スナップショット型高速バックアップの注意事項について説明します。
バックアップボリュームの必要数について
スナップショット型高速バックアップでは、指定世代本数のバックアップボリュームが必要です。このため、以下の場合はバックアップできません。
指定世代本数分がバックアップされている。かつ
バックアップボリュームとして利用できる新規ボリュームが1本もない。
連続バックアップについて
同じ業務ボリュームを指定して、スナップショット型高速バックアップを連続して実施すると、平行してバックアップ処理が行われます。
保存世代数以上のスナップショット型高速バックアップを連続して実施すると、最も古いバックアップ処理から順にキャンセルされます。すなわち、指定世代本数以上のバックアップ処理は同時に実施できません。
SDXオブジェクトのバックアップ運用について
業務ボリュームがSDXオブジェクトの場合、ハードウェアのトラブルなどによりバックアップ運用を継続できなくなるときがあります。このときは、以下の操作を行ってバックアップ運用を変更してください。
Webコンソールを起動します。詳細は、「3.4.2 Webコンソールの起動」を参照してください。
バックアップ運用を変更する管理対象サーバ(Storageサーバ)に対して、全デバイス情報を取り込みます。デバイス情報を取り込むと、バックアップ運用を継続できなくなったSDXオブジェクトと同じ名前のデバイスが検出されるので、[追加指示デバイス]欄に移動してください。デバイス情報の取込み方法は、「3.4.4 管理対象サーバ配下のデバイス情報の取込み」を参照してください。なお、この時、元のSDXオブジェクトが[検出されなかったデバイス]欄に表示されますが、削除しないでください。
追加したSDXオブジェクトを業務ボリュームとして設定します。詳細は、「3.4.6 デバイスの運用種別設定」を参照してください。
追加したSDXオブジェクトのバックアップポリシーを設定します。詳細は、「3.4.7 バックアップポリシーの設定」を参照してください。
追加したSDXオブジェクトを指定して、バックアップしてください。
カスケードコピーとコンカレントOPCを組み合わせた運用時の注意事項
カスケードコピーで使用しているボリュームをコピー元に指定し、「12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」でコンカレントOPCを実行した場合、複数ボリューム間でのデータ更新の順序性が保証できないことがあります。
このとき、エラーメッセージが表示されて、コマンドが異常終了します。
メッセージの対処後もエラーが解消されない場合は、アドバンスト・コピーの運用方法やシステム構成の変更を推奨します。
アドバンスト・コピーの運用方法やシステム構成が変更できない場合は、複数ボリューム間でのデータ更新の順序性を設定するファイル(check.ini)を作成し、順序性の保証を無効にしてからコンカレントOPCを再実行してください。複数ボリューム間でのデータ更新の順序性は保証されません。
check.iniは、「12.4.2.2 swsrpmake(複製作成コマンド)」を実行するサーバの、以下のパスに作成します。
通常(非クラスタ)運用の場合
<環境設定ディレクトリ>\etc\repl\data\DEFAULT |
クラスタ運用の場合
<論理ノード用環境設定ディレクトリ>\etc\repl\data\DEFAULT |
セクション名 | キー名 | 値 |
---|---|---|
[check] | ConcurOPCCascade | 複数ボリューム間でのデータ更新の順序性保証を設定します。 |
[順序性の保証を無効にする場合の例]
[check] ConcurOPCCascade=No |
ポイント
ETERNUS ディスクアレイが以下のどれかの場合は、データ更新の順序性の保証に関係なく、コンカレントOPCが実行されます。ただし、複数ボリューム間でのデータ更新の順序性は保証されません。
ETERNUS DX80/DX80 S2 (ファームウェア版数がV10L30より前の場合)
ETERNUS DX90/DX90 S2 (ファームウェア版数がV10L30より前の場合)
ETERNUS DX400/DX400 S2 series (ファームウェア版数がV10L30より前の場合)
ETERNUS DX8000/DX8000 S2 series (ファームウェア版数がV10L30より前の場合)