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Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編
Systemwalker

5.4.6 仮想ノードの動作状況を監視する

仮想ノード監視では、IPCOMから仮想ノードと、負荷分散対象のサーバ情報を自動取得して、仮想ノードの動作状況を監視します。

図5.1 仮想ノード監視を行う場合の運用形態

5.4.6.1 仮想ノードの検出 -IPCOMの場合-

以下の負荷分散装置(SLB)では、業務を構成するサーバ群の情報の抽出から、仮想ノードとそれを構成する実ノードとの関連付けまでを自動的に行います。

仮想ノードを新規に検出・登録する

仮想ノードを新規に検出し監視マップ上に登録する場合には、以下の2とおりの方法があります。

また、仮想ノードを検出するためには、以下の条件を満たす必要があります。

すべての負荷分散装置(SLB)を対象に、仮想ノードの検出を行う

  1. [Systemwalkerコンソール[編集]]の[ツリー選択]コンボボックスから[業務管理]を選択します。

  2. [検出]メニューの[仮想ノードの検出(全体)]を選択し、表示されるダイアログから検出を行います。

負荷分散装置(SLB)を指定して、仮想ノードの検出を行う

  1. [Systemwalkerコンソール[編集]]の[ツリー選択]コンボボックスから[業務管理]を選択します。

  2. 業務管理ツリーから検出対象のロードバランサノードを選択し、[検出]メニューの[仮想ノードの検出(指定ノード)]を選択します。

  3. 表示されるダイアログから、仮想ノードを検出します。

    IPCOMに登録されているファーム名が日本語の場合は、検出される仮想ノードの表示名はファームの仮想IPアドレスとなります。

5.4.6.2 仮想ノードの検出 -他のロードバランサの場合-

IPCOM 150、およびIPCOM 300/310以外のロードバランサや一般の業務単位の関連情報を仮想ノードとして監視する場合、ノード検出による仮想ノード情報の自動登録はできません。

対応している負荷分散装置については、“Systemwalker Centric Manager 解説書”の“必要なハードウェア資源”を参照してください。

IPCOM 150、およびIPCOM 300/310以外のロードバランサ、および一般の業務単位の関連情報を仮想ノードして、監視マップ上に登録する場合の詳細な手順を以下に示します。

他のロードバランサの登録

ここでは以下の3つのインタフェースで構成されるロードバランサとの場合を例に説明します。

ホスト名

IPアドレス

ネットマスク

Bal

123.30.120.10

255.255.255.0

Bal1

192.168.10.101

255.255.255.0

Bal2

192.168.10.102

255.255.255.0

Bal:代表インタフェース

フォルダ構成情報の登録

サブネットの情報をフォルダ構成情報CSVとして作成します。

例えば、ノード一覧ツリーの表示名が“server”で、ロードバランサが自部門に所属する場合、フォルダ構成情報CSVファイルは以下のように作成します。

"FOLDER","\server\自部門
\123.30.120.0",,3,,,,"123.30.120.0","255.255.255.0","public"
"FOLDER","\server\自部門
\192.168.10.0",,3,,,,"192.168.10.0","255.255.255.0","public"

フォルダ構成情報CSVファイルを指定して、構成管理情報のCSV入出力コマンドを実行します。

mpcmcsv -m ADD -f <フォルダ構成情報CSVファイル名>

ノード構成情報の登録

ロードバランサのノード情報をノード構成情報CSVファイルとして作成します。今回の例では、以下のように作成します。

"NODE","bal",,,,"SLB",,,,,,,,,,,,,,,1,"bal","123.30.120.10","255.255.255.0",,,,,
"NODE","bal",,,,"SLB",,,,,,,,,,,,,,,,"bal1","192.168.10.101","255.255.255.0",,,,,
"NODE","bal",,,,"SLB",,,,,,,,,,,,,,,,"bal2","192.168.10.102","255.255.255.0",,,,,

ノード構成情報CSVファイルを指定して、構成管理情報のCSV入出力コマンドを実行します。

mpcmcsv -m ADD -f <ノード構成情報CSVファイル名>

これらの操作により、[Systemwalkerコンソール[監視]]の[ノード一覧]ツリーにロードバランサのノードおよびその所属するセグメントフォルダが登録されます。

mpcmcsv(構成管理情報のCSV入出力コマンド)の詳細については“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

仮想ノードの登録

フォルダ構成情報の登録コマンドおよびノード構成情報の登録コマンドを実行した後、仮想ノードの登録コマンドを実行することで、仮想ノードを含めた監視マップの作成および「仮想ノードの監視」ポリシーによる監視を行うことができるようになります。

ここでは前述のロードバランサに、以下の業務ごとの仮想IPと実構成する実サーバが登録されている場合を例に説明します。

仮想ノードの例

仮想ノード名

仮想IPアドレス

ネットマスク

業務-1

192.168.20.101

255.255.255.0

業務-2

192.168.20.102

255.255.255.0

サーバの例

ホスト名

代表IPアドレス

ネットマスク

業務

Host-1

192.168.20.111

255.255.255.0

業務-1

Host-2

192.168.20.112

255.255.255.0

業務-1

Host-3

192.168.20.113

255.255.255.0

業務-1,業務-2

Host-4

192.168.20.114

255.255.255.0

業務-2

Host-5

192.168.20.115

255.255.255.0

業務-2

仮想ノードと関連情報の登録

ロードバランサに登録されている仮想ノードと業務を構成するサーバの情報を仮想ノード構成情報CSVファイルとして作成します。

今回の例では、以下のように作成します。

"VIRTUALNODE","192.168.20.101","255.255.255.0","業務-1"
"VIRTUALNODE","192.168.20.102","255.255.255.0","業務-2"
"SLBLINK","192.168.20.101","123.30.120.10"
"SLBLINK","192.168.20.102","123.30.120.10"
"VIRTUALLINK","192.168.20.101","192.168.20.111"
"VIRTUALLINK","192.168.20.101","192.168.20.112"
"VIRTUALLINK","192.168.20.101","192.168.20.113"
"VIRTUALLINK","192.168.20.102","192.168.20.113"
"VIRTUALLINK","192.168.20.102","192.168.20.114"
"VIRTUALLINK","192.168.20.102","192.168.20.115"

仮想ノード構成情報CSVファイルを指定して、仮想ノード登録コマンドを実行します。

mpnmvnc -m ADD -f <仮想ノード構成情報CSVファイル名>

mpnmvnc(仮想ノード登録コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

5.4.6.3 仮想ノードの構成変更

運用中に仮想ノードに実ノードを追加/削除した場合、Systemwalkerコンソール上の監視マップに構成変更を反映する必要があります。

IPCOMの場合

IPCOMによる負荷分散先の変更や追加を行う場合、以下の手順により構成情報を変更します。

なお、仮想ノードの追加、および削除を同時に行った場合は、各手順にあるポリシー配付は、最後に一度行うようにしてください。

仮想ノードの追加する

  1. IPCOM上の設定で、仮想ノード(ファーム)の追加、および関係するサーバ(実ノード)の追加を行います。(注)

  2. [Systemwalkerコンソール[編集]]で、[ツリー選択]コンボボックスから[業務管理]を選択します。

  3. 仮想ノードを新規に検出・登する”の手順に従って、1.で設定を行ったIPCOMノードに対して、仮想ノード検出を行います。

  4. 仮想ノードの監視ツリー/監視ップの作成”の手順に従って、仮想ノードを追加し、監視マップを更新します。

  5. 監視ポリシーの”の手順に従って、仮想ノード監視のポリシーの設定を行います。

  6. ポリシー配付を行います。

注)

複数のIPCOMが存在する場合は、それぞれのIPCOM設定を行う必要があります。IPCOMの設定方法は、IPCOMのマニュアルを参照してください。

仮想ノードの削除する

  1. IPCOM上の設定にて、仮想ノード(ファーム)の削除を行います。(注1)

  2. [Systemwalkerコンソール[編集]]で、[ツリー選択]コンボボックスから[ノード一覧]を選択します。

  3. 1.で削除した仮想ノードを選択し、メニューの[オブジェクト]-[削除]を選択して削除します。(注2)

  4. ポリシー配付を行います。

注1)

複数のIPCOMが存在する場合は、それぞれのIPCOM設定を行う必要があります。IPCOMの設定方法は、IPCOMのマニュアルを参照してください。

注2)

仮想ノードを削除した場合、仮想ノードとの依存関係を示す矢印も削除されます。仮想ノードを削除した場合、業務管理ツリーの監視マップに表示されていた仮想ノード、および仮想ノードとほかのノードの依存関係を示す矢印も削除されます。

実ノードの追加する

  1. IPCOM上の設定にて、実ノードを追加します。(注)

  2. [Systemwalkerコンソール[編集]]で、[ツリー選択]コンボボックスから[業務管理]を選択します。

  3. 仮想ノードを新規に出・登録する”の手順に従って、1.で設定したIPCOMノードに対して、仮想ノード検出を行います。

  4. 仮想ノードの監視ツリー/監視マッの作成”の手順に従って、1.で追加した実ノードを、監視マップに追加します。

  5. 監視ポリシーの”の手順に従って、1.で設定を行った実ノードと関連を持つ仮想ノードのポリシー設定画面を表示し、そのまま[OK]ボタンをクリックし、ポリシーの再設定を行います。

  6. ポリシー配付を行います。

注)

複数のIPCOMが存在する場合は、それぞれのIPCOMで設定を行う必要があります。IPCOMの設定方法は、IPCOMのマニュアルを参照してください。

実ノードの削除する

  1. IPCOM上の設定にて、実ノードを削除します。(注1)

  2. [Systemwalkerコンソール[編集]]で、[ツリー選択]コンボボックスから[業務管理]を選択します。

  3. 仮想ノードを新規に検出・登する”の手順に従って、1.で設定を行ったIPCOMノードに対して、仮想ノード検出を行います。

  4. Systemwalkerコンソール[編集]から、1.で削除した実ノードを選択し、メニューの[オブジェクト]-[削除]を選択して削除します。(注2)

  5. ポリシー配付を行います。

注1)

複数のIPCOMが存在する場合は、それぞれのIPCOMで設定を行う必要があります。IPCOMの設定方法は、IPCOMのマニュアルを参照してください。

注2)

仮想ノードを削除した場合、仮想ノードとの依存関係を示す矢印も削除されます。実ノードを削除した場合、監視マップに表示されていた実ノードとのほかの依存関係を示す矢印も削除されます。

他のロードバランサの場合

負荷分散装置で仮想ノードに依存する実ノードの構成情報が変更された場合、以下の手順により構成情報を変更します。

  1. 構成管理情報のCSV入出力コマンドで登録したフォルダ構成情報およびノード構成情報を構成管理情報のCSV入出力コマンド(mpcmcsv)を使用して構成情報を更新します。

  2. 更新(追加/削除/変更)後の構成情報を、仮想ノード登録コマンドで反映します。

  3. 監視ポリシー設定”の手順に従って、1.および2.で設定を行った仮想ノードのポリシー設定画面を表示し、ポリシーの再設定を行います。

  4. ポリシー配付を行います。

mpnmvnc(仮想ノード登録コマンド)の詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

5.4.6.4 仮想ノードの監視ツリー/監視マップの作成

検出した仮想ノードを監視するには、業務管理ツリーおよび業務を作成し、仮想ノードを業務に追加して、監視マップを作成する必要があります。

監視マップの作成手順を説明します。

業務管理ツリー/業務を作成する

仮想ノードを監視するには、最低1つの業務管理ツリー、および業務が必要です。業務管理ツリーや業務が作成されていない場合には、業務管理ツリーと業務を作成してください。業務管理ツリーと業務の作成手順については、“[務管]ツリーを成する”を参照してください。

仮想ノードを業務に追加する

  1. [Systemwalkerコンソール[編集]]で、[ツリー選択]コンボボックスから[業務管理]を選択します。

  2. 業務管理ツリーが複数存在する場合は、[ファイル]メニューから[監視ツリーの選択]を選択し、[監視ツリーの選択]ダイアログボックスに表示されるツリーの中から仮想ノードを追加するツリーを選択します。

  3. 業務管理ツリーの中から、仮想ノードを追加する対象の業務フォルダを選択します。

  4. [オブジェクト]メニューから[追加]-[仮想ノードの追加]を選択します。

  5. 監視したい仮想ノードが定義されている負荷分散装置(SLB)を、[フォルダ]で選択し、[ノード一覧]に仮想ノードを表示します。

  6. [ノード一覧]で、監視したい仮想ノードを選択し(複数選択可)、[追加]ボタンをクリックして、[追加するノード一覧]に追加します。

    負荷分散装置も同時に監視したい場合には、負荷分散装置を、仮想ノードと同じ手順で、[追加するノード一覧]に追加します。

  7. [OK]ボタンをクリックします。

    →選択したノードが業務に追加されます。追加するノードの一覧に仮想ノードが含まれている場合には、“仮想ノードに所属しているすべてのノードも追加しますか?”という問い合わせ画面が表示されます。“はい”を選択すると、仮想ノードを構成するすべての実ノードが、業務に追加されます。

    ポイント

    仮想ノードを構成する実ノードの増減や、仮想ノードを登録している負荷分散装置が変更された場合、業務を構成する仮想ノードや、関連するノードを再登録する必要があります。

    仮想ノードの検出を、再度、実行した後で、不要になったノードを業務から削除し、追加が必要なノードを業務に追加してください。

監視マップを作成する

仮想ノードが登録されている負荷分散装置(SLB)や、仮想ノードを構成する実ノードが、仮想ノードと同じ業務に所属している場合、監視マップの自動作成を行うことで、仮想ノードと負荷分散装置の依存関係や、仮想ノードと実ノードの依存関係を自動的に設定できます。

設定は、仮想ノードの監視に必須の設定ではありませんが、設定した依存関係は、影響範囲の表示時に、影響範囲の特定に使用できます。

監視マップを自動作成する手順については、“オブジェクト間の関係を定する”を参照してください。

5.4.6.5 監視ポリシーの設定

  1. [Systemwalkerコンソール]で、仮想ノードまたは負荷分散装置(SLB)を指定し、[ポリシー]メニューの[監視]-[ノードの監視(オプション)]-[仮想ノードの監視]を選択します。

    →[仮想ノードの監視]画面が表示されます。

    負荷分散装置(SLB)を選択してポリシー設定を行った場合は、関連を持つすべての仮想ノードがポリシーの対象となります。

  2. [仮想ノードの監視][対象]タブでは、選択した仮想ノードに対して仮想監視を行うかを定義します。

  3. [仮想ノードの監視][通知]タブでは、仮想ノード配下の実ノードがダウンしていた場合に、実ノードに対しても稼働違反のイベントを発行するかを指定します。

  4. [仮想ノードの監視][ポーリング]タブでは、以下の値を設定します。

    • 通信する際の仮想ノードとの応答タイムアウト時間を設定します。1~3599秒まで設定できます。

    • タイムアウトが発生した場合のリトライ回数を0~999の範囲内で設定します。

    • 動作時間に関する設定を行います。

仮想ノードを監視するための条件

ポーリングの設定

[ポーリング間隔指定]を選択してポリシーを設定した場合、最初にポリシー設定を適用した時点、または動作時間帯の開始時刻に必ず最初のポーリングが行われます。それ以降のポーリングは、監視処理が終了してから[ポーリング間隔指定]にて指定された時間が経過するごとに行われます。また、動作時間帯の終了時刻以前に処理を開始すると、終了時刻を過ぎても、処理が終了するまで実行されます。

ポリシーの設定変更については、“ポリシー設定”を参照してください。

なお、ポリシーの設定変更時には、以下を考慮してください。