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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.3 運用ガイド
ETERNUS

11.1.6 SDXオブジェクト運用の注意(レプリケーション管理)

SDXオブジェクトのレプリケーション運用では、以下の注意点があります。

複製ボリューム情報設定(swsrpsetvol)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合の注意点

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合で、以下の条件に該当するときは、複製ボリューム情報を設定できません。

  • SDXオブジェクトとスライス、または、SDXオブジェクトと他OSボリュームを指定したとき。

  • 論理ボリュームを指定した場合に、-nオプションを指定したとき。

  • 複製元/複製先ボリュームが異なるクラスに属しているとき。

  • 複製元/複製先ボリュームが同じグループに属しているとき。または、シングルボリュームの場合は、複製元/複製先ボリュームが同じシングルディスクに属しているとき。

複製ボリューム情報削除(swsrpdelvol)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合の注意点

複製元/複製先ボリュームが結合状態または分離状態でコピーセッションが存在しているときは、複製ボリューム情報を削除できません。

複製開始コマンド(swsrpstartsync)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合の注意点

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合で、以下の条件に該当するときは、「10.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)」を実行できません。

  • 同期処理の開始時、複写元ボリュームと複写先ボリュームにマスタ、プロキシの関係があるとき。

  • 同期処理の再開時、複写元ボリュームと複写先ボリュームのマスタ、プロキシの関係が分離状態でないとき。

  • 同期処理の開始時、複写元ボリュームと複写先ボリュームが異なるクラスに属するとき。

  • 複製元ボリュームと複製先ボリュームが同じディスクグループまたはシングルディスクに属するとき。

  • 複写元ボリュームが以下のどれかの条件に該当するとき。

    • ボリューム内にコピー状態または一時切離し状態のスライスがあるとき。

    • 同期処理の開始時、複写元ボリュームがプロキシオブジェクトになっているとき。

    • ほかのボリュームとの間でコピー処理が行われているとき。

  • 複写先ボリュームが以下のどれかの条件に該当するとき。

    • 同期処理開始時、ボリュームがミラーリング構成、かつ、-Xgds-softcopyオプションまたは-Xgds-selectcopyオプションを指定しなかったとき。ボリュームの停止に失敗したとき。

    • 同期処理開始時、マスタボリュームになっているとき。

    • ボリューム内にコピー状態または一時切離し状態のスライスがあるとき。

    • ほかのマスタのプロキシとなっているとき。

  • ハードウェアコピー機能が利用できない状態だったとき(-Xgds-softcopyまたは-Xgds-selectcopy指定時を除く)。典型的な原因を以下に示します。

    • ETERNUS ディスクアレイのEC/REC設定が適切に行われていない。

    • 下位グループが接続されているミラーグループに複写元ボリュームが属しているとき。

    • 複写先ボリュームがミラーリング構成のとき。

    • ルートクラスのとき。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、sdxproxyコマンドを直接使用してレプリケーション機能に登録されているSDXオブジェクトの状態変更操作を行わないでください。レプリケーション機能の管理情報と実際のオブジェクト状態が不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、「10.4.2.4 swsrpcancel(複製解除コマンド)」を使用して複製運用の解除を行ってください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合の注意点

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合で、以下の条件に該当するときは、「10.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)」を実行できません。

  • 複写先ボリュームがSDXオブジェクトで、そのSDXオブジェクトの状態が以下の状態でないとき。

    • ミラーボリュームがACTIVE、STOPのどちらか。

    • ミラースライスの状態がACTIVE、STOPのどちらか。

複写先ボリュームがSDXオブジェクトで、シングルボリュームでない場合は、本コマンドでレプリケーションできません。したがって、複製元ボリューム、複製先ボリュームのどちらかがSDXオブジェクトで、シングルボリュームでない場合は、SDXオブジェクトから非SDXオブジェクトへのレプリケーションだけを利用可能です。

SDXオブジェクトで、シングルボリュームでないボリュームへデータをコピーする際は、ddコマンドを使用してください。

複製作成コマンド(swsrpmake)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合の注意点

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合で、以下の条件に該当するときは、「10.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」を実行できません。

  • スナップショット型レプリケーションにおいて、複写元ボリュームと複写先ボリュームにマスタ、プロキシの関係があるとき。

  • スナップショット型レプリケーションにおいて、複写元ボリュームと複写先ボリュームが異なるクラスに属するとき。

  • スナップショット型レプリケーションにおいて、複製元ボリュームと複製先ボリュームが同じディスクグループ、またはシングルディスクに属するとき。

  • 複写元ボリュームが以下のどれかの条件に該当するとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、ボリューム内にコピー状態または一時切離し状態のスライスがあるとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、複写元ボリュームがプロキシオブジェクトになっているとき。

    • ほかのボリュームとの間でコピー処理が行われているとき。

  • 複写先ボリュームが以下のどれかの条件に該当するとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、ボリュームがミラーリング構成になっていたとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、ボリュームの停止に失敗したとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、マスタボリュームになっているとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、ボリューム内にコピー状態または一時切離し状態のスライスがあるとき。

    • スナップショット型レプリケーションにおいて、ほかのマスタのプロキシとなっているとき。

  • スナップショット型レプリケーションにおいて、OPC機能が利用できない状態だったとき。典型的な原因を以下に示します。

    • ETERNUS ディスクアレイのOPC設定が適切に行われていない。

    • 指定した複写元ボリュームとほかのプロキシとの間に等価性維持状態または中断状態のEC/RECが存在するとき。ただし、アドバンスト・コピーはミラースライス単位に設定できます。このため、複写元ボリュームのミラースライスの個数に等しい複写先ボリュームに対してアドバンスト・コピーを同時に設定できます。したがって、本エラーは複写元ボリュームのミラースライス数を超えたアドバンスト・コピーを設定しようとした場合に発生します。

    • 下位グループだけが接続されていて、ディスクが直接接続されていないミラーグループに、複写元ボリュームが属しているとき。

    • 複写先ボリュームがミラーリング構成のとき。

    • ルートクラスのとき。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、sdxproxyコマンドを直接使用してレプリケーション機能に登録されているSDXオブジェクトの状態変更操作を行わないでください。レプリケーション機能の管理情報と実際のオブジェクト状態が不整合な状態になる可能性があります。sdxproxyコマンドを直接使用して不整合な状態になった場合は、「10.4.2.4 swsrpcancel(複製解除コマンド)」を使って複製運用の解除を行ってください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合の注意点

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合で、以下の条件に該当するときは、「10.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」を実行できません。

  • 複写元ボリュームがSDXオブジェクトで、そのSDXオブジェクトの状態が以下の状態でないとき。

    • ミラーボリュームがACTIVE、STOPのどちらか。

    • ミラースライスの状態がACTIVE、TEMPのどちらか。

    • SDXディスクの状態がENABLEである。

  • 複写先ボリュームがSDXオブジェクトで、そのSDXオブジェクトの状態が以下の状態でないとき。

    • ミラーボリュームがACTIVE、STOPのどちらか。

    • ミラースライスの状態がACTIVE、STOPのどちらか。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合、複写先ボリュームがSDXオブジェクトで、シングルボリュームでない場合は、本コマンドでレプリケーションできません。したがって、複製元ボリューム、複製先ボリュームのどちらか一方がSDXオブジェクトで、シングルボリュームでない場合は、SDXオブジェクトから非SDXオブジェクトへのレプリケーションだけを利用可能です。

SDXオブジェクトで、シングルボリュームでないボリュームへデータをコピーする際は、ddコマンドを使用してください。

以下の場合、複写元ボリュームの前処理は行われません。

  • SDXオブジェクトのスライスの状態がTEMPである。

複製解除コマンド(swsrpcancel)

SDXオブジェクトを論理ボリューム単位で運用する場合の注意点

SDXオブジェクトのレプリケーション運用を行う場合で、以下の条件に該当するときは、「10.4.2.4 swsrpcancel(複製解除コマンド)」を実行できません。

  • 解除しようとする複製ボリュームのペアが等価性維持状態で、その複写元ボリュームと、ほかのボリュームとの間でコピー処理が行われているとき。

SDXオブジェクトのレプリケーション運用時、以下のときに複製解除を行うと複写先ボリュームがデータ不当状態(INVALID)になります。

  • 同期処理が等価性維持状態や複製確立状態になっていないとき。

  • スナップショット処理のデータコピー処理が行われているとき。

ボリュームのデータ不当状態は、同期処理やスナップショット処理を再度行えば停止状態(STOP)になり自動的に解消されます。
それ以外の方法で復旧したい場合は、『PRIMECLUSTER(TM) Global Disk Services 説明書 (Linux版)』を参照して対処を行ってください。

SDXオブジェクトをスライス単位で運用する場合の注意点

以下のような場合は、等価性維持状態の同期処理を停止できません。

  • 複写元ボリュームがSDXオブジェクトで、そのSDXオブジェクトの状態が以下の状態でないとき。

    • ミラーボリュームがACTIVE、STOPのどちらか。

    • ミラースライスの状態がACTIVE、TEMPのどちらか。
      (ミラースライスがTEMPの状態の場合、複製元ボリュームの前処理は行われません)

    • SDXディスクの状態がENABLEである。