標準セキュリティ運用での、Symfoware Serverの機能差を説明します。
標準運用と標準セキュリティ運用のインストール時のデフォルトの設定と、チューニング方法を以下の表に示します。
以下の運用を行う場合は、ロードシェア運用を行うことはできません。
標準セキュリティ運用を行う場合
標準運用で監査ログ運用を行う場合
機能 | 標準運用 | 標準セキュリティ運用 | チューニング方法 |
---|---|---|---|
RDBディクショナリの参照権限 | すべての利用者が参照可能である。 | 管理者(スーパユーザ)のみ参照可能である。 | GRANT文 |
以下のコマンドの実行権限 CREATE USER文 DROP USER文 ALTER USER文 | 実行できない。 | 管理者(スーパユーザ)のみ実行できる。以下の機能が使用できる。 利用者ごとの資源量制御 利用者ごとの認証制御 データベース専用利用者 | 利用者登録の使用宣言の有無で変更可能である。 |
以下のコマンドの実行権限 CREATE ROLE文 DROP ROLE文 GRANT文(ROLE指定) GRANT文(ROLE付与) REVOKE文(ROLE指定) | RDBディクショナリ作成者のみ実行可能である。 | 管理者(スーパユーザ)のみが実行可能である。 | チューニングできない。 |
SET SYSTEM | RDBディクショナリ作成者のみ実行可能である。 | 管理者(スーパユーザ)のみが、実行可能である。 | チューニングできない。 |
その他のデータベース定義文の実行権限 | すべての利用者が実行可能である。 | 管理者(スーパユーザ)のみが、実行可能できる。 | チューニングできない。 |
SQL文の実行権 | すべての利用者が実行可能である。 | すべての利用者が実行可能である。 | GRANT文 |
RDBコマンドの実行権限 | 権限が直接、利用者に付与されている場合は実行可能である。 | 管理者(スーパユーザ)のみが、実行可能である。 | GRANT文 |
監査ログ | 監査ログが取得されない。 | 監査ログが取得される。 | 監査ログの取得範囲の指定で変更可能である。 |
標準運用と標準セキュリティ運用でのセキュリティパラメタの省略値の機能差を“表E.2 セキュリティ形態パラメタ”、“表E.3 ユーザパラメタ”、および“表E.4 監査ログパラメタ”に示します。
セキュリティパラメタ名 | 意味 | セキュリティパラメタ値 | 省略値 | |
---|---|---|---|---|
標準運用 | 標準セキュリティ運用 | |||
SECURE_MODE | インストール時に選択した運用の種類 | SECURE: 標準セキュリティ運用 NORMAL: 標準運用 | - | - |
USER_CONTROL | 利用者登録の使用宣言を行うか否か | YES:使用する | NO | YES |
ROLE_RANGE (注2) | 以下の運用系コマンドに対するロールの使用を有効にするか否か | LEVEL1:有効にする | LEVEL0 | LEVEL0 |
XA_USE (注3) | XAプロトコルを受け付けるか否か | YES:受け付ける | YES | NO |
CONNECT_USER (注3) | CONNECT文での利用者の指定ができるか否か | YES:使用可能 | YES | YES |
WORKFILE_CLEAR(注3) | Symfoware Serverが自動的に作成する作業用ファイルを削除する時に内容を初期化するか否か | YES:初期化する | NO | YES |
TRACEFILE_USE (注3) | 調査用ファイルの取得を許すか否か | YES:許す | YES | NO |
注1) インストール時に値が決定し、インストール後にSET SYSTEM PARAMETER文で変更はできません。
注2) ROLE_RANGEパラメタは、標準運用時のみ有効です。
注3) ロードシェア運用時は使用できません(設定しても無視されます)。
セキュリティパラメタ名 | 意味 | セキュリティパラメタ値 | 省略値 | |
---|---|---|---|---|
USER_CONTROLがNOの場合 | USER_CONTROLがYESの場合 | |||
MAX_CONNECTION (注1) | 1人の利用者が同時に接続可能なコネクション数 | 最小:0 | 無制限 | 1 |
MAX_MEMORY_USE (注1) | 1つのコネクションで使用可能なメモリ量 | 最小:0 | 無制限 | 16 |
MAX_WORKFILE_USE (注1) | 1つのコネクションで使用可能な作業用ファイルの量 | 最小:0 | 無制限 | 0 |
MAX_WORKFILE_NUM(注1) | 1つのコネクションで使用可能な作業用ファイルの数 | 最小:-1 | 無制限 | 16 |
MAX_TRAN_TIME (注1) | 1つのトランザクションで使用可能な時間 | 最小:0 | 無制限 | 300 |
MAX_TRAN_MEM (注1) | 1つのトランザクションで使用可能なトランザクション用メモリ量 | 最小:0 | 無制限 | 1024 |
MAX_WAIT_TIME (注1) | アプリケーションの無応答待ち時間 | 最小:0 | 無制限 | 無制限 |
RESOURCE_LIMIT_CHECK (注1)(注2) | SET SESSION AUTHORIZATION文実行時に、使用可能な資源量を変更するか否か | USER:資源量を変更 する CONNECTION:資源量を変更しない | - | USER |
PASSWORD_CHANGE_TIME | 何日前からパスワードの変更を勧めるかの日数 | 最小:0 | - | 0 |
PASSWORD_LIMIT_TIME | パスワードの期限 | 最小:-1 | - | 無制限 |
INVALID_PASSWORD_WAIT_TIME | パスワード誤り時の待ち時間 | 最小:0 | - | 4 |
INVALID_PASSWORD_TIME | パスワード連続失敗の可能回数 | 最小:0 | - | 5 |
MIN_PASSWORD_SIZE | パスワードに最低限必要なバイト数 | 最小:6 | - | 6 |
DEFAULT_ROLE | デフォルトロールの指定 | ロール名 | - | なし |
注1) ロードシェア運用時は使用できません(設定しても無視されます)。
注2) RESOURCE_LIMIT_CHECKは、SET SYSTEM PARAMETER文で指定します。
注3) DEFAULT_ROLEは、ALTER USER文で指定します。
セキュリティパラメタ名 | 意 味 | セキュリティパラメタ値 | 省略値 | |
---|---|---|---|---|
標準運用 | 標準セキュリティ運用 | |||
AUDIT_SESSION_SUCCESS(注1) | 接続に成功したアプリケーション実行に関する監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_SESSION_FAIL(注1) | 接続に失敗したアプリケーション実行に関する監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_ACCESS_SUCCESS(注1) | 表およびルーチンなどの資源に対するアクセスで成功したものの監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_ACCESS_FAIL(注1) | 表およびルーチンなどの資源に対するアクセスで失敗したものの監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_SQL(注1) | アプリケーションから実行されるSQL文とSQL文の実行時間に関する監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_SQLBIND(注1) | SQL文の入力に関する情報の監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_MANAGE(注1) | 管理者の実行の監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT_ERROR(注1) | システムにおける重大なエラー、その他の事象の監査ログを取得するか否か | YES:取得する | NO | YES |
AUDIT(注1) | 監査ログを取得する利用者を限定 | (注2) | ANY | ANY |
AUDIT_LOG_FULL(注1) | 監査ログ満杯時のふるまい | STOP:Symfoware/RDBを強制停止 | CANCEL | CANCEL |
注1) ロードシェア運用時は使用できません(設定しても無視されます)。
注2) 指定する値と意味は以下のようになります。
ANY:すべての利用者の監査ログを取得する
ANY BY USER (利用者1,利用者2, ...):利用者1、利用者2、...の監査ログを取得する
ANY BY USER EXCEPT (利用者1,利用者2, ...):利用者1、利用者2、...を除いた利用者の監査ログを取得する
ここでは、標準運用で以下のセキュリティ機能を利用する方法を説明します。
利用者登録を使用していない場合には、管理者と利用者を区別することができません。利用者登録を使用すると、管理者と利用者を区別して運用することができます。
標準運用で利用者登録を使用する場合は、一度、利用者情報を削除する必要があり、すべての権限を削除し、適用したスコープを解除します。この状態で、利用者登録の使用を宣言します。
標準運用で利用者登録を使用する場合の手順を、以下に示します。
付与した権限をすべて削除します。権限の削除は、REVOKE文で行います。詳細は、“11.9 REVOKE文”を参照してください。
適用したスコープをすべて解除します。スコープの解除は、RELEASE SCOPE文で行います。
参照
詳細は、“SQLリファレンス”を参照してください。
利用者登録の使用を宣言します。SET SYSTEM PARAMETER文でセキュリティ形態パラメタのUSER_CONTROLにYESを指定します。詳細は、“11.12 SET SYSTEM PARAMETER文”を参照してください。
利用者を登録します。利用者の登録は、CREATE USER文で行います。詳細は、“11.5 CREATE USER文(利用者定義文)”を参照してください。
権限を付与します。権限の付与は、GRANT文で行います。詳細は、“11.8 GRANT文”を参照してください。
スコープを適用します。スコープの適用は、APPLY SCOPE文で行います。
参照
詳細は、“SQLリファレンス”を参照してください。