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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.3 運用ガイド
ETERNUS

3.8.3 スライス単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用しない方式)

GDS Snapshotと連携せず、AdvancedCopy Managerの機能だけで行う運用です。論理ボリュームがどの物理ボリュームから構成されているかを把握した設計・運用が必要です。

図3.12 スライス単位のバックアップ運用

AdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、論理ボリューム名とAdvancedCopy Managerデバイス名を組み合わせた以下の形式の名前を使用します。詳細は、「1.5.2 PRIMECLUSTER GDSのSDXオブジェクト」を参照してください。

/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名:(ボリュームを構成するデバイス名)

注意

  • SDXオブジェクトの運用上の注意点は、「11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」、「11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)」を参照してください。

  • 筐体間ミラーを行っている場合、筐体障害の場合も、OPCでリストアする必要があるときは、ミラーの両系をバックアップする必要があります。この場合、バックアップボリュームは、論理ボリュームの容量でなく、物理ボリュームの容量分が必要です。

    SymfowareのDBSPを筐体間ミラーしている場合、業務ボリュームに登録できるのは、どちらか一方の筐体にあるボリュームだけです。したがって、バックアップ運用している筐体が筐体障害となった場合は、筐体障害から回復するまでバックアップ/リカバリーできません。

  • スライス単位の運用で使用可能なSDXオブジェクトは、以下のとおりです。

    • シングルボリューム

    • 階層化されていないミラーボリューム

ポイント

使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、“sdxinfo -e long”を実行したときに表示される、ボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。

【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】

  • single: シングルボリューム(運用可能)

  • mirror: ミラーボリューム(運用可能)

  • stripe: ストライプボリューム(運用不可)

  • concat: コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)

  • switch: スイッチボリューム(運用不可)

3.8.3.1 バックアップ運用の設計

バックアップ運用を設計する場合の注意事項は、「11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

3.8.3.2 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み

バックアップ運用を行うサーバを管理対象サーバ(Storageサーバ)として登録し、管理対象サーバ配下のデバイスの情報を取得します。デバイス情報の取得方法は、「3.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を参照してください。

3.8.3.3 デバイスの運用種別設定

業務ボリューム

業務で使用している論理ボリュームを構成するスライスを、業務ボリュームとして登録します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:sda
swstdevinfoset completed
#

バックアップボリューム

SDXオブジェクトのスライスは、バックアップボリュームに登録できません。一般スライスのバックアップボリュームを使用します。

# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/sdd6
swstdevinfoset completed
#

3.8.3.4 バックアップ

バックアップの例

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:sda
/dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:sda swstbackup completed
#

バックアップ時の状態

バックアップを実行できるのは、論理ボリュームを構成するSDXオブジェクトが以下の状態になっている場合です。
これ以外の状態の場合は、バックアップを実行できません。SDXオブジェクトの状態は、PRIMECLUSTER GDSのsdxinfoコマンドを用いてAdvancedCopy Managerが確認します。

  1. ボリュームの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“STOP(停止)”のとき

  2. 物理ディスクの状態が、“ENABLE(動作可)”のとき

  3. スライスの状態が、“ACTIVE(起動中)”または“TEMP(切離し中)”のとき

バックアップの前後処理

次の場合、前後処理スクリプトは実行されません。

3.8.3.5 リストア

この作業は、Webコンソールおよびコマンドで実施できます。

スライス単位の運用時、業務ボリュームがシングルボリュームの場合だけリストアできます。

シングルボリューム以外のSDXオブジェクトにはリストアできません。

シングルボリューム以外のSDXオブジェクトのリストア方法は、「11.1.5 SDXオブジェクト運用の注意(バックアップ管理)」を参照してください。

リストアの例

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore  /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:sda
/dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01:sda swstrestore completed
#