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Interstage Big DataComplex Event Processing Server V1.1.0 開発リファレンス
FUJITSU Software

2.8.4 lookup検索関数

1つのマスタデータと連結した結果に対する関数です。

2.8.4.1 lookup関数

lookup関数は、マスタデータと連結した結果からマスタ項目の内容を返却します。

第3引数の出力項目の指定内容および指定有無によって、関数の復帰値の型が異なります。


lookup関数の書式を以下の図に示します。

M略称(マスタ識別子)

マスタ定義の開発資産IDを指定します。


結合関係式

イベントとマスタを結合する際の結合関係式を記述します。


出力項目

出力するマスタデータの項目を指定します。

指定形式はマスタの項目参照ではなく、必ずstring関数またはval関数を使用する必要があります。

出力項目を指定しない場合、結合後のマスタデータの存在有無(true/false)を返します。


出力項目の定義を以下の図に示します。

ポイント

結合関係式を満たすマスタデータが複数存在する場合、出力項目の各々の内容について検索条件の評価を実施します。複数存在するマスタ項目において1つでもlookup検索式を満たす場合、その検索条件式の結果が真となります。

注意

真偽値(true/false)を表すリテラルは存在しません。出力項目を指定せずにlookup関数を使用する場合は、検索条件式の右辺にtrue関数またはfalse関数を指定します。

参照

復帰値
出力項目を指定した場合

出力項目にstring関数を指定した場合は文字列型、val関数を指定した場合は数値型を返します。

出力項目を指定しない場合

以下の真偽値を返します。

復帰値

意味

true(真)

結合関係式を満たすマスタデータが存在する。

true関数の結果と同義です。

false(偽)

結合関係式を満たすマスタデータが存在しない。

false関数の結果と同義です。


入力イベントのC項目とマスタデータのX項目を連結できた場合に、その入力イベントを抽出します。

lookup("Mst", $C == $X) = true()

入力イベントのC項目とマスタデータのX項目を連結し、連結した結果のマスタのY項目が「花子」と一致した場合に、その入力イベントを抽出します。

lookup("Mst", $C == $X, string($Y)) = "花子"

2.8.4.2 lookup_sum関数

lookup_sum関数は、マスタデータと連結した結果からマスタ項目の内容に対して合計値を返却します。

出力式に指定する場合には第2,3引数を省略し、連結式で結合したマスタ項目の内容に対して合計値を返却します。


lookup_sum関数の書式を以下の図に示します。

M略称(マスタ識別子)

マスタ定義の開発資産IDを指定します。


結合関係式

イベントとマスタを結合する際の結合関係式を記述します。


項目参照

合計値を算出するマスタデータの項目を指定します。


ポイント

  • マスタデータの項目から最初に見つけた数値リテラルの形式の文字列を数値として抜き出し、合計値に加算します。

  • マスタデータの項目で示す文字列に数字を含まない場合は0として扱います(合計値に加算しません)。

  • マスタデータの項目がすべて数字を含まない場合には、本関数は「空」を返します。検索条件式に本関数を指定している場合、検索条件式の評価は偽(条件を満たさない)となります。

  • 整数部に出現するコンマ(,)は無視します。

  • 小数点が指定されている場合、それ以降最初に出現した数字以外の文字の前までを小数部とみなします。

  • 小数部の小数点以下最大18桁までの値が有効になります(18桁を超える小数部は切り捨てます)。

注意

先頭の0を除き、整数部が18桁を超えるとエラーメッセージが出力され、入力イベントが破棄されます(次の入力イベントの処理を継続します)。

参照

復帰値

変換が正常に動作した場合は、数値型を返します。


入力イベントのC項目とマスタデータのX項目を連結し、マスタデータのY項目を合計した結果が100より大きい場合に、その入力イベントを抽出します。

lookup_sum("Mst", $C == $X, $Y) > 100

2.8.4.3 lookup_count関数

lookup_count関数は、マスタデータと連結した結果からマスタ項目のカウント数を返却します。

出力式に指定する場合には第2,3引数を省略し、連結式で結合したマスタ項目のカウント数を返却します。


lookup_count関数の書式を以下の図に示します。

M略称(マスタ識別子)

マスタ定義の開発資産IDを指定します。


結合関係式

イベントとマスタを結合する際の結合関係式を記述します。


項目参照

カウントするマスタデータの項目を指定します。


ポイント

  • 指定した項目の内容が「空」の場合には、カウントされません。

  • 指定した項目の内容がすべて「空」の場合には、本関数は0を返します。

参照

復帰値

変換が正常に動作した場合は、数値型を返します。


lookup_count関数の使用例

入力イベントのC項目とマスタデータのX項目を結合し、マスタデータのY項目のカウントが10より小さい場合を検出する例です。

lookup_count("Mst", $C == $X, $Y) < 10