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HOST PRINT V7.2L11 ユーザーズガイド
FUJITSU Software

8.9.3 配信環境定義ファイル

配信環境定義ファイルに指定できるレコードの一覧を以下に示します。

大分類

小分類

レコード種別

詳細

共通情報

抜き出し情報

dfレコード

抜き出し情報定義レコード( df:data formatレコード )
帳票からの抜き出し位置を定義するレコード
省略可能

条件定義

mfレコード

振り分け条件定義レコード( mf:mail formatレコード )
振り分け条件を定義するレコード
省略不可

個別情報

振り分け先サーバ情報

msレコード

振り分け先サーバ定義レコード( ms:mail serverレコード )
省略不可


それぞれのレコードについて以下に説明します。


8.9.3.1 dfレコード

活用先の連携製品に帳票を振り分けるためには、振り分け先別に帳票を分類する必要があります。帳票の分類は、“帳票に出力される文字列”を基準にして行うことができます。

dfレコードでは、帳票のどの位置に出力される文字列を、分類の基準として使用するかを定義します。

定義形式

dfレコードは、以下の形式で定義します。

df,抜き出しキー名,抜き出しページ,抜き出し行,抜き出し開始桁,抜き出し終了桁

dfレコードは、100個まで定義できます。


◆指定項目

dfレコードのそれぞれの指定項目について以下に示します。

項 目

説 明

レコード種別

固定文字列“df”を指定します。

抜き出しキー名

抜き出し情報を参照するときに使用する名前を、20バイト以内の文字列で指定します。
以下の文字は、使用できません。

  空白 \ , . : ; ? / < > * | + = [ ] " ( ) ^ ! $ ' % &

ここで定義した名前は、mfレコードで使用します。

抜き出し情報

抜き出しページ

分類基準とする文字列が含まれるページを指定します。
先頭ページ(1)のみ指定可能です。

抜き出し行

分類基準とする文字列が含まれる行を、1~256までの数字で指定します。

抜き出し開始桁

分類基準とする文字列が始まる桁位置を、1~1024までの数字で指定します。

抜き出し終了桁

分類基準とする文字列が終わる桁位置を、1~1024までの数字で指定します。

レコード終端桁よりも大きい値を指定した場合は、レコード終端桁が終了桁位置となります。

行の位置付けは、ページを構成するレコード単位に指定します。

開始桁、終了桁の位置付けは、行頭から制御文字を含めたバイト数で指定します。


◆定義例

dfレコードの定義方法の例を以下に示します。

例1:

帳票の1ページ目の4行目の100桁目から112桁目にある文字列を、帳票を分類するときの基準として使用することを宣言し、その文字列を“所属情報”という抜き出しキー名で参照できるように定義する場合の例。

df,所属情報,1,4,100,112

例2:

帳票の1ページ目の5行目の100桁目から110桁目にある文字列を、帳票を分類するときの基準として使用することを宣言し、その文字列を“名前情報”という抜き出しキー名で参照できるように定義する場合の例。

df,名前情報,1,5,100,110

注意

  • dfレコードはメインフレームとの通信形態としてTCP/IPを利用する場合のみ有効となります。FNAを利用する場合には、帳票管理サービスのあて先でジョブ情報を指定してください。

  • 抜き出しキー名以外の分類基準について

    • 本レコードで定義した抜き出しキー名以外に、帳票を分類するときの基準として下記の予約語が使えます。


      予約語

      設 定 内 容

      user

      デマンド出力

      メインフレームに接続したときのユーザID

      バッチ出力

      JCLのユーザパラメタ

      オンライン出力

      メインフレームに接続したときのユーザID

      name

      デマンド出力

      ユーザ名

      バッチ出力

      ジョブ名

      オンライン出力

      LD名

      title

      デマンド出力

      PRTFILE/PRTJOBのNOTEオペランドで指定した値
      NOTEオペランド省略時にはファイル名

      バッチ出力

      ジョブ名

      オンライン出力

      LD名

      jobno

      デマンド出力

      バッチ出力

      ジョブ番号(またはジョブコード)

      オンライン出力

上記の予約語を、dfレコードで抜き出しキー名として定義した場合は、dfレコードの定義が有効になります。


8.9.3.2 mfレコード

活用先の連携製品に帳票を振り分けるためには、振り分け先別に帳票を分類する必要があります。

mfレコードでは、帳票を分類するための条件式を定義します。


◆定義形式

mfレコードは、以下の形式で定義します。

mf,条件グループ名,振り分け条件

mfレコードは、1024個まで定義できます。


◆指定項目

mfレコードのそれぞれの指定項目について以下に示します。

項 目

説 明

レコード種別

固定文字列“mf”を指定します。

条件グループ名

振り分け条件を参照するときに使用する名前を、20バイト以内の文字列で指定します。

条件グループ名が半角の“+”の場合は、直前のmfレコードの継続行とみなします。

条件グループ名が半角の“all”の場合は、振り分け条件にallを指定したものと見なします。

以下の文字は、使用できません。

  空白 \ , . : ; ? / < > * | + = [ ] " ( ) ^ ! $ ' % &

ここで定義した名前は、msレコードで使用します。

振り分け条件

“all”または帳票をグループ化するための下記の形式の条件式を指定します。

条件キー=条件キーの内容 区切り文字 条件キー=条件キーの内容


振り分け条件には、空白文字は使用できません。

振り分け条件が半角の“all”の場合は、すべての条件とみなし、帳票はグループ化されません。


条件キー

dfレコードで定義した抜き出しキー名、または帳票配信サービスで定義されている予約語を指定します。詳細は、dfレコードを参照してください。


条件キーの内容

条件キーの内容の記述方法は、以下の4つがあります。

文字列 ・・・指定した文字列と一致する

文字列* ・・・指定した文字列で始まる

*文字列 ・・・指定した文字列で終わる

*文字列* ・・・指定した文字列を含む


区切り文字

“&” で区切った場合は、AND条件と見なします。

“|” で区切った場合は、OR条件と見なします。

AND条件とOR条件を同時に指定した場合は、AND条件が優先されます。

“条件キー=条件キーの内容”は“区切り文字”によって、最大10個まで1つのmfレコードに定義できます。

固定文字列の “*”、“all”、および区切り文字は半角で指定します。

◆定義例

mfレコードの定義方法の例を以下に示します。

例1:

“所属情報”の内容が“総務課”で始まっていて、かつ、“名前情報”の内容が“富士通花子”である帳票を分類するための条件式を定義し、その条件式を“条件A”という名前で参照できるように定義する場合の例。

mf,条件A,所属情報=総務課*&名前情報=富士通花子

dfレコードで、“所属情報”が“df,所属情報,1,4,100,112”、“名前情報”が“df,名前情報,1,5,100,110”と定義されていれば、例えば、1ページ目が下記の体裁をもつ一連の帳票は、“条件A”によって分類できます。

例2:

A、B、C、D、E、F、G、H、I、Jのいずれかのユーザが実行したJCLの帳票を分類するための条件式を定義し、その条件式を“TEST”という名前で参照できるように定義する場合の例。

mf,TEST,user=A|user=B|user=C|user=D|user=E|user=F|
mf,+,user=G|user=H|user=I|user=J

2行目のmfレコードは、1行目のmfレコードの継続行となっています。


例3:

帳票をグループ化しない場合の例。

mf,all,all

8.9.3.3 msレコード

msレコードは、どの帳票をどこに振り分けるかを定義するレコードです。


◆定義形式

msレコードは、以下の形式で定義します。

ms,条件グループ名,振り分け先のサーバ名(サーバ上のノード)

msレコードは、1024個まで定義できます。


◆指定項目

msレコードのそれぞれの指定項目について以下に示します。

項 目

説 明

レコード種別

固定文字列“ms”を指定します。

条件グループ名

mfレコードで定義したグループ名を指定します。

振り分け先のサーバ名

自サーバ名、または他サーバ名を指定します。
指定したサーバに帳票が振り分けられます。
固定文字列 “*”を指定すると、自サーバを振り分け先のサーバとみなします。

サーバ上のノード

振り分け先のサーバ上のノードを指定します。
指定可能なノードは以下のとおりです。

  • List Worksの受信フォルダ名
    帳票を電子化するときに指定します。

  • 帳票管理サービスのあて先

    Windowsプリンタ、VSPプリンタへ印刷する場合または帳票をFAXに送信する場合に指定します。

  • 固定文字列“!PDF”

    帳票をPDF化する場合に指定します。

  • 固定文字列“!ASSORT”

    帳票をList Worksの帳票仕分け管理で定義した仕分け環境に従って配信する場合に指定します。

  • 固定文字列“+”

    他の配信先のサーバの配信環境定義に従って帳票を配信する場合に指定します。

  • 固定文字列“!CSV”

    帳票をCSV形式に変換し活用する場合に指定します。

  • 固定文字列“!CSVTEST”

    帳票のプレーンテキストファイルを出力する場合に指定します。

上記に該当しない文字列を指定した場合、振り分けエラーとなりますので注意が必要です。


◆定義例

msレコードの定義方法の例を以下に示します。

例1:

“条件A”という条件グループによって分類される帳票を、“TOKYOU1”というサーバ上にある“東京本社1”という名前のList Worksの受信フォルダに配信する場合の例。

ms,条件A,TOKYOU1(東京本社1)

配信先のサーバの指定方法は、自サーバであるか、他サーバであるかに関係なく同じです

例2:

“条件B”という条件グループによって分類される帳票を、“YOKOHAMA1”という配信先のサーバにPDFファイルとして配信する場合の例。

ms,条件B,YOKOHAMA1(!PDF)

配信先のサーバの指定方法は、自サーバであるか、他サーバであるかに関係なく同じです。

PDFファイルを格納するフォルダは、ASSORT仕分け定義体で定義します。

ASSORT仕分け定義体に関する詳細については、“3.2.4 帳票の仕分け/PDF化/FAX送信/電子化の定義”または“3.3.2 帳票の仕分け/PDF化/FAX送信/電子化の定義”を参照してください。
例3:

自サーバに配信されたすべての帳票を、“YOKOHAMA1”という他サーバへ配信し、 YOKOHAMA1 で定義された振り分け条件に従って、帳票を配信する場合の例。

ms,all,YOKOHAMA1(+)

上記のmsレコードは、自サーバに対するmsレコードよりも後に記述してください。また、転送先の YOKOHAMA1 で、配信環境定義をする必要があります。


注意

  • 振り分け先のサーバ名に“-”(ハイフン) を含んだコンピュータ名を指定した場合は、ハイフンより前までの文字列と同じ名前を持つコンピュータが存在しないことを確認してください。

  • 配信先のList Worksの受信フォルダ名やプリンタ名などは重複しないように定義してください。重複して定義されていた場合には、以下の優先順位で配信先を決定します。

    優先度

    配信先

    ↑低

        

    ↓高

    帳票管理サービスのあて先

    List Worksの受信フォルダ

    “+”、“!ASSORT”、“!PDF”、“!CSVTEST”、“!CSV”

  • 条件が一致した配信先サーバ(自サーバも含む)へは、同一の帳票が配信されます。

    例えば、

    mf,all,all

    ms,all,SVA(folder1)

    ms,all,SVB(folder2)

    は、同じ帳票が2つのサーバへ同報されます。