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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

C.2.1 ファイルシステムの前後処理

複写元ボリュームに対する前後処理は、複写元データを保証するために行います。
複写先ボリュームに対する前後処理は、同期処理実行中やスナップショットコピー時に、他プロセスがアクセスできないようにするために行います。

複写元/複写先のボリュームがパーティションの場合、ファイルシステムが構築されていることを前提として、「表C.1 複写元/複写先のボリュームがパーティションの場合の前後処理」を実施します。

表C.1 複写元/複写先のボリュームがパーティションの場合の前後処理

対象

契機

内容

複写元ボリューム

前処理

  • デフォルトの場合

    複写元ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

  • -Xflushオプションを指定しない、かつ、BufferFlushOnly=offの場合

    複写元ボリュームをロックします。

  • -fオプション指定の場合

    処理を実施しません(前処理スクリプトは実行されません)。

後処理

  • デフォルトの場合

    処理を実施しません。

  • -Xflushオプションを指定しないの場合

    複写元ボリュームのロックを解除します。

  • -fオプション指定の場合

    処理を実施しません(後処理スクリプトは実行されません)。

複写先ボリューム

前処理

  • デフォルトの場合

    複写先ボリュームをロックします。

  • -tオプション指定の場合

    処理を実施しません(前処理スクリプトは実行されません)。

後処理

  • デフォルトの場合

    複写先ボリュームのロックを解除します。

  • -tオプション指定の場合

    処理を実施しません(後処理スクリプトは実行されません)。

複写元/複写先のボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合、「表C.2 複写元/複写先のボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合の前後処理」を実施します。

表C.2 複写元/複写先のボリュームがLogical Unit(ディスク)の場合の前後処理

対象

契機

内容

複写元ボリューム

前処理

  • デフォルトの場合

    Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションのファイルシステムバッファーをフラッシュします。

  • -Xflushオプションを指定しない、かつ、BufferFlushOnly=offの場合

    Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションをロックします。

  • -fオプション指定の場合

    処理を実施しません(前処理スクリプトは実行されません)。

後処理

  • デフォルトの場合

    処理を実施しません。

  • -Xflushオプションを指定しない場合

    Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションのロックを解除します。

  • -fオプション指定の場合

    処理を実施しません(後処理スクリプトは実行されません)。

複写先ボリューム

前処理

  • デフォルトの場合

    1. Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションをロックします。

    2. Logical Unit(ディスク)に含まれるパーティションの、ドライブ文字またはマウントポイントの割当てを解除します。

    3. Logical Unit(ディスク)に含まれる全パーティションを削除します。

  • -tオプション指定の場合

    処理を実施しません(前処理スクリプトは実行されません)。

後処理

  • デフォルトの場合

    Logical Unit(ディスク)の管理情報(パーティションテーブルなど)が更新されたことをOSに通知します。また、「C.2.6 ドライブ文字マップファイル」に複写先ディスクの設定がある場合、以下の処理を行います。

    1. Logical Unit(ディスク)内のパーティションに、ドライブ文字またはマウントポイントを割り当てられる状態になるまで、待ち合わせます。

    2. ドライブ文字マップファイルに従って、ドライブ文字またはマウントポイントを割り当てます。

  • -tオプション指定の場合

    処理を実施しません(後処理スクリプトは実行されません)。

ファイルシステムの前後処理の実施状況は、以下のとおりです。
この表は、前後処理が実行されるかは、コマンドごとに異なること、コマンド実行時のコピー状態でも異なることを示します。

表C.3 ファイルシステムの前後処理

コマンド

コピー状態

複製元/複製先

前処理

後処理

12.4.2.1 swsrpstartsync(複製開始コマンド)

未コピー状態、
または
複製確立状態

複写元

×

×

複写先

○--(1)

△--(2)

12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)
(同期型レプリケーションの場合)

等価性維持状態

複写元

複写先

△--(1)

○--(2)

12.4.2.4 swsrpcancel(複製解除コマンド)

等価性維持状態

複写元

複写先

△--(1)

○--(2)

複製確立状態

複写元

×

×

複写先

×

×

コピー中

複写元

×

×

複写先

×

△--(2)

12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)
(スナップショット型レプリケーションの場合)

未コピー状態

複写元

複写先

○: 実施する
△: 複写先ボリュームがクラスタシステムの共用ボリュームの場合、実施する(ただし、複写先前後処理スクリプトは呼び出さない)。
×: 実施しない

(1)で行った前処理に対する後処理は(2)で行われます。ファイルシステムの前後処理は、カスタマイズ可能なようにスクリプトになっています。レプリケーション管理のコマンドを実行した場合、前後処理は上の表に従います。また、サーバ間レプリケーションにおいて、接続されていないボリュームの場合、TCP/IPによるリモート実行で前後処理スクリプトが実行されます。

以下に、前後処理の動作イメージを示します。

図C.1 同期型レプリケーション時の処理方法(複写元ボリュームのファイルシステムバッファーをフラッシュする場合)

図C.2 同期型レプリケーション時の処理方法(複写元ボリュームをロックする場合)

前後処理で標準の前後処理以外に必要な処理がある場合は、それぞれのスクリプトをカスタマイズしてください。

スクリプトをカスタマイズする場合は、以下のエラーコード規約に従ってください。

表C.4 エラーコード規約

エラーコード

用途

0~99

使用不可(AdvancedCopy Managerが予約)

100~255

使用可能

注意

AdvancedCopy Managerが前後処理の機能を提供するアプリケーションは、Oracle、SQL Server、Exchange、およびHyper-Vです。これら以外のアプリケーションを利用する場合は、AdvancedCopy Managerのコマンドを実行する前後で、必要に応じて独自に前後処理を実施してください。