PowerReplicationの動作環境の構成を説明します。
図2.4 動作環境の構成
動作環境の構成要素
PowerReplicationの動作環境の各構成要素を説明します。
レジストリ
PowerReplicationの動作環境設定情報、マスタ/レプリカの構成情報を格納するフォルダ、同期処理で反映する更新情報を格納するフォルダ、スケジュールの定義情報などが記憶されています。
レプリケーションマネージャで作成するマスタおよびレプリカの構成情報がファイルに格納されています。
構成情報が格納されるファイルを構成情報ファイルと呼びます。
以下に、構成情報の各定義情報を説明します。
以下の項目で構成されています。
サーバ名(任意のサーバ識別名)
使用するDBMS種別
ホスト名 (IPアドレスの指定も可能)
ポート番号
ホスト名には、IPアドレスを逆引きした名前が格納されます。名前解決できない場合、IPアドレスが格納されます。
PowerReplicationをインストールしたサーバに複数のDBMSが存在する場合、DBMSごとにサーバ定義情報を作成します。
マスタグループの定義内容、状態および関連づけているレプリカグループの情報などを管理します。
マスタの定義内容、状態、データファイルの情報、関連づけているレプリカの情報などを管理します。
レプリカグループの定義内容、状態および関連づけているマスタグループの情報などを管理します。
レプリカの定義内容、状態、データファイルの情報、関連づけているマスタの情報などを管理します。
同期処理を実行するスケジュール情報、前回の実行結果、再試行情報などを管理します。
マスタグループ、マスタ、レプリカグループ、およびレプリカの詳細は、"2.1.4 処理データの構成"を参照してください。
構成情報ファイルが破壊または削除された場合、構成情報を再度作成することが必要です。
自サーバで更新したデータを連携する相手サーバのデータベースに反映するための情報です。更新情報は、差分方式のレプリケーショングループに定義されたデータファイルをデータ更新した場合に作成され、ファイルまたはデータベースに蓄積されます。連携するすべてのサーバとの同期が成功した時点で反映済みの更新情報が削除されます。
更新情報が蓄積されるファイルまたはデータベースを更新情報ファイルと呼びます。
更新情報は運用形態により蓄積される場所が異なります。以下に、運用形態と更新情報の蓄積される場所の関係を示します。
運用形態 | 更新情報の蓄積 |
---|---|
配布 | マスタ側 |
集約 | レプリカ側 |
共用 | マスタ側とレプリカ側 |
運用形態の詳細は、"2.2.1 運用形態"を参照してください。
PowerReplicationが作成する資源を説明します。
PowerReplicationは、構成情報ファイルと更新情報ファイルを作成します。また、データベースの資源が作成されます。
使用するDBMSによって作成される資源を以下に示します。
Oracleを使用する場合に作成される資源
構成情報ファイル
作成契機
レプリケーション動作環境の設定時に作成されます。削除されることはありません。
作成場所
レプリケーション動作環境で設定した構成情報格納フォルダ
名前
repliO01.rmf~repliO04.rmf、repliR05.rmf、replicaR.smf
更新情報ファイル
作成契機
同期方式が差分方式である場合、マスタ定義またはレプリカ定義を作成時に、同期対象のデータファイル単位に更新情報ファイルが作成されます。データファイルに対してすべてのマスタ定義またはレプリカ定義が削除されると、更新情報ファイルも削除されます。
作成場所
レプリケーション動作環境で設定したユーザ名の表領域(スキーマ)
名前
REPLIRDL~(~は8文字の16進識別番号)
インデックス(索引)
作成契機
同期方式が差分方式である場合、マスタ定義またはレプリカ定義を作成時に、インデックスが作成されます。マスタ定義またはレプリカ定義が削除されると、インデックスも削除されます。
作成場所
レプリケーション動作環境で設定したユーザ名の表領域(スキーマ)
名前
REPLIIDX~(~は8文字の16進識別番号)
シーケンス(順序)
作成契機
レプリケーション動作環境の設定時に作成されます。削除されることはありません。
作成場所
レプリケーション動作環境で設定したユーザ名の表領域(スキーマ)
名前
REPLICA_SEQ
トリガー
作成契機
更新情報ファイルの作成と同時に作成されます。削除も同様に行われます。
作成場所
同期対象のテーブル
名前
REPLITRGI~、REPLITRGU~、REPLITRGD~(~は8文字の16進識別番号)
SQL Serverを使用する場合に作成される資源
構成情報ファイル
作成契機
レプリケーション動作環境の設定時に作成されます。削除されることはありません。
作成場所
レプリケーション動作環境で設定した構成情報格納フォルダ
名前
repliS01.rmf~repliS04.rmf、repliR05.rmf、replicaR.smf
更新情報ファイル
作成契機
同期方式が差分方式である場合、マスタ定義またはレプリカ定義を作成時に、同期対象のデータファイル単位に更新情報ファイルが作成されます。データファイルに対してすべてのマスタ定義またはレプリカ定義が削除されると、更新情報ファイルも削除されます。
作成場所
レプリケーション動作環境で設定したデータベース
名前
REPLIRDL~(~は8文字の16進識別番号)
トリガー
作成契機
更新情報ファイルの作成と同時に作成されます。削除も同様に行われます。
作成場所
同期対象のテーブル
名前
REPLITRGI~、REPLITRGU~、REPLITRGD~(~は8文字の16進識別番号)
同期方式の詳細は、"2.2.2 同期方式"を参照してください。
更新情報ファイル、インデックス(索引)およびトリガーは、以下の場合作成されません。
同期方式が一括の場合
運用形態が「配布」のレプリカグループ定義の作成時
運用形態が「集約」のマスタグループ定義の作成時
運用形態の詳細は、"2.2.1 運用形態"を参照してください。
更新情報ファイルの名前は、rpdspdifコマンドで参照できます。
rpdspdifコマンドの詳細は、"7.9 更新情報取得の状態表示コマンド"を参照してください。
PowerReplicationが作成する上記の資源へのアクセスおよび削除は行わないでください。
レプリケーションサービス(Windowsクライアント)の構成情報ファイル
レプリケーションマネージャ(Windowsクライアント)は、インストールしたWindowsクライアントに構成情報ファイルを作成します。
作成契機
レプリケーションマネージャ動作環境の設定時に作成されます。削除されることはありません。
作成場所
レプリケーションマネージャ動作環境で設定した構成情報の格納フォルダ
名前
repli705.rmf