メッセージ格納ファイルにデータベースを使用したとき、MQD環境の作成やメッセージキューの作成、MQD拡張機能の環境作成では、SQL文(データベースの作成やスキーマ定義、表定義など)を記述したファイルを生成します。これらのファイルを、SQL記述ファイルと呼びます。
SQL記述ファイルを使用することで、データベースの退避・復旧やメッセージキューの容量の拡張などのデータベース管理システムの保守・管理機能が利用できます。データベース管理システムの保守・管理の詳細は、“Symfoware Server RDB管理者ガイド”を参照してください。
SQL記述ファイルの生成とデータベースの保守・管理を図5.5 SQL記述ファイルの生成とデータベースの保守・管理に、生成されるSQL記述ファイルの一覧を表5.1 SQL記述ファイルの一覧に示します。
図5.5 SQL記述ファイルの生成とデータベースの保守・管理
処理 | ファイル名 (注1) | 格納先 | 説明 | |
---|---|---|---|---|
MQD環境の作成 | MQD_MQDシステム名.sql (注3) | S | MQD用データベースの作成用 | |
SYS_QUETABLE.sql | S | MQD拡張機能用キュー管理テーブルの作成用 | ||
USR_QUETABLE.sql | S | メッセージキュー管理テーブルの作成用 | ||
MQD_MSGCHAIN.sql | S | メッセージ制御テーブルの作成用 | ||
MQD_QUEFCTRL.sql | S | キュー制御テーブルの作成用 | ||
MQD_TRNFCTRL.sql | S | トランザクション制御テーブルの作成用 | ||
メッセージキューの作成 | メッセージキュー名.sql (注4) | U | メッセージ格納テーブルの作成用 | |
拡張機能の環境作成 | 同報配信 | MQDシステム名MCASDENV.sql(注3) | S | 同報配信用環境定義テーブルの作成用 |
MQDシステム名MCASDEFC.sql(注3) | S | 同報配信用定義(反映)テーブルの作成用 | ||
MQDシステム名MCASDEFD.sql(注3) | S | 同報配信用定義(登録)テーブルの作成用 | ||
SMTP連携 | MQDSCOMENV.sql | S | SMTP連携用環境定義テーブルの作成用 | |
MQDSCOMQUE0.sql | S | SMTP連携用現サービス定義テーブルの作成用 | ||
MQDSCOMQUE1.sql | S | SMTP連携用新サービス定義テーブルの作成用 | ||
MQDSCOMPWD.sql | S | SMTP連携用情報格納テーブルの作成用 | ||
ACM連携 | MQDシステム名ACOMDEFD.sql (注3) | S | ACM連携用定義(登録)テーブルの作成用 | |
MQDシステム名ACOMDEFC.sql (注3) | S | ACM連携用定義(反映)テーブルの作成用 | ||
MQDシステム名ACOMDEFSSYN.sql(注3) | S | ACM連携用同期情報管理テーブルの作成用 | ||
送信キュー名MNGR.sql (注5) | S | ACM連携用送信キュー同期テーブルの作成用 | ||
ACOMS通番.sql (注6) | S | ACM連携用受信キュー同期テーブルの作成用 |
注1) SQL記述ファイルの内容については、“付録E SQL記述ファイルの内容”を参照してください。
注2) 格納先(格納ディレクトリ)
S: MQDインストールディレクトリ\mqd\MQDシステム名\qm\etc\sys システム制御用テーブルのSQL記述ファイルが格納されます。
U: MQDインストールディレクトリ\mqd\MQDシステム名\qm\etc メッセージ格納テーブルのSQL記述ファイルが格納されます。
クラスタサービス機能を使用する場合、MQDインストールディレクトリは、ClusterセクションのSystemDirectoryキーワードで指定したディレクトリになります。
S: MQDインストールディレクトリ/mqd/MQDシステム名/qm/etc/sys システム制御用テーブルのSQL記述ファイルが格納されます。
U: MQDインストールディレクトリ/mqd/MQDシステム名/qm/etc メッセージ格納テーブルのSQL記述ファイルが格納されます。
クラスタサービス機能を使用する場合、MQDインストールディレクトリは、ClusterセクションのSystemDirectoryキーワードで指定したディレクトリになります。
注3) MQDシステム名 : mqdsetupコマンドで指定したMQDシステム名
注4) メッセージキュー名 : mqdcrtqコマンドで指定したメッセージキュー名
注5) 送信キュー名 : ACM連携の定義で指定した送信キュー名
注6) 通番 : 001 ~ 999 の範囲でシステムが採番
注7) 拡張機能については、“第2部 拡張機能編”を参照してください。
メッセージ格納域の変更やメッセージ格納サイズの変更を行うには、該当するSQL記述ファイルを複写し設定を編集して、データベース管理システムのコマンドを使用して行います。
なお、SQL記述ファイルを使用してのデータベース操作は、MQDシステムを壊すおそれがありますので十分に注意してください。操作を行う前にあらかじめ、データのバックアップを取ることをお薦めします。データのバックアップは、Symfowareの rdbdmpコマンドや rdbunlコマンドがあります。
SQL記述ファイルの変更可能定義一覧を表5.2 SQL記述ファイルの変更可能定義一覧(データベース作成 (注))、表5.3 SQL記述ファイルの変更可能定義一覧(表作成 (注))に示します。
定義の詳細については、“Symfoware Server RDBユーザーズガイド データベース定義編”と“Symfoware Server SQLリファレンスガイド”を参照してください。
定義 | 名称変更 | 追加 | 説明 |
---|---|---|---|
データベース | × | × | 定義名称は“MQD_MQDシステム名”で固定です。 ・Symfoware/RDBトランザクション連携機能を使用しない場合 |
データベーススペース | × | ○ | 追加の場合の定義名称は、以下の予約済み以外を指定してください。 注意事項)追加したデータベーススペースはシステムでは管理されませんので、データベーススペースの削除やDSIへの割当は手動で行う必要があります。 |
スキーマ | × | × | 定義名称は“MQD_MQDシステム名_SCH”で固定です。 |
権限情報 | - | ○ | MQDを利用するユーザアカウントへの権限が必要です。 スーパユーザ、MQD利用者への権限が必要です。 |
○:可能、×:不可、-:該当なし
注) 対象のSQL記述ファイルは、“表5.1 SQL記述ファイルの一覧”の“MQD_MQDシステム名.sql”です。
定義 | 名称変更 | 追加 | サイズ変更 | データベース | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
表 | × | × | - | - | 列属性についても変更不可です。 |
権限情報 | - | ○ | - | - | MQDを利用するユーザアカウントへの権限が必要です。 スーパユーザ、MQD利用者への権限が必要です。 |
表のDSO | × | × | × | - | 表の分割運用はできません。 |
表のDSI | × | × | ○ | ○ | スペース割付けの追加は、rdbalmdsiコマンドやrdbgcdsiコマンドを使用することで可能になります。 |
インデックスのDSO | × | × | ○ | - | ページサイズの変更は、性能に影響しますので注意してください。 |
インデックスのDSI | × | × | ○ | ○ | スペース割付けの追加は、rdbalmdsiコマンドやrdbgcdsiコマンドを使用することで可能になります。 |
○:可能、×:不可、-:該当なし
注) 対象のSQL記述ファイルは、“表5.1 SQL記述ファイルの一覧”の“MQD_MQDシステム名.sql”以外です。