イベントサービスを用いたシステムの運用時には、チャネル数、接続するコンシューマ/サプライヤ数などによりシステム資源を拡張する必要があります。ここでは、以下について説明します。
以降に示す値は、CORBAサービスの値を含んでいません。“3.1.1 CORBAサービスのシステム資源の設定”を参照し、必要な値を加算してください。
■システムパラメタ
一般的なイベントサービスが使用する共用メモリ、セマフォ、メッセージキューのシステムパラメタのチューニングについて説明します。
イベントサービスの他に共用メモリ、セマフォ、メッセージキューを使用するアプリケーションが存在する場合、そのアプリケーションが使用する資源にイベントサービスの資源量を加算してください。
システムパラメタの変更方法や、各パラメタの意味については、“■システムパラメタについて”を参照してください。
なお、資源制御によるIPC資源のパラメタは、Solaris 10以降の場合に設定可能です。
揮発チャネル運用と不揮発チャネル運用を併用している場合は、不揮発チャネル運用の必要数を使用してください。
共用メモリ
パラメタ | 資源制御 | 種類 | 必要数 |
---|---|---|---|
shmmax(注1) | - | 設定値 | [揮発チャネル運用の場合][Solaris 9の場合]
|
[不揮発チャネル運用の場合][Solaris 9の場合]
| |||
- | project.max-shm-memory | 加算値 | [揮発チャネル運用の場合][Solaris 10以降の場合]
|
[不揮発チャネル運用の場合][Solaris 10以降の場合]
| |||
shmmni | project.max-shm-ids | 加算値 | [揮発チャネル運用の場合] |
[不揮発チャネル運用の場合] |
Solaris 10以降でshmmaxを設定する場合、Solarisのドキュメントおよび“■システムパラメタについて”を参照して値を決定してください。
イベントチャネル最大作成数 =
静的生成イベントチャネル最大作成数 + 動的生成イベントチャネル最大作成数
traceconfigファイルの詳細については、“D.1 traceconfig”を参照してください。
同時実行可能なグローバルトランザクション数は、イベントサービスの構成情報管理コマンド(essetcnf)による-gtrnmaxオプションの設定値です。
各値は、ユニット作成コマンド(esmkunit)による以下のユニット定義の設定値です。
なお、複数のユニットを使用する場合は、それぞれのユニットに対して、算出してください。
| ユニット定義の項目 |
---|---|
トランザクションの多重度 | tranmaxの設定値 |
システム用データ格納域の数 | sysqnumの設定値 |
イベントデータ用データ格納域の数 | userqnumの設定値 |
ユニットで使用する共用メモリサイズ | shmmaxの設定値(42より小さい場合は、42) |
イベントデータの平均サイズは、以下の計算式で求めます(小数点以下は、切り上げ)。
Ev_size: アプリケーション内で送受信するイベントデータの平均サイズ
[Ev_sizeが2Kバイト以内の場合]
イベントデータの平均サイズ = ((Ev_size + 1) ÷ 512) × 512
[Ev_sizeが2Kバイトを超える場合]
イベントデータの平均サイズ = 2K + ((Ev_size - 2K) ÷ 16K) × 16K
packmsg_cntキーワード値は、MessageQueueDirectorのイベントチャネル連携サービスのサービス定義で指定したCHANNELセクションのpackmsg_cntキーワード値です。
共用メモリ
パラメタ | 種類 | 必要数 |
---|---|---|
kernel.shmmax | 設定値 | [揮発チャネル運用の場合] |
[不揮発チャネル運用の場合]
| ||
kernel.shmmni | 加算値 | [揮発チャネル運用の場合]
|
[不揮発チャネル運用の場合]
|
イベントチャネル最大作成数 =
静的生成イベントチャネル最大作成数 + 動的生成イベントチャネル最大作成数
trace_sizeパラメタおよびtrace_bufferパラメタは、イベントサービスの動作環境ファイル(traceconfig)で指定します。詳細については、“D.1 traceconfig”を参照してください。
同時実行可能なグローバルトランザクション数は、イベントサービスの構成情報管理コマンド(essetcnf)による-gtrnmaxオプションの設定値です。
ユニットで使用する共用メモリサイズは、ユニットの作成コマンド(esmkunit)のユニット定義ファイルで指定した項目shmmaxの設定値です。
イベントチャネルのプロセス数 =
静的イベントチャネルグループ数 + 動的イベントチャネルのプロセス数
動的イベントチャネルのプロセス数:
イベントサービスのセットアップコマンド(essetup)による-pオプションの設定値。
ノーティフィケーションサービスを使用している場合は、“動的イベントチャネルのプロセス数 × 2”としてください。
セマフォ
パラメタ | 資源制御 | 種類 | 必要数 |
---|---|---|---|
semmni | project.max-sem-ids | 加算値 | 3 |
semmns (注) | - | 加算値 | [揮発チャネル運用の場合] |
[不揮発チャネル運用の場合] |
Solaris 9でのみ有効です。
セマフォ
パラメタ | 種類 | 必要数 |
---|---|---|
para1 | 設定値 | 29 |
para2 | 加算値 | [揮発チャネル運用の場合] |
[不揮発チャネル運用の場合] | ||
para3 | 設定値 | 29 |
para4 | 加算値 | ユニット数 × 256 |
メッセージキュー
パラメタ | 資源制御 | 種類 | 必要数 |
---|---|---|---|
msgmax (注) | - | 設定値 | [不揮発チャネル運用の場合] |
msgmnb | process.max-msg-qbytes | 設定値 | [不揮発チャネル運用の場合] |
msgmni | project.max-msg-ids | 加算値 | [揮発チャネル運用の場合] |
[不揮発チャネル運用の場合] | |||
msgtql | process.max-msg-messages | 設定値 | [不揮発チャネル運用の場合][Solaris 10以降の場合]
|
- | 加算値 | [不揮発チャネル運用の場合][Solaris 9の場合]
|
Solaris 9でのみ有効です。
メッセージキュー
パラメタ | 種類 | 必要数 |
---|---|---|
kernel.msgmax | 設定値 | [不揮発チャネル運用の場合] |
kernel.msgmnb | 設定値 | [不揮発チャネル運用の場合] |
kernel.msgmni | 加算値 | [不揮発チャネル運用の場合] |