DBミラーリングシステムでは、正系ノードでデータベースサーバやデータベースの異常が発生した場合、副系ノードが正系ノードに切り替わります。利用者は、異常発生によるノード切替えを意識することなく、利用者業務を継続することが可能です。
異常が発生したノードをリカバリした後、ノード組込みを実施することにより副系ノードとして組み込まれ、副系ノードの利用者業務も再開可能になります。
正系ノードでデータベースサーバやデータベースの異常が発生した場合に、副系ノードから正系ノードへ切替える方法として、以下の方法があります。
DBミラーリングシステムによる自動ノード切替え
Symfoware/RDBのシステムダウン、およびDBミラーリング動作環境ファイルによる監視設定によってDBミラーリングシステムが自動ノード切替えを行います。
利用者判断によるノード切替え
DBミラーリングシステムの監視による異常の検知、あるいはSymfoware/RDBの異常を利用者が検知した場合など、利用者による判断でノード切替えを行うことが可能です。
利用者判断によるノード切替えには以下の2通りあります。
強制ノード切替えによるノード切替え
Symfoware/RDBの強制停止によるノード切替え
縮退運用の流れを以下に示します。
注意
正系ノードでの異常によりノード切替えが発生してからノード組込みが行われるまでは、データベースは二重化構成ではありません。なるべく早急に異常原因を取り除き、ノード組込みを行ってください。
正系ノードに異常が発生したとき、副系ノードで参照系の利用者業務を行っていた場合は、その業務を一時停止し、ノード組込み後に新しい副系ノードで利用者業務を再開することを推奨します。
ノード切替え後、新しい正系ノードで更新系の利用者業務と参照系の利用者業務を同時に実施する場合は、サーバリソースなどの見積りや性能への影響を十分考慮してください。
ノードの切替え時にスプリットブレインが発生している場合は、以下のメッセージが出力されます。スプリットブレイン発生時の運用を行ってください。
rdb: WARNING: qdg20422w:両ノードでスプリットブレインが発生しています RLP名=' RLP名'
参照
DBミラーリングシステムによる自動ノード切替えについては“1.1.1.2 DBミラーリングシステムによる自動ノード切替え”を参照してください。
利用者判断によるノード切替えについては“1.1.1.3 利用者判断によるノード切替え”を参照してください。
ノード切替えについては“2.3 ノード切替え”を参照してください。
ノードの切替え時にスプリットブレインを検知した場合の対処については“5.5.3 ノードの切替え時のスプリットブレイン検知”を参照してください。
DBミラーリングシステムは、Symfoware/RDBの異常を監視しており、異常発生を検知した場合に自動的にノードを切り替えて、縮退運用を開始することが可能です。
また、DBミラーリングシステムでは、利用者判断によりノードを切り替えて縮退運用を開始することも可能です。
DBミラーリング動作環境ファイルで定義された、システム異常の監視方法の設定により、正系ノードでの異常発生時に、DBミラーリングシステムが自動的にノード切替えを行うか、またはメッセージを出力して利用者判断によりノード切替えを行うかを選択することができます。
注意
Symfoware/RDBがシステムダウンした場合は、利用者判断によるノード切替えを行う必要はありません。
OSのダウン、ノードのダウンの場合は、ノード切替えを行ってください。
ポイント
DBミラーリングシステムによる監視以外にも、利用者による独自の監視を行い、異常発生時にはノード切替えを行うことができます。
参照
ノード切替えの契機となる異常事象と出力されるメッセージについては“2.3.1 ノード切替えの契機となるメッセージ”を参照してください。
ノード切替え完了が通知されない場合の対処は“2.3.4.1 ノード切替え完了が通知されない場合の対処”を参照してください。
システム異常の監視方法の設定については“Mirroring Controller セットアップガイド”の“DBミラーリング動作環境ファイルの編集”を参照してください。
DBミラーリングシステムの監視対象に異常が発生した場合、DBミラーリングシステムにより自動でノードを切り替えて、縮退運用を開始することもできます。
注意
データベースの無応答や閉塞をDBミラーリングシステムによる自動ノード切替えの対象にするためには、DBミラーリング動作環境ファイルの設定が必要です。
正系ノードでの更新系の利用者業務と、副系ノードでの参照系の利用者業務を同時に実施する場合は、自動ノード切替えの後、更新系と参照系の利用者業務が同一ノードに集中します。そのため、更新系の利用者業務への性能的な影響を十分考慮してください。例えば、ノード切替えを検知すると参照系の利用者業務を停止させるなど、運用方法を検討してください。
ポイント
正系ノードで異常が発生すると、DBミラーリングシステムが自動でノードを切り替えて利用者業務は継続されます。
このため、Connection Manager経由で実行している正系ノードの利用者業務は、異常となったトランザクションを再実行するだけで継続可能です。
データベースの閉塞を監視対象とするためには、DBミラーリング動作環境ファイルでDB_INH_OBSERVEの指定が必要です。DB_INH_OBSERVEの指定の考慮については、“Mirroring Controller セットアップガイド”の“監視データベース資源の指定”を参照してください。
参照
DBミラーリング動作環境ファイルの設定については“Mirroring Controller セットアップガイド”の“DBミラーリング動作環境ファイルの編集”を参照してください。
ノード切替えの注意事項については“2.3.5 ノード切替えの注意事項”を参照してください。
DBミラーリングシステムによる自動ノード切替えの契機については“2.3.1.1 自動ノード切替えの契機となるメッセージ”を参照してください。
DBミラーリングシステムでは、業務の優先度を確認した後、利用者判断でノードを切り替えて縮退運用を開始することが可能です。
利用者によるノード切替えには以下の2つのパターンがあります。
注意
正系ノードでの更新系の利用者業務と、副系ノードでの参照系の利用者業務を同時に実施する場合は、ノード切替えを行う前に、副系ノードの参照系の利用者業務を停止することを推奨します。ノード切替え後の正系(または昇格正系)ノードで参照系の利用者業務を実施する場合、更新系の利用者業務への性能的な影響を十分考慮してください。
強制ノード切替えによるノード切替えの流れを説明します。
参照
正系ノードの状態が確認できない場合や、正系ノードでSymfoware/RDBの強制停止ができない場合は“2.3.5.3 通信環境異常時のノード切替え”を参照してください。
ノード切替えの注意事項については“2.3.5 ノード切替えの注意事項”を参照してください。
利用者によるノード切替えの判断については“2.3.1.2 利用者によるノード切替えの契機となるメッセージ”を参照してください。
強制ノード切替えについては“2.3.3 強制ノード切替えによるノード切替え”を参照してください。
正系ノードでSymfoware/RDBの強制停止を実行することで、利用者判断によるノード切替えが可能です。
正系ノードでSymfoware/RDBの強制停止を実行することで、DBミラーリングシステムが正系ノードを副系ノードに切り替えて、利用者業務は継続されます。
以下にデータベース強制停止によるノード切替えの流れを示します。
参照
正系ノードの状態が確認できない場合や、正系ノードでSymfoware/RDBの強制停止ができない場合は“2.3.5.3 通信環境異常時のノード切替え”を参照してください。
ノード切替えの注意事項については“2.3.5 ノード切替えの注意事項”を参照してください。
利用者によるノード切替えの判断については“2.3.1.2 利用者によるノード切替えの契機となるメッセージ”を参照してください。
Symfoware/RDBの強制停止によるノード切替えについては“2.3.2 Symfoware/RDBの停止によるノード切替え”を参照してください。