コンポーネントセット単位でバックアップする方法を説明します。
バックアップは、「12.7.6 swsrpvrq shadow backup-hyperv(Hyper-Vバックアップコマンド)」を実行することにより行います。
[実行例(バックアップサーバから実行)]
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvrq shadow backup-hyperv -h HVHOST01 -cs VMSet1 swsrp5209このコンポーネントはバックアップ対象に含まれます。コンポーネント名=Guest1 swsrp5210このコンポーネントはバックアップ対象から除外されます。コンポーネント名=Guest2 ‘swsrpvrq shadow backup-hyperv' completed |
本コマンドを実行すると以下の処理が行われます。
コンポーネントセットに定義されたコンポーネントのうち、本コマンドを実行したサーバで稼働しているゲストOSだけがバックアップされます。
バックアップ対象となるゲストOSとバックアップ対象から除外されるゲストOSは、上記[実行例(バックアップサーバから実行)]の、swsrp5209およびswsrp5210のメッセージのように表示されます。
バックアップ対象ボリュームのシャドウコピーがバックアップ先ディスクに作成されます。バックアップ後のバックアップボリュームは読み取り専用(read-only)ボリュームとなります。
ドライブ文字マップファイルを作成している場合は、その内容に基づいてバックアップボリュームにドライブ文字またはマウントポイントが割り当てられます。
ライタメタデータドキュメント(Writer Metadata Document)、およびバックアップコンポーネントドキュメント(Backup Components Document)がバックアップサーバの以下の場所に保存されます。これらのファイルはリストア時に使用されます。
ファイル | 出力先 |
---|---|
ライタメタデータドキュメント | <環境設定ディレクトリ>\etc\repl\data\vrq\<Hyper-Vホストの管理対象サーバ(Storageサーバ)名>\componentset\metadoc\<コンポーネントセット名>.wmd.xml |
バックアップコンポーネントドキュメント | <環境設定ディレクトリ>\etc\repl\data\vrq\<Hyper-Vホストの管理対象サーバ名>\componentset\metadoc\<コンポーネントセット名>.bcd.xml |
作成したシャドウコピーの情報やアドバンスト・コピーの進捗状況は、「12.7.8 swsrpvrq shadow query(シャドウコピー状態表示コマンド)」で確認できます。
[実行例(バックアップサーバから実行)]
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvrq shadow query -h HVHOST01 -cs VMSet1 Volume: C:\ClusterStorage\Volume1 Snapshot-ID: {671777B8-3CE2-4dd9-B5E6-046827C0C0A5} Snapshot-Set-ID: {77ADA582-1BA6-4581-8049-C27325ECBA2E} Original-Volume: \\?\Volume{3C5C593B-AB79-4bb9-8B57-4A318658A9D4}\ Original-Machine: hvhost01.contoso.com Snapshot-Volume: \\?\Volume{560FDCCC-81F1-4503-972D-E983E37CEE73}\ Snapshot-Machine: bksvr.contoso.com Exposed-Path: C:\MountPoint\Volume1 Creation-Time: 2011/04/01:01:01 Guest-OS: Guest1, Guest2 |
また、「12.7.10 swsrpvrq advcopy query(アドバンスト・コピー状態表示コマンド)」でも確認できます。
[実行例(バックアップサーバから実行)]
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvrq advcopy query -h HVHOST01 -cs VMSet1 Type Original-Disk Replica-Disk Direction Status Execute Trk Update QOPC g1d1@HVHOST01 g1d2@BKSVR regular snap 4% ---- ---- |
注意
VSS連携バックアップの対象は、本コマンドを実行したサーバで稼働しているゲストOSだけです。
下図のように、HVHOST01でバックアップを実行すると、ゲストOS1だけデータ整合性が保証されます。ゲストOS2はVSSバックアップの対象外となり、ファイルのコピーは実行されますが、データの整合性は保証されません。
ひとつのCSVにある複数のボリュームが異なるHyper-Vホストで動作している場合は、それぞれのHyper-Vホストでバックアップを実行してください。ひとつのCSVに対して複数のHyper-Vホストから同時にバックアップを行うことはできません。
Hyper-Vホストごとに、バックアップデータおよびメタデータドキュメントを別の媒体(ディスクまたはテープ装置)にバックアップしてから、ほかのHyper-Vホストのバックアップを開始してください。
例
ゲストOS1とゲストOS2をバックアップする場合
バックアップコマンドを実行したサーバで2つのゲストOS(ゲストOS1とゲストOS2)が稼働している状況で、ゲストOS1とゲストOS2をバックアップする例について説明します。
HVHOST01でGuest1をバックアップします。
Guest1のバックアップデータおよびメタデータドキュメントを、テープ装置にバックアップします。
HVHOST02でGuest2をバックアップします。
Guest2のバックアップデータおよびメタデータドキュメントを、テープ装置にバックアップします。