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Interstage Business Application Server セットアップガイド
FUJITSU Software

19.5.6 クラスタサービスの設定

MSCSを使用する場合の環境設定方法は、“Interstage Application Server 高信頼性運用ガイド”を参照してください。

注意

MSCSを使用して、高信頼性ログサーバ機能をクラスタ構成にすることはできません。

PRIMECLUSTERを利用する場合、クラスタシステムに関連する環境設定として以下の作業を行います。

19.5.6.1 状態遷移プロシジャの修正

状態遷移プロシジャのサンプル

Interstageでは状態遷移プロシジャを利用し、Interstageの起動/停止および切替え処理を行います。Interstageでは以下のディレクトリ配下に状態遷移プロシジャのサンプルを提供します。使用者は、状態遷移プロシジャを環境に合わせて修正する必要があります。

/opt/FJSVisas/etc/HA/SynfinityCLUSTER

/opt/FJSVisas/etc/HA/PRIMECLUSTER

Interstageでは、以下の状態遷移プロシジャのサンプルを提供します。利用する機能に応じて、必要な状態遷移プロシジャを使用してください。

状態遷移プロシジャ名

同期アプリケーション連携実行基盤

非同期アプリケーション連携実行基盤

COBOL(注1)

Java(注1)

JMX_INTERSTAGE
(JMX管理サーバの起動/停止用)

IS_INTERSTAGE
(Interstage起動/停止用)

ES_INTERSTAGE
(イベントサービス用)

ODWU_INTERSTAGE
(CORBAワークユニットおよび非同期ワークユニット用)

IJSERVER_INTERSTAGE
(IJServer用)

(注2)

(注3)

○:必須、-:不要

注1) 業務処理実行アプリケーションの言語種別です。
注2) クライアントアプリケーション(Servlet/JSPまたはEJB)用として必要です。
注3) 業務処理開始アプリケーション用として必要です。

サンプルの利用方法

使用者は、以下の手順で状態遷移プロシジャの修正を行います。

修正を行った後、修正したプロシジャには実行権限を付与してください。

[状態遷移プロシジャの複写]

Interstageから提供されているすべての状態遷移プロシジャのサンプルを、使用者の任意のディレクトリ配下に、以下の命名で複写してください。

userApplication名.状態遷移プロシジャ名 (注)

) userApplication名には、識別しやすいように、PRIMECLUSTERのクラスタアプリケーション名を指定することを推奨します。

複写した状態遷移プロシジャのうち、以下の状態遷移プロシジャについては、修正を行う必要があります。

サンプルを複写するディレクトリは、共用ディスクではなく、各ノードごとのローカルディスクとしてください。
また、プロシジャは各ノードで同一の位置に格納してください。

[状態遷移プロシジャの内容の修正]

複写した状態遷移プロシジャの内容の修正方法を、以下に説明します。

userApplication名.IS_INTERSTAGEの修正

ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリが何らかの異常で停止した場合でも、待機側に切り替えたくない場合は、状態遷移プロシジャ内のIS_ISV_WATCH_MODEに“0”を設定してください。通常は“1”が設定されており、切替えの対象となっています。切り替えたい場合は、修正の必要はありません。

ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリが異常終了してもクラスタサービスを切り替えたくない場合

IS_ISV_WATCH_MODE="0"

状態遷移プロシジャ内でInterstageに必要な環境変数を設定するため、以下の記述を追加します。

例内の“# for Interstage Business Application Server (Start)”の行から“# for Interstage Business Application Server (End)”の行までが、編集で追加する内容です。

Interstage Business Application Serverに同梱しているSymfoware/RDB、またはSymfoware Serverを利用する場合
# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh  は、“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”で指定したスクリプトと同一のスクリプトとなります。設定の詳細は“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”を参照してください。

注意

データベース連携用のイベントチャネルをクラスタ運用する場合、環境変数“APFW_DBCHNL_NSINFO”に、クラスタで引き継がれるIPアドレスに対応したホスト名を指定する必要があります。環境変数を以下の2つのファイルに指定してください。

  • /opt/FJSVibs/etc/def/apfwenv.confに環境変数“APFW_DBCHNL_NSINFO=ホスト名”の設定を追加してください。

  • /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.shの最終行に環境変数“export APFW_DBCHNL_NSINFO=ホスト名”の設定を追加してください。

Oracleを利用する場合
# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.sh  は、“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”で指定したスクリプトと同一のスクリプトとなります。設定の詳細は“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”を参照してください。

注意

データベース連携用のイベントチャネルをクラスタ運用する場合、環境変数“APFW_DBCHNL_NSINFO”に、クラスタで引き継がれるIPアドレスに対応したホスト名を指定する必要があります。環境変数を以下の2つのファイルに指定してください。

  • /opt/FJSVibs/etc/def/apfwenv.confに環境変数“APFW_DBCHNL_NSINFO=ホスト名”の設定を追加してください。

  • /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.shの最終行に環境変数“export APFW_DBCHNL_NSINFO=ホスト名”の設定を追加してください。

userApplication名.IJSERVER_INTERSTAGEの修正/userApplication名.ODWU_INTERSTAGEの修正

運用ノードで起動するワークユニット、および切り替え時に引き継ぐワークユニットを設定します。ワークユニットごとの状態遷移プロシジャを以下に示します。

状態遷移プロシジャ内のWU_NAMEにワークユニット名を、以下のように記述してください。

WU1、WU2を起動および事前起動したい場合

WU_NAME="WU1 WU2"

注意

記述する項目は半角空白で区切ってください。

userApplication名.ES_INTERSTAGEの修正

イベントチャネルに「イベントサービス起動時にイベントチャネルを自動起動しない」という設定を行った場合は、当該状態遷移プロシジャにより、運用ノードで起動する、および切替え時に動作するイベントチャネルを設定する必要があります。状態遷移プロシジャ内の“ES_CHNL”に起動するイベントチャネルグループ名を記述してください。
ただし、すべてのイベントチャネルに初期値(省略値)である「イベントサービス起動時にイベントチャネルを自動起動する」という設定を行っている場合、当該状態遷移プロシジャを登録する必要はありません。
また、不揮発運用を行うイベントチャネルの場合、ユニットはイベントチャネル起動時に自動起動されるため、記述する必要はありません。

イベントチャネルグループmix1、mix2、mix3を起動したい場合

ES_CHNL=”mix1 mix2 mix3”

注意

記述する項目は半角空白で区切ってください。

状態遷移プロシジャ内でInterstageに必要な環境変数を設定するため、以下の記述を追加します。

例内の“# for Interstage Business Application Server (Start)”の行から“# for Interstage Business Application Server (End)”の行までが、編集で追加する内容です。

Interstage Business Application Serverに同梱しているSymfoware/RDB、またはSymfoware Serverを利用する場合
# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh  は、“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”で指定したスクリプトと同一のスクリプトとなります。設定の詳細は“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”を参照してください。

Oracleを利用する場合
# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.sh は、“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”で指定したスクリプトと同一のスクリプトとなります。設定の詳細は“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”を参照してください。

userApplication名.JMX_INTERSTAGEの修正

userApplication名.JMX_INTERSTAGE内に、アプリケーション連携実行基盤で使用しているデータベースの種類に応じた環境変数設定の記述を追加するため、以下の記述を追加します。

例内の“# for Interstage Business Application Server (Start)”の行から“# for Interstage Business Application Server (End)”の行までが、編集で追加する内容です。

Interstage Business Application Serverに同梱しているSymfoware/RDB、またはSymfoware Serverを利用する場合
# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcsymfo.sh  は、“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”で指定したスクリプトと同一のスクリプトとなります。設定の詳細は“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”を参照してください。

Oracleを利用する場合
# for Interstage Business Application Server (Start)
. /opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.sh
# for Interstage Business Application Server (End)

/opt/FJSVibs/etc/def/apfwrcoracle.sh は、“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”で指定したスクリプトと同一のスクリプトとなります。設定の詳細は“8.3.5 Interstage JMXサービスのrcプロシジャの編集”を参照してください。

19.5.6.2 状態遷移プロシジャの登録

リソース情報の設定

状態遷移プロシジャのリソース情報を設定する場合、“プロセスの再起動回数”を“0”に、“プロセスの再起動間隔”を“0”に、“プロセスの再起動回数の初期化”を“しない”に設定してください。
設定については、claddprocrscコマンドで行います。claddprocrscコマンドについては、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

状態遷移指示タイミングの設定

Interstageから提供している状態遷移プロシジャに対し、以下に示すタイミングで呼び出されるように設定してください。設定については、claddprocrscコマンドで行います。claddprocrscコマンドについては、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

  [START-RUN]
      ・AFTER
      ・CUTOFF/BUILDIN
  [START-WAIT]
      ・AFTER
  [STOP-RUN]
      ・BEFORE
  [STOP-WAIT]
      ・BEFORE
  [FAIL-RUN]
      ・BEFORE
  [FAIL-WAIT]
      ・BEFORE

状態遷移プロシジャをuserApplicationに登録

状態遷移プロシジャをuserApplicationに登録します。「リソースの起動順序」については、以下の優先順位で呼び出されるように登録してください。
優先度の設定については、“userApplication Configuration wizard”の“Resourceの作成”で行います。“userApplication Configuration wizard”については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

リソースの起動優先度

プロシジャクラスのBasicApplicationに登録するリソースの起動優先度を、以下の表の、起動優先度の値が小さい順に呼び出されるように設定してください。

状態遷移プロシジャ名

起動優先度(注1)

データベースに関する状態遷移プロシジャ (注2)

100

Symfowareのネーミングサービスの生存監視を行う状態遷移プロシジャ (注3)

150

userApplication.JMX_INTERSTAGE

200

userApplication.IS_INTERSTAGE

300

userApplication.ES_INTERSTAGE (注4)

400

userApplication.ODWU_INTERSTAGE

500

userApplication.IJSERVER_INTERSTAGE

600

注1) リソースを登録する際、ほかのリソースと重複しなければ本表の値を指定してください。claddprocrscコマンドを実行する場合、-pオプションに本表の値を指定してください。
注2) データベースまたは高信頼性ログのサーバ機能をアプリケーション連携実行基盤と同一のサーバで運用する場合、Interstageの状態遷移プロシジャよりも優先度を高く設定してください。
注3) Symfowareを使用する場合、“19.5.9 アプリケーション連携実行基盤が使用するデータベースをクラスタ構成で利用する場合の注意事項”を参考に状態遷移プロシジャを登録してください。
注4) すべてのイベントチャネルに初期値(省略値)の「イベントサービス起動時にイベントチャネルを自動起動する」という設定を行っている場合、この状態遷移プロシジャを登録する必要はありません。

操作手順

各手順で、状態遷移プロシジャを実行するすべてのノードにおいて以下に示す操作を行ってください。

  1. 状態遷移プロシジャの登録

    clsetproc -c BasicApplication (注1)
    -m IS_INTERSTAGE (注2)
    -o [複写したディレクトリ名]/userApplication名.IS_INTERSTAGE (注2)

  2. 状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースの登録

    claddprocrsc -k IS_INTERSTAGE (注2)
    -m IS_INTERSTAGE (注2)
    -c BasicApplication (注1)
    -K AFTER -w -L AFTER -S BEFORE -T BEFORE -V BEFORE -W BEFORE -u 0 -t 0 -p 300

  3. userApplicationに状態遷移プロシジャ用リソースのPRIMECLUSTER用リソースとして登録

    手順2.で作成したリソースをPRIMECLUSTER用のリソースとして登録します。
    操作は“userApplication Configuration wizard”の“Resourceの作成”から行います。
    リソースの名前は、上記「リソースの起動優先度」の形式にしてください。
    “userApplication Configuration wizard”については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

  4. userApplicationへの状態遷移用プロシジャ用リソース登録

    手順3.で作成したすべてのリソースを“19.5.5.1 クラスタサービス(userApplication)の起動”で作成したuserApplicationに登録します。
    また「userApplicationの属性」については、「StandbyTransitions」に「ClearFaultRequest|StartUp|SwitchRequest」を設定してください。
    userApplicationへの登録方法およびuserApplicationの属性の設定方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

オプションに指定するパラメタについて:

1) ODWU_INTERSTAGE/IJSERVER_INTERSTAGEの場合は省略
2) 登録するリソースの名前に合わせて変更してください。

  1. 状態遷移プロシジャの登録

    clsetproc -c BasicApplication (注1)
    -m IS_INTERSTAGE (注2)
    -o [複写したディレクトリ名]/userApplication名.IS_INTERSTAGE (注2)

  2. 状態遷移プロシジャを使用するアプリケーションリソースの登録

    claddprocrsc -k IS_INTERSTAGE (注2)
    -m IS_INTERSTAGE (注2)
    -c BasicApplication (注1)
    -K AFTER -w -L AFTER -S BEFORE -T BEFORE -V BEFORE -W BEFORE -u 0 -t 0 -p 300

  3. userApplicationに状態遷移プロシジャ用リソースのPRIMECLUSTER用リソースとして登録

    手順2.で作成したリソースをPRIMECLUSTER用のリソースとして登録します。
    操作は、“RMS Wizard”から行います。
    リソースの名前は、上記「リソースの起動優先度」の形式にしてください。
    “RMS Wizard”については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

  4. userApplicationへの状態遷移用プロシジャ用リソース登録

    手順3.で作成したすべてのリソースを“19.5.5.1 クラスタサービス(userApplication)の起動”で作成したuserApplicationに登録します。
    また「userApplicationの属性」については、「StandbyTransitions」に「ClearFaultRequest|StartUp|SwitchRequest」を設定してください。
    userApplicationへの登録方法およびuserApplicationの属性の設定方法については、PRIMECLUSTERのマニュアルを参照してください。

オプションに指定するパラメタについて:

1) ODWU_INTERSTAGE/IJSERVER_INTERSTAGEの場合は省略
2) 登録するリソースの名前に合わせて変更してください。