名前
irepbacksys - Interstage ディレクトリサービスの資源のバックアップ・移出
形式
リポジトリのデータベースとして標準データベースを使用する場合
irepbacksys -d backup_directory -R repository [-confonly | -dataonly] [-y]
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合
irepbacksys -d backup_directory -R repository [-confonly] [-y]
リポジトリのデータベースとして標準データベースを使用する場合
irepbacksys -f backup_file -R repository [-confonly | -dataonly] [-y]
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合
irepbacksys -f backup_file -R repository [-confonly] [-y]
機能説明
irepbacksysコマンドは、Interstage ディレクトリサービスの資源のバックアップ・移出を行います。
以下に、irepbacksysコマンドの引数を説明します。
作成するバックアップディレクトリに付ける名前をパスで指定します。大文字、小文字は区別しません。
パス指定ではない場合は、カレントパスとみなします。
パスで128バイト以内になるように指定してください。
空白を含むパスを指定する場合は、“"”(ダブル引用符)で囲んでください。
バックアップディレクトリ名には、以下の文字は使用できません。ただし、“:”(コロン)についてはドライブ文字を指定する場合、“\”(エンマーク)についてはディレクトリのセパレータとして指定する場合は使用できます。また、“.”(ピリオド)のみは指定できません。
: ; / * ? \ < > | " , |
作成するバックアップファイルに付ける名前(拡張子含まず)をパスで指定します。
パス指定ではない場合は、カレントパスとみなします。
パスで128バイト以内になるように指定してください。
ファイル名には、0-9の数字、a-zとA-Zの英字、“.”(ピリオド)、“_”(アンダーライン)が使用できます。
Interstage ディレクトリサービス資源のリポジトリ名を指定します。
大文字、小文字は区別しません。半角英大文字を指定した場合も半角英小文字とみなします。
リポジトリ環境のみバックアップする場合に指定します。本オプションは、クラスタシステムにおいて運用ノードから待機ノードへリポジトリ環境を複写する際に使用します。
リポジトリデータのみバックアップする場合に指定します。リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合は、リポジトリデータは、バックアップの対象外ですので、指定できません。(RDB製品の機能を使用してバックアップしてください。)
コマンド実行中のメッセージ出力を抑止する場合に指定します。また、応答メッセージ出力時に、“y”、または“Y”が入力された場合と同じ処理を行います。
本オプションを指定した場合は、システムログ(Windows(R)ではイベントログ)にエラーメッセージを出力します。
ポイント
Interstage ディレクトリサービスが提供するバックアップ・リストアコマンドのオプションと、その対象とする資源の関係は以下のとおりです。
対象とする資源 | コマンドのオプション | ||
---|---|---|---|
指定なし | -confonly | -dataonly | |
リポジトリ環境 | ○ | ○ |
|
リポジトリデータ | ○ |
| ○ |
アクセスログ | ○ |
|
|
対象とする資源 | コマンドのオプション | |
---|---|---|
指定なし | -confonly | |
リポジトリ環境 | ○ | ○ |
リポジトリデータ |
|
|
アクセスログ | ○ |
|
メッセージ
コマンドの実行結果は、コマンドを実行した画面に出力されます。メッセージの内容については、“メッセージ集”の“メッセージ番号がirepで始まるメッセージ”を参照してください。
注意事項
本コマンドは、管理者権限で実行してください。
エントリ管理ツールの「接続情報設定」はバックアップの対象ではありません。
irepadminコマンドのRDBとの依存関係の設定は、バックアップの対象ではありません。
irepadminコマンドの自動起動設定は、バックアップの対象ではありません。
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合は、リポジトリデータは、バックアップの対象外ですので、バックアップされません。RDB製品の機能を使用して、バックアップしてください。
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合は、-dataonlyオプションを指定できません。
irepbacksysコマンド実行前に、バックアップ対象のリポジトリを停止してください。リポジトリを停止せずにバックアップを実行した場合、バックアップ中に更新されたエントリがバックアップ対象とならない場合があります。確実に全エントリをバックアップ対象としたい場合は、エントリが更新されていないことを確認の上、実施してください。
なお、運用上、リポジトリを停止することができない場合は、バックアップされた最新のファイルを利用して、ireprestsysコマンドの-lオプションを指定してバックアップ情報を出力してください。
例
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -l Date 2007-02-06,09:39:16 irepVL 4.0 OSname Win HostName host01 Option none Repository rep001 Database symfoware
ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l Date 2007-02-06,09:39:16 irepVL 4.0 OSname SunOS HostName host01 Option none Repository rep001 Database symfoware
ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l Date 2007-02-06,09:39:16 irepVL 4.0 OSname Linux HostName host01 Option none Repository rep001 Database symfoware
Database行は、リポジトリのデータベースとしてRDBを使用している場合に出力されます。
出力された情報中にあるDate行の時刻を確認し、対象リポジトリのアクセスログ格納先にあるアクセスログを参照の上、その時刻以降のエントリ更新情報が存在しないことを確認してください。存在する場合は、再度バックアップを実行してください。アクセスログについては、“ディレクトリサービス運用ガイド”の“リポジトリの運用監視”を参照してください。
同一サーバ上でバックアップ、またはリストア中の場合は、バックアップを行うことができません。バックアップ、またはリストア終了後、バックアップを行ってください。
同一のOS間でのみバックアップ・リストア可能です。
バックアップしたリポジトリをリストアする際、リポジトリ名、データベース格納先、アクセスログ格納先は同じとなります。データベース格納先、およびアクセスログ格納先パスがない場合は、パスを作成後、リストアしてください。
-confonlyオプションは、クラスタ環境構築時、運用ノードから待機ノードへリポジトリ環境を複写する場合に使用します。通常構成において、本機能を利用して復元された環境では、リポジトリを起動できないことがありますので、使用しないでください。
バックアップ時に-confonly、および-dataonlyを指定した場合は、リストア時に同じオプションを指定してください。なお、バックアップ時に-confonly、および-dataonlyオプションを指定していない場合でも、リストア時に-confonly、および-dataonlyオプションは指定可能です。
バックアップディレクトリ指定時に、すでにバックアップディレクトリが存在する場合、エラーとなります。
バックアップファイル指定時に、すでにバックアップファイルが存在する場合、以下のメッセージを出力してバックアップファイルの上書き待ちとなります。上書きする場合は、“y”、または“Y”を入力してバックアップを続行してください。バックアップを中止する場合は、“n”、または“N”を入力してください。その他のキーを入力した場合は、以下のメッセージを再度、出力してキー入力待ちとなります。
-yオプション指定時は、以下のメッセージを出力せずに、バックアップファイルを上書きします。
Backup file already exists. (%s) |
%s:バックアップファイルパス
バックアップファイルの名前は-fオプションで指定したファイル名に拡張子(.tar.gz)を付加した名前になります。-yオプションを指定してコマンドを実行すると、拡張子を付加した名前と同じファイルが-fオプションで指定したパスにすでに存在している場合、ファイルが上書きされてしまうため、同名となるファイルはあらかじめ退避しておくことを推奨します。
Interstage ディレクトリサービスのバージョンが、バックアップした環境よりも古い環境に対してリポジトリの資源をリストアすることはできません。
使用例
リポジトリ“rep001”の資源を“X:\Backup\irep\rep001_back”というディレクトリにバックアップする場合
irepbacksys -d X:\Backup\irep\rep001_back -R rep001 |
リポジトリ“rep001”の資源を“/backup/irep/rep001_back.tar.gz”というファイルにバックアップする場合
# irepbacksys -f /backup/irep/rep001_back -R rep001 |