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 Teamware Collaboration Suite V2.0グループウェア機能管理者ガイド

B.1.2 ローカルユーザ情報の登録/更新/削除

このユーティリティは、ローカルユーザ情報ファイルからTeamWARE Office Directoryに情報を移入します。また、登録されているローカルユーザ情報の変更、削除を行うこともできます。

移入されるローカルユーザ情報を記述したファイルをローカルユーザ情報ファイルといいます。ローカルユーザ情報ファイルはテキストファイルであり、管理者がテキストエディタで作成する必要があります。

簡単なローカルユーザ情報ファイルの作成方法

ローカルユーザ移入で使用するローカルユーザ情報ファイルを簡単に作成するには、以下の方法で行います。

  1. Directoryアプリケーションでサーバに接続し、テンプレートを作成します。必要な場合は、階層化組織、グループの作成も行います。

  2. 次に、ローカルユーザ移入を行うための見本ユーザを作成します。Directoryアプリケーションから、1で作成したテンプレートやグループを指定して見本ユーザの情報を登録してください。

  3. "B.1.3 ローカルユーザ情報のリスト"の手順に従って、見本ユーザのリストを行い、ローカルユーザ情報ファイルを作成します。

  4. 作成したローカルユーザ情報ファイルをエディタで編集します。なお、"B.1.4 ローカルユーザ情報ファイル"の"表B.1 ローカルユーザ情報のアカウント属性一覧"の登録が×になっている属性名(X.400ベースアドレスなど)は、使用できません。ローカルユーザ情報ファイルから削除してください。

  5. 見本ユーザを手本にして、登録したいユーザの情報を定義したローカルユーザ情報移入ファイルを作成します。

  6. パラメータファイルのテンプレート識別子に、1.で作成したテンプレート識別子を指定し、ローカルユーザ移入を行います。

ローカルユーザ情報ファイルについての詳細は、"B.1.4 ローカルユーザ情報ファイル"を参照してください。

注意

  • このユーティリティを使用する場合、TeamWARE Officeのシステム管理者のユーザでシステムにログインしてください。

  • このユーティリティは、ディレクトリサーバの稼働中のみ使用できますが、使用中はシステムのパフォーマンスを低下させるので、システムがフル稼働していない時間帯に使用してください。

  • このユーティリティは、オンラインバックアップ中には使用できません。

  • 実際にこのユーティリティを使いローカルユーザを登録/更新/削除する前に、"B.1.1 ローカルユーザ情報ファイルチェック"に記載のユーティリティにより、パラメータファイルとローカルユーザ情報ファイルの整合性、文法のチェックを行うことをお勧めします。

コマンドの形式

TeamWARE Office Directoryへローカルユーザを登録/更新/削除するには、サーバインストールディレクトリで、以下のコマンドを実行します。

todirmov <パラメータファイル名>

注意

  • [todirmov]コマンドは、TeamWARE Officeサーバをインストールしたディレクトリで実行してください。

  • パラメータファイルを、ftpによって別のコンピュータにファイル転送する場合は、バイナリモードで行ってください。

  • 処理を行うユーザ自身の情報は変更できません。パラメータファイルのログイン名を持つユーザをローカルユーザ情報ファイルに記述しないでください。

パラメータファイルの形式

パラメータファイルは、以下に示す形式で作成します。なお、パラメータファイルのコード系にはシフトJISコードを使用します。

オプションのパラメータは角かっこ([ ])でくくられています。

utility=IMPORT
what=LOCAL
template=<ユーザテンプレート識別子>
[access=enterprise_group]
[group=<グループ識別子>] (注)
file=<ローカルユーザ情報ファイル名>
user=<ログイン名>
[password=<ログインユーザのパスワード>]
tp_number=<トランスポート番号>
tp_address=<トランスポートアドレス>

(注):複数行記述可

ポイント

パラメータの値が空白文字を含む場合、アポストロフィ(')で囲みます。そのほかのパラメータ値も、アポストロフィで囲むことができます。

パラメータの説明

utility

"IMPORT"と指定します。

what

"LOCAL"と指定します。

template

標準的に使用されるユーザテンプレート識別子を指定します。このユーザテンプレート識別子は、ローカルユーザ情報ファイルでユーザテンプレート識別子の指定を行わないユーザのアカウントを作成する場合に使用されます。なお、ローカルユーザ情報ファイルのユーザアカウントの操作指定で、ユーザ情報の変更や削除のみを行う場合も、ディレクトリサーバ内に定義されている任意のユーザテンプレート識別子を指定します。

なお、templateは、テンプレートの存在する識別名を含めて記述します。また、指定するテンプレートは、tp_addressパラメータで指定したサーバのサイトに作成されている必要があります。

例:template='cn=テンプレート名,ou=営業部,l=東京本社,o=(株)ABC,c=jp'

access

ローカルユーザの登録/更新の操作において、他サイトに存在するグループのメンバーとして、ローカルユーザを追加/削除したい場合に、"enterprise_group"を指定します。

本オペランドを指定しない場合、ローカルユーザは、自サーバ上のグループにのみ、メンバーとして追加/削除が可能です。

group

登録するすべてのユーザが所属するグループの名前をすべて指定します。複数のグループを指定する場合は、この行を複数記述します。

なお、groupは、グループの存在する識別名を記述します。また、指定するグループは、accessパラメータの指定により、tp_addressパラメータで指定したサーバ、またはtp_addressパラメータで指定したサイトが所属するエリアに作成されている必要があります。

例:group='cn=グループ名,ou=営業部,l=東京本社,o=(株)ABC,c=jp'

file

ローカルユーザ情報ファイル名を指定します。ローカルユーザ情報ファイルは、ユーザアカウント登録のための、ユーザ管理情報などを記述したファイルです。ローカルユーザ情報ファイルは、TeamWARE Officeのインストールディレクトリに作成しておきます。インストールディレクトリに作成していないローカルユーザ情報ファイルを指定する場合は、フルパス名で指定します。ローカルユーザ情報ファイル名は、最長で256文字までです。

ローカルユーザ情報ファイルの形式については、"B.1.4 ローカルユーザ情報ファイル"を参照してください。

user

ログイン名を指定します。ログイン名は、最長で48文字までです。ログインユーザには、システム管理者の権限が必要です。

password

ログインユーザのパスワードを指定します。パスワードは、最長で48文字までです。ログインユーザがパスワードを持っていない場合は省略します。

tp_number

ログイン時に使用するトランスポート番号を指定します。TeamWARE Officeをインストールしたディレクトリ配下の初期化ファイル(to.ini)の[TOSERVER]セクションのtransportsフィールドに記述されています。

以下に示す例の場合、tp_numberは1になります。

例:

[TRANSPORT]
1 = tcpip,1,0,

tp_address

ログイン時に使用するディレクトリサーバのトランスポートアドレスを指定します。ここで指定したディレクトリサーバが登録/更新/削除の対象となります。tp_addressは、最長で128文字までです。トランスポートアドレスには、IPv4のIPアドレス、ホスト名、DNS完全修飾ドメイン名のいずれかを指定します。

パラメータファイルの例を以下に示します。この場合、ユーザ管理情報を記述したローカルユーザ情報ファイルを、importfile.txtとして作成しておく必要があります。

Utility=IMPORT
what=LOCAL
template='cn=my user,l=東京本社,o=(株)ABC,c=jp'
group='cn=group1,l=東京本社,o=(株)ABC,c=jp'
group='cn=group2,l=東京本社,o=(株)ABC,c=jp'
file=importfile.txt
user=ADMIN
password=PASSWORD
tp_number=1
tp_address=199.199.199.199

ポイント

登録/更新/削除処理が終了すると、正常に登録、更新、削除が行われたユーザ数が画面に表示されます。また、正常な処理が行われなかったユーザ数についても表示されます。正常な処理が行われなかった場合は、インストールディレクトリのエラーファイル(<ローカルユーザ情報ファイル名>.err)に記録されます。エラーが発生した場合は、エラーファイルを参照し、移入できなかったユーザについてエラー発生部分を修正して、エラーファイルを削除後、もう一度実行してください。