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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 15.2 運用ガイド
ETERNUS

7.2.3 SnapOPC/SnapOPC+運用を行う場合の設計時の注意事項

7.2.3.1 セッション設定に関する注意事項

SnapOPC/SnapOPC+のコピー先ディスクであるSnap Data Volumeに対して、設定可能なセッションは1つです。

図7.12 Snap Data Volumeに対してセッションを1つ設定した場合

そのため、以下の図のように、1つのSnap Data Volumeに対して複数のセッションは設定できません。

図7.13 Snap Data Volumeに対して複数のセッションを設定した場合

また、以下の制限があります。

図7.14 Snap Data Volumeから複製元以外のディスクに対してコピーした場合

7.2.3.2 Snap Data Volume作成

Snap Data Volumeは、以下の手順で作成します。

  1. Snap Data Volumeの物理容量の算出

  2. Snap Data Volumeの定義と初期化

  3. ホストへの接続

  4. パーティション作成、ファイルシステム作成

Snap Data Volumeの物理容量の算出

Snap Data Volumeの物理容量の見積り式を以下に示します。

物理容量=(複製元ボリュームに対して発生する更新ブロック数)×(安全係数)

正確にはSnapOPC/SnapOPC+前にSnap Data Volumeに対して更新されたブロック数およびハードウェアが使用する管理領域(論理容量の0.1%程度)も考慮する必要がありますが、安全係数を大きくすることでカバーできます。

複製元ボリュームに対して発生した更新ブロック数の見積りは、「12.8.1 swstestupdate(更新量測定コマンド)」で測定できます。

測定は以下の手順で行います。

  1. 複製元ボリュームに対して擬似セッションを設定し、更新量の測定を開始します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate start g1d1p1
    g1d1p1 swstestupdate completed
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>
  2. 業務を開始します。業務によって発生した更新ブロックがハードウェアに記録されます。

  3. 測定期間が経過したあと、更新ブロック数を確認します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate status g1d1p1
    Volume-Name Update
    g1d1p1      644333
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>
  4. 測定完了後、擬似セッションを解除します。

    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin> swstestupdate stop g1d1p1
    g1d1p1 swstestupdate completed
    C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin>

Snap Data Volumeの定義と初期化

ETERNUS Web GUIを使用して、Snap Data Volumeの定義と初期化を行います。その際、論理容量は複製元ディスクと同じ容量に設定します(複製元ディスクと複製先ディスクのパーティション構成を同一にするため)。

ホストへの接続

作成したSnap Data Volumeをホストに接続します。手順は、ETERNUS ディスクアレイのマニュアルを参照してください。

パーティション作成、ドライブ文字の割当て

Snap Data Volumeに複製先ボリュームを作成するため、パーティションの作成とドライブ文字の割当てを行います。

注意

Snap Data Volumeの物理容量を無駄に消費することを避けるため、パーティションの作成とドライブ文字の割当てだけを行い、ファイルシステムの作成はクイックフォーマットで行ってください。

7.2.3.3 Snap Data Poolの作成

ETERNUS Web GUIを使用してSnap Data Poolを作成します。

Snap Data Poolの作成では、以下の点に注意してください。

注意

  • コピー容量を適切に見積もって算出したSnap Data Volumeの容量内で、コピーが完了できるように運用することが基本になります。Snap Data Poolはあくまで補助の領域とし、コピー時に、常に、Snap Data PoolからSnap Data Volumeに領域が追加されるように設計しないでください。

  • 各コピー元ボリュームの更新量を見積もり、Snap Data VolumeとSnap Data Poolの容量を決めてください。事前の見積りが難しい場合、Snap Data Volumeの容量+Snap Data Poolの容量はコピー元総容量の30~50%を推奨します(推奨値のため、運用状況に合わせてSnap Data Poolの容量を変更する必要があります)。

7.2.3.4 Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの監視

Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量が不足した場合、コピー先のボリューム(Snap Data Volume)へ一切アクセスできなくなります(コピー先データの読出し、コピー先へのデータの書込みが一切できない状態になります)。SnapOPC+の場合、読み書きできなくなったコピー先だけでなく、それ以前の世代のコピー先も読み書きできなくなります。

このため、運用時はSnap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量が不足しないように監視する必要があります。

なお、Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量が不足した場合は、「11.4.2.3 Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足が発生した場合の対処方法」を参照してください。

アクセスボリュームの作成

Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量が不足した場合、コピー先のボリューム(Snap Data Volume)へ一切アクセスできなくなります。

また、Snap Data VolumeまたはSnap Data Poolの容量不足以外でも、以下の場合は、Snap Data Volumeへアクセスできなくなります。

このため、事前に、Snap Data Volumeとは別のボリューム(アクセスボリューム)を準備しておくことを推奨します。

アクセスボリュームとして利用するボリュームは、Snap Data Volumeと同じETERNUS ディスクアレイ上に作成します。データの格納に使用しないため、容量は少なくても問題ありません。任意のサイズで作成してください。

アクセスボリュームにより、以下の操作が可能となります。

7.2.3.5 クラスタ運用

Snap Data Volumeをクラスタの共用ディスクにしないでください。物理容量が不足した際に、クラスタシステムがフェイルオーバする危険性を回避するためです。

クラスタ運用の場合は、以下の方法によってSnap Data Volumeを共用ディスクにしない必要があります。