L-Server作成は、以下の手順で行います。
L-Serverテンプレートを利用してのL-Server作成
クローニングマスタが存在しない場合、またはすでに存在するクローニングマスタを利用しない場合
「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」を参照してL-Serverを作成してください。この場合、イメージは"指定なし"を選択してください。
このとき、作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなることがあります。詳細については、「注意 作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなる場合」を参照してください。
また、作成されたVMゲストやクローニングマスタの詳細については、「参考 L-Server作成時に付随して作成される情報」を参照してください。
「手動OSインストール」を参照してOSをインストールしてください。
L-Server作成後にクローニングマスタを採取すると、イメージプールにクローニングマスタが格納されます。クローニングマスタ採取にあたっては、「クローニングマスタの採取」を参照してください。
すでに存在するクローニングマスタを利用する場合
「6.1 L-Serverテンプレートを利用しての作成」を参照して、L-Serverを作成してください。この場合、イメージとして利用したいクローニングマスタを指定してください。
個々の仕様を指定したL-Server作成
「付録D L-Serverのパラメーター詳細」を参照してください。
[OS]タブの設定については、「G.2.6 [OS]タブ設定」を参照してください。
注意
作成したL-Serverがオーケストレーションツリーに表示されなくなる場合
作成したL-Serverに対応するVMに対してSCVMMの以下の機能を使用すると、それ以降L-Serverとして認識されずオーケストレーションツリーに表示されなくなり、L-Serverに対する処理が行えなくなります。
ライブラリへ保管、ライブラリからの展開
新しいテンプレート
本製品の管理外のクラスタノードへの移行
また"複製"を行うと複製されたVMは、L-Serverとして認識されません。
参考
L-Server作成時に付随して作成される情報
L-Serverとして作成されるVMゲストは、以下の構成になります。
IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)に接続
データディスクとしてSCSIアダプターに接続(*1)
IDEデバイスのセカンダリチャネル(0)に接続
*1: 統合サービスが提供されていないゲストOSでは利用できません。IDEアダプターに接続された起動ディスクだけ利用できます。
Hyper-VがサポートしているゲストOSでは、統合ネットワークアダプターを利用します。それ以外の場合は、エミュレートされたネットワークアダプターが追加されます。
Hyper-VがサポートするゲストOSは、Microsoft社の情報を参照してください。
"1.00GHz Pentium III Xeon"(SCVMMのデフォルト値)が指定されます。
この情報はSCVMMの内部で使用されるもので、実際のCPU性能ではありません。
また、ゲストOS内のコンピュータの情報などに表示される情報とは異なります。
クローニングマスタは、システムボリュームだけを採取/配付します。
SCVMMで作成したテンプレートを本製品のイメージプールに登録する場合、システムボリューム(IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)に接続されたディスク)が存在するVMゲストから作成したテンプレートを利用してください。
その他の構成の場合は、本製品で配付するとシステムボリュームがないVMゲストになります。
手動OSインストール
OSの手動インストールは、VM管理製品から行います。
Microsoft社がHyper-V上でサポートするゲストOSを利用するには、ゲストOSに仮想ゲストサービスのインストールが必要です。
仮想ゲストサービスのインストールについては、SCVMMのヘルプを参照してください。
クローニングマスタの採取
以下の手順で、クローニングマスタの採取を行います。
OSのインストール後に、オーケストレーションツリーで対象のL-Serverを右クリックし、表示されたメニューで[クローニング]-[採取]を選択して<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタがイメージプールに格納されます。
クローニングマスタは同じ名前で世代管理できます。
VM管理製品でクローニングマスタを作成している場合は、そのまま利用できます。
注意
L-Server作成時にWindowsのイメージを指定した場合、イメージ配付時に、Microsoft社の提供するSysprepを利用して、サーバ固有の情報が再設定されます。また、Sysprepを実行すると、ユーザー情報やOSの設定情報が初期化されます。
Sysprepについては、Microsoft社から提供されている情報を参照してください。
処理実行中にマネージャーの停止や再起動を行った場合は、マネージャーの起動後に、実行中の処理が再実行されます。
再実行中の処理が完了するまでは、実行対象のリソースを操作しないようにしてください。
イメージのOSがWindows Server 2008など、アクティベーションの方式にMAKライセンス認証を使用している場合、Sysprepの実行回数は累積で3回までに制限されます。Sysprepはイメージ指定のL-Server作成時、またはクローニングマスタ採取時に実行されるため、クローニングマスタの採取とイメージ指定のL-Server作成を4回以上行えません。そのためクローニングマスタを配付したL-Serverからクローニングマスタを採取せず、専用のマスタサーバからを採取することをお勧めします。なお、SCVMMでテンプレート作成を行った場合にもSysprepは実行され累積回数に含まれます。
Windows 2000 ServerおよびWindows 2000 Advanced Serverがインストールされているクローニングマスタを指定してのL-Server作成は、サポートされていません。
ポイント
イメージは、SCVMMのライブラリに格納されます。
採取したイメージが格納可能な空き容量を持つライブラリを指定してください。
[クローニングマスタの採取]ダイアログで、イメージ格納先に"自動選択"を指定した場合、SCVMMに登録されているライブラリから任意に選択されますが、SCVMMではライブラリの空き容量の管理をしていないので、イメージ採取に失敗する可能性があります。
L-Serverに対してWindows OSのクローニングを行う場合、Microsoft Sysprepツールが必要です。
本製品のイメージ採取は、SCVMMのテンプレートを利用しています。
L-Serverのイメージ採取を行うと本製品のイメージ名に世代番号が付加された名前でテンプレートが作成されます。また、ユーザー作成のテンプレートをイメージとして取込みを指示した場合、そのテンプレートはイメージとして取り扱われます。
L-Serverのイメージ採取を行うには、L-Server作成先のディスクに、対象になるL-Serverと同じ大きさ(システムボリュームとすべてのデータディスク、スナップショットおよび構成定義ファイル)の作業領域が必要です。この作業領域は、イメージ採取が完了すると解放されます。
イメージ採取では、システムボリューム以外のデータディスクはイメージ採取時に削除されます。
本製品では、IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。
IDEのセカンダリチャネル(0)以外のDVDドライブは削除されます。イメージにDVDドライブがない場合でもL-Server作成時にIDEのセカンダリチャネル(0)にDVDドライブが追加されます。また、それ以外のDVDドライブがイメージに存在していても削除されます。
イメージ採取は、スナップショットが存在すると行えません。スナップショットを削除してから実行してください。またSCVMMの管理コンソールからチェックポイントを作成したり、Hyper-Vマネージャーからスナップショットを作成したりするとイメージ採取は失敗します。
ユーザーがSCVMMを利用して作成したSCVMMのテンプレートを本製品のイメージとして取り込んだ場合、以下のように取り扱います。
テンプレート名がイメージ名になります。
IDEデバイスのプライマリーチャネル(0)のバーチャルハードディスクをシステムボリュームとして扱います。
システムボリューム以外のデータディスクが存在しているテンプレートを取り込んだイメージからL-Serverを作成すると、システムボリューム以外のデータディスクは削除されます。
システムボリュームが存在しないイメージからL-Serverを作成すると、システムボリュームが存在しないL-Serverが作成されます。
IDEのセカンダリ チャネル(0)以外にDVDドライブが接続されていたテンプレートを取り込んだイメージから作成したL-Serverでは、それらのDVDドライブは削除されます。
DVDドライブが接続されていない構成のテンプレートを取り込んだイメージから作成したL-Serverでは、IDEのセカンダリ チャネル(0)にDVDドライブが追加されます。
イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルについて
事前に、イメージ格納先のアクセス制御設定ファイルに使用できないライブラリ共有パス名を指定することで、ユーザーグループごとにクローニングマスタの格納先を制限できます。
【Windows】
インストールフォルダー\Manager\etc\customize_data
設定ファイル名には、ユーザーグループごととシステム共通の設定を分けて使用できます。両方のファイルが存在する場合は、両方の制限が有効になります。
ユーザーグループごと
library_share_ユーザーグループ名_deny.conf
システム共通
library_share_deny.conf
設定ファイルは、1行ごとにライブラリ共有パス名を記述します。
ライブラリ共有パス名 |
例
設定ファイルの例を以下に示します。
\\rcxvmm1.rcxvmmshv.local\MSSCVMMLibrary |
クローニングマスタの削除
以下の手順でクローニングマスタの削除を行います。
オーケストレーションツリーで対象のイメージプールを選択します。
[リソース一覧]タブが表示されます。
削除するクローニングマスタを右クリックし、表示されたメニューで[削除]を選択します。
<OK>ボタンをクリックします。
クローニングマスタが削除されます。
本製品以外から構成が変更された場合など、SCVMMでのテンプレート作成要件が満たされない場合、イメージ採取処理は失敗する可能性があります。
クローニングマスタの削除を行った場合、SCVMMのライブラリ内にある対応するテンプレートは削除されます。
このテンプレート削除処理では、SCVMM管理コンソールからのテンプレート削除処理と同様に、テンプレート定義ファイルだけをSCVMMのライブラリから削除するため、関連ファイル(.vhd、.vfd、Unattend.xmlなど)は削除されずライブラリに残ります。
関連ファイルが不要な場合は、SCVMMから個別に削除してください。