小規模なシステムの運用形態(2階層構成)
同一部門内のある管理対象の数が比較的小規模(数十台程度)なシステムの運用形態です。運用管理サーバから直接、監視対象のサーバを管理します。
図1.3 小規模なシステムの運用形態
大規模および分散しているシステムの運用形態(3階層構成)
以下のようなシステムの場合には、運用管理サーバの配下に、中継機能を持つ部門管理サーバを配置した運用形態をとることができます。
管理台数が多い(数千台規模)システムの場合
スケーラビリティ向上のために、部門管理サーバを設置します。部門管理サーバが、配下の業務サーバの監視や収集した情報の集約・中継を行います。
分散している複数部門のサーバで構成されるシステムの場合
ネットワークの負荷軽減のために、部門管理サーバを設置します。部門管理サーバが、配下の業務サーバの監視や収集した情報の集約・中継を行います。
企業内センタなどに複数のシステムを集約する場合(サーバ集約)
運用管理業務の標準化や情報システム全体のコスト削減のために、企業内のセンタに、情報システムを集約して運用する形態です。
同一の運用ポリシーを部門管理サーバおよび配下の業務サーバに適用できます。
運用部門の作業分担や役割に合わせて、複数の運用管理サーバを束ねて、全体を管理するような運用管理サーバを設置する階層化形態をとることもできます。
以下のような場合にお勧めする構成です。
LAN-WAN-LAN環境での監視(WANを経由して監視する)
監視対象部門内の監視対象ノード数が多く、トラフィック量を削減したい場合
部門管理サーバを設置することで、運用管理サーバと監視対象の部門間で発生する監視のためのトラフィックの削減、および運用管理サーバの負荷を分散することができます。
部門管理サーバを設置することで、以下を監視するために発生するトラフィックを削減できます。
トラップの監視
MIB監視
稼働状態の監視
性能監視
各機能は、“ネットワーク/システムの監視”を参照してください。
LAN-WAN-LAN環境で監視する場合でも、監視対象部門内に監視対象ノードが少なく、トラフィック量を削減する必要がない場合や、上記機能を使用しない場合は部門管理サーバを設置する必要はありません。
部門内の業務サーバで発生したイベントを、部門管理サーバを経由して運用管理サーバに通知することができます。
このような運用では、運用管理サーバの移設などによりイベントの通知先を変更するときに、部門内の業務サーバの台数が多い場合でも、部門管理サーバの定義を変更するだけで運用が可能になります。しかし、部門管理サーバがなんらかの原因でダウンした場合、部門内のイベントが運用管理サーバに通知されなくなりますので、注意が必要です。
図1.4 大規模および分散しているシステムの運用形態
大規模なシステムの運用形態(ソフトウェア資源を階層的に配付する)
ソフトウェア資源を部門内のサーバやクライアントへ配付する構成は、監視する構成と別の構成にすることが可能です。管理対象の地区の数やサーバ、クライアントの数により、ネットワークやサーバへの負荷削減を考慮してさまざまな構成をとることができます。ソフトウェア資源を配付する機能については、“資源の配付”を参照してください。
“ソフトウェア資源を配付する場合の構成例”にソフトウェア資源を配付する場合の構成例を示します。
部門管理サーバまたは業務サーバ(エージェントライセンス、資源配付エージェントライセンス)を、ソフトウェア資源を中継して配付する中継サーバとして利用できます。
ソフトウェア資源を配付する場合、部門管理サーバと業務サーバの機能は同じです。
図1.5 ソフトウェア資源を配付する場合の構成例
また、配付先の部門数が多い場合に、運用管理サーバにかかる負荷を分散することも可能です。
“資源の配付先の部門数が多い場合の構成例”に、資源の配付先の部門数が多い場合の構成例を示します。
図1.6 資源の配付先の部門数が多い場合の構成例