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Symfoware Server V10.1.0 アップデート情報

1.1.4 運用

Symfoware Serverの運用に関する新機能および改善項目について説明します。

1.1.4.1 データベース二重化

通常のネットワーク(TCP/IP)を利用し、2台のサーバ間でのデータベースのミラーリングを実現します。

片方のサーバに何らかの異常が発生した場合、ミラーリング先に運用を切り替えることで、高信頼な運用が可能です。

参照

詳細は、“データベース二重化導入運用ガイド”を参照してください。

1.1.4.2 ロードシェア縮退

ロードシェア運用時、待機ノードを必要としない運用が可能となりました。本運用においてノードダウンが発生した場合は、生存している別のノードに業務を引き継いで、運用を継続します。このため、低コストで可用性の高いロードシェアシステムを構築することができます。二重故障が発生した場合でも、業務の継続が可能なシステムを構築することができます。

V10.1.0ではロードシェア縮退をロードシェア機能として説明しています。9.2.0以前で提供していたロードシェア機能については、“クラスタ導入運用ガイド”および“Connection Manager ユーザーズガイド”を参照してください。

9.2.0以前のロードシェア機能との変更点の詳細を以下に示します。

表1.2 変更点のポイント

カテゴリ

変更内容

説明している主なマニュアル

概要

運用

  • 縮退運転のサポートにより、ホットスタンバイ機能を併用しなくても、システムダウン時の運用継続が可能となりました。

  • 運用の単位はロググループとなります。この単位で処理を引き継ぎます。ロードシェア構成パラメタファイルのRDBLOGGROUPパラメタを指定してください。

解説書
5.4.3 ロードシェア

クラスタ導入運用ガイド
1.3 Symfoware Serverのロードシェア運用とは

  • Advanced Backup Controller使用時で、AdvancedCopy Manager と組み合わせて運用している場合、AdvancedCopy Managerの運用手順により、縮退運転時のリカバリが可能になりました。

ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書

Capitalシステム

  • システムロググループを配置し、RDBディクショナリを管理します。

  • データベースは配置できません。

クラスタ導入運用ガイド
2.1.2 ロードシェア運用の設計上の考慮点

Satelliteシステム

  • ユーザロググループを配置し、データベースを管理します。

  • ユーザロググループを作成するため、以下の運用を行ってください。

    • スケーラブルログ運用

    • スケーラブルディレクトリ運用

クラスタ導入運用ガイド
2.1.2 ロードシェア運用の設計上の考慮点

引継ぎの高速化

  • データベースのプレオープン処理を自動的に行います。ホットスタンバイ機能との併用モデルでは必要だったプレオープン操作が不要になりました。

クラスタ導入運用ガイド
1.6.4 引継ぎの高速化

システムファイルの操作

  • 作成、変更、削除など、停止中に行う操作は、Capitalシステムでのみ実行可能となります。

クラスタ導入運用ガイド
第7章 ロードシェア運用のセットアップ

コマンドリファレンス

コネクション接続

  • SQLサーバ名にデータベース資源の配置先ロググループ名を対応づけることで、業務が対象とするデータベース資源の偏在先ノードへダイレクトな接続を行います。

Connection Manager ユーザーズガイド
1.3 Connection Managerの機能
2.4 SQLサーバについて

プレコネクション接続

  • 事前に、ロググループの引継ぎ先のノードに自動的に接続を行います。

Connection Manager ユーザーズガイド
1.3 Connection Managerの機能

セットアップ

ロードシェアの切り分け

  • Symfoware/RDBの動作環境をロードシェアシステムとすることを宣言するために指定するパラメタが変更になりました。RDB構成パラメタファイルのRDBSCLSYSTEMパラメタを設定してください。

クラスタ導入運用ガイド
7.4.1 Capitalシステム用のRDB構成パラメタファイルの編集
7.4.15 Satelliteシステム用のRDB構成パラメタファイルの編集

9.2.0以前のロードシェアをお使いの場合
クラスタ導入運用ガイド
E.4.2 RDB構成パラメタファイルの編集

システムファイルの見積り

  • 見積り方法が変更になりました。見積り式を確認してください。

セットアップガイド
付録C 資源の見積り式

メモリの見積り

  • 見積り方法が変更になりました。見積り式を確認してください。

セットアップガイド
付録D メモリの見積り式

Connection Manager ユーザーズガイド
A.1.2 APC動作環境ファイルの指定で変動するメモリ量

カーネル編集

  • 縮退運転を想定した値で見積もってください。

クラスタ導入運用ガイド
7.3.1 カーネル編集

RDB構成パラメタファイル

  • RDB構成パラメタファイルのRDBLOGGROUPMANAGEパラメタはCapitalシステム/Satelliteシステムで同じ値を指定してください。
    このパラメタはロググループ管理ファイルのパスを示すものです。ロードシェアシステム全体で1つのファイルを共用する形態となりました。

クラスタ導入運用ガイド
7.4.1 Capitalシステム用のRDB構成パラメタファイルの編集
7.4.15 Satelliteシステム用のRDB構成パラメタファイルの編集

  • Satelliteシステム用のRDB構成パラメタファイルのRDBDIRSPACEパラメタ/RDBLOGMANAGEパラメタは指定できません。
    このパラメタはシステムロググループ資源を示すものです。システムロググループはCapitalシステムでのみ管理する形態となりました。

クラスタ導入運用ガイド
7.4.15 Satelliteシステム用のRDB構成パラメタファイルの編集

ロードシェア構成パラメタファイル

  • 縮退運転のサポートにより、RDBLOGGROUPパラメタが追加となりました。ロググループの配置先および引継ぎ先を、必ず設定してください。

クラスタ導入運用ガイド
7.4.12 Capitalシステム用のロードシェア構成パラメタファイルの編集

APC動作環境ファイル

  • パラメタRDBSYSTEMは、ロードシェアシステムを構成するSatelliteシステムの数だけ指定してください。

  • パラメタSQLSERVERには、SQLサーバ名と対応づけるロググループ名を指定してください。

Connection Manager ユーザーズガイド
3.1.2.2 APC動作環境ファイルの編集

共用バッファ

  • 縮退運転を想定した値で見積もってください。

クラスタ導入運用ガイド
8.5 共用バッファの設定

運用

モニタリング

  • 通信状態の表示時に、ロググループ名が表示されます。

Connection Manager ユーザーズガイド
4.1.1 通信状態の表示

コマンド

rdbcrdic

  • Satelliteシステムでの実行はできません。

コマンドリファレンス

rdbresident

  • 縮退運転のサポートにより、追加された機能があります。

rdbloggroup

  • 縮退運転のサポートにより、追加されたコマンドです。
    RDBシステムに偏在するロググループの情報を表示します。

apcnet

  • 表示項目にロググループ名が追加されました。

Connection Manager ユーザーズガイド
6.1 apcnet

1.1.4.3 ノード間通信性能改善

ロードシェアシステムを構成するノード間で、大量のデータを送受信する場合の通信性能を改善しました。

参照

設定方法の詳細は、“クラスタ導入運用ガイド”の“カーネル編集”および“Capitalシステム用のロードシェア構成パラメタファイルの編集”を参照してください。

1.1.4.4 データベース構築の簡易化

従来、データベース構築においては、複数のコマンドと複数の定義ファイルを組み合わせて構築する必要がありましたが、rdbexecsqlコマンドのみでデータベースを構築できるようになりました。これに伴い、CREATE DSI文で表のDSIおよびインデックスのDSIを初期化するFORMAT指定ができるようになりました。

また、入力ファイルを指定して実行する場合は、入力ファイル内のSQL文の可変要素をコマンドに指定した引数で切り替えることができるようになったため、従来、構築する環境数分必要だった入力ファイルをテンプレート化することができます。

これらにより、データベースの構築作業の負担が軽減されます。

参照

詳細は、“SQLTOOLユーザーズガイド”の“データベースを構築する”、および“コマンドリファレンス”の“rdbexecsql”を参照してください。

1.1.4.5 rdbexecsqlコマンドのSQL文実行エラーの切分け

従来、rdbexecsqlコマンドでは、SQL文の実行でエラーが発生したか否かを、外部のスクリプトなどから判断することができませんでした。

これを改善するため、rdbexecsqlコマンドの終了ステータスとして、SQL文の実行でエラーが発生したか否かを返却する機能を提供します。

参照

詳細は、“SQLTOOLユーザーズガイド”の“SQL文でのエラー発生時の対処”を参照してください。

1.1.4.6 rdbexecsqlコマンドの実行結果の出力改善

従来、SQL文を対話的に実行するrdbexecsqlコマンドの実行結果は、1レコードのデータが列ごとに改行されて出力されていました。

この表示形式は、文字列長の長いデータの出力には適していますが、数値データのように比較的長さが短いデータを列ごとに比較するなどの、レコード間のデータを比較する場合には適していませんでした。

これを改善するため、実行結果を表形式で出力する機能を提供します。

参照

詳細は、“SQLTOOLユーザーズガイド”の“出力形式”を参照してください。

1.1.4.7 システム表の追加

以下のシステム表を新たに提供します。

参照

詳細は、“アプリケーション開発ガイド(共通編)”の“システム表”を参照してください。

1.1.4.8 JIS2004対応

Windows(R)のSymfoware Server クライアント機能において、UNICODEの4バイト文字(補助文字)に対応しました。

参照

詳細は、“解説書”の“文字コード系”を参照してください。

1.1.4.9 Connection ManagerのPRIMECLUSTER対応

Connection ManagerとPRIMECLUSTERの連携が可能になりました。

これにより、アプリケーションサーバのクラスタ構成が実現できます。

参照

詳細は、“Connection Manager ユーザーズガイド”の“PRIMECLUSTERとの連携について”を参照してください。