名前
ireprestsys - Interstage ディレクトリサービスの資源のリストア・移入
形式
(1)資源のリストア・移入
リポジトリのデータベースとして標準データベースを使用する場合
ireprestsys -d backup_directory -R repository [ [-confonly] [-S] | -dataonly ] [-y]
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合
ireprestsys -d backup_directory -R repository [-confonly] [-y]
リポジトリのデータベースとして標準データベースを使用する場合
ireprestsys -f backup_file -R repository [ [-confonly] [-S] | -dataonly ] [-y]
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合
ireprestsys -f backup_file -R repository [-confonly] [-y]
(2)バックアップディレクトリ(またはファイル)の情報表示
ireprestsys -d backup_directory -l
ireprestsys -f backup_file -l
機能説明
ireprestsysコマンドは、Interstage ディレクトリサービスの資源のリストア・移入を行います。
以下に、ireprestsysコマンドの引数を説明します。
リストアを行うバックアップディレクトリの名前を絶対パスで指定します。大文字、小文字は区別しません。
パス指定ではない場合は、カレントパスとみなします。
パスで128バイト以内になるように指定してください。
空白を含むパスを指定する場合は、‘”’(ダブル引用符)で囲んでください。
バックアップディレクトリを圧縮している場合は、解凍後、指定してください。
バックアップディレクトリ名には、以下の文字は使用できません。ただし、“:”(コロン)についてはドライブ文字を指定する場合、“\”(エンマーク)についてはディレクトリのセパレータとして指定する場合は使用可能です。また、“.”(ピリオド)のみは指定できません。
: ; / * ? \ < > | " , |
リストアを行うバックアップファイルの名前(拡張子含む)を絶対パスで指定します。
パス指定ではない場合は、カレントパスとみなします。
パスで128バイト以内になるように指定してください。
ファイル名には、0-9の数字、a-zとA-Zの英字、“.”(ピリオド)、“_”(アンダーライン)が使用できます。
バックアップファイル内のリポジトリ名を指定します。
大文字、小文字は区別しません。半角英大文字を指定した場合も半角英小文字とみなします。
リポジトリ環境のみリストアする場合に指定します。本オプションは、クラスタシステムにおいて運用ノードから待機ノードへリポジトリ環境を複写する際に使用します。
リポジトリ環境をスタンドアロンに書き換えてリストアする場合に指定します。リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合は、リポジトリデータは、リストアの対象外ですので、指定できません。(RDB製品の機能を使用してリストアしてください。)
リポジトリデータのみリストアする場合に指定します。リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合は、リポジトリデータは、リストアの対象外ですので、指定できません。(RDB製品の機能を使用してリストアしてください。)
コマンド実行中のメッセージ出力を抑止する場合に指定します。また、応答メッセージ出力時に、“y”、または“Y”が入力された場合と同じ処理を行います。
本オプションを指定した場合は、システムログ(Windows(R)ではイベントログ)にエラーメッセージを出力します。
バックアップディレクトリ内の情報を表示する場合に指定します。本オプション指定時には、-dオプションも合わせて指定してください。
バックアップファイル内の情報を表示する場合に指定します。本オプション指定時には、-fオプションも合わせて指定してください。
出力される情報は、バックアップ時の以下の情報を示します。
Date :日付と時刻
irepVL :Interstage ディレクトリサービスのバージョンレベル
OSname :OS名
HostName :ホスト名
Option :オプション(-confonly/-dataonly)指定
Repository:リポジトリ名
Database :データベース名(リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合)
メッセージ
コマンドの実行結果は、コマンドを実行した画面に出力されます。メッセージの内容については、“メッセージ集”の“メッセージ番号がirepで始まるメッセージ”を参照してください。
注意事項
本コマンドは、管理者権限で実行してください。
エントリ管理ツールの「接続情報設定」はリストア後に、設定する必要があります。
RDBとの依存関係の設定は、リストア後に、irepadminコマンドで設定する必要があります。
自動起動設定は、リストア後に、irepadminコマンドで設定する必要があります。
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合は、リポジトリデータは、リストアの対象外ですので、リストアされません。RDB製品の機能を使用して、リストアしてください。
同一サーバ上でバックアップ、またはリストア中の場合は、リストアを行うことができません。バックアップ、またはリストア終了後、リストアを行ってください。
バックアップしたリポジトリをリストアする際、リポジトリ名、データベース格納先、アクセスログ格納先は、バックアップした環境と同じとなります。データベース格納先、およびアクセスログ格納先パスがない場合は、パスを作成後、リストアしてください。
同一のOS間でのみバックアップ・リストアできます。
-confonlyオプションは、クラスタ環境構築時、運用ノードから待機ノードへリポジトリ環境を複写する場合に使用します。通常構成において、本機能を使用して復元された環境では、リポジトリを起動できないことがありますので、使用しないでください。
バックアップ時に-confonly、および-dataonlyオプションを指定した場合は、リストア時に同じオプションを指定してください。なお、バックアップ時に-confonly、および-dataonlyオプションを指定していない場合でも、リストア時に-confonly、および-dataonlyオプションは指定できます。
-dataonlyオプション指定時に、すでにデータベース格納先にデータが存在する場合、以下のメッセージを出力してデータベースの置き換え待ちとなります。置き換える場合は、“y”、または“Y”を入力してリストアを続行してください。リストアを中止する場合は、“n”、または“N”を入力してください。その他のキーを入力した場合は、以下のメッセージを再度出力してキー入力待ちとなります。
-yオプション指定時は、以下のメッセージを出力せずにデータベースを置き換えます。
Data already exists in database store. (%s) |
%s:データベース格納先パス
以下の場合、-dataonlyオプションを指定してのリストアはできません。
リポジトリ停止状態以外
リポジトリ未定義状態(バックアップ時とリストア時でリポジトリ名が不一致の場合)
バックアップ時とリストア時でデータベース格納先が不一致の場合
バックアップ時とリストア時で公開ディレクトリが不一致の場合
リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合
レプリケーション運用時に、-dataonlyオプションを指定して、リストアを行った場合、“ディレクトリサービス運用ガイド”の“負荷分散環境(レプリケーション形態)の作成”を参照し、再度レプリケーションの設定を行ってください。
圧縮したバックアップディレクトリを指定してリストアはできません。解凍後、リストアしてください。
Interstage ディレクトリサービスのバージョンが、バックアップした環境よりも古い環境に対してリポジトリの資源をリストアすることはできません。
SSL定義(Interstage証明書環境)を使用するリポジトリをリストアした場合は、Interstage管理コンソールで、以下の操作を実施してください。
[システム] > [サービス] > [リポジトリ] > [状態]タブ(管理サーバの場合は、[一括操作] > [Interstage管理コンソール] > [Interstage Application Server] > [セキュリティ] > [リポジトリ] > [状態]タブ)の、[状態の再取得]ボタンをクリックしてください。
使用例
バックアップディレクトリ“X:\Backup\irep\rep001_back”を“rep001”というリポジトリ名でリストアする場合
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -R rep001 |
バックアップ時の情報を参照する場合
ireprestsys -d X:\Backup\irep\rep001_back -l |
バックアップファイル“/backup/irep/rep001_back.tar.gz”を“rep001”というリポジトリ名でリストアする場合
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 |
バックアップ時の情報を参照する場合
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l |
バックアップファイル“/backup/irep/rep001_back.tar.gz”を“rep001”というリポジトリ名でリストアする場合
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -R rep001 |
バックアップ時の情報を参照する場合(リポジトリのデータベースとして標準データベースを使用する場合)
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l |
バックアップ時の情報を参照する場合(リポジトリのデータベースとしてRDBを使用する場合)
# ireprestsys -f /backup/irep/rep001_back.tar.gz -l |