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Interstage Information Storage 導入ガイド
Interstage

7.3.2 DSSファイルシステムの作成

この節では、DSSファイルシステムの作成の流れについて説明します。

また、作成済みのファイルシステムのパーティションを使用して DSS ファイルシステムを作成する場合の注意事項について説明します。


7.3.2.1 共用ディスク設定

DSS ファイルシステムは、すべての DSS サーバおよび DSS クライアントから使用できる、共用デバイス上の共用ディスクに作成します。

DSS ファイルシステムは、udev 機能により生成される by-id 名を使用します。by-id 名は、ハードディスクに設定されている個別識別情報から生成されるデバイス名です。

各ノードは、by-id 名を使用することにより、常に同じデバイス名で特定のディスクにアクセスできます。

従来の互換デバイス名から by-id 名を特定するには、udevinfo(8) を使用します。

by-id 名の確認例を、以下に示します。

管理パーティションを作成するデバイス名:/dev/sdb

udevinfo -q symlink -n /dev/sdb <Enter>
disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

注意

  • udevinfo(8) で確認した by-id 名を使用するには、先頭に "/dev/" を追加する必要があります。

  • fdisk(8) や parted(8) などのコマンドで共用ディスクのパーティション情報を変更した場合は、 “D.18 共用ディスクのパーティションを操作した場合の注意事項”を参照して、すべてのノードでパーティション情報を最新にしてください。


7.3.2.2 ファイルシステム作成

DSSファイルシステムは、sfcmkfs(8) によって作成されます。sfcmkfs(8)は、DSS サーバで実行します。

参照

sfcmkfs(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

以下の項目について説明します。

sfcmkfs(8)で使用するデフォルトのパラメタ

2.4.2 DSSファイルシステムの設計”で述べたように、事前に決定したファイルシステムの運用に沿ってパラメタの値を指定します。

以下に sfcmkfs(8) で使用するデフォルトのパラメタを示します。

表7.1 sfcmkfs(8) で使用するデフォルトのパラメタ

パラメタ

デフォルト値

データブロックサイズ
(-o blocksz=n)

ファイルデータ領域のサイズをもとに、以下の式から自動算出された大きいほうの値

  • ファイルシステムサイズ÷1G を2のべき乗で切り上げた値

  • ファイルシステムを構成する最大パーティションサイズ÷128メガを2のべき乗で切り上げた値

最小空き領域
(-o free=n)

ファイルデータ領域の10%

iノード数
(-o nbpi=n)

論理ブロックサイズ分のディスク領域に 1個
ただし、最大 128メガ個まで

アップデートログ領域サイズ
(-o logsz=n)

ファイルシステムサイズの約1%
ただし、5メガバイト以上、50メガバイト以下に設定

メタデータ領域サイズ
(-o metasz=n)

ファイルシステムサイズの約10%

注意

  • メタデータ領域サイズを指定しない場合、ファイルシステムサイズが大きくなるほど、メタデータ領域の使用割合は少なくなります。

  • ファイルシステム作成後に、データブロックサイズを変更することはできません。

  • 蓄積添付ファイル、バックアップ蓄積添付ファイルを格納する場合、指定したディレクトリ配下に2階層のディレクトリを自動的に作成します。自動的に作成されるディレクトリもiノード数の考慮に入れて、ファイルシステムを作成してください。


MDS 運用情報設定

可用性向上のため MDS 運用情報を指定する場合の、DSSファイルシステムの代表的なファイルシステムの作成例を示します。

MDS運用情報を指定する場合のファイルシステム作成時の指定オプションの例は以下の表のとおりです。

表7.2 MDS運用情報の指定パラメタ

指定オプション

設定値

代表パーティション

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

プライマリMDS

mikan

セカンダリMDS

karin

上記の設定でファイルシステムの作成を行う場合のsfcmkfs(8)の実行例は以下のとおりです。

 sfcmkfs -o node=mikan,karin /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

参照

MDS のダウンリカバリについては、“解説書”の“ダウンリカバリ機能”を参照してください。


代表的なファイルシステム構成

DSSファイルシステムの代表的なファイルシステム構成の作成例を以下に示します。

シングルパーティション構成

DSS ファイルシステムの作成は、ファイルシステムを作成するパーティションを指定します。この場合、代表パーティションには、メタデータ領域、アップデートログ領域、ファイルデータ領域のすべての種類を作成します。

シングルパーティション構成時のファイルシステム作成時の指定オプションの例は以下の表のとおりです。

表7.3 シングルパーティション構成の指定パラメタ

指定オプション

設定値

代表パーティション
(メタデータ、ログ、データ)

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

プライマリMDS

mikan

セカンダリMDS

karin


上記の設定でファイルシステムの作成を行う場合のsfcmkfs(8)の実行例は以下のとおりです。

sfcmkfs -o node=mikan,karin /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

図7.3 シングルパーティション構成


マルチパーティション構成(複数ファイルデータパーティション構成)

ファイルデータ領域のマルチパーティション指定をするためには、代表パーティションと、ファイルデータパーティションの指定が必要です。この場合、代表パーティションには、メタデータ領域、アップデートログ領域、ファイルデータ領域が作成されます。

複数ファイルデータパーティション構成時のファイルシステム作成時の指定オプションの例は以下の表のとおりです。

表7.4 複数ファイルデータパーティション構成の指定パラメタ

指定オプション

設定値

代表パーティション
(メタデータ、ログ、データ)

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

ファイルデータパーティション

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370108

プライマリMDS

mikan

セカンダリMDS

karin


上記の設定でファイルシステムの作成を行う場合のsfcmkfs(8)の実行例は以下のとおりです。

sfcmkfs -o data=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107,
data=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370108,node=mikan,karin
/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

図7.4 複数ファイルデータパーティション構成


マルチパーティション構成(ファイルデータ領域の分離)

ファイルデータ領域のマルチパーティション指定を行う場合に、-o dataopt=y オプションの指定により、代表パーティションにファイルデータ領域を含めない構成をとることができます。

ファイルデータ領域分離時のファイルシステム作成時の指定オプションの例は以下の表のとおりです。

表7.5 ファイルデータ領域分離時の指定パラメタ

指定オプション

設定値

代表パーティション
(メタデータ、ログ)

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

ファイルデータパーティション

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370108

プライマリMDS

mikan

セカンダリMDS

karin


上記の設定でファイルシステムの作成を行う場合のsfcmkfs(8)の実行例は以下のとおりです。

sfcmkfs -o dataopt=y,data=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370107,
data=/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370108,node=mikan,karin
/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

図7.5 ファイルデータ領域の分離構成


DSSファイルシステムのカスタマイズ

DSS ファイルシステムを作成する sfcmkfs(8) では、ファイルシステムをカスタマイズするパラメタを用意しています。以下に、代表的なパラメタについて説明します。

作成したメタデータ領域のサイズの確認

ファイルシステム作成後に、総iノード数とVデータ領域のサイズが見積もりどおりになっているかを確認します。見積もりより小さい場合は、sfcmkfs(8)実行時のパラメタを調整し、DSSファイルシステムを再作成します。

総iノード数、およびVデータ領域のサイズはsfcdf(8)で確認できます。

2.4.2.4 メタデータ領域のサイズの設計 ”で見積もったメタデータ領域のサイズを262144メガバイト、nbpiの値を65536としてDSSファイルシステムを作成した場合の sfcdf(8) の実行例は以下のとおりです。

sfcdf -v /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
Filesystem:                                                            
                 inodes     free    vdata     free     leaf     free Type
/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106             
               67108864 67108860 22369620 22369618 268435456 268435455 META
               (注1)          (注2)
                 kbytes                                                     
/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106                  
                  51200                                               LOG   
                 kbytes     used     free    %used                         
/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106                   
              236248712        0 236248712       0%                    DATA

注1) 総iノード数

注2) Vデータブロックの個数

総iノード数の比較

作成された総iノード数と、" 2.4.2.4 メタデータ領域のサイズの設計"で見積もった総iノード数を比較します。

  1. 作成された総iノード数が、見積もった総iノード数より多い場合は、次にVデータ領域のサイズを確認します。

  2. 作成された総iノード数が、見積もった総iノード数より少ない場合は、sfcmkfs(8)に指定するnbpiの値を小さくしてファイルシステムを再作成します。再作成されたDSSファイルシステムの総iノード数を再確認します。

    2.の手順を示します。

    1. DSSファイルシステムを sfcadm(8) で削除します。

      sfcadm -D /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    2. sfcmkfs(8)に指定したnbpiの値を小さくし、 DSSファイルシステムを作成します。

      sfcmkfs -o metasz=262144,nbpi=32768,node=mikan,karin /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    3. ファイルシステムの再作成後、作成された総iノード数が、見積もった総iノード数よりも多くなっていることを確認してください。

      sfcdf -v /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
Vデータ領域のサイズの比較

作成されたVデータ領域のサイズと、"2.4.2.4 メタデータ領域のサイズの設計 "で見積もった Vデータ領域のサイズを比較します。Vデータ1ブロックのサイズは1024バイトです。sfcdf(8)で表示されるVデータブロックの個数に1024をかけた値が、Vデータ領域のサイズです。

  1. 作成されたVデータ領域のサイズが、見積もったVデータ領域のサイズより大きい場合は完了です。

  2. 作成されたVデータ領域のサイズが、見積もったVデータ領域のサイズより小さい場合は、不足しているVデータ領域のサイズ分のメタデータの領域を増やしファイルシステムを再作成します。

    不足しているVデータ領域のサイズ(バイト) = 見積もったVデータ領域のサイズ(バイト) - 作成されたVデータ領域のサイズ(バイト)

    備考. 小数点以下は切り上げます。

    2.の手順を示します。

    1. 作成したファイルシステムのメタデータ領域のサイズをsfcinfo(8)コマンドで確認し、不足しているVデータ領域のサイズ(メガバイト)を追加します。

      sfcinfo /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
      /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106
      FSID special                                            size  Type  mount
         1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106(814)  268435455  META
                                                            (注)
         1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106(814)      51193   LOG
         1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106(814)  236248712  DATA

      注) メタデータ領域のサイズ

    2. DSSファイルシステムを sfcadm(8) で削除します。

      sfcadm -D /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    3. 改めて見積もったメタデータ領域のサイズを metasz に指定し、 DSSファイルシステムを作成します。

      sfcmkfs -o metasz=270000,nbpi=32768,node=mikan,karin /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
    4. ファイルシステムの再作成後、作成されたVデータ領域のサイズが、見積もったVデータ領域のサイズよりも大きい値になっていることを確認してください。

      sfcdf -v /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

7.3.2.3 DSS クライアント情報の登録

DSSファイルシステムでは、ファイルシステムごとに接続許可リストファイルを作成して、DSSクライアントのホスト名を登録します。接続許可リストファイルは、DSSサーバで作成します。

DSS クライアント情報の登録の手順を、以下に説明します。

  1. 接続許可リストファイルを作成します。

    接続許可リストファイルは/etc/sfcfsディレクトリ配下にある、server.conf.sampleファイルをコピーして作成してください。

    注意

    • 接続許可リストファイルは、DSS サーバの /etc/sfcfs 配下に配置してください。

    • 接続許可リストファイルの名前は、ファイルシステムID 部分以外 (server.conf.)の変更はしないでください。

    • 接続許可リストファイルの権限はreadだけとなっています。編集を行う場合は、強制書込みを行ってください。


  2. 接続許可リストファイルに DSS クライアント情報を登録します。

    接続許可リストファイルに設定するエントリについて、以下に説明します。

    • CLIENT フィールド

      DSS サーバに接続を許可する DSS クライアントのホスト名を指定します。


  3. 接続許可リストファイルを各 DSS サーバに配付します。

    DSS サーバを冗長化している場合は、他の DSS サーバに配付します。


以下の設定を前提としたDSS クライアント情報の登録の手順の例を示します。

表7.6 クライアント情報登録時の指定パラメタ

パラメタ名

設定値

ファイルシステムID

1

プライマリDSSサーバ

mikan

セカンダリDSSサーバ

karin

DSSクライアント

host1

host2


  1. 接続許可リストファイルを作成します。

    mikanサーバの/etc/sfcfsディレクトリ配下にある、server.conf.sampleファイルをコピーして、server.conf.1ファイルを作成してください。

    cd /etc/sfcfs <Enter>
    cp ./server.conf.sample server.conf.1  <Enter>
  2. 接続許可リストファイルに DSS クライアント情報を登録します。

    server.conf.1ファイルを編集し、末尾に登録を行うDSSクライアント情報を追記します。

    cat server.conf.1 <Enter>
    #
    # Copyright (c) 2009 FUJITSU LIMITED. All rights reserved.
    #
    #
    # Dynamic Store Services MDS node configuration file.
    # /etc/sfcfs/server.conf.<FSID>
    #
    # Client host-name list of this file system.
    #
    # Notes:
    # Do not describe the host name of MDS itself.
    #
    # example:
    #CLIENT nodeac1
    #CLIENT nodeac2
    #CLIENT nodeac3
    #CLIENT nodeac4
    #CLIENT nodeac5
    CLIENT host1
    CLIENT host2

  3. 接続許可リストファイルを各 DSS サーバに配付します。

    karinサーバに作成した接続許可リストファイルを配付します。

    cd /etc/sfcfs <Enter>
    scp ./server.conf.1 root@karin:/etc/sfcfs/server.conf.1 <Enter>

7.3.2.4 通信プロトコルの選択

MDSとACとの間の通信プロトコルとして IPv6を使用するかIPv4を使用するかを、ファイルシステムごとに設定します。

デフォルト(ファイルシステムを作成したときに登録される通信プロトコル)は、IPv4 です。

注意

  • 通信プロトコルはファイルシステムごとに設定できますが、管理を容易にするため、すべてのファイルシステムで同じにすることを推奨します。

  • 通信プロトコルは、“3.7.5 ホスト名の設定”で/etc/hostsに登録したDSSサーバおよびDSSクライアントのIPアドレスの種別に適合するものを選択してください。適合しない通信プロトコルを選択した場合、DSSファイルシステムをマウントできません。

IPv6を使用する場合の設定手順を、以下に示します。IPv4を使用する場合は、設定作業は不要です。


  1. チューニングパラメタSFCFS_IPV6に1を設定します。

    sfcadm -o SFCFS_IPV6=1 /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>
  2. チューニングパラメタSFCFS_IPV6に1が設定されたことを確認します。

    sfcinfo -e /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 | grep SFCFS_IPV6 <Enter>
    SFCFS_IPV6=1

7.3.2.5 ファイルシステム構成情報ファイルの配付

DSSサーバで ファイルシステム構成情報ファイルを生成した後、ロードサーバセット、抽出サーバセットおよびIISクライアントセットの各 DSSクライアントに配付します。

  1. ファイルシステム構成情報ファイルを sfcmkconf(8) で生成します。

    sfcmkconf(8) は、DSS サーバで実行します。


  2. 生成したファイルシステム構成情報ファイルの名前を、ファイルシステムIDから論理ファイルシステム名に変更します。ファイルシステムIDについては、sfcinfo(8)で確認できます。

    注意

    ファイルシステム構成情報ファイルの名前は、ファイルシステム ID 部分以外 (client.conf.) の変更をしないでください。


  3. ファイルシステム構成情報ファイルを、各 DSS クライアントに配付します。

    注意

    ファイルシステム構成情報ファイルは、各 DSS クライアントの /etc/sfcfs 配下に配置してください。


以下の設定を前提としたファイルシステム構成情報の配付の作業手順の例を示します。

表7.7 ファイルシステム構成情報配付時の指定パラメタ

パラメタ名

設定値

ファイルシステムID

1

論理ファイルシステム名

dss1

DSSクライアント

host1

host2


  1. ファイルシステム構成情報ファイルを sfcmkconf(8) で生成します。

    sfcmkconf <Enter>
  2. 生成したファイルシステム構成情報ファイルの名前を、ファイルシステム ID から論理ファイルシステム名に変更します。

    cd sfcmkconf_out <Enter>
    mv ./client.conf.1 client.conf.dss1 <Enter>
  3. ファイルシステム構成情報ファイルを、各 DSS クライアントに配付します。

    scp ./client.conf.dss1 root@host1:/etc/sfcfs/client.conf.dss1 <Enter>
    scp ./client.conf.dss1 root@host2:/etc/sfcfs/client.conf.dss1 <Enter>
    

参照

sfcmkconf(8) とsfcinfo(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。


7.3.2.6 fstab の設定

DSSファイルシステムにおける /etc/fstab の記述内容を説明します。

DSS サーバ fstab 設定

DSS サーバでは、作成したすべての DSS ファイルシステムに関するエントリを、/etc/fstab に書く必要があります。

また、同一ファイルシステムに対するエントリは、すべての DSS サーバで一致する必要があります。

/etc/fstab に設定するDSS ファイルシステムのエントリについて、以下に説明します。

以下に、/etc/fstab の設定例を示します。

表7.10 DSS サーバ起動時に rw モードでマウントする場合の指定内容

パラメタ

device to mount

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

mount point

/mnt/fs1

filesystem type

sfcfs

mount options

rw, noauto

dump frequency

0

fsck pass

0

上記のパラメタで/etc/fstab の設定を行う場合は、以下のように各パラメタの値を/etc/fstabに記載してください。


表7.11 DSS サーバ起動時にマウントしない場合の指定内容

パラメタ

device to mount

/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106

mount point

/mnt/fs1

filesystem type

sfcfs

mount options

rw, noauto, noatrc

dump frequency

0

fsck pass

0

上記のパラメタで/etc/fstab の設定を行う場合は、以下のように各パラメタの値を/etc/fstabに記載してください。


7.3.2.7 DSSファイルシステムのマウント

DSSファイルシステムを使用するには、はじめに、DSSファイルシステムをマウントします。DSS ファイルシステムでは、必ずDSSサーバ、DSS クライアントの順でマウントしてください。DSS サーバの前に DSSクライアントをマウントすると、マウントが失敗します。

DSSサーバを冗長化する構成をとっている場合、すべてのDSSサーバでマウントを行うか、特定のDSSサーバでマウントを行うかで実行コマンドが異なります。

すべてのノードのマウント状態は、DSS サーバで sfcmntstat(8) を実行して確認します。

注意

DSS サーバでは、/etc/fstab にエントリが記述されていない場合に、マウントが失敗します。また、sfcmntgl(8)および sfcmount(8) には、マウントオプションを指定できません。

sfcmntgl(8) および sfcmount(8) 実行時は、 /etc/fstab の mount options に書かれたものがマウントオプションとして使用されます。


参考

DSS サーバを冗長化していない場合は、sfcmntgl(8) と sfcmount(8) のどちらのコマンドを使用しても動作に違いはありません。

sfcmntgl (8)は、プライマリ DSS サーバおよびセカンダリ DSS サーバのどちらでも使用できます。


すべての DSS サーバでマウント

すべての DSS サーバでファイルシステムをマウントする場合は、sfcmntgl(8) を使用します。sfcmntgl(8) は、DSS サーバで実施できます。

参照

sfcmntgl(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

以下に、すべてのDSS サーバでマウントする場合の例を示します。指定形式は、以下の3パターンいずれを指定してもかまいません。

  • マウントポイント(/mnt/fs1)を指定する場合

    sfcmntgl /mnt/fs1 <Enter>

  • 代表パーティション(/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106)を指定する場合

    sfcmntgl /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 <Enter>

  • マウントポイント(/mnt/fs1)、代表パーティション(/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106)両方を指定する場合

    sfcmntgl /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 /mnt/fs1 <Enter>

一部の DSS サーバでマウントに失敗した場合は、失敗した DSS サーバ名が報告されます。


特定 DSS サーバでマウント

特定 DSS サーバでファイルシステムをマウントする場合は、sfcmount(8) を使用します。sfcmount(8) は、DSS サーバで実施できます。

参照

sfcmount(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

以下に、特定の DSS サーバでマウントする方法を示します。指定形式は、以下の3パターンいずれを指定してもかまいません。

  • マウントポイント(/mnt/fs1)を指定する場合

    sfcmount /mnt/fs1 <Enter>

  • 代表パーティション(/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106)を指定する場合

    sfcmount /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 

  • マウントポイント(/mnt/fs1)、代表パーティション(/dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106)両方を指定する場合

    sfcmount /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106 /mnt/fs1 <Enter>


7.3.2.8 ファイルシステム状態確認

DSSファイルシステムをマウントすることにより、使用可能な状態となったことを sfcmntstat(8) により確認します。

sfcmntstat(8)は、DSSサーバから実行します。

以下の状態が確認できれば、対象ファイルシステムは正常に動作しています。

参照

sfcmntstat(8)の詳細については、“コマンドリファレンス”を参照してください。

以下に、DSS ファイルシステム状態 (マウント状況) を、sfcmntstat(8) で確認する例を示します。

sfcmntstat <Enter>

MountPoint /mnt/fs1
Device /dev/disk/by-id/scsi-1FUJITSU_300000370106
SV MDS mikan:9420 Active
SV MDS karin:9420 Standby
SV AC  mikan Normal
SV AC  karin Normal

7.3.2.9 作成済みのファイルシステムのパーティションを使用する場合の注意

作成済みのファイルシステムのパーティションを使用して DSS ファイルシステムを新規に作成する場合には、以下の注意事項があります。