ここでは、Disaster Recovery環境の運用について説明します。
以下の手順で、Disaster Recovery環境を運用します。
リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)の編集
リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)は、インポートする単位への分割や、バックアップサイトの環境に合わせたリソース情報の変更など、コマンドを使用して編集する必要があります。
以下の手順で編集してください。
構築済みの物理サーバと関連付けたL-Serverの分離
構築済みの物理サーバと関連付けたL-Serverは、Disaster Recoveryで復旧できません。
以下の操作を実行したあと、L-Serverと関連付けるコマンドを実行してください。復旧作業が完了したあと、再度L-Serverと関連付けてください。
>rcxadm config filter -convert -indir indir -outdir outdir <RETURN> |
outdirにconvert.txtというファイル名で以下の情報が出力されます。
復旧手順が完了したあと、以下の内容でL-Serverの関連付け、およびscopeの再設定を行ってください。
[command] |
ストレージのマッピング
「J.1 導入」の手順6.で作成したストレージのレプリケーション情報からバックアップサイトのストレージ情報にマッピングするためのファイルを作成します。マッピングファイルの作成は、rcxstorageコマンドの-recoveryオプションおよび-modeオプションを指定して実行します。-modeオプションには、mappingを指定してください。
rcxstorageコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.13 rcxstorage」を参照してください。
作成したマッピングファイルでインポートする本製品のリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のストレージ情報を変更します。ストレージ情報の変更は、rcxadm config mapコマンドを使用してください。
rcxadm config mapコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.11 rcxadm config」を参照してください。
テナント単位の分離
テナントを作成して運用を行っている場合、インポートする本製品のリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)をテナント間で共通する情報とテナントごとの情報に分離する必要があります。テナントに関する本製品のリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)の分離は、rcxadm config filterコマンドを使用してください。
rcxadm config filterコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.11 rcxadm config」を参照してください。
テナントを使用する場合
- テナント間で共通のリソース: -globalオプションを指定して、1回コマンドを実行します。
- テナントごとの個別のリソース: -tenantオプションを指定して、テナント数分コマンドを実行します。テナントごとにリソース構成情報は分割されます。
テナントを使用しない場合
分割は不要のため、rcxadm config filterコマンドを実行する必要はありません。
仮想L-Serverと物理L-Serverの分離
仮想L-Serverを使用して運用を行っている場合、VM管理製品を搭載する物理L-Serverを復旧してから仮想L-Serverを復旧する必要があるため、仮想L-Server関連のリソースとそれ以外のリソースに分離する必要があります。この仮想L-Serverに関する分離は、テナントを使用しない環境と手順b.で分割したテナント間で共通の環境および各テナントの環境で行う必要があります。この操作は、rcxadm config filterコマンドを使用してください。
rcxadm config filterコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.11 rcxadm config」を参照してください。
バックアップサイトの運用の停止
バックアップサイトでほかの業務を運用していた場合、L-Serverの業務を停止し、L-Serverの情報およびそれぞれのL-Serverが使用しているリソースを削除します。
注意
バックアップサイトのリソースプールを、すべて削除できません。運用サイトとリソースプール名が重複しない、バックアップサイト専用のリソースプールをリソースごとに1つ以上残してください。
インポートの運用を行う特権管理者などのユーザーを、1つ以上残してください。残されたユーザーと名前が一致するユーザーを運用サイトでも使用している場合、インポートしたあともバックアップサイト側の設定が有効になります。例えば、パスワードが運用サイトで使用したものに変更されず、バックアップサイトで使用していたものがそのまま使用できます。
ストレージの切離し
ストレージのレプリケーション機能を停止し、バックアップサイトを運用サイトから切り離します。
バックアップサイトに対するリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のインポートとL-Serverの起動
バックアップサイトに対してリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)をインポートします。インポートで作成されたL-Serverは停止状態のため、手動で起動します。
リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のインポートは、rcxadm config importを実行します。
rcxadm config importコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.11 rcxadm config」を参照してください。
インポートを実行すると、バックアップサイトに対してリソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)をインポート可能か検証します。インポートが可能な場合、実際にL-Serverが作成され、リソースが割り当てられたあと、L-Serverが使用できます。
注意
すべてのリソース情報を検証してから登録されるわけではないため、一部のリソースだけ登録される場合があります。
この場合、失敗した原因に対処したあと、再度インポートしてください。
インポートを実行すると以下が自動的に行われます。
リソースフォルダー(テナントフォルダー)作成
リソースプール作成
リソースプールへのリソースの登録
L-Serverテンプレート作成
システムイメージ情報作成
スナップショット情報作成
L-Server作成
ユーザーグループ作成
ユーザー作成
L-Serverの作成は、テナントおよび仮想L-Serverを使用するかによってインポートの手順が異なります。それぞれの場合に応じて、以下の手順で作業してください。
テナントを使用する場合
仮想L-Serverを使用するかによって、「仮想L-Serverを使用する場合」または「仮想L-Serverを使用しない場合」の手順を、1回実行してください。
このとき、テナント間の共通リソースを使用してください。
手順a.がすべて完了したあと、各テナントの仮想L-Serverを使用するかによって、「仮想L-Serverを使用する場合」または「仮想L-Serverを使用しない場合」の手順を、テナントごとに1回実行してください。
このとき、テナントごとの個別のリソースを使用してください。
テナントを使用しない場合
仮想L-Serverを使用するかによって、「仮想L-Serverを使用する場合」または「仮想L-Serverを使用しない場合」の手順を、1回実行してください。
仮想L-Serverを使用する場合
仮想L-Server以外のリソースのインポートを実行します。
インポートしたL-Serverは定義されただけの状態になります。
インポートしたL-Serverを起動します。
VM管理製品を搭載した物理L-ServerとVMホストを搭載した物理L-Serverの起動が必要です。その他のL-Serverは、手順e.を行ったあと起動しても問題ありません。
必要に応じて、VM管理製品をリソースツリーに登録します。
ほかのテナントとVM管理製品を共用し、ほかのテナントですでに登録済みの場合、改めて登録する必要はありません。
VM管理製品の情報を更新し、VM管理製品の情報を反映します。
VM管理製品の情報の更新は、rcxadm vmmgrコマンドを実行します。
rcxadm vmmgrコマンドについては、「ServerView Resource Orchestrator リファレンスガイド」の「1.7.3 rcxadm vmmgr」を参照してください。
仮想L-Serverに関するリソースをインポートします。
インポートしたL-Serverは定義されただけの状態になります。
手順e.でインポートしたL-Serverを起動します。
注意
リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)のインポートは、L-Serverの作成などの、リソース構成情報・ユーザー定義情報(XMLファイル)が変更される操作と同時に実行しないように運用してください。
仮想L-Serverを使用しない場合
リソースのインポートを実行します。
インポートしたL-Serverは定義されただけの状態になります。
インポートしたL-Serverを起動します。
L-Serverが起動します。