切替えには、管理対象サーバの異常を検出して自動的に切替えを行う自動リカバリと、ユーザーの操作によって切り替える手動切替えがあります。
自動リカバリまたは手動切替えを使用して切替えが行われた場合、切戻しまたは継続の操作を行ってください。
詳細は、「4.3 切替え後の操作」を参照してください。
利用できるサーバ切替え方式は、管理対象サーバのハードウェア環境によって異なります。
詳細は、「設計ガイド VE」の「2.5 ハードウェア環境」の「注意」を参照してください。
注意
予備サーバにサーバOSが動作している構成で、運用サーバと予備サーバのブート形式が異なる場合、サーバ切替えに失敗し、運用サーバのOSが破損する危険性があります。ブート形式は必ず合わせてください。
サーバ切替え中には、サーバの再起動や構成変更によるSNMP Trapが発生し、イベントログに表示されることがあります。
詳細は、「メッセージ集」の「第1部 Virtual EditionおよびCloud Editionで表示されるメッセージ」を参照してください。
バックアップ・リストアによる予備サーバへの切替え中や、切替えが行われた状態では、切替え元のサーバ(運用サーバ)を起動しないでください。
切替え元(運用サーバ)と切替え先(予備サーバ)の2台のサーバは、同じシステムイメージで動作します。2台が同時に起動していると、IPアドレスなどの情報が重複し、切替え先のサーバ(予備サーバ)の動作に影響を与える可能性があります。
保守作業などで電源をONにする場合、予備サーバの電源をOFFにしてから行うか、運用サーバの起動をBIOS画面で停止させるなどの方法で、運用サーバと予備サーバが同じシステムイメージを持ったディスクから起動しないようにしてください。
PRIMERGY BXシリーズの場合、サーバ切替え後、運用サーバのメンテナンスLEDは自動的にONになります。
予備サーバが起動している状態でサーバを切り替えたとき、予備サーバの電源はOFFになります。
VMホストの予備サーバに切り替えたとき、予備サーバのVMホストはVMメンテナンスモードに設定されます。
予備サーバの電源をシャットダウン後、15分以内に電源がOFFにならない場合、予備サーバの電源は強制OFFされます。
自動リカバリ
PRIMERGY BXシリーズ、PRIMEQUEST
サーバ切替えの設定で自動リカバリを行う設定にすると、運用サーバの状態が"error"または"fatal"となり、かつ、OSが動作していないと判断されたときに、自動的に予備サーバへの切替えが行われます。
ラックマウント型サーバ、タワー型サーバおよびSPARC Enterprise
サーバ切替えの設定で自動リカバリを行う設定にすると、"Error"レベルのSNMPトラップを受信し、かつ、OSが動作していないと判断されたときに、自動的に予備サーバへの切替えが行われます。
OS停止の判断基準については、「導入ガイド VE」の「9.4 自動リカバリの発生条件」を参照してください。
手動切替え
以下の手順で、運用サーバから予備サーバへの切替えを手動で行えます。
手動切替えは、切替えが正しく動作することの確認や、独自の判断で切替えを行いたい場合に利用します。
サーバ切替えの条件については、「導入ガイド VE」の「9.3 サーバ切替え条件」の「サーバ切替えの条件」を参照してください。
RORコンソールのサーバリソースツリーで、切替えを行う物理OSやVMホストを右クリックし、表示されたメニューで[予備サーバ]-[切替え]を選択します。
[サーバの切替え]ダイアログが表示されます。
切替え先サーバを選択します。
"自動割当て"を選択した場合、切替え先サーバが自動的に選択されます。
<OK>ボタンをクリックします。
サーバ切替えの設定が開始されます。処理状況はRORコンソールの進捗状況エリアで確認できます。運用中のサーバが停止し、物理OSやVMホストが予備サーバ上で起動されます。バックアップ・リストア方式の場合、進捗状況エリアの<キャンセル>ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、処理を中断できます。
注意
サーバ切替え/切戻しをキャンセルした場合、切替え元/切戻し元サーバの電源はOFFになっています。継続して運用する場合は電源をONにしてください。サーバ切替え/切戻しをキャンセルした場合、切替え先/切戻し先の内蔵ディスクに、切替え元/切戻し元のサーバとIPアドレスなどの情報が重複したOSイメージが残ることがあります。
参考
手動切替えを行う場合、運用サーバの状態に関係なく、切替え操作を行えます。
自動リカバリまたは手動切替えで"自動割当て"を選択した場合、以下の優先順位で有効な予備サーバが選択されます。
何も設定されていない物理サーバ
HBA address rename情報またはVIOMサーバプロファイルが設定されている物理サーバ
エージェントを登録している物理サーバ
また、それぞれの物理サーバ名について、以下の優先順位で有効な予備サーバが選択されます。
"-"
数字
大文字英字
小文字英字