利用状況DB参照エンジンは、分析画面と利用状況DBとの間に位置し、分析画面に対して、利用状況DBからデータを抽出するためのインターフェース(Webサーバアプリケーション経由のHTTP通信を使用)を提供します。
分析画面で分析を実行するには、あらかじめ利用状況DB参照エンジンが起動されるように設定しておく必要があります。
ポイント
管理サーバ運用の場合、本操作を管理サーバのみ行い、被管理サーバでは行う必要はありません。
■サービスの開始
【Windows版】
利用状況DB参照エンジンは、インストールマシン上のコントロールパネルのサービスダイアログで操作できるサービス(名前:"Systemwalker SQC dbrefsv")で、利用状況DB参照ポートへの要求ごとに動作します。このサービスは、インストール時に登録されます。
分析を実行するには、以下の方法で、このサービスを開始しておく必要があります。
Administrator権限をもつアカウントでログインし、コントロールパネルのサービスダイアログでこのサービス(名前:"Systemwalker SQC dbrefsv")の「開始」を実行します。
【Solaris版】
利用状況DB参照エンジンは、インターネットサービスデーモン(inetd)から起動されるコマンド(dbrefコマンド)で、以下の設定を行った利用状況DB参照ポートへの要求ごとに動作します。
インターネットサービスデーモンの登録は、以下のサーバに設定を行います。
運用方法 | 対象サーバ |
---|---|
管理サーバ運用 | マネージャ |
被管理サーバ運用 | エージェント |
ポイント
利用状況DBが登録されているサーバに、インターネットサービスデーモンの登録を行います。
エージェントのセキュリティを意識する場合は、管理サーバ運用を行うようにしてください。
管理サーバ運用である場合、エージェントにはインターネットサービスデーモンに登録する必要はありません。
管理サーバ自体が公開サーバである場合、もしくは、被管理サーバ運用の場合、インターネットサービスデーモンにdbrefコマンドの登録を行いますが、セキュリティ上のリスクが大きくなります。
セキュリティを確保するためには、TCP wrapperなどを併用してください。
TCP wrapperなどで制御を行う内容は、自サーバのみdbrefコマンドにアクセスできるように設定を行ってください。
インターネットサービスデーモンへの登録はインストール時に行われませんので、以下の手順で登録してください。
注意
以下の手順は、アクセス制限を行わない場合の設定方法です。
アクセス制限を行うアプリケーションによって設定方法が異なりますので、各アプリケーションのマニュアルなどを参照してください。
ログイン
スーパーユーザーでログインします。
/etc/servicesまたは/etc/inet/servicesファイルの編集
エディタを使用して、/etc/servicesまたは/etc/inet/servicesファイルに利用状況DB参照ポートの定義を登録します。たとえば、2365の場合には、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref 2365/tcp |
利用状況DB参照ポートの詳細については、「11.1.2.3 利用状況DB参照ポート番号」を参照してください。
/etc/inetd.confまたは/etc/inet/inetd.confファイルの編集
エディタを使用して、/etc/inetd.confまたは/etc/inet/inetd.confファイルを編集します。
ネットワーク環境がインターネットの場合、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /opt/FJSVssqc/bin/dbref dbref -a |
ネットワーク環境がイントラネットの場合、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /opt/FJSVssqc/bin/dbref dbref |
変更の反映
OSがSolaris 9以前の場合
psコマンドとgrepコマンドを使用してinetdのプロセスIDを調べ、その後killコマンドを使用して変更をinetdへ反映します。操作例は、以下のとおりです。
# ps -A | grep inetd プロセスID … # kill -HUP プロセスID |
OSがSolaris 10以降の場合
inetconv コマンドを使用して変更を反映します。操作例は、以下のとおりです。
# inetconv |
【Linux版】
利用状況DB参照エンジンは、インターネットサービスデーモン(xinetdまたはinetd)から起動されるコマンド(dbrefコマンド)で、インストール時に設定した利用状況DB参照ポートへの要求ごとに動作します。
インターネットサービスデーモンへの登録はインストール時に実施されますが、何らかの原因により登録されていない場合は、以下の手順で登録します。
xinetdの場合
ログイン
スーパーユーザーでログインします。
/etc/servicesファイルの編集
エディタを使用して、/etc/servicesファイルに利用状況DB参照ポートの定義を登録します。たとえば、2365の場合には、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref 2365/tcp |
参照
利用状況DB参照ポートの詳細については、「11.1.2.3 利用状況DB参照ポート番号」を参照してください。
/etc/xinetd.d/dbrefファイルの作成
エディタを使用して、/etc/xinetd.d配下にdbrefファイルを作成します。
ネットワーク環境がインターネットの場合、dbrefファイルの内容は、以下のとおりです。xxx.xxx.xxx.xxxには自ホストのIPアドレスを設定します。
# FJSVssqc service dbref { socket_type = stream wait = no user = nobody server = /opt/FJSVssqc/bin/dbref only_from = xxx.xxx.xxx.xxx 127.0.0.1 } |
ネットワーク環境がイントラネットの場合は、dbrefファイルの内容は、以下のとおりです。
# FJSVssqc service dbref { socket_type = stream wait = no user = nobody server = /opt/FJSVssqc/bin/dbref } |
変更の反映
killコマンドを使用して、変更をxinetdへ反映します。操作例は、以下のとおりです。
# kill -USR2 `cat /var/run/xinetd.pid` |
inetdの場合
ログイン
スーパーユーザーでログインします。
/etc/servicesファイルの編集
エディタを使用して、/etc/servicesファイルに利用状況DB参照ポートの定義を登録します。たとえば、2365の場合には、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref 2365/tcp |
参照
利用状況DB参照ポートの詳細については、「11.1.2.3 利用状況DB参照ポート番号」を参照してください。
/etc/inetd.confファイルの編集
エディタを使用して、/etc/inetd.confファイルを編集します。
ネットワーク環境がインターネットの場合、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /usr/sbin/tcpd /opt/ FJSVssqc/bin/dbref |
ネットワーク環境がイントラネットの場合、以下の定義を追加します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /opt/ FJSVssqc/bin/dbref dbref |
/etc/hosts.allow、/etc/hosts.denyファイルの編集(ネットワーク環境がインターネットの場合)
エディタを使用して、/etc/hosts.allowファイルを編集し、以下の定義をファイルの先頭に追加します。xxx.xxx.xxx.xxxには自ホストのIPアドレスを設定します。
# FJSVssqc dbref : xxx.xxx.xxx.xxx 127.0.0.1 |
エディタを使用して、/etc/hosts.denyファイルを編集し、以下の定義をファイルの先頭に追加します。xxx.xxx.xxx.xxxには自ホストのIPアドレスを設定します。
# FJSVssqc dbref : ALL EXCEPT xxx.xxx.xxx.xxx 127.0.0.1 |
変更の反映
killコマンドを使用して、変更をinetdへ反映します。操作例は、以下のとおりです。
# kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid` |
利用状況DB参照エンジンがTCP/IP通信で使用するポート番号は、デフォルトでは、次のとおりです。
ポート番号 | 2365 |
このポート番号が他のアプリケーションで使用され変更を行った場合は、変更を行ったポート番号になります。
利用状況DB参照エンジンを停止したい場合は、以下の操作を行います。
注意
利用状況DB参照エンジンを停止すると、利用状況DBの参照が行われなくなります。
■サービスの停止
【Windows版】
利用状況DB参照エンジンを停止させたい場合には、以下の操作を行います。
利用状況DB参照サービスを停止するには、Administrator権限をもつアカウントでログインし、コントロールパネルのサービスダイアログでこのサービス(名前:" Systemwalker SQC dbrefsv")の「停止」を実行します。
ポイント
サービスのスタートアップの種類が「自動」になっている場合、サービスの「停止」をしてもインストールマシンを再起動すると、自動的に「開始」されます。
インストールマシンの再起動後も「停止」しておきたい場合は、スタートアップの種類を「手動」にします。
【Solaris版】
利用状況DB参照エンジンは、利用状況分析を行う度に起動され、常駐していません。利用状況分析機能を使用しなくなり、利用状況DB参照エンジンを無効にする場合には、以下の操作を行います。
ログイン
スーパーユーザーでログインします。
/etc/servicesまたは/etc/inet/servicesファイルの編集
エディタを使用して、/etc/servicesまたは/etc/inet/servicesファイル中の利用状況DB参照ポートの定義を削除します。
編集例です。以下の部分を削除します。
# FJSVssqc #dbref 2365/tcp |
/etc/inetd.conf または /etc/inet/inetd.conf ファイルの編集
エディタを使用して、/etc/inetd.conf または /etc/inet/inetd.conf ファイル中の dbref の定義を削除します。
編集例は、以下の部分を削除します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /opt/FJSVssqc/bin/dbref dbref -a |
または、以下の部分を削除します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /opt/FJSVssqc/bin/dbref dbref |
変更の反映
OSがSolaris 9以前の場合
psコマンドとgrepコマンドを使用してinetdのプロセスIDを調べ、その後killコマンドを使用して変更をinetdへ反映します。操作例は、以下のとおりです。
# ps -A | grep inetd プロセスID … # kill -HUP プロセスID |
OSがSolaris 10以降の場合
inetd を停止します。
# svcadm disable -t inetd |
dbrefサービスを削除します。
# svccfg delete -f dbref/tcp |
/var/svc/manifest/network/dbref-tcp.xml を削除します。
# rm /var/svc/manifest/network/dbref-tcp.xml |
inetd.conf を再起動します。
# svcadm enable inetd |
【Linux版】
利用状況DB参照エンジンは、利用状況分析を行う度に起動され、常駐していません。利用状況分析機能を使用しなくなり、利用状況DB参照エンジンを無効にする場合には、以下の操作を行います。
xinetdの場合
ログイン
スーパーユーザーでログインします。
/etc/servicesファイルの編集
エディタを使用して、/etc/servicesファイル中の利用状況DB参照ポートの定義を削除します。
編集例です。以下の部分を削除します。
# FJSVssqc #dbref 2365/tcp |
/etc/xinetd.d/dbrefファイルの削除
# rm /etc/xinetd.d/dbref |
変更の反映
killコマンドを使用して、変更をxinetdへ反映します。操作例は、以下のとおりです。
# kill -USR2 `cat /var/run/xinetd.pid` |
inetdの場合
ログイン
スーパーユーザーでログインします。
/etc/servicesファイルの編集
エディタを使用して、/etc/servicesファイル中の利用状況DB参照ポートの定義を削除します。
編集例です。以下の部分を削除します。
# FJSVssqc #dbref 2365/tcp |
/etc/inetd.confファイルの編集
エディタを使用して、サービス開始時に追加したdbrefの設定を削除します。
編集例です。以下の部分を削除します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /usr/sbin/tcpd /opt/ FJSVssqc/bin/dbref |
または以下の部分を削除します。
# FJSVssqc dbref stream tcp nowait nobody /opt/ FJSVssqc/bin/dbref dbref |
変更の反映
killコマンドを使用して、変更をxinetdへ反映します。操作例は、以下のとおりです。
# kill -HUP `cat /var/run/inetd.pid` |