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Interstage Business Application ServerV10.1.0 COBOLアプリケーション開発リファレンス
Interstage

5.2.3 サーバ側のユーザ環境の設定

5.2.3.1 UNIXサーバの場合

ここではSolarisサーバとLinuxサーバの設定情報が共通であるため、SolarisとLinuxを合わせてUNIXと記述しています。

UNIXアプリケーションのリモート開発時に、UNIXサーバ側の設定が必要な環境変数の詳細と、その設定方法について説明します。

コード変換

アプリケーション資産の送受信に必要なコード変換をUNIXサーバ側のInterstage Charset Managerを使用する場合には、次に示す環境変数を設定する必要があります。なお、以下の説明では、{CHARSET_BASED}がInterstage Charset Managerのインストール先を示すものとして説明します。

ビルド

リモート開発のビルドは、UNIXサーバ側のcobol翻訳コマンドを使用して、COBOLアプリケーションの翻訳・リンクが行われます。このため、次に示す4つの環境変数の指定は必須です。なお、以下の説明では、{COB_BASED}がNetCOBOLのインストール先を示すものとして説明します。

LANGを除く環境変数の設定は、そのためのシェルスクリプトが各UNIX系システムのNetCOBOL製品に用意されており、通常はそれを使用します。

翻訳・リンク時に必須の環境変数を設定するためのシェルスクリプトを以下に示します。

システム

格納場所

ファイル名

備考

Solaris

/opt/FJSVcbl/config

cobol.csh

csh用

Linux(x86)

/opt/FJSVcbl/config

cobol.sh

sh/bash用

Linux(Itanium)

cobol.csh

csh/tcsh用

Linux(x64)

/opt/FJSVcbl64/config

cobol.sh

sh/bash用

cobol.csh

csh/tcsh用

その他、必要に応じて次のような環境変数を指定します。詳細はサーバの"NetCOBOL 使用手引書"を参照してください。

環境変数設定用のシェルスクリプト例

ここでは、設定する必要のある環境変数が次のようであると仮定して、その環境変数を設定するためのスクリプトの例を示します。

Solarisサーバの場合

Solarisサーバを使用してリモート開発する場合、ログインシェルとしてcshを使用する必要があります。各開発者の使用するホームディレクトリにある".cshrc"に以下のテキストを追加編集してください。

Solarisサーバでの".cshrc"への修正例を示します。

## COBOL環境設定
source /opt/FJSVcbl/config/cobol.csh
## Interstage Charset Managerのための環境設定
if(${?LD_LIBRARY_PATH}) then
setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
else
setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib
endif
## 開発者共通の翻訳・リンク時設定
setenv COBOLOPTS "-dp ../list"
setenv COBCOPY ../COPYLIB:${COBCOPY}
## 開発対象アプリケーションの使用する文字コード
setenv LANG ja_JP.UTF-8
Linuxサーバの場合

Linuxサーバを使用してリモート開発する場合、ログインシェルとしてcshまたはbashを使用できます。

ログインシェルとしてcshを使用する場合、各開発者の使用するホームディレクトリにある".cshrc"に以下のテキストを追加編集してください。

".cshrc"への修正例を示します。

## COBOL環境設定
source /opt/FJSVcbl/config/cobol.csh
## Interstage Charset Managerのための環境設定
if(${?LD_LIBRARY_PATH}) then
setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib:${LD_LIBRARY_PATH}
else
setenv LD_LIBRARY_PATH /opt/FSUNiconv/lib
endif
## 開発者共通の翻訳・リンク時設定
setenv COBOLOPTS "-dp ../list"
setenv COBCOPY ../COPYLIB:${COBCOPY}
## 開発対象アプリケーションの使用する文字コード
setenv LANG ja_JP.UTF-8

ログインシェルとしてbashを使用する場合、各開発者の使用するホームディレクトリにある".bashrc"に以下のテキストを追加編集してください。

".bashrc"への修正例を示します。

## COBOL環境設定
source /opt/FJSVcbl/config/cobol.sh
## Interstage Charset Managerのための環境設定
if [ ${LD_LIBRARY_PATH:-""} = "" ] ; then
LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNiconv/lib; export LD_LIBRARY_PATH
else
LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNiconv/lib:${LD_LIBRARY_PATH};export LD_LIBRARY_PATH
fi
## 開発者共通の翻訳・リンク時設定
COBOLOPTS="-dp ../list";export COBOLOPTS
COBCOPY=../COPYLIB:${COBCOPY}; export COBCOPY
## 開発対象アプリケーションの使用する文字コード
LANG=ja_JP.UTF-8; export LANG

5.2.3.2 Windowsサーバの場合

Windowsサーバを使用してリモート開発を行う場合、サーバ環境上のユーザアカウントを使って開発作業が実行されます。リモート開発作業のために既存のユーザアカウントを使用しない場合は、リモート開発用の新規ユーザアカウントをサーバ環境上に作成する必要があります。新規ユーザアカウントを作成するには、そのサーバの管理者に相談してください。一般に、サーバのローカルユーザアカウントを追加する場合は、管理者アカウントでサーバにログオンし、[スタート] > [管理ツール] > [コンピュータの管理]を選択して[コンピュータの管理]を表示し、その中の[ローカルユーザとグループ]を使用します。

リモート開発の作業のために追加の環境設定が必要になった場合は、そのユーザアカウントの環境に設定を追加してください。

注意

ユーザアカウントはユーザグループのメンバーとして登録してください。
ローカルPCからサーバへの接続時にパスワードの変更はできません。このため、ユーザアカウントの設定で、ローカルPCからサーバへ接続するときにパスワードを変更する設定はしないでください。

Windows(Itanium)の場合

ユーザアカウントの環境変数に、NetCOBOLおよびMicrosoft Platform SDKの情報を設定する必要があります。設定する情報は使用するソフトウェア開発キットにより違いがあります。

Microsoft Platform SDKの場合

環境変数と設定する値を、次の表に示します。

  • "%NetCOBOL%"はNetCOBOLのインストール先フォルダ名です。

  • "%MSSdk%"はMicrosoft Platform SDKのインストール先フォルダ名です。

    環境変数名

    設定する値

    Path

    %NetCOBOL%
    %MSSdk%\Bin\Win64\IA64
    %MSSdk%\Bin\Win64
    %MSSdk%\Bin
    %MSSdk%\Bin\WinNT

    Lib

    %MSSdk%\Lib\IA64
    %MSSdk%\Lib\IA64\mfc

    Include

    %MSSdk%\Include\crt
    %MSSdk%\Include\crt\sys
    %MSSdk%\Include\mfc
    %MSSdk%\Include\atl
    %MSSdk%\Include

Windows SDK for Windows Server 2008 and .NET Framework 3.5 (V6.1)の場合

環境変数と設定する値を、次の表に示します。

  • "%NetCOBOL%"はNetCOBOLのインストール先フォルダ名です。

  • "%MSSdk%"と"%VCRoot%"はWindows SDK for Windows Server 2008 and .NET Framework 3.5 (V6.1)のインストール先フォルダ名です。"%MSSdk%"と"%VCRoot%"のデフォルトインストール先は以下になります。

    %MSSdk%: C:\Program Files\Microsoft SDKs\Windows\v6.1
    %VCRoot%: C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio 9.0\VC

    環境変数名

    設定する値

    Path

    %NetCOBOL%
    %MSSdk%\Bin
    %MSSdk%\Bin\IA64
    %VCRoot%\Bin\IA64
    %VCRoot%\vcpackages

    Lib

    %MSSdk%\Lib\IA64
    %VCRoot%\Lib\IA64

    Include

    %MSSdk%\Include
    %MSSdk%\Include\gl
    %VCRoot%\Include

注意

ソフトウェア開発キットのインストール先のパス名に含まれるフォルダ名"IA64"は、サーバのCPUアーキテクチャにより"x64"、"amd64"などになっている場合があります。このため、ソフトウェア開発キットのインストール先のパス名を確認してから設定してください。

Windows(x64)の場合

ユーザアカウントの"PATH"環境変数にNetCOBOLのインストール先フォルダ名を設定します。リモートビルドはサーバ側NetCOBOLの"NetCOBOLコマンドプロンプト"と同じ環境で実行されます。