複数の伝票を関連付けた処理を設定することにより、以下のような運用フローを、取り扱いやすく階層化することができます。
運用管理作業の手番(アクティビティ)が多い場合
他部門と連携する運用管理作業において、部門ごとに分割して管理したい場合
メインの運用フローから、他の運用フローを開始することができます。このとき、メインの運用フローの伝票項目値をサブの運用フローの伝票項目へ引き継ぐこともできます。
また、開始したサブの運用フローの終了を待ち合わせて、メインの運用フローを継続することもできます。このとき、サブの運用フローの伝票項目値をメインの運用フローの伝票項目へ反映することもできます。
設定方法
複数の伝票を関連付けて処理を行う手順について、以下に示します。
電子フォームの設計
伝票の設計時に、メイン運用フローおよびサブ運用フローで値を受け渡す伝票項目を設計します。設計方法については、"電子フォーム伝票の開発"を参照してください。
注意
値を受け渡す伝票項目は、伝票XML上で同じ階層の同名タグである必要があります。
運用フロー(メイン)の設定
メインの運用フローにおいて、プロセス定義のプロパティ情報の[ユーザー定義属性]タブで、以下のユーザー定義情報(UDA)が定義されていることを確認します。
名前 | タイプ | 初期値 | ワークリスト | トラック可能 |
---|---|---|---|---|
SWPM_processId | STRING | なし | チェックあり | チェックなし |
SWPM_notifiedProcessId | STRING | なし | チェックあり | チェックなし |
サンプルのプロセス定義"サブ運用フロー呼出(メイン) "から、以下のアクティビティをコピーします。
サンプルのプロセス定義は、プロセス管理サーバ上のサンプルプロセスとして格納されています。
BPM Studioからプロセス管理サーバへログインし、[ナビゲータ]ビューに表示される[サーバプロジェクト]配下を参照してください。
サブ運用フロー呼出
サブ運用フロー終了待ち
サブ運用フロー伝票項目抽出
アクティビティ"サブ運用フロー呼出"の論理アプリ名を変更します。
呼び出したいサブ運用フローの伝票種別コードをパラメタに指定した、プロセス起案コマンド(swpm_createslip)を呼び出す論理アプリ名を指定します。
参考
手順2でコピーしたアクティビティのプロパティに含まれる設定は、以下のとおりです。手動でアクティビティを設定する場合は、以下の値を指定してください。
アクティビティ"サブ運用フロー呼出"
タブ | 設定項目 | 値 |
---|---|---|
一般 | 説明 | SWPM_SAMPLE_SUBLIP(注1) |
担当者 | ロール | @AE |
注1:
サンプルのサブ運用フローを呼び出す論理アプリ名が指定されています。
アクティビティ"サブ運用フロー終了待ち"
"担当者"タブ
設定項目 | 値 |
---|---|
ロール | "Wait"または"swpm_Wait" |
"アクションセット"タブの[開始アクション]-[UDA割当]
設定項目 | 値 |
---|---|
ターゲットUDA | SWPM_processId |
値(式モード選択ボタン) | E(Expressionモード) |
値 | sec.getCurrentProcessId |
注2:
値の式モード選択ボタンを"E"に変更した場合、値に設定した文字に""が添付されますが、削除してください。
"トリガ"タブ
タブ | 設定項目 | 値 |
---|---|---|
一般 | チェックボックス | 「有効化する」にチェック |
イベント | イベントタイプ | XMLスキーマ |
XMLスキーマ | http://[プロセス管理サーバのホスト名]:[ポート番号]/myo/sample/itpmevent.xsd | |
イベントフィルタ | eventData.getXMLData("itpmevent/type/text()") == "subprocessExit" | |
データマッピング | イベントエレメント | notifiedProcessId |
変数 | SWPM_notifiedProcessId | |
プロセスインスタンスの選択 | 変数 | SWPM_processId |
= Xpath式 | /itpmevent/to/processId/text() | |
矢印の選択 | 矢印 | アクティビティから出る矢印の名前 |
式 | false | |
trueとなる式がない場合 | サブ運用フロー終了時に選択する矢印の名前 |
注3:
サンプルのアクティビティには設定されていませんが、手動で上記の設定を行うためには、設定が必要です。
アクティビティ"サブ運用フロー伝票項目反映"
タブ | 設定項目 | 値 |
---|---|---|
一般 | 説明 | SWPM_MERGESUBSLIP |
担当者 | ロール | @AE |
運用フロー(サブ)の設定
サンプルのプロセス定義"サブ運用フロー呼出(サブ) "から以下のアクティビティをコピーして、サブ運用フローの最後のアクティビティとして配置します。
終了通知
参考
このアクティビティに含まれる設定は、以下のとおりです。手動でアクティビティを設定する場合は、以下の値を指定してください。
アクティビティ"終了通知"
タブ | 設定項目 | 値 |
---|---|---|
一般 | 説明 | SWPM_NOTIFYSUBSLIPEXIT |
担当者 | ロール | @AE |
アプリケーション実行機能の動作設定ファイルの編集
"運用フロー(メイン)の設定"の手順3で設定した論理アプリ名の定義を、アプリケーション実行機能の動作設定ファイル(ae.ini)に追加します。
新しい論理アプリ名の定義は、サンプルとして提供するSWPM_SAMPLE_SUBSLIPの定義をコピーし、以下のオプションに対して、実際の運用に合わせた値を設定します。
-slipidオプション
サブ運用フローとして起案する伝票の伝票種別コード
-fxmlオプション
サブ運用フローとして起案する伝票のひな型XMLファイルのパス
【Windows】
SWPM_SAMPLE_SUBSLIP.path=C:/SWPM/ITPM/bin/swpm_createslip.cmd MYSUBSLIP.path=C:/SWPM/ITPM/bin/swpm_createslip.cmd |
【Solaris/Linux】
SWPM_SAMPLE_SUBSLIP.path=/opt/FJSVswpm/bin/swpm_createslip MYSUBSLIP.path=/opt/FJSVswpm/swpm_createslip |
参照
プロセス起案コマンド(swpm_createslip)の詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"コマンドリファレンス"を参照してください。
サブ運用フローとして起案する伝票のひな型XMLファイルは、伝票情報抽出コマンド(swpm_createformxml)を使用して作成することができます。伝票情報抽出コマンドの詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"コマンドリファレンス"を参照してください。
伝票の登録
設計した伝票を登録します。
詳細については、"Systemwalker IT Change Manager管理者ガイド"の"伝票定義の登録"を参照してください。
回覧ルート定義の編集
サブ運用フローは、申請以外の回覧ルートが固定である必要があります。
管理者機能の回覧ルート定義の編集で、伝票登録したサブ運用フローの回覧ルート定義を編集します。
申請以外のアクティビティに対して、以下の項目を設定します。
機能ID
指定ユーザーID、または指定グループID
注意
指定ユーザーIDまたは指定グループIDに指定したユーザーまたは承認グループは、機能IDで指定した機能IDを割り当てられた権限IDを持つ必要があります。
ひな型の伝票XMLを作成
以下の手順で、起案時のひな型となるXML形式の伝票情報を作成します。
アプリケーション実行機能で指定したサブ運用フローとして起案する伝票の雛形XMLファイルを取得します
Webブラウザから、編集した回覧ルート定義を利用し、ひな型用の伝票を起票します。
伝票の起票については、"Systemwalker IT Change Manager 利用者ガイド"の"伝票の申請機能"を参照してください。
ポイント
伝票を起票する際、確定処理まで完了する必要はありません。
プロセス管理サーバのBPM 運用管理機能のプロセス一覧画面を表示し、手順1で作成されたプロセスインスタンスのプロセスIDを確認します。
確認方法については、"Systemwalker IT Change Manager管理者ガイド"の"伝票の処理状況確認"を参照してください。
swpm_createformxmlコマンドを実行して伝票情報を抽出し、ひな型の伝票XMLドキュメントを作成します。
実行例:
【Windows】
swpm_createformxml -pid 5602 -fxml C:\work\formxmlfile.xml |
【Solaris/Linux】
swpm_createformxml -pid 5602 -fxml /var/myslip/formxmlfile.xml |
パラメタには、以下を指定します。
手順2で確認したプロセスID
出力ファイル名(ひな型となる伝票XMLドキュメント)
swpm_createformxmlコマンドの詳細については、"Systemwalker IT Change Manager 管理者ガイド"の"コマンドリファレンス"を参照してください。
伝票XMLドキュメントを編集します。
手順3で出力した伝票xmlドキュメントをテキストエディタで開き、タグ内に埋め込まれている文字列をクリアします。