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ServerView Resource Orchestrator V2.3.0 ユーザーズガイド

J.1 導入

ここでは、Disaster Recovery環境の導入について説明します。

以下の流れでDisaster Recovery環境を導入します。

  1. セットアップのための事前準備

    運用サイトおよびバックアップサイトに対して、セットアップの事前準備を行います。

    詳細は、「第3章 セットアップの事前準備」を参照してください。

    物理L-Serverを作成する場合、「付録F 物理L-Serverを作成する場合の設定」を参照してください。

    サーバ仮想化ソフトウェア製品を利用してL-Serverを作成する場合、「付録G サーバ仮想化ソフトウェア製品の設定」を参照してください。ただし、VM管理製品は、運用サイトの物理L-Server上に構築するため、バックアップサイト側では構築する必要はありません。

    VMwareの仮想L-Serverを使用する場合、VMホストに対して以下のコマンドを入力し、複製されたLUNの検出を無効にしてください。

    >esxcfg-advcfg -s 0 /LVM/DisallowSnapshotLUN <RETURN>

    Disaster Recovery環境を導入する場合、ストレージ装置のレプリケーション機能を用いて運用サイトの情報をバックアップサイトに複製してください。

    このストレージのレプリケーションは、「I.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の機能を使用します。ストレージのレプリケーションの前提条件については、「I.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の「前提条件」を参照してください。

    運用サイトでは、バックアップサイトのディスクリソースが検出されている必要はありません。そのため、バックアップサイトのストレージ装置を運用サイトのサーバに接続する必要はありません。

    なお、本製品インストール時に指定するイメージファイル格納フォルダーを、レプリケーション対象のストレージ上に構築し、イメージファイル格納フォルダー配下のイメージファイルも同様に複製してください。

    注意

    ストレージ装置のレプリケーション機能を利用してオンライン中のデータを転送している途中に異常が発生した場合、データの状況によってはシステムが正常に復旧できないことがあります。

    運用サイトでも定期的にバックアップを行ってください。

    また、ディレクトリサービスを導入する場合、運用サイトとバックアップサイトで設定を合わせてください。

  2. インストール

    運用サイトおよびバックアップサイトに対して、本製品をインストールします。

    詳細は、「第4章 インストール/アンインストール」を参照してください。

  3. セットアップ

    運用サイトおよびバックアップサイトに対して、本製品のセットアップを行います。

    詳細は、「第5章 セットアップ」を参照してください。

    Disaster Recovery環境は、以下のように設定してください。

    • 以下のチューニングパラメーターは、運用サイトとバックアップサイトですべて同じ値を設定してください。

      インストールフォルダ\Manager\rails\config\rcx\vm_guest_params.rb

      チューニングパラメーターの設定については、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「4.4 L-Serverの作成または起動以外の、L-Serverの操作」の「仮想L-Serverを停止すると「メッセージ番号 69122」が表示され、L-Serverの停止に失敗する。」を参照してください。

    • サーバツリーに登録するリソース名は、運用サイトおよびバックアップサイトで同じにする必要があります。

    • 管理サーバの管理LANに使用しているIPアドレスは、運用サイトとバックアップサイトで同じIPアドレスを設定する必要があります。

    • 以下の設定は、運用サイトとバックアップサイトで、それぞれの環境に合わせた情報にしてください。

      インストールフォルダ\Manager\etc\storage\emc配下

      インストールフォルダ\Manager\etc\customize_data\storage_portset.rcxprop

    • 仮想L-Serverを利用する場合、物理L-ServerにVM管理製品を動作させるサーバおよびVMホストをそれぞれ動作させる必要があります。

    • 管理するリソースの名前は、運用サイトとバックアップサイトのリソース名が簡単に関連付けられるように、簡単な名前を設定することをお勧めします。

    • 運用サイトとバックアップサイトの証明書は一致させる必要があります。バックアップサイトのマネージャーをインストールした際に、以下のファイルを運用サイトからコピーしてください。このとき、マネージャーを停止して実行してください。なお、複数の運用サイトを1つのバックアップサイトで引き継ぐシステム構成にした場合、最初に作成した運用サイトのマネージャーのファイルを、ほかの運用サイトのマネージャーにもコピーしてください。

      インストールフォルダー\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\certificate

      インストールフォルダー\Manager\etc\opt\FJSVrcxdm\certificate

      インストールフォルダー\Manager\sys\apache\conf\ssl.crt

      インストールフォルダー\Manager\sys\apache\conf\ssl.key

  4. L-Serverの作成

    運用サイトでL-Serverを作成します。

    詳細は、「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」または「付録D L-Serverのパラメーター詳細」を参照してください。

  5. 運用サイトのリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のエクスポート

    運用サイトに障害が発生し、バックアップサイトに復元するシステム環境が構築できた場合、リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)をエクスポートします。

    以下のように運用することをお勧めします。

    • 管理対象サーバの構成を変更したときにエクスポートし、最新のシステム情報を維持する

    • 定期的にエクスポートし、最新化する

    リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のエクスポートは、rcxadm config exportコマンドを実行します。

    rcxadm config exportコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.11 rcxadm config」を参照してください。

    注意

    リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のエクスポートは、L-Serverの作成などの、リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)が変更される操作と同時に実行しないように運用してください。

  6. ストレージのレプリケーション情報の取得

    ストレージ装置のレプリケーションで運用サイトとバックアップサイトで対応するLUNを確認します。

    このLUNの対応関係を記載するレプリケーション定義ファイルを作成し、そのファイルを指定して、対応関係表からインポートの際にバックアップサイトの資源にLUNをマッピングするためのファイルを作成します。

    このファイルの作成には、rcxstorageコマンドの-recoveryオプションおよび-modeオプションを指定して実行します。-modeオプションにはprepareを指定してください。

    レプリケーション定義ファイルについては、「I.1.3 ストレージ筺体の高可用性」の「レプリケーション定義ファイル」を参照してください。

    rcxstorageコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.13 rcxstorage」を参照してください。