JBKプラグインのJavaコンソールを説明します。
JBKプラグインは、アプレットのデバッグ時に有効な情報を表示するJavaコンソールを提供しています。Javaコンソールには、以下の情報が表示されます。
アプレット実行時に、標準出力(System.out)あるいは標準エラー出力(System.err)に出力された文字列
AppletContextクラスのshowStatusメソッドを実行して、ブラウザのステータスウィンドウに表示された文字列
アプレット実行時に発生した例外を表すメッセージ
図2.2 JBKプラグインのJavaコンソール

Javaコンソールには、以下の2つのボタンがあります。
クリア:表示されている内容をすべて消去します。
閉じる:Javaコンソールを非表示にします。
また、Javaコンソール上で以下のキーを押下することにより、Javaコンソール上に情報を出力することができます。
Javaコンソールのクリア
ガベージコレクションの実行
キーボードヘルプを表示
メモリ使用量の表示
システムプロパティの出力
スレッドリストの出力
JBKプラグインのトレース出力(クラスのロードおよびHTTPプロトコルの接続状態などをトレースします)の切り替え
AWTEventのトレース出力(FocusEvent、KeyEvent、MouseEvent、およびWindowEventをトレースします)の切り替え
Javaコンソールの表示/非表示の設定方法
Javaコンソールは、JBKプラグインインストール時のデフォルト状態(初期状態)では非表示になっています。JBKプラグイン起動時のJavaコンソールの表示/非表示を設定する場合には、jbkplugin.propertiesの中に以下の行を記述してください。
jbk.plugin.console.visible=<Javaコンソールの表示/非表示> |
<Javaコンソールの表示/非表示>には、以下のどちらかを設定してください。
JBKプラグインの起動時に、Javaコンソールを表示します。
JBKプラグインの起動時に、Javaコンソールを表示しません。(デフォルト)
Javaコンソールを非表示にした後に再表示したいときには、アプレットにフォーカスがある状態で[Ctrl]+[Alt]+[Insert]キーを押下します。
アプレットからのJavaコンソールの表示/非表示の制御方法
JBKプラグインが提供するPluginAppletContextインタフェースを使うと、アプレットからJavaコンソールの表示/非表示の制御を行うことができます。PluginAppletContextインタフェースのAPIは、以下のとおりです。
インタフェース名
com.fujitsu.jbk.plugin.browser.PluginAppletContext
(extends java.applet.AppletContext)
メソッド:
setConsoleVisible
プラグインのコンソールの表示/非表示を切り替えます。
public abstract void setConsoleVisible(boolean visible) |
true:Javaコンソールを表示します。
false:Javaコンソールを非表示にします。
isConsoleVisible
プラグインのコンソールの表示/非表示の状態を返します。
public abstract boolean isConsoleVisible() |
Javaコンソールが表示されている時はtrue、非表示の時はfalseを返します。
PluginAppletContextインタフェースのクラスファイルは、JBKプラグインの開発用jarファイルに格納されています(JBKをインストールしたフォルダ配下の“classes\jbkstd.jar”になります)。PluginAppletContextインタフェースを使用したアプレットのクラスをコンパイルする場合は、クラスパスにJBKプラグインの開発用jarファイルが含まれていることを確認してください。
PluginAppletContextは、AppletクラスのgetAppletContext()メソッドを呼び出して取得できます。したがって、例えば以下のようなアプレットを作成し、このアプレットを実行するためのタグをHTMLファイルに記述しておくと、このアプレットをJavaコンソール表示用のボタンとして使用できます。
import java.applet.*;
import java.awt.*;
import java.awt.event.*;
import com.fujitsu.jbk.plugin.browser.PluginAppletContext;
/**
* コンソール表示用のボタンを持つアプレット
*/
public class ConsoleButton extends Applet implements ActionListener {
/**
* アプレットの初期化
*/
public void init() {
/* Javaコンソール表示のためのボタンの作成 */
setLayout(new BorderLayout());
Button b = new Button("コンソールの表示");
b.addActionListener(this);
add(b);
}
/**
* ボタンが押されたときの処理。Javaコンソールを表示する。
*/
public void actionPerformed(ActionEvent e) {
// AppletContextを取得する。
// JBKプラグインを使用しているときには、PluginAppletContextが返る。
AppletContext context = getAppletContext();
try {
// 取得したAppletContextがPluginAppletContextかどうかを確認する。
if (context instanceof PluginAppletContext) {
PluginAppletContext plgContext = (PluginAppletContext)context;
// Javaコンソールが表示されていない場合は、表示する。
if (!plgContext.isConsoleVisible()) {
plgContext.setConsoleVisible(true);
}
}
} catch (Throwable ignore) { /* この処理で発生した例外に対しては何も行わない */ }
}
} |