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ETERNUS SF Storage Cruiser 15.3 運用ガイド
ETERNUS

8.3.1 サーバノードの部品交換

本製品に登録されているサーバノードのHBA交換に必要な手順を示します。

注意

  • 作業の前に、Webコンソールのグローバルナビゲーションタブの[ネットワーク]を選択して、アクセスパス設定に関連するファイバーチャネルスイッチにカスケードされているすべてのファイバーチャネルスイッチが正しく認識されていることを確認してください。

    一時的にカスケードから外れているファイバーチャネルスイッチが存在している状態でアクセスパスが変更されると、以前のカスケード接続を簡単に復旧できない状態となります。この場合、一時的にカスケードから外れていたファイバーチャネルのゾーニング情報を、ファイバーチャネルスイッチのcfgClearコマンドなどで削除することで、再度カスケード接続が可能となります。

  • 本製品がサーバノードのHBA交換を認識できる基本条件は、以下のとおりです。

    • サーバノードにエージェントがインストールされている。

    • サーバノードの同一スロット(物理ポート番号)上でHBAを交換する。

    • サーバノードが、本製品に登録されている。

    • 交換元のHBAに対して、アクセスパスが設定されている。

  • 本製品でHBAのアクセスパス継承を行う場合、以下に注意してください。

    • ゾーニングの設定は、1対1のWWPNゾーニングである必要があります。

      以下のゾーニング設定を使用している環境ではアクセスパスの継承は行えません。

      • ポートゾーニング

      • 1対1でないWWPNゾーニング

    • 以下の装置に対するゾーニングの設定は引き継ぐことができません。

      • テープライブラリ装置

      • ETERNUS ディスクアレイ以外のストレージ装置

    • ホスト登録情報のホスト番号を引き継ぐことができません。ホスト名は引継ぎ可能です。

    • ゾーニングが設定されていないアクセスパスに対して継承を実施した場合は、ゾーニングの作成をスキップして、ホスト登録およびホストアフィニティ設定だけを実施します。

    • FCルーティング機能を使用している環境でのアクセスパス継承について、FCルーティング機能で必要な LSANゾーンは、本製品で正しく設定変更できません。

      アクセスパス継承を行う場合は、事前に、サーバノード/ファイバーチャネルスイッチ/ストレージの各装置で、必要なLSAN設定を手動で変更してください。

    • VMware Infrastructure 3 Version 3.5以降、VMware vSphere 4以降、またはVMware ESXi 3.5以降の場合は、アクセスパス継承後に以下のどちらかを実行してください。

      • VMホストの再起動

      • アクセスパス継承を行ったHBAに対してVMware Infrastructure ClientからRescanを実行

    VMware Infrastructure Clientの操作については、「4.1.8.2 VMware Infrastructure 3 Version 3.5以降、VMware vSphere 4以降、またはVMware ESXi 3.5以降」の「構成管理」の「アクセスパス管理」を参照してください。

8.3.1.1 サーバノードのHBA交換

サーバノードのHBAを交換する場合は、OSに応じて、作業を実施してください。

8.3.1.1.1 SolarisサーバノードのHBA交換

SolarisサーバノードでHBAを交換する場合、以下の手順で実施してください。

HBAを非活性で交換する場合

活性交換機能をサポートしていないサーバノードでのHBAの交換は、サーバノードをシャットダウンして行います。この交換手順中に再構成(reconfigure)モードでサーバノードの再起動またはシャットダウンをしないでください。reboot -rコマンドやboot -rコマンドなどを実行すると、特殊ファイル名が変更されます。

  1. サーバノードのシャットダウン

    以下のコマンドを実行して、/reconfigureファイルが存在しないことを確認し、サーバノードをシャットダウンします。

    # ls /reconfigure
    /reconfigure: No such file or directory

    /reconfigureファイルが存在する場合は、以下の手順を実施してください。

    1. 以下のコマンドを実行して、/reconfigureファイルを削除します。

      # rm /reconfigure
    2. ls コマンドを実行して、再度、/reconfigureファイルの存在を確認します。

    3. 再構成(reconfigure)を行わずにシャットダウンします。

      # /usr/sbin/shutdown -y -i0 -g0

    /reconfigureファイルは、交換作業後に再作成してください。その後、サーバノードを再起動します。

  2. HBAの交換

    故障部品の交換は、当社技術員(CE)に連絡してください。

  3. サーバノードの起動

    サーバノードを起動します。

    ここでは、アクセスパスは復旧しません。これは、ストレージおよびファイバーチャネルスイッチに前のHBAの情報を基にしたゾーニングが定義されているためです。

  4. 本製品からサーバノードに対して[設定の再読み込み]を実施

  5. アクセスパスの継承(セキュリティの再設定)

    本製品で「8.3.1.2 HBA交換後のアクセスパス継承」を実行し、新しいHBA情報を基に、前のアクセスパスと同等にアクセスできるゾーニング設定を、ストレージおよびファイバーチャネルスイッチに定義します。

  6. サーバノードの再起動

    再構成なし(reboot -r/boot -r などは禁止)で、サーバノードを再起動してください。

    # /usr/sbin/shutdown -i6

    アクセスパスとマルチパスディスク制御のパスが復旧します。

HBAを活性交換する場合

活性交換機能をサポートしているサーバノードでは、サーバノードをシャットダウンすることなくHBAを交換することが可能です。活性交換方法は、装置のマニュアルを参照してください。

  1. HBAの活性交換

    装置のマニュアルを参照してHBAの活性交換を実施してください。

    故障部品の交換は、当社技術員(CE)に連絡してください。

  2. 本製品からサーバノードに対して[設定の再読み込み]を実施

  3. アクセスパスの継承(セキュリティの再設定)

    本製品で「8.3.1.2 HBA交換後のアクセスパス継承」を実行し、新しいHBA情報を基に、前のアクセスパスと同等にアクセスできるゾーニング設定を、ストレージおよびファイバーチャネルスイッチに定義します。

8.3.1.1.2 Solarisサーバノード以外のHBA交換

Solarisサーバノード以外でHBAを交換する場合、以下の手順で実施してください。

HBAを非活性で交換する場合

活性交換機能をサポートしていないサーバノードでのHBAの交換は、サーバノードをシャットダウンして行います。

  1. サーバノードシャットダウン

  2. HBAの交換

  3. サーバノードの起動

    ここではアクセスパスは復旧しません。これは、ストレージおよびファイバーチャネルスイッチに前の HBAの情報を基にしたゾーニングが定義されているためです。

  4. 本製品からサーバノードに対して[設定の再読み込み]を実施

  5. アクセスパスの継承(セキュリティの再設定)

    本製品で「8.3.1.2 HBA交換後のアクセスパス継承」を実行し、新しい HBA 情報を基に、前のアクセスパスと同等にアクセスできるゾーニング設定を、ストレージおよびファイバーチャネルスイッチに定義します。

  6. サーバノードの再起動

HBAを活性交換する場合

活性交換機能をサポートしているサーバノードでは、サーバノードをシャットダウンすることなくHBAを交換することが可能です。活性交換方法は、装置のマニュアルを参照してください。

  1. HBAの活性交換

    装置のマニュアルを参照してHBAの活性交換を実施してください。

    故障部品の交換は、当社技術員(CE)に連絡してください。

  2. 本製品からサーバノードに対して[設定の再読み込み]を実施

  3. アクセスパスの継承(セキュリティの再設定)

    本製品で「8.3.1.2 HBA交換後のアクセスパス継承」を実行し、新しいHBA情報を基に、前のアクセスパスと同等にアクセスできるゾーニング設定を、ストレージおよびファイバーチャネルスイッチに定義します。

8.3.1.2 HBA交換後のアクセスパス継承

本製品でHBAのアクセスパス継承を行う手順を示します。HBA交換後のHBA状態に応じて、作業を実施してください。

注意

  • Solaris OSでHBAを交換した場合、通常、HBAの状態は「Changed」となります。

    本製品は、交換対象のHBAを経由するデバイス(LUN)の特殊ファイル(/dev/rdsk/cXtXdXsX)を参照して、HBAの状態を判定しています。このため、HBA交換後に、当該の特殊ファイルが削除されたなどの理由で参照できない場合は、HBAの状態は「Changed」になりません。

  • LinuxでHBAを活性交換した場合は、同一スロットで交換を行うときでもHBAの状態は、「Changed」になりません。

8.3.1.2.1 HBA交換後のHBA状態がChangedのとき

本製品は、エージェントがインストールされているサーバノードのHBAの交換を行った後、サーバノードに対して[設定の再読み込み]を実行するとHBA交換を認識し、サーバ詳細画面のメインペインに表示されているHBAの状態を「Changed」に変更します。HBA交換の自動認識は、ホストの同一スロット(物理ポート番号)に異なったWWPNのHBAが搭載されていることで検出します。

このときのアクセスパス継承方法の流れを以下に示します。

ポイント

以下の操作を行う前に、「8.3.1 サーバノードの部品交換」の注意事項をお読みください。

  1. 継承状態のHBAの確認

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. メインペインで、サーバ名をクリックします。

    3. メインペインで、HBAの状態がChangedになっていることを確認します。

  2. アクセスパス継承

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. メインペインで、サーバの「名前」部分をクリックします。

    3. メインペインで、状態がChangedになっているHBAのチェックボックスをチェックします。

    4. アクションペインで、[アクセスパス]の下にある[継承]をクリックします。

  3. アクセスパスの継承確認

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. [サーバ]ペインで、[アクセスパス]をクリックします。

    3. 交換先のHBAを使用して、アクセスパスが設定されていることを確認します。

8.3.1.2.2 HBA交換後のHBA状態がChangedでないとき

本製品は、HBAの状態を「Changed」にできない場合があります。以下の状況に応じて、作業を実施してください。

手動組込みサーバノードのHBA交換時

8.3.3 手動組込み装置の部品交換」を参照してください。

上記以外の場合

以下の手順でアクセスパスを変更します。

サーバノード側の設定が必要な装置の場合は、手動でこの設定を実施する必要があります。

ポイント

操作を行う前に、「8.3.1 サーバノードの部品交換」の注意事項をお読みください。

  1. 交換先HBAの検出

    対象サーバの設定を再読み込みして交換先HBAの検出を行います。

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. メインペインで、対象サーバのチェックボックスをチェックします。

    3. アクションペインで、[サーバ]の下にある[設定の再読込み]をクリックします。

  2. 交換先HBAの確認

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. メインペインで、サーバ名をクリックします。

    3. メインペインで、交換元と交換先のHBAが表示されていることを確認します。

  3. アクセスパス変更

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. [サーバ]ペインで、[アクセスパス]をクリックします。

    3. メインペインで、変更対象のアクセスパスのチェックボックスをチェックします。

    4. アクションペインで、[アクセスパス]の下にある[変更]をクリックします。

    5. アクセスパス設定を変更します。

  4. アクセスパスの変更確認

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。

    2. [サーバ]ペインで、[アクセスパス]をクリックします。

    3. 交換先のHBAを使用して、アクセスパスが設定されていることを確認します。

  5. 後作業

    設定変更後、活性構成変更をサポートしていないサーバノードの場合は再起動してください。