本コマンドでの注意事項を以下に示します。
同一レプリケーショングループ名(-rに指定する抽出定義名は異なる)を指定したグループ単位レプリケーションの全件抽出(-m all)を、複数同時に実行することはできません。
抽出定義に条件指定がある場合は、その条件を満たすデータだけが抽出されます。なお、条件に合致していたデータが、条件外になる場合は、削除差分の差分データが取得され、逆に条件内になる場合は、追加差分の差分データが取得されます。
一意性制約の構成列が更新された場合は、削除差分と追加差分の2つの差分データが取得されます。
DSIの分割キー値が更新された場合は、差分反映操作が削除差分と追加差分の2つの差分データが取得されます。ただし、抽出定義にDSI名を指定し、分割キー値を更新した結果、抽出定義に指定したDSIに該当しなかったデータが、該当するデータとなる場合は、追加差分の差分データが取得され、逆に該当しなくなる場合は、削除差分の差分データが取得されます。
運用種別に“LOAD”または“MEMBER”を指定した抽出定義に対して、差分抽出(-m diff)を指定した場合、本コマンドは異常終了します。
運用種別に“COPY”を指定した抽出定義に対しては、全件抽出(-m all)、差分抽出(-m diff)のどちらも指定可能です。
全件抽出(-m all)が実行中の場合、または抽出が完了した全件抽出に対する業務確定コマンド(lxcmtdbコマンド)が未実行状態の場合は、差分抽出(-m diff)を実行することはできません。
差分抽出(-m diff)が実行中の場合、または抽出が完了した差分抽出に対する業務確定コマンド(lxcmtdbコマンド)が未実行状態の場合は、全件抽出(-m all)を実行することはできません。
ナル表示域の有無に“NO”を指定した抽出定義に対しては、データの項目に1つでもナル値である項目が存在する場合、そのデータは抽出されません。
指定する抽出データ格納ファイル名は、ほかの抽出定義の抽出データ格納ファイル名と一致しないよう注意してください。レプリケーショングループ名指定時は、既存ファイルを抽出データ格納ファイル名として指定した場合、エラーとなります。
本コマンドが作成した抽出データ格納ファイルは、業務確定コマンド(lxcmtdbコマンド)を実行することによって削除されます。
業務確定コマンド(lxcmtdbコマンド)を実行しないで本コマンドを実行する場合、前回に指定した抽出データ格納ファイル名と同じ名前のファイル名を指定してください。このとき、そのファイルにデータを追加する形で抽出を行います。ただし、業務確定コマンドを実行しないで本コマンドを実行できるのは、前回に差分抽出(-m diff)を指定し、かつ今回も差分抽出(-m diff)を指定する場合だけです。これ以外の場合は、本コマンドは異常終了します。
表単位のレプリケーションの場合、全件抽出(-m all)を指定した場合は、抽出差分形式に“JNL”を指定している抽出定義であっても、抽出差分形式に“OPEN”を指定したのと同じデータ形式で抽出されます。
全件抽出(-m all)を指定したとき、Symfoware/RDBが起動されていない場合、本コマンドは異常終了します。
作業ファイル格納ディレクトリパス名(-t)を指定する場合、利用者の所持するファイルを格納したディレクトリパス名を指定しないでください。本コマンドが異常終了するか、利用者の所持するファイルを削除、上書きする可能性があります。
本コマンド実行中にSymfoware/RDBの緊急停止、およびオペレーティングシステムのダウンが発生した場合、本コマンドを再実行すると重複した差分ログが抽出される場合があります。このため複写先システムでのLinkexpressのDB動作環境定義のDIFFERENCE_APPLY_ERRORにCONTINUEを指定してください。
本コマンドでデータの抽出時にコード変換や数値の表現形式の変換を行う場合、内部的にLinkexpressのDB連携機能が動作します。コード変換や数値の表現形式の変換方法をカストマイズしたい場合は、LinkexpressのDB動作環境定義を指定してください。なお、有効になるオペランドは、以下のとおりです。
本コマンドの実行者は、指定したパスに対してファイルを作成する権限が必要となります。
本コマンド実行中にオペレーティングシステムのダウンなどによりコマンドの不整合状態が発生し、本コマンドを再実行するとエラーとなる場合、業務確定コマンド(lxcmtdbコマンド)を実行して不整合状態を解除してください。ただし、業務確定コマンドを実行すると、差分ログを格納した抽出データ格納ファイルが削除されるため、複写先システムに差分ログが複写されなくなります。このため、対象の抽出定義および、対象のレプリケーショングループに属するすべての抽出定義に対して、全複写業務を必ず行うようにしてください。
マルチRDB運用のときは、環境変数RDBNAMEで対象のRDBシステム名を設定してください。
XLデータ共用を利用して、グローバルサーバまたはPRIMEFORCEとのデータ共用を行う場合、抽出データ格納ファイルとして、XLデータ共用の共用ディスクを指定しないでください。抽出データ格納ファイルはUNIX専用ディスクを指定し、本コマンド実行後に、抽出データをXLデータ共用の共用ディスクに複写してください。
全件抽出(-m all)において、業務を多重で実行する場合や、対象となるデータ量が多い場合は、作業ディレクトリパスを指定(-t)することを推奨します。作業ディレクトリの使用量見積り方法については、“A.4.2 全件抽出時の作業域の容量見積り”を参照してください。