GDS Snapshotと連携する運用で、論理ボリューム単位に運用できます。
運用時に論理ボリュームの物理構成は意識不要です。
図3.11 論理ボリューム単位のバックアップ運用
GDSの論理ボリュームをAdvancedCopy Managerコマンドに指定する場合は、GDS論理ボリューム名を指定します。
/dev/sfdsk/クラス名/dsk/ボリューム名 |
注意
運用できないSDXオブジェクトの構成や条件
次のSDXオブジェクト(ボリューム)はAdvancedCopy Managerで運用できません。
シャドウクラスのボリューム
ストライプボリューム
スイッチボリューム
コンカチネーショングループ内のボリューム
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
同期処理の開始やスナップショット型バックアップの開始において、「業務ボリュームを構成するスライス数」と「業務ボリュームに関連付けられているすべてのバックアップボリュームを構成するスライス数」の合計が、33個以上になる場合はコピー処理を実行できません。
また、コピー元ボリューム(バックアップ処理における業務ボリューム、リストア処理におけるバックアップボリューム)がINVALID状態である場合は、コピー処理を実行できません。
ポイント
使用しているボリュームが、シングル、ミラー、ストライプ、コンカチネーション、スイッチのうち、どれに該当するかは、“sdxinfo -e long”を実行したときに表示されるボリュームのタイプ属性(OBJ欄にvolumeと表示されている行のTYPE欄の値)で判断できます。
【ボリュームオブジェクトのタイプ属性】
single: シングルボリューム(運用可能)
mirror: ミラーボリューム(運用可能)
stripe: ストライプボリューム(運用不可)
concat: コンカチネーショングループ内のボリューム(運用不可)
switch: スイッチボリューム(運用不可)
バックアップ運用では、以下の点に留意して設計してください。
GDS Snapshot連携機能では、AdvancedCopy ManagerがGDS Snapshot機能を使用してボリュームの結合・分離・解除操作を行うことで、バックアップを実施します。そのため、AdvancedCopy Managerで運用するSDXオブジェクトは、あらかじめマスタオブジェクト、プロキシオブジェクトとして運用可能な状態である必要があります。
業務ボリュームはマスタオブジェクト、バックアップボリュームはプロキシオブジェクトとして運用します。
GDSのボリューム構成の設定は、AdvancedCopy Managerに登録する前に行ってください。
AdvancedCopy Managerで運用するGDSのSDXオブジェクトを設定する際は、「3.8.2.2 業務ボリューム」と「3.8.2.3 バックアップボリューム」の構成条件に注意してください。
GDS Snapshotや、プロキシ構成の前提条件の詳細は、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Linux版)』を参照してください。
業務で使用するSDXオブジェクト(論理ボリューム)を、業務ボリュームとして登録します。
業務ボリュームはGDS Snapshotのマスタオブジェクトとして運用されます。
そのため、以下の点に留意して設計する必要があります。
シャドウクラスに属しているSDXオブジェクトは、業務ボリュームとして登録できません。
業務ボリュームとして登録できる論理ボリュームのタイプは、シングルボリュームとミラーボリュームです。ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームは業務ボリュームとして登録できません。
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
バックアップボリュームが属しているディスクグループ内のボリュームは、業務ボリュームとして登録できません。
バックアップボリュームと同じシングルディスクに属する論理ボリュームは、業務ボリュームとして登録できません。
業務ボリュームを構成するスライスの中に、一時切離し中またはコピー状態のスライスが存在する場合は、バックアップを実行できません。
業務ボリューム(論理ボリューム)の状態がINVALIDの場合は、バックアップを実行できません。
GDS Snapshotのプロキシオブジェクトは、業務ボリュームとして使用できません。
SDXオブジェクト(論理ボリューム)を、バックアップボリュームとして登録します。
バックアップボリュームはGDS Snapshotのプロキシオブジェクトとして運用されます。
そのため、以下の点に留意して設計する必要があります。
シャドウクラスに属しているSDXオブジェクトは、バックアップボリュームとして登録できません。
バックアップボリュームとして登録できる論理ボリュームのタイプは、シングルボリュームとミラーボリュームです。ストライプボリューム、コンカチネーショングループ内のボリューム、およびスイッチボリュームはバックアップボリュームとして登録できません。
ただし、ミラーグループの下位グループとして、ストライプグループおよびコンカチネーショングループを使用することは可能です。
業務ボリュームが属しているディスクグループ内のボリュームは、バックアップボリュームとして登録できません。
業務ボリュームと同じシングルディスクに属する論理ボリュームは、バックアップボリュームとして登録できません。
業務ボリュームとクラスが異なるオブジェクトは、バックアップボリュームとして使用できません。
GDS Snapshotのマスタオブジェクトは、バックアップボリュームとして使用できません。
ECまたはOPCを使用してバックアップする場合は、ミラーリング構成になっていないボリュームをバックアップボリュームにする必要があります。バックアップボリュームがミラーリング構成のボリュームの場合は、ソフトコピーだけ使用できます。
バックアップボリュームを停止できない場合(例えば、バックアップボリュームがアプリケーションなどからアクセスされている場合)は、バックアップを実行できません。
バックアップボリュームを構成するスライスの中に、一時切離し中またはコピー状態のスライスが存在する場合は、バックアップを実行できません。
バックアップボリュームには、業務ボリュームと同一サイズの論理ボリュームを用意してください。
バックアップを行う際、「業務ボリュームを構成するスライスの数」と「業務ボリュームに関連づけられているバックアップボリュームを構成するスライスの数」の合計は、32以下でなければなりません。
GDS Snapshot連携では、以下のコピー機能を使用できます。
アドバンスト・コピー: ETERNUS ディスクアレイのハードウェア機能によるコピー
ソフトコピー: PRIMECLUSTER GDSのディスクドライバによるコピー
SDXオブジェクトの構成と使用可能なコピー機能の関係は、以下のとおりです。
単位 | ボリューム | SDXオブジェクト構成(注) | 使用可能なコピー機能 | |
---|---|---|---|---|
論理 | 業務 | シングル | アドバンスト・コピー、 | |
ミラー | 下位グループがない | アドバンスト・コピー、 | ||
下位グループがある | ソフトコピー | |||
バックアップ | シングル | アドバンスト・コピー、 | ||
ミラー | 1つのディスクで構成されている | アドバンスト・コピー、 | ||
2つ以上のディスクで構成されている | ソフトコピー |
注: ストライプ/コンカチネーションオブジェクトはコピーできません。
単位 | ボリューム | SDXオブジェクト構成(注) | 使用可能なコピー機能 | |
---|---|---|---|---|
論理 | バックアップ | シングル | アドバンスト・コピー、 | |
ミラー | 下位グループがない | アドバンスト・コピー、 | ||
下位グループがある | ソフトコピー | |||
業務 | シングル | アドバンスト・コピー、 | ||
ミラー | 1つのディスクで構成されている | アドバンスト・コピー、 | ||
2つ以上のディスクで構成されている | アドバンスト・コピー、 |
注: ストライプ/コンカチネーション/スイッチタイプのオブジェクトはコピーできません
通常、業務ボリュームの存在する筐体と別の筐体にあるバックアップボリュームにバックアップする場合に、オプションを設定します。
GDS Snapshot連携バックアップの際は、筐体間コピーを行うかどうかの設定は不要です。
バックアップ運用を行うサーバを管理対象サーバ(Storageサーバ)として登録し、管理対象サーバ配下のデバイスの情報を取得します。手順は、「3.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を参照してください。
GDSの論理ボリュームを業務ボリューム、バックアップボリュームとして登録します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -t /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstdevinfoset completed # /opt/FJSVswsts/bin/swstdevinfoset -b /dev/sfdsk/CLS1/dsk/bvol1 swstdevinfoset completed |
注意
次のSDXオブジェクトは、業務ボリュームまたはバックアップボリュームとして登録できません。
シャドウクラスのオブジェクト
ストライプタイプのオブジェクト
コンカチネーションタイプのオブジェクト
スイッチタイプのオブジェクト
保存世代数の確認
バックアップポリシー設定の際は、設定するバックアップポリシーに従って、運用に必要なバックアップボリュームがあらかじめ用意されている必要があります。詳細は、「3.4.7 バックアップポリシーの設定」を参照してください。
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合は、プロキシオブジェクトとなりうるバックアップボリュームが保存世代数分存在するかどうか確認します。
業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合は、バックアップボリュームもGDSの論理ボリュームである必要があります。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbkpolset -s 3 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 /dev/sfdsk/CLS01/dsk/VOL01 swstbkpolset completed # |
注意
以下の場合、SDXオブジェクトは使用可能なバックアップボリュームとしてカウントされません。
バックアップボリュームが、業務ボリュームと異なるクラスのオブジェクトのとき。
バックアップボリュームが、業務ボリュームと異なるサイズのとき。
スライス数の制限
SDXオブジェクトをバックアップする場合は、業務ボリュームとバックアップボリュームが、マスタ・プロキシとして関連付けられるため、業務ボリュームを構成するスライスの数と、その業務ボリュームのバックアップに使用されるバックアップボリュームを構成するスライスの数の合計が、32以下でなければなりません。
そのため、GDSの構成によって運用可能な保存世代数が制限されます。バックアップポリシーはその点に留意して設計してください。
例えば、業務ボリュームとバックアップボリュームのすべてをシングルボリュームで構成している場合、保存世代数は最大の31を設定して運用できますが、業務ボリュームとバックアップボリュームのすべてを2スライスで構成している場合、保存世代数に16以上を設定すると、16世代目以降のバックアップはできません。
論理ボリューム単位のバックアップ
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合は、プロキシオブジェクトとなりうるバックアップボリュームを選択し、バックアップします。
AdvancedCopy Managerは登録されているバックアップボリュームの中から自動的に選択します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstbackup completed |
使用可能なコピー処理方式
GDSの論理ボリュームが配置されているハードウェアにより、使用可能なコピー処理が異なります。
また、以下の場合は、EC/OPCを使用できません。
バックアップボリュームがミラーリング構成のSDXオブジェクトのとき。
業務ボリュームとバックアップボリュームが属しているディスクグループに、下位グループが接続されているとき。
ハードウェア | 使用可能なコピー処理 |
---|---|
EC/OPCを使用できる | 同期型高速バックアップ: EC、ソフトコピー スナップショット型高速バックアップ: OPC |
OPCだけを使用できる | 同期型高速バックアップ: ソフトコピー スナップショット型高速バックアップ: OPC |
EC/OPCを使用できない | 同期型高速バックアップ: ソフトコピー スナップショット型高速バックアップ: 使用できない |
論理ボリューム単位の業務ボリュームへのリストア
この作業は、Webコンソールおよびコマンドで実施できます。
GDSの論理ボリューム単位で業務ボリュームへリストアする際は、プロキシからマスタへのコピーを実施します。
# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 /dev/sfdsk/CLS1/dsk/vol1 swstrestore completed |
リストア先ボリュームを指定したリストア
業務ボリュームがGDSの論理ボリュームの場合、リストア先ボリュームを指定したリストアはできません。
使用可能なコピー処理方式
GDSの論理ボリュームが配置されているハードウェアにより、使用可能なコピー処理が異なります。
また、以下の場合は、OPCを使用できません。
業務ボリュームとバックアップボリュームが属しているディスクグループに、下位グループが接続されているとき。
ハードウェア | 使用可能なコピー処理 |
---|---|
OPCを使用できる | OPC、ソフトコピー |
OPCを使用できない | ソフトコピー |
sdxproxyコマンドを直接使用してバックアップ管理に登録されているボリュームの状態変更操作を行わないでください。バックアップ管理の管理情報と実際のボリューム状態が、不整合な状態になる可能性があります。
sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、「10.2.3.1 swstsrsemtch(資源整合コマンド)」を実行して復旧してください。