ハードウェアの異常を検出し、自動リカバリや手動切替えを行った場合、以下のどれかの復旧作業を行います。
ハードウェアの交換方法については、「第6章 ハードウェア保守」を参照してください。
ストレージアフィニティ切替え方式の場合、本製品での復旧作業の前に、ESC上でサーバのHBAの状態を確認してください。
切替え前のHBAの状態が"unknown"の場合
HBAを削除してください。
切替え後のHBAの状態が"アクセスパス継承必要"(黄色のアイコン)で表示されている場合
アクセスパスの継承を行ってください。
詳細は、ESCのユーザーズガイドを参照してください。
「切戻し」を行う場合
以下の操作を実行してください。
故障したサーバのハードウェアの交換などを行って故障箇所を復旧します。
「切戻し」の操作を行って切替え前の状態に戻します。
ストレージアフィニティ切替え方式の場合、切戻し後、ESC上でサーバのHBAの状態を確認し、切替え後と同じ対処を行ってください。エージェントを登録していた予備サーバの場合、対処を行ったあと、「参考」に記載されている手順に従って予備サーバのゾーニングとストレージ装置のホストアフィニティ設定を復旧させてください。
「継続」を行う場合
以下の操作を実行してください。
故障したサーバのハードウェアの交換などを行って故障箇所を復旧します。
「継続」の操作を行って切替え後のサーバによる運用を継続します。
ストレージアフィニティ切替え方式で、かつエージェントを登録していた予備サーバの場合、「参考」に記載されている手順に従って予備サーバのゾーニングとストレージ装置のホストアフィニティ設定を復旧させてください。
参考
ハードウェアの交換などによる故障箇所の復旧は、「継続」操作の前後、どちらでもできます。
以下の手順で、ストレージアフィニティ切替え方式における予備サーバのゾーニングと、ストレージ装置のホストアフィニティ設定の復旧を行います。
予備サーバのゾーニングとホストアフィニティ設定を、[リソース詳細]タブの"WWN情報"に表示されたゾーニングとホストアフィニティ情報から確認します。
storageadm zone infoコマンドでゾーニングとホストアフィニティ設定を確認します。
storageadm zone add/deleteコマンドを使用して、予備サーバのゾーニングとホストアフィニティ設定を復旧させます。
storageadm zoneコマンドの使用方法については、「ETERNUS SF Storage Cruiser ユーザーズガイド」を参照してください。
注意
切戻し
以下の手順で、切替えが発生した状態を切替え前の構成に戻します。
サーバの切戻しの条件については、「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」の「サーバの切戻しの条件」を参照してください。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、予備サーバに切り替わって運用している物理OSやVMホストを右クリックし、表示されたメニューで[予備サーバ]-[切戻し]を選択します。
[サーバの切戻し]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
サーバ切替えの設定が開始されます。処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。運用中の予備サーバが停止し、サーバOSが運用サーバに移動して起動されます。バックアップ・リストア方式の場合、進捗状況エリアの<キャンセル>ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。
注意
サーバ切替え/切戻しをキャンセルした場合、切替え元/切戻し元サーバの電源はOFFになっています。継続して運用する場合は電源をONにしてください。切替え先/切戻し先の内蔵ディスクに、切替え元/切戻し元のサーバとIPアドレスなどの情報が重複したOSイメージが残ることがあります。
バックアップ・リストアによる運用サーバへの切戻し中や切戻しが行われた状態で、切戻し元である予備サーバを起動しないでください。
運用サーバに切り戻した状態で予備サーバの電源をONにすると、同じシステムイメージで2つのサーバが動作する状態になり、IPアドレスなどの情報が重複するため、運用サーバの動作に影響を与える可能性があります。
保守作業などで電源をONにする場合、運用サーバの電源をOFFにしてから行うか、予備サーバの起動をBIOS画面で停止させるなどの方法で、運用サーバと予備サーバが同じシステムイメージを持ったディスクから起動しないようにしてください。
サーバ切替え方式にバックアップ・リストアを使用している場合で、かつ、切戻し後に修復したサーバに対して予備サーバのデータを引き継ぐ必要がある場合、切戻しを行う前に予備サーバをバックアップしておきます。
「操作ガイド VE」の「16.2 バックアップ」の「システムイメージのバックアップ」を参照し、管理対象サーバを予備サーバに読み替えて行ってください。
予備サーバのデータを引き継ぐ必要がない場合、予備サーバのバックアップは必要ありません。この場合、修復したサーバは、故障が発生する前にバックアップしたシステムイメージが配付されます。
PRIMERGY BXシリーズの場合、切戻し後、運用サーバのメンテナンスLEDは自動的にOFFになります。
予備サーバがI/O仮想を利用している場合、切戻し後、予備サーバの電源はONになります。
継続
以下の手順で、切替えが発生した状態を切替え後の構成のまま継続します。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、予備サーバに切り替わって運用している物理OSやVMホストを右クリックし、表示されたメニューで[予備サーバ]-[継続]を選択します。
[サーバの継続]ダイアログが表示されます。
<OK>ボタンをクリックします。
予備サーバが運用サーバとして運用を継続し、切替え前に運用を行っていたサーバが予備サーバに変更されます。
複数の運用サーバで予備サーバを共有していた場合、切替え後の運用サーバだけでなく、共有しているすべての運用サーバの、予備サーバ情報の設定が変更されます。
例
切替え前の状態
業務1: サーバA(運用) - サーバB(予備)
業務2: サーバC(運用) - サーバB(予備)
サーバAが故障して業務1を切替え
業務1: サーバA(故障) - サーバB(運用)
業務2: サーバC(運用) - サーバB (*1)
サーバA復旧後に、業務1を継続
業務1: サーバB(運用) - サーバA(予備)
業務2: サーバC(運用) - サーバA(予備)
*1: サーバCからサーバBへの自動リカバリや手動切替えは行えません。
注意
切替えが発生した場合、切戻しまたは継続を行うまで、自動リカバリや手動切替えは行えません。
再度切替えを行えるようにするためには、切戻しまたは継続の操作を行ってください。
管理対象サーバがPRIMEQUESTの場合、継続時にPSA-MMB間のIPアドレスを変更してください。設定方法については該当するハードウェアのマニュアルを参照してください。