MQDをSafeCLUSTERのクラスタシステムで動作させるための環境を作成する手順について、以下の順番で説明しています。
MQD基本機能用の状態遷移プロシジャを登録する
MQD拡張機能用の状態遷移プロシジャを登録する
MQDのリソースを登録する
MQDクラスタサービスを設定する
SafeCLUSTER上で動作するMQDでは、状態遷移プロシジャを利用して、MQDの起動や停止を行います。状態遷移プロシジャとは、クラスタ制御からの状態遷移指示を受け取り、リソースの活性化や非活性化を制御(アプリケーションの起動や停止など)するものです。状態遷移プロシジャの詳細に関しては、“SafeCLUSTER/Standard 導入運用ガイド”を参照してください。
状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明しています。
状態遷移プロシジャファイルの修正
状態遷移プロシジャのリソース登録
状態遷移プロシジャファイルの修正
MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。MQD基本機能用のひな型は以下のファイルで提供しています。
[MQDインストール先フォルダ]\sample\MQD001.MQD_INTERSTAGE.bat
状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。
MQDシステム名: MQD001
MQD起動: MQDの拡張機能(ACM連携サービスなど)の環境作成を行っている場合、MQDの基本機能の起動時に拡張機能も起動する
MQD停止: 通常停止を行う
複数のMQDシステムを使用する場合は、状態遷移プロシジャをMQDシステムごとに用意する必要がありますので、ひな型を複写して使用してください。
なお、状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約にしたがってください。
MQDシステム名.MQD_INTERSTAGE.bat
例えば、MQDシステム名が“MQDABC”の場合には、“MQDABC.MQD_INTERSTAGE.bat”となります。MQDシステム名が上記以外の場合の状態遷移プロシジャファイルの修正例を以下に示します。
set MQDSYS_NAME=MQD001 |
上記以外の設定でMQDシステムの起動を行う場合は、MQD環境作成時に起動種別を設定する必要があります。
また、上記以外の設定でMQDシステムの強制停止を行う場合の状態遷移プロシジャファイルの修正例を以下に示します。
net stop %MONSVC_NAME% |
状態遷移プロシジャのリソース登録
状態遷移プロシジャをクラスタが構成するサービスに登録してください。設定方法を以下に説明します。
1)リソース情報を設定する
状態遷移プロシジャのリソース情報を設定する場合、“プロセスの再起動”を“0”に、“プロセスの再起動間隔”を“0”に、“プロセスの再起動間隔の初期化”を“しない”に設定してください。
2)状態遷移プロシジャ情報を設定する
“状態遷移プロシジャ情報の設定”では“参照作成(ファイル指定) ”を選び、複写および修正を行った状態遷移プロシジャを指定してください。
3)状態遷移指示タイミングを設定する
状態遷移指示タイミングは以下に示すタイミングで呼ばれるように設定してください。
START_RUN : AFTER, CUTOFF/BUILDIN
START_WAIT : AFTER
STOP_RUN : BEFORE
STOP_WAIT : BEFORE
FAIL_RUN : BEFORE
FAIL_WAIT : BEFORE
4)状態遷移プロシジャをクラスタサービスにリソース登録する
登録した状態遷移プロシジャをクラスタサービスにリソース登録します。“アプリケーションの起動優先度”については、以下の優先順序で呼び出されるように登録してください。(上から順番に呼び出されるように設定します)
MQD001_MQD_INTERSTAGE.bat
MQD001_MQDSVC_INTERSTAGE.bat
MQDの拡張機能を使用する場合は、MQDの拡張機能(以下、サービスと呼びます)ごとに状態遷移プロシジャを登録します。サービスを使用しない場合は登録する必要はありません。
状態遷移プロシジャの登録方法について、以下の順に説明しています。
状態遷移プロシジャファイルの修正
状態遷移プロシジャのリソース登録
ACM連携サービスを使用する場合、IDCMの起動/停止/切替えやDPCF通信パスの確立/解放などの処理については、使用者が状態遷移プロシジャを作成する必要があります。状態遷移プロシジャについては、“SafeCLUSTER/Standard 導入運用ガイド”を参照してください。また、IDCMは引継ぎ後、ACM連携サービスを起動する前に再起動する方式となるため、リソースはACM連携サービスの状態遷移プロシジャファイル“MQDシステム名.MQDACOM.INTERSTAGE.bat”の前に呼ばれるように起動優先度を設定してください。DPCF通信パスの確立は業務形態に合わせて任意の契機で実行するように優先度(IDCMのリソースの起動優先度より低い値)を設定してください。
IDCMの環境設定については、運用ノードと待機ノードで同一の設定を行ってください。IDCMの環境設定については、“IDCMヘルプ”を参照してください。
イベントチャネル連携サービスを使用する場合、イベントサービスの起動/停止/切替えやイベントチャネルの起動/停止などの処理については、使用者が状態遷移プロシジャを作成する必要があります。状態遷移プロシジャについては、“SafeCLUSTER/Standard 導入運用ガイド”を参照してください。また、イベントサービスは、イベントチャネル連携サービスを起動する前に起動している必要があるため、リソースはイベントチャネル連携サービスの状態遷移プロシジャファイル“MQDシステム名.MQDNSGW.INTERSTAGE.bat”の前に呼ばれるように起動優先度を設定してください。
イベントサービスの環境設定については、“アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)”を参照してください。
状態遷移プロシジャファイルの修正
MQDは状態遷移プロシジャファイルのひな型を提供します。サービス用のひな型は、以下のファイルで提供しています。
[MQDインストール先フォルダ]\sample\MQD001.MQDSVC_INTERSTAGE.bat
状態遷移プロシジャファイルのひな型は、以下の内容に設定しています。
MQDシステム名: MQD001
サービス名: SERVICE
サービス起動: 定義反映を行わないで起動する
通常、MQDの拡張機能の起動はMQD起動時に行われるため、拡張機能用の状態遷移プロシジャでは拡張機能の起動は行いません。MQD起動時にグローバルトランザクションのダウンリカバリが未完了の場合、基本機能の起動時に拡張機能の起動が行われず、拡張機能用の状態遷移プロシジャで拡張機能を起動します。したがって、拡張機能用の状態遷移プロシジャはデータベース連携サービスによるグローバルトランザクションのダウンリカバリが完了した後で実行されるようにSafeCLUSTERの起動順番を設定してください。
状態遷移プロシジャファイルを、使用するサービスに合わせて修正します。状態遷移プロシジャファイルは、サービスごとに必要ですので、複数のサービスを使用する場合は、ひな型を複写して使用してください。
状態遷移プロシジャファイル名は以下の規約にしたがってください。
MQDシステム名.MQDサービス名_INTERSTAGE.bat
例えば、MQDシステム名が“MQDABC”で、ACM連携サービスの場合は、“MQDABC.MQDACOM_INTERSTAGE.bat”となります。
状態遷移プロシジャファイルの修正内容の例を以下に示します。
set MQDSYS_NAME=MQD001 |
rem set SVCNAME=SERVICE |
set STRSVC_COMMAND=mqdstrsvc -s %MQDSYS_NAME% %SVCNAME% |
状態遷移プロシジャのリソース登録
状態遷移プロシジャのリソース登録については、“13.2.4.1 MQDの基本機能用の状態遷移プロシジャを登録する”の“状態遷移プロシジャのリソース登録”を参照してください。
MQDをSafeCLUSTERで動作させるために、MQD関連のリソースを登録します。登録は、クラスタ運用管理ビューを使用して行います。クラスタ運用管理ビューの詳細については“SafeCLUSTER/Standard 導入運用ガイド”を参照してください。表13.2 MQDのリソース一覧に登録するリソースの一覧を示します。
なお、必要に応じて、業務アプリケーションなどのリソースも登録してください。
リソース | リソースクラス |
---|---|
切替えディスク | DISK |
IPアドレス | IP_Address |
MQDの基本機能用状態遷移プロシジャ | BasicApplicationまたはApplication |
MQDの拡張機能用状態遷移プロシジャ (注) | BasicApplicationまたはApplication |
注) MQDの拡張機能用状態遷移プロシジャの登録は、拡張機能を使用しない場合は不要です。
クラスタ運用管理ビューを使用して、サービスの設定を行います。クラスタ運用管理ビューの詳細については“SafeCLUSTER/Standard 導入運用ガイド”を参照してください。
MQDクラスタサービスの設定内容
MQDクラスタサービスの設定内容は表13.3 サービス設定内容のとおりです。
設定項目 | 設定内容 | |
---|---|---|
サービス名 | 任意 | |
運用形態 | Standby | |
ノード | 運用ノード | 運用インスタンスを登録するノード |
待機ノード | 待機インスタンスを登録するノード | |
リソース | ||
アプリケーション依存関係 | ||
共用ディスク装置の使用種別 | 切替えディスク |
起動優先度
サービスを構成するアプリケーションが複数からなり起動優先度を設定する必要がある場合は、起動順番の優先度を設定します。図13.9 リソース起動優先度に、MQDに関するリソースの起動優先度を示します。使用するリソースについて、以下の順に起動するように優先度を設定します。
図13.9 リソース起動優先度