テープサーバが独立して運用している場合のバージョンアップ方法を説明します。
手順4は、クラスタ運用の有無により作業が異なります。
21.2.1.1 テープ管理情報のバックアップ
バージョンアップ前の環境でテープ管理情報を退避します。
21.2.1.2 アンインストール
旧製品をアンインストールします。
21.2.1.3 インストール
本製品をインストールして、環境設定を行います。
クラスタ運用でない場合
データの整合性を確保するために、サーバ情報の変更処理を行います。
クラスタ運用の場合
テープサーバの登録を行います。
21.2.1.5 テープ管理情報のリストア
バックアップしておいたテープ管理情報を復元します。
21.2.1.6 アクセスボリューム定義の設定
テープサーバのアクセスボリューム定義の設定を行います。
21.2.1.7 テープサーバのカスタマイズ
テープサーバの環境設定を復元します。
注意
バージョンアップ時に構成変更を行う場合
バージョンアップ時に運用管理サーバ(Storage管理サーバ)のサーバ名、IPアドレス、またはポート番号を変更する場合、上記手順によるバージョンアップ終了後、対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「運用環境の変更」を参照して変更作業を行ってください。
テープサーバのテープ管理情報をバックアップします。手順を以下に示します。
テープ管理情報バックアップを実行して、テープサーバのテープ管理情報を指定したディレクトリへバックアップします。
詳細は、該当バージョンの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編』の「テープ管理情報のバックアップ」を参照してください。
テープマネージャーに関する以下の定義ファイルを退避します。
/etc/opt/FJSVswstm/conf/devpath.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsm.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsmbkfile
/usr/bin/dsm.opt
/usr/bin/dsm.sys
テープサーバおよびテープサーバの必須ソフトウェアであるAdvancedCopy Managerエージェントをアンインストールします。手順を以下に示します。
クラスタ運用でない場合
テープサーバのデーモンを停止します。
詳細は、該当バージョンの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 テープバックアップ連携編』の「デーモンの起動と停止」を参照してください。
テープサーバ上のテープマネージャーをアンインストールします。テープマネージャーのアンインストール手順は、該当するバージョンの以下のマニュアルを参照してください。
AdvancedCopy Manager13.1以降の場合
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「アンインストール」の「テープマネージャーのアンインストール」から、「アンインストール」を参照してください。
AdvancedCopy Manager13.0以前の場合
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager テープバックアップ導入手引書』の「アンセットアップ」の「テープマネージャーのアンセットアップ」から、「アンインストール」を参照してください。
手動で作成した起動ファイルを削除します。
# /usr/bin/rm -rf /opt/FJSVswstm/* /etc/opt/FJSVswst[mu]/* /var/opt/FJSVswst[mru]/* # /usr/bin/rm -rf /opt/FJSVswstm /etc/opt/FJSVswst[mu] /var/opt/FJSVswst[mru] # /usr/bin/rm -f /etc/init.d/initTSM /etc/rc0.d/K00tsmsv /etc/rc2.d/S99tsmsv |
AdvancedCopy Managerエージェントをアンインストールします。AdvancedCopy Managerエージェントのアンインストール手順は、該当するバージョンの以下のマニュアルを参照してください。
AdvancedCopy Manager13.1以降の場合
『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「エージェントのアンインストール」の「Solaris版/Linux版/HP-UX版/AIX版の場合」から、「アンインストール」を参照してください。
AdvancedCopy Manager13.0以前の場合
対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 導入手引書』の「アンセットアップ」の「Storageサーバのアンセットアップ」から、「アンインストール」を参照してください。
クラスタ運用の場合
テープサーバをテープサーバ業務としてクラスタ運用している場合には、アンインストールの前にクラスタアンセットアップが必要となります。
クラスタアンセットアップの作業手順は、該当するバージョンの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager クラスタ適用ガイド』の「テープサーバ業務の削除」を参照してください。
本バージョンのAdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。手順を以下に示します。
クラスタ運用でない場合
テープサーバにAdvancedCopy Managerテープマネージャーをインストールするには、同じテープサーバにAdvancedCopy Managerエージェントをインストールしておく必要があります。AdvancedCopy Managerエージェントのインストール手順は、『ETERNUS SF 導入ガイド』の「AdvancedCopy Managerエージェントのインストール」を参照してください。
テープサーバとして運用を行うために必要なテープマネージャーをインストールします。テープマネージャーのインストール手順は、「第4章 テープマネージャーのインストール」を参照してください。
クラスタ運用の場合
テープサーバのインストール手順は、『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の「テープマネージャーのインストール」を参照してください。なお、「テープマネージャーのインストール」では、テープサーバの必須ソフトウェアであるAdvancedCopy Managerエージェントをインストールしてください。
データの整合性を確保するために、Webコンソールまたはstgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を使用してサーバ情報の変更を行います。
Webコンソールの使用方法は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「サーバ情報の変更」を参照してください。
-nオプションに運用管理サーバ(Storage管理サーバ)名を指定して、stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)を実行します。
コマンドの使用方法は、対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「stgxfwcmmodsrv(サーバ情報変更コマンド)」を参照してください。
動作環境の設定を行ったサーバをテープサーバとして登録します。
手順は、対応するOSの『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「管理対象サーバの登録」を参照してください。
注意
Java Plug-inのキャッシュの影響で、サーバ情報の変更が失敗する場合があります。
サーバ情報の変更が失敗する場合、以下の手順でWebコンソールのJava Plug-inのキャッシュをクリアし、再度実行してください。
Webコンソールを起動している場合は、キャッシュをクリア後、Webコンソールを終了して、起動してください。
[コントロールパネル] - [Java Plug-in]を選択します。
[キャッシュ]タブの[クリア]を選択します。
テープサーバのテープ管理情報をリストアします。手順を以下に示します。
注意
クラスタ運用の場合は、テープ管理情報のリストアの前にクラスタをセットアップする必要があります。
『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の「テープサーバ業務のカスタマイズ」を参照し、手順1.から16.を実施してください。
手順8.の「テープサーバをカスタマイズします」と手順15.の「テープサーバをカスタマイズします」を実施する必要はありません。
AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスク、AdvancedCopy Managerリポジトリ用共有ディスク、およびTSM用共有ディスクをマウントした状態で、テープ管理情報のリストアを実施してください。
バックアップしておいたテープサーバのテープ管理情報を復元します。
実行手順は、「16.1.1.4.2 テープ管理情報のリストア」を参照してください。
退避しておいたテープマネージャーに関する以下の定義ファイルを復元してください。
/etc/opt/FJSVswstm/conf/devpath.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsm.conf
/etc/opt/FJSVswstm/conf/tsmbkfile
/usr/bin/dsm.opt
/usr/bin/dsm.sys
TSMサーバデーモンを更新します。
TSMサーバデーモンの情報を更新します。以下のコマンドを実行してください。
# TSMDB=<TSM DB格納ディレクトリ>; export TSMDB # DSMSERV_DIR=/opt/tivoli/tsm/server/bin; export DSMSERV_DIR # DSMSERV_CONFIG=$TSMDB/dsmserv.opt; export DSMSERV_CONFIG # cd $TSMDB # /opt/tivoli/tsm/server/bin/dsmserv UPGRADEDB ・ ・ tsm: TAPESERVER1> halt # /opt/tivoli/tsm/server/bin/dsmserv ・ ・ tsm: TAPESERVER1> halt |
TSM サーバデーモン更新コマンド(dsmserv UPGRADEDB)実行後、定期的(1分ごと)にEnterキーを押して、プロンプトが戻ってきたら、コマンド完了です。
その後、dsmservコマンドを実行して、TSMサーバデーモンが起動することを確認してください。
テープサーバのアクセスボリューム定義の設定を行います。
本手順は、ETERNUS DX60/DX60 S2, DX80/DX80 S2, DX90/DX90 S2、ETERNUS DX400/DX400 S2 series、ETERNUS2000、またはETERNUS4000の運用環境の場合だけ必要です。
以下は、バージョンアップのパターン表です。条件に該当する手順で、バージョンアップしてください。
バージョンアップ前 | バージョンアップ後 | |||
---|---|---|---|---|
Solaris 9 | Solaris 10 | |||
ETERNUSマルチ | ETERNUSマルチ | |||
AdvancedCopy Manager 13.1 以前 | Solaris 8 | GRマルチパス | B | B |
Solaris 9 | GRマルチパス | B | B | |
AdvancedCopy Manager 13.2 ~ | Solaris 8 | GRマルチパス | A | A |
Solaris 9 | GRマルチパス | A | A | |
ETERNUSマルチ | B | B | ||
Solaris 10 | ETERNUSマルチ | - | B |
-: バージョンアップできない組合せです。
A : 下記、a)、b)を順に実行してください。
B : 下記、b)を実行してください。
アクセスボリュームの定義ファイルを削除します。
# rm -i /etc/opt/FJSVswstm/conf/mplb_ext_active |
クラスタ運用の場合は、共有ボリュームを参照している運用ノードで、定義ファイルを削除してください。
待機ノードで実行する必要はありません。
アクセスボリュームを再設定します。
バージョンアップ前に使用していたアクセスボリュームが以下の両方の条件を満たす場合、手順4から実行してください。条件を満たさない場合は、手順1から実行してください。
アクセスボリュームに、ディスクアレイ装置の担当CM0のディスクから2つ、担当CM1のディスクから2つの、合計4つが設定されている
バージョンアップ前に使用していたアクセスボリュームを継続して使用する
アクセスボリュームのパーティションを再作成します。
実行手順は、「5.3 アクセスボリュームのパーティションの作成」を参照してください。
アクセスボリューム定義情報を削除します。
バージョンアップ前に使用していたアクセスボリュームの定義情報を削除します。
# rm -f /etc/opt/FJSVswstm/data/ctrl/.boxid_* |
アクセスボリューム定義ファイルを再設定します。
実行手順は、「5.6.1.1 アクセスボリューム定義ファイルの設定」を参照してください。
定義ファイルを検査します。
実行手順は、「5.6.1.3 定義ファイルの検査」を参照してください。
ETERNUS DX60/DX60 S2, DX80/DX80 S2, DX90/DX90 S2、ETERNUS DX400/DX400 S2 series、ETERNUS2000、またはETERNUS4000の情報を取得します。
実行手順は、「5.6.1.5 ディスクアレイの情報取得」を参照してください。
テープサーバの環境設定を復元します。
クラスタ運用でない場合
以下の手順を実行します。
ETERNUS テープライブラリのドライバ設定をします。
実行手順は、「5.7.1 ETERNUS テープライブラリのドライバ設定」を参照してください。
デーモンの自動起動設定をします。
実行手順は、「5.8 デーモンの自動起動設定」を参照してください。
TSMサーバデーモンの設定時にバージョンアップ前の設定ファイルが存在している場合は、本手順を実行する必要はありません。
TSMの設定をします。
TSMの設定が、バージョンアップを実施する前と同じであることを確認します。確認するTSMの設定の各項目は、「5.9 TSMの設定(デーモンの自動起動設定後に行う設定)」を参照してください。
クラスタ運用の場合
テープサーバをテープサーバ業務としてクラスタ運用している場合は、クラスタ用の手順が必要となります。『ETERNUS SF クラスタ適用ガイド』の「テープサーバ業務のカスタマイズ」を参照して、手順17.から22.を実施してください。
注意
手順19.の「TSMの設定をします」は管理情報のリストアによりすでに設定されています。正しく設定されていることを確認してください。