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Interstage Application Server MessageQueueDirector説明書

3.3.1 環境定義の記述(ファイルを使用する場合)

  ここでは、MQD環境定義の記述方法について以下を説明します。

  なお、記述規約については、“付録A 定義記述規約”を参照してください。

3.3.1.1 記述形式(ファイルを使用する場合)

  MQD環境定義は以下の形式で記述します。

記述形式(ファイルを使用する場合)

      
      [MQDConfiguration]
       QueueMax             = 作成メッセージキュー数の最大値
       MessageBufferMaxSize = メッセージバッファの最大長
      [Transaction]
       TransactionFile  = トランザクション管理ファイルの名前
       Max_Size         = 1トランザクションで送受信するメッセージ長の合計の最大値
      [SystemFile]
       SystemFile1      = システム制御用ファイル1の名前
       SystemFile2      = システム制御用ファイル2の名前
       SystemFile2_Size = システム制御用ファイル2の容量
      [QueueIndex]
       File             = メッセージキュー管理ファイルの名前
      [DiskQueue]
       File             = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納ファイルの名前
       Size             = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の容量
      [MemoryQueue]
       File             = メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域管理ファイルの名前
       Size             = メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域の容量
      [WatchQueueUsed]
       DiskQueue        = ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の安全値と警告値
       MemoryQueue      = メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域の安全値と警告値

3.3.1.2 記述内容の説明(ファイルを使用する場合)

  MQD環境定義の記述内容について以下に説明します。

  なお、本項で指定する各ファイルは、すべて新規ファイルです。ただし、ディレクトリについては、既存の(実在する)ものを指定する必要があります。

a) MQDConfigurationセクション

  MQD環境の情報を記述します。記述内容を表3.4 MQDConfigurationセクションの記述内容に示します。

表3.4 MQDConfigurationセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

QueueMax

不可

数値

1~30000の数値で指定します。

作成メッセージキュー数の最大値を指定します。(注1)

MessageBufferMaxSize

数値

1~1024の数値で指定します。
[Mバイト]の単位で指定します。
省略値は80Mバイトです。

一時的にメッセージを格納するバッファの最大長を指定します。
このバッファは、共有メモリ上に獲得され、不足時に指定された値の1/10ずつ、指定された値まで拡張されます。(注2)

QMKind

文字列

“MQD”を指定します。

メッセージ格納ファイルの種別を指定します。

  注1) MQDの拡張機能を使用する場合、各サービスに対して以下の値が必要です。アプリケーションで必要な値に使用するサービスに必要な値を加えた値以上を指定してください。

  注2) 使用バッファ量の見積もりは以下の式に従ってください。

(アプリケーションが1トランザクションで扱うメッセージ長の合計の最大値) * (同時に起動するアプリケーション数) * 2

MQDの拡張機能を使用する場合、上記見積もりに以下の値を追加してください。

サービス名

追加する値

同報配信サービス

同報グループ数 * 平均メッセージ長 * 2

ACM連携サービス

1

イベントチャネル連携サービス

(送信キュー数 + 受信キュー数) * 平均メッセージ長 * 2

SMTP連携サービス

(送信キュー数 + 受信キュー数) * 平均メッセージ長 * 2

b) Transactionセクション

  トランザクション管理ファイル情報を記述します。記述内容を表3.5 Transactionセクションの記述内容に示します。

表3.5 Transactionセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

Transaction
File

不可

文字列

絶対パス名で指定します。

NTFS(ローカルディスク)上のファイルを指定します。

ローデバイスファイル(推奨)または通常ファイルを指定します。(注1)

トランザクション管理ファイルの名前を指定します。

Max_Size

数値

16~65536の数値で指定します。[Kバイト]の単位で指定します。
省略値は65536[Kバイト]です。

1トランザクションで送受信するメッセージ長の合計の10倍を指定します。その値が65536を超える場合には、65536を指定してください。
上限値を設定することで、アプリケーションの異常(異常ループなど)によるMQD資源の圧迫や枯渇を防止できます。(注2)

  注1) ローデバイスファイルを使用する場合、ローデバイスの領域量は必ず2Gバイト以下にしてください。2Gを超える領域を指定すると、mqdsetupコマンドが復帰しなくなります

  注2) MQDの拡張機能を使用する場合、各サービスに対して以下の値が必要です。アプリケーションで必要な値に使用するサービスに必要な値を加えた値以上を指定してください。

c) SystemFileセクション

  MQDが使用するシステム制御用ファイルの情報を記述します。記述内容を表3.6 SystemFileセクションの記述内容に示します。

表3.6 SystemFileセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

SystemFile1

不可

文字列

絶対パス名で指定します。

NTFS(ローカルディスク)上のファイルを指定します。

通常ファイルまたはローデバイスファイルを指定します。(注1)

システム制御用ファイル1の名前を指定します。

SystemFile2

不可

文字列

同上

システム制御用ファイル2の名前を指定します。

SystemFile2_Size

不可

数値

80~2097151の数値で指定します。
[Kバイト]の単位で指定します。

システム制御用ファイル2の容量を指定します。

  注1) ローデバイスファイルを使用する場合、ローデバイスの領域量は必ず2Gバイト以下にしてください。2Gを超える領域を指定すると、mqdsetupコマンドが復帰しなくなります

d) QueueIndexセクション

  メッセージキュー管理ファイル情報を記述します。記述内容を表3.7 QueueIndexセクションの記述内容に示します。

表3.7 QueueIndexセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

File

不可

文字列

絶対パス名で指定します。

NTFS(ローカルディスク)上のファイルを指定します。

通常ファイル(推奨)またはローデバイスファイルを指定します。(注1)

メッセージキュー管理ファイルの名前を指定します。

  注1) ローデバイスファイルを使用する場合、ローデバイスの領域量は必ず2Gバイト以下にしてください。2Gを超える領域を指定すると、mqdsetupコマンドが復帰しなくなります

e) DiskQueueセクション

  メッセージ保証レベルがディスク型のメッセージキューを利用する場合に、ディスク型メッセージキューの情報を記述します。記述内容を表3.8 DiskQueueセクションの記述内容に示します。

表3.8 DiskQueueセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

File

不可

文字列

絶対パス名で指定します。

NTFS(ローカルディスク)上のファイルを指定します。

通常ファイル(推奨)またはローデバイスファイルを指定します。(注1)

ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域(メッセージ格納ファイル)の名前を指定します。

Size

不可

数値

80~2097151の数値で指定します。[Kバイト]の単位で指定します。

ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域(メッセージ格納ファイル)の容量を指定します。(注2)

  注1) ローデバイスファイルを使用する場合、ローデバイスの領域量は必ず2Gバイト以下にしてください。2Gを超える領域を指定すると、mqdsetupコマンドが復帰しなくなります

  注2) MQDの拡張機能を使用する場合、各サービスに対して以下の値が必要です。アプリケーションで必要な値に使用するサービスに必要な値を加えた値以上を指定してください。

f) MemoryQueueセクション

  メッセージ保証レベルがメモリ型のメッセージキューを利用する場合に、メモリ型メッセージキューの情報を記述します。記述内容を表3.9 MemoryQueueセクションの記述内容に示します。

表3.9 MemoryQueueセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

File

不可

文字列

絶対パス名で指定します。

NTFS(ローカルディスク)上のファイルを指定します。

通常ファイルを指定します。

メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域を管理するファイルの名前を指定します。

Size

不可

数値

80~524288の数値で指定します。
[Kバイト]の単位で指定します。

メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域(メモリ上)の容量を指定します。メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域の容量見積もり式は、ディスク型と同一ですので、“表3.2 ファイル容量の見積り方法(ファイルを使用する場合)”の“ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域”の式で求めてください。

g) WatchQueueUsedセクション

  メッセージ格納域の使用状況の監視を行う場合に記述します。記述内容を表3.10 WatchQueueUsedセクションの記述内容に示します。

表3.10 WatchQueueUsedセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

DiskQueue

数値

“安全値-警告値”の形式で指定します。安全値は0~99[%]、警告値は1~100[%]の範囲で指定します。安全値と警告値は、安全値 < 警告値の関係でなければなりません。

ディスク型メッセージキューのメッセージ格納域の使用量に対する安全値と警告値を設定します。キーワードを省略した場合、メッセージ格納域がない場合、メッセージ格納域の使用状況監視は行われません。

MemoryQueue

数値

“安全値-警告値”の形式で指定します。安全値は0~99[%]、警告値は1~100[%]の範囲で指定します。安全値と警告値は、安全値 < 警告値の関係でなければなりません。

メモリ型メッセージキューのメッセージ格納域の使用量に対する安全値と警告値を設定します。キーワードを省略した場合、メッセージ格納域がない場合、メッセージ格納域の使用状況監視は行われません。

3.3.1.3 記述例(ファイルを使用する場合)

  MQD環境定義の記述例を以下に示します。

      
      [MQDConfiguration]                        # MQD環境の情報
       QueueMax = 200
       MessageBufferMaxSize = 80                # 80Mバイト
     #
      [Transaction]                             # トランザクション管理ファイルの情報
       TransactionFile = c:\mqdfile\transactionfile
       Max_Size = 65536
     #
      [SystemFile]                              # システム制御用ファイルの情報
       SystemFile1 = c:\mqdfile\systemfile1
       SystemFile2 = c:\mqdfile\systemfile2
       SystemFile2_Size = 8000                  # 8Mバイト
     #
      [QueueIndex]                              # メッセージキュー管理ファイルの情報
       File = c:\mqdfile\queueindex
     #
      [DiskQueue]                               # ディスク型メッセージキューの情報
       File = c:\mqdfile\diskqueuefile
       Size = 50000                             # 50Mバイト
     #
      [MemoryQueue]                             # メモリ型メッセージキューの情報
       File = c:\mqdfile\memoryqueuefile
       Size = 3000                              # 3Mバイト
     #
      [WatchQueueUsed]                          # メッセージ格納域の使用状況監視情報
       DiskQueue   = 60-80
       MemoryQueue = 50-70

      
      [MQDConfiguration]                        # MQD環境情報
       QueueMax = 100
       MessageBufferMaxSize = 80                # 80Mバイト
     #
      [Transaction]                             # トランザクション管理ファイル情報
       TransactionFile = /dev/rdsk/c1t2d0s1
       Max_Size = 65536
     #
      [SystemFile]                              # システム制御用ファイル情報
       SystemFile1 = /mqdfile/systemfile1
       SystemFile2 = /mqdfile/systemfile2
       SystemFile2_Size = 8000                  # 8Mバイト
     #
      [QueueIndex]                              # メッセージキュー管理ファイル情報
       File = /mqdfile/indexfile
     #
      [DiskQueue]                               # ディスク型メッセージキューの情報
       File = /mqdfile/diskfile
       Size = 100000                            # 100Mバイト
     #
      [MemoryQueue]                             # メモリ型メッセージキューの情報
       File = /mqdfile/memoryfile
       Size = 5000                              # 5Mバイト
     #
      [WatchQueueUsed]                          # メッセージ格納域の使用状況監視情報
       DiskQueue   = 60-80
       MemoryQueue = 50-70