複写元ボリュームに対する前後処理は、複写元データを保証するために行います。
複写先ボリュームに対する前後処理は、同期処理実行中やスナップショットコピー時に、他プロセスがアクセスできないようにするために行います。
複写元/複写先のボリュームがパーティションの場合、ファイルシステムが構築されていることを前提として、「表C.1 複写元/複写先のボリュームがパーティションの場合の前後処理」を実施します。
対象 | 契機 | 内容 |
---|---|---|
複写元ボリューム | 前処理 |
|
後処理 |
| |
複写先ボリューム | 前処理 |
|
後処理 |
|
複写元/複写先のボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合、「表C.2 複写元/複写先のボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合の前後処理」を実施します。
対象 | 契機 | 内容 |
---|---|---|
複写元ボリューム | 前処理 |
|
後処理 |
| |
複写先ボリューム | 前処理 |
|
後処理 |
|
ファイルシステムの前後処理の実施状況は、以下のとおりです。
この表は、前後処理が実行されるかは、コマンドごとに異なること、コマンド実行時のコピー状態でも異なることを示します。
コマンド | コピー状態 | 複製元/複製先 | 前処理 | 後処理 |
---|---|---|---|---|
未コピー状態、 | 複写元 | × | × | |
複写先 | ○--(1) | △--(2) | ||
「12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」 | 等価性維持状態 | 複写元 | ○ | ○ |
複写先 | △--(1) | ○--(2) | ||
等価性維持状態 | 複写元 | ○ | ○ | |
複写先 | △--(1) | ○--(2) | ||
複製確立状態 | 複写元 | × | × | |
複写先 | × | × | ||
コピー中 | 複写元 | × | × | |
複写先 | × | △--(2) | ||
「12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」 | 未コピー状態 | 複写元 | ○ | ○ |
複写先 | ○ | ○ |
○: 実施する
△: 複写先ボリュームがクラスタシステムの共用ボリュームの場合、実施する(ただし、複写先前後処理スクリプトは呼び出さない)。
×: 実施しない
(1)で行った前処理に対する後処理は(2)で行われます。ファイルシステムの前後処理は、カスタマイズ可能なようにスクリプトになっています。レプリケーション管理のコマンドを実行した場合、前後処理は上の表に従います。また、サーバ間レプリケーションにおいて、接続されていないボリュームの場合、TCP/IPによるリモート実行で前後処理スクリプトが実行されます。
以下に、前後処理の動作イメージを示します。
前後処理で標準の前後処理以外に必要な処理がある場合は、それぞれのスクリプトをカスタマイズしてください。
スクリプトをカスタマイズする場合は、以下のエラーコード規約に従ってください。
エラーコード | 用途 |
---|---|
0~99 | 使用不可(AdvancedCopy Managerが予約) |
100~255 | 使用可能 |
注意
AdvancedCopy Managerが前後処理の機能を提供するアプリケーションは、Oracle、SQL Server、Exchange、およびHyper-Vです。これら以外のアプリケーションを利用する場合は、AdvancedCopy Managerのコマンドを実行する前後で、必要に応じて独自に前後処理を実施してください。