ:状態]画面 |
・
Interstage管理コンソール(管理サーバ)の場合
[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [セキュリティ] |
[環境設定]画面で、[詳細設定 [表示]]をクリックします。
[レプリケーション先ホスト一覧]の[追加]ボタンをクリックします。
[レプリケーション先ホスト情報]の各項目に、修復したスレーブサーバ側リポジトリの内容を設定して、[適用]ボタンをクリックします。
修復したマスタサーバ側リポジトリを起動します。
irepbacksys、およびireprestsysコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“バックアップコマンド”を参照してください。
RDBを使用している場合
RDBを使用していて、データベース内のデータが壊れている場合は、データベース内のデータを修復します。RDB製品のバックアップ・リストア/リカバリ機能を使用して、データベース内のデータをバックアップ時の状態へ修復することができます。バックアップがない場合は、データを新規に再作成する必要があります。
【マスタサーバでの操作】
修復するスレーブサーバ側リポジトリと同名のリポジトリを停止します。
【スレーブサーバでの操作】
修復対象のリポジトリを停止します。
RDB製品のバックアップ・リストア/リカバリ機能を使用して、データを修復します。
修復したリポジトリを起動します。
【マスタサーバでの操作】
マスタサーバで停止したマスタサーバ側リポジトリを起動します。