CEPサーバのホスト名(*1)でネットワークの名前解決が可能なように、/etc/hosts にCEPサーバのホスト名を登録します。登録にあたり次の点にご注意ください。
「127.0.0.1」(CEPサーバのループバックアドレス)にCEPサーバのホスト名を登録する場合は、必ずCEPサーバの外部からアクセスする時のIPアドレスの設定を先に記載してください。
または、「127.0.0.1」にCEPサーバのホスト名を設定しないでください。
(*1) /etc/sysconfig/network ファイルの HOSTNAME パラメーターの設定値になります。
例
/etc/hostsの設定例
127.0.0.1にCEPサーバのホスト名 cepsv1 を設定する例です。この例では、CEPサーバの外部からアクセスする時のIPアドレスを10.10.10.10としています。
10.10.10.10 cepsv1 127.0.0.1 cepsv1 localhost.localdomain localhost
BDCEPが使用するポート番号が使用可能か確認します。BDCEPで使用するポート番号は以下の通りです。該当のポートが使用できるようにファイアーウォールやOSの設定を行ってください。
ポート番号 | 説明 |
---|---|
80 | 入力アダプター(SOAPアダプター、HTTPアダプター)が、入力イベントの受信に使用するポート番号です。 |
81 | BDCEPの内部で使用するポート番号です。 |
102 | |
389 | |
636 | |
2000 | |
2465 | |
3279 | |
4433 | |
5432 | |
6666 | |
8002 | |
8009 | |
8080 | |
8686 | |
8909 | |
8919 | |
9700 | |
10550 | |
10555 | |
12000 | |
12001 | |
12200 | |
12210 | |
12220 | |
12230 | |
13000 | |
23600-23602 | |
23700-23710 | |
28080 | |
28090-28100 | |
28686-28696 | |
任意のポート | 入力アダプターのSocketアダプターが、入力イベントの受信に使用するポート番号です。 5001から32767までの範囲で未使用のポート番号を、1つのCEPエンジンあたり1つ、CEPサーバ全体で最大5つ設定して使用します。 使用するポート番号の設定は、インストール後のCEPエンジンのセットアップで行います。 なお、初期セットアップ時に作成されるCEPエンジンには9600番ポートが設定されています。 |
ディスクに十分な空き容量があることを確認します。必要なディスク容量の詳細については、「4.2.3 インストール時に必要な資源」を参照してください。
空きディスクが不足している場合は、該当するファイルシステムのサイズを拡張してください。
CEPエンジンを実行する特定のユーザーおよびグループを作成します。ここで作成したユーザー、グループの権限で、CEPエンジンの各プロセスを実行します。
例
ユーザー名「isbdcep」、グループ名「isbdcep」で作成する場合の操作例
$ su - <ENTER>
# /usr/sbin/groupadd isbdcep <ENTER>
# /usr/sbin/useradd -g isbdcep isbdcep <ENTER>
注意
ユーザーの作成方法は、システムの管理方針により異なります。必ずマシン管理者に確認してください。
ユーザー名およびグループ名の長さは、8文字以内にしてください。
BDCEPを運用する際にはシステムパラメーターのチューニングが事前に必要です。
/etc/sysctl.confを編集して、パラメーターの"種別"により、対象のシステムパラメーターの値を適切な値に変更してください。
種別が"最大"の場合
すでに設定されている値(初期値または以前の設定値)が表の値以上の場合は変更不要です。表の値より小さい場合は、表の値に変更してください。
種別が"加算"の場合
すでに設定されている値(初期値または以前の設定値)に表の値を加算してください。加算する前にシステム上限値を確認し、加算した値がシステム上限値を超える場合は、システム上限値を設定してください。
現在のシステムパラメーターは "/sbin/sysctl -a"で確認できます。
変更後は "/sbin/sysctl -p /etc/sysctl.conf" を実行するか、OSを再起動してください。
変更方法の詳細については、OSのドキュメントを参照してください。
以下は設定対象のシステムパラメーターです。
共有メモリ
パラメーター | 説明 | 設定値 | 種別 |
---|---|---|---|
kernel.shmmax | 共用メモリの最大サイズ | 57413492 | 最大 |
kernel.shmmni | 共用メモリセグメントの最大数 | 41 | 加算 |
セマフォ
セマフォの設定値は、各パラメーター値を以下の形式で指定します。
kernel.sem = SEMMSL値 SEMMNS値 SEMOPM値 SEMMNI値
パラメーター | 説明 | 設定値 | 種別 |
---|---|---|---|
SEMMSL値 | セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数 | 512 | 最大 |
SEMMNS値 | システム全体のセマフォ数 | 5763 | 加算 |
SEMOPM値 | セマフォコールあたりの最大演算子数 | 50 | 最大 |
SEMMNI値 | システム全体のセマフォ演算子数 | 1143 | 加算 |
メッセージキュー
パラメーター | 説明 | 設定値 | 種別 |
---|---|---|---|
kernel.msgmax | メッセージの最大サイズ | 16384 | 最大 |
kernel.msgmnb | メッセージキュー上のメッセージの最大バイト数 | 32768 | 最大 |
kernel.msgmni | メッセージキューIDの最大数 | 526 | 加算 |
BDCEPを運用する際にはリソース制限値としてエンジン実行ユーザーが実行できるプロセス(スレッド)数のチューニングが事前に必要です。
/etc/security/limits.confを編集して、エンジン実行ユーザーが実行できるプロセス(スレッド)数を適切な値に変更してください。
BDCEPでは、エンジン実行ユーザーが実行できるプロセス(スレッド)数に「2048」以上の値を設定する必要があります。すでに設定されている値(初期値または以前の設定値)に「2048」の値を加算してください。
エンジン実行ユーザーが実行できるプロセス(スレッド)数の値は以下のコマンドで確認できます。スーパーユーザーで実行してください。
# /bin/su -c 'ulimit -u' エンジン実行ユーザー名 <ENTER>
変更後はOSを再起動してください。変更方法の詳細については、OSのドキュメントを参照してください。
例
/etc/security/limits.confの設定例
エンジン実行ユーザー「isbdcep」で実行できるプロセス(スレッド)数を設定する例です。この例では、デフォルト値「1024」に「2048」を加算した値を設定しています。
isbdcep soft nproc 3072
BDCEPの動作中に、次の共有メモリファイルを生成します。(XXXはユーザー名、YYYはプロセスID)
/tmp/hsperfdata_XXX/YYY
tmpwatchシェルスクリプトがcronに登録されている場合、tmpwatchシェルスクリプトにより共有メモリファイルが削除され、BDCEPの動作に支障をきたす場合があります。
そのようなときは、共有メモリファイルがtmpwatchの削除対象外となるように/etc/cron.daily/tmpwatchのシェルスクリプトを修正してください。
例
/etc/cron.daily/tmpwatchシェルスクリプトの修正例
/usr/sbin/tmpwatch XXX /tmp (XXXは時間を表す数字)に該当する処理を実行する前に、以下の処理を行うように修正します。
for f in `echo /tmp/hsperfdata_*/*` ; do
/bin/touch $f > /dev/null 2>&1
done
BDCEP以外の富士通製製品(Systemwalker Centric Managerなど)により、FJSVsmee64、FJSVsclr64パッケージが導入済みの場合は次の作業を行います。
インストール済みのFJSVsmee64、FJSVsclr64パッケージの確認
FJSVsmee64、FJSVsclr64パッケージがインストールされているかを確認します。また、インストールされている場合には、そのバージョン・レベルを確認します。それぞれ、以下の方法で確認します。
# rpm -q -i FJSVsmee64 | grep Version <ENTER>
# rpm -q -i FJSVsclr64 | grep Version <ENTER>
インストールされている場合にはバージョン情報が表示されます。何も表示されなかった場合にはインストールされていないため、以降の作業は不要です。「4.3.2 インストール手順」に進んでください。
注意
インストールされているバージョン・レベルが、BDCEPが提供するバージョン・レベルよりも新しい場合は、BDCEPのインストール後に、「4.3.3.2 FJSVsmee64、FJSVsclr64パッケージの再インストール」の作業が必要です。
参考
本バージョンのBDCEPが同梱しているFJSVsmee64、FJSVsclr64のバージョンは以下のとおりです。
FJSVsmee64 4.1.2
FJSVsclr64 2.0.7
すべての富士通製製品を停止します。停止方法については、各製品のマニュアルを参照してください。
FJSVsmee64、FJSVsclr64パッケージをアンインストールします。
# rpm -e FJSVsmee64 <ENTER>
# rpm -e FJSVsclr64 <ENTER>