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Systemwalker Centric Manager 解説書

2.4.1 ネットワーク/システムの監視

ネットワークの監視

ネットワークの監視では、TCP/IPを使用したネットワークを監視対象としていることから、LANだけの小規模ネットワークからWANを含む大規模ネットワークまで監視することができます。

なお、ネットワークを監視するには、監視対象ノードにおいて、SNMPに対応したSNMPエージェントの機能が動作している必要があります。また、監視対象ノードがIPv4/IPv6のデュアルスタックノードの場合、IPv6インタフェースの稼働監視スクリプトにより、IPv6インタフェースの稼働状況が監視できます。

MIB取得、およびMIB監視により、ipv6MIBグループのMIBを取得/監視することが可能です。

ネットワークの監視の概要を、“ネットの監視の概要”に示します。

図2.2 ネットワークの監視の概要

SNMPトラップ

ネットワークの監視は、SNMP(Simple Network Management Protocol)を使用し、TCP/IPをベースとしたコンピュータネットワークを監視します。TCP/IPは、現在最も広く普及しているネットワークプロトコルであり、SNMPは、TCP/IPを使用したネットワークでの標準的なネットワーク管理プロトコルです。

通信負荷の軽減

クライアントやネットワーク機器で発生したトラップは、SNMPエージェントによって、運用管理サーバに通知されます。また、監視対象ノードの情報は、ポーリング・レスポンスによって運用管理サーバに通知されます。これらの通信負荷を軽減したい場合は、部門管理サーバを導入し、配下のノードに対して、トラップの受信やポーリングを行い、必要な情報だけを運用管理サーバに送信します。

システムの監視

システムの監視では、サーバとクライアントの異常などを集中的に監視・操作します。

システムの集中監視を行うことで、以下の監視ができます。

システムの監視の概要を以下に示します。

図2.3 システムの監視の概要

メール連携機能

イベント監視が監視するメッセージを上位システムに送信する場合、E-mailを使用してイベントを送信することができます。これによりファイアウォールを越えてシステムを監視できます。なお、本機能は送信側および受信側の両方に、Systemwalker Centric Managerの以下いずれかのサーバが必要です。

送信側システム:

運用管理サーバ、部門管理サーバ、業務サーバまたはクライアント

受信側システム:

全体監視サーバ、運用管理サーバ、部門管理サーバまたは業務サーバ

メール連携の概要を以下に示します。

図2.4 メール連携の概要

メッセージ説明を登録して監視する

データセンタ等の運用では、発生したイベントに対する対処手順書をあらかじめ作成しておくことがあります。対処手順書の内容を[Systemwalkerコンソール]に登録しておくと、発生したイベントごとの対処手順をその場で確認することができ、イベントに対する迅速な対処が可能となります。

メッセージ説明を登録して監視するには、以下の2つの運用形態があります。

  • 共通のメッセージ説明を登録して監視する

  • フォルダごとにメッセージ説明を変更して監視する

共通のメッセージ説明を登録して監視する

1台の運用管理サーバで複数のノードを監視する場合、同一イベントに対して共通の対処方法や連絡先を表示することができます。

共通のメッセージ説明を登録して監視した場合の例を以下に示します。

フォルダごとにメッセージ説明を変更して監視する

1台の運用管理サーバで複数のユーザのノードを監視する場合、ユーザごとにイベント発生時の対処方法や連絡先が異なります。

また、同一ユーザでもノードの設置場所によって、イベント発生に関する連絡先が異なる場合があります。

このような場合、同一イベントに対して、[Systemwalkerコンソール]の[監視ツリー]で監視しているフォルダごとに異なるメッセージ説明を表示することができます。

フォルダごとにメッセージ説明を変更して監視した場合の例を以下に示します。

SNMPバージョンとサポート機能について

以下にSNMPバージョンとサポートする機能について説明します。

2.4.1.1 ネットワーク/システムの障害を監視する

ネットワーク機器とシステムの障害の監視について説明します。

トラップの監視

ノードからSNMPによるトラップで通知される事象を監視します。通知されたトラップをSystemwalker Centric Managerで扱うイベントの形式に変換し、ほかのイベントとあわせて[監視イベント一覧]で管理できます。

MIB監視

ノードの通信異常などを集中的に監視するために、トラフィックやエラーに関するMIBの値を監視します。一定間隔であらかじめ設定されたしきい値と比較し、しきい値条件を超えた場合に、トラップとして通知し、メッセージが監視イベント一覧に出力されます。しきい値監視によりノードの異常を未然に防止することができます。また、MIBを操作し、MIB情報を収集し、グラフ表示することができます。MIB拡張機能により、標準で提供されているMIB-II以外のMIBを扱うこともできます。

イベント監視

ネットワークに接続されているシステムの異常を、イベント監視で集中的に監視します。イベント監視では、部門管理サーバ、業務サーバおよびクライアントで発生するシステム異常を監視します。システム異常が発生すると、監視画面にイベントが通知されます。監視画面では、どこで、どのようなシステム異常が発生したかを確認することができます。

イベント監視では、“イベントが監視するメッセージ”に示すイベント(メッセージ)を監視することができます。

表2.1 イベント監視が監視するメッセージ

対象システム

監視するメッセージ

出力先

Windows

システムおよびサービスがイベントログに出力するメッセージ (注4)

イベントログ

Systemwalker Centric Managerの各機能が監視するイベント (注1)(注4)

イベントログ

Systemwalker Centric Manager以外の連携製品が監視するイベント(注4)

イベントログ

アプリケーションがイベントログに出力するメッセージ(注4)

イベントログ

アプリケーションが一般ファイルに出力するメッセージ

テキストファイル

SNMPトラップ

-

UNIX

システムおよびサービスが自システムのシスログに出力するメッセージ(注3)

シスログ

Systemwalker Centric Managerの各機能が監視するイベント (注2)(注3)

シスログ

Systemwalker Centric Manager以外の連携製品が監視するイベント(注3)

シスログ

アプリケーションがシスログに出力するメッセージ(注3)

シスログ

アプリケーションが一般ファイルに出力するメッセージ

テキストファイル

任意のログファイルの監視(増分がメッセージとして監視される)

テキストファイル

SNMPトラップ

-

ASP

ASPのSystemwalkerエージェントが獲得するメッセージ

テキストファイル

SNMPトラップ

-

備考.

ASPは、ワークステーションを中心としたシステム運用ができるように開発されたクライアント・サーバ型のオペレーティングシステムです。

注1)

以下のイベントについては、Systemwalker Centric Managerでは通知されません。

  • ソース名がMpFwbs、イベントIDが3、説明(メッセージテキスト)が以下で始まるメッセージ
    50000009, 50200007, 50200008, 50200005

  • ソース名がMpOpagtでイベントIDが以下のメッセージ
    4, 6, 11, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 26, 27, 28, 29, 40, 44, 45, 46, 48, 49, 51, 52, 54, 55, 56, 57, 58, 60, 61, 62, 63, 64, 65, 66, 67, 68, 69, 70, 71, 72, 75, 76, 77, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 100, 101, 103, 105, 106, 111, 112, 113, 115, 116, 120, 121, 122, 123, 126, 129, 130, 131, 140, 150, 151, 155, 156, 157, 158, 159, 160, 165, 170, 171, 177, 190, 300, 301, 302, 303, 304, 320, 3001, 3010, 3100, 3101, 3102, 3103, 3104, 3105, 3106, 3107, 3202, 3203, 3204, 3205, 3206, 8400, 8401, 8402, 8403, 8406, 8408, 9052, 9053, 9054

注2)

以下のイベントについては、Systemwalker Centric Managerでは通知されません。

  • MpFwemsで始まる以下のメッセージ
    50000009, 50200007, 50200008, 50200005

  • UX:opagtdで始まるメッセージ番号が以下のメッセージ
    3, 4, 6, 11, 14, 15, 16, 17, 18, 19, 20, 21, 22, 23, 24, 26, 27, 28, 29, 40, 44, 45, 46, 48, 49, 51, 52, 54, 55, 56, 57, 58, 60, 75, 76, 77, 80, 81, 82, 83, 84, 85, 90, 91, 94, 97, 154, 158, 159, 165, 170, 171, 300, 301, 302, 303, 310, 320, 3001, 3010, 3100, 3101, 3102, 3103, 3104, 3105, 3106, 3107, 3202, 3203, 3204, 3205, 3206, 3400, 3401, 4000, 4001, 4002, 4003, 4004, 4005, 4006, 4007, 4008, 4009, 4010, 4011, 4012, 4014, 4015, 4016, 4018, 4019, 4023, 4024, 4025, 4026, 4027, 4028, 4029, 4030, 4031, 4032, 4033, 4034, 4035, 4038, 4041, 4042, 4043, 4044, 4045 4600, 8400, 8401, 8402, 8403, 8404, 8405, 8406, 8407, 8408, 8409, 9052, 9053, 9054

注3)

初期設定ではレベルがwarning(警告)以上のメッセージが監視対象となります。監視対象を変更する場合は、“Systemwalker Centric Manager 導入手引書”の“監視するメッセージの設計”を参照して“/etc/syslog.conf”の設定を変更してください。なお対象システムのOSがHP-UXの場合で、システムのホスト名が8バイトを超える場合は、シスログのメッセージ監視はできません。

注4)

初期設定では下記種類のイベントログのうち、システムに登録されているものが監視対象となります。下記以外のカスタムイベントログを監視することはできません。

  • アプリケーション

  • システム

  • セキュリティ

  • DNS Server

  • ファイル複製サービス

  • Directory Service

  • DFSレプリケーション

  • ハードウェア

  • Media Center

  • Internet Explorer

  • Key Management Service

  • Virtual Server

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Config-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Config-Operational

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-High-Availability-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Hypervisor-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Hypervisor-Operational

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Image-Management-Service-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Image-Management-Service-Operational

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Integration-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Network-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Network-Operational

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-SynthNic-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-SynthStor-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-SynthStor-Operational

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-VMMS-Admin

  • Microsoft-Windows-Hyper-V-Worker-Admin

“セキュリティ”のみあるいは全種類のイベントログを監視対象外にする場合は、“イベントログ監視設定ファイル”の設定を変更してください。“イベントログ監視設定ファイル”については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

これらのメッセージのうち、どのメッセージを監視するかを、定義することができます。監視対象としたメッセージは、メッセージ一覧として参照することができます。

監視イベント

サーバのシステム異常により発生するイベント、ネットワーク異常により発生するSNMPトラップなどの中から、監視したいイベントおよびトラップだけを選択して監視できます。監視対象とするイベントやトラップを、監視イベントと呼びます。
イベント監視では、メッセージに重要度レベルを設定して管理します。重要度レベルが通知、警告、重要または最重要のものは、監視イベントとしてその発生が監視画面に通知され、集中監視できます。

ウィルス監視

Systemwalker Centric Managerは、クライアント/サーバ環境、イントラネットでのウィルス検出機能があるファイルサーバ用のウィルス検出製品と連携することができます。ネットワークやシステムなどの異常とともに、ウィルス検出製品が検出した異常/警告も集中的に監視できます。連携できるウィルス検出製品や環境設定については、Systemwalker技術情報ホームページを参照してください。

イベントコリレーション機能

イベントコリレーション機能では、複数の異なるイベントを関連付けて監視することができます。

例えば、システムで発生した1個の障害に対して複数のイベントが発生する場合に、これらをまとめて1個のイベントとして通知することができます。また、正常時には特定の順序で発生するはずのイベントが発生しないなどの監視も可能です。

以下にイベントコリレーション機能を使用した運用例を示します。

メッセージ変換機能

メッセージ変換機能は、発生したメッセージを、定義されたメッセージに変換します。

メッセージ変換機能は、指定された条件に一致するメッセージを変換ルールに従い、別のメッセージに置き換えます。

置き換えたメッセージは、以下の処理の対象となります。

また、以下のメッセージは変換後のメッセージとなります。

イベント抑止機能

イベント抑止機能は、以下の3つがあります。

なお、同一イベント抑止機能と類似イベント抑止/大量イベント抑止機能は、同時利用が可能です。

監視抑止機能

システムのメンテナンスや保守を行う場合などに、特定ノードに対する稼働監視を抑止したり、特定ノードからのイベント通知を抑止したりすることかできます。

抑止される監視内容は、一時的に監視を抑止する設定を行った場合、以下の監視が抑止されます。

また、監視抑止対象ノードから通知された以下のイベントについては[監視イベント一覧]、および[監視イベントログの検索]画面への表示を行いません。

イベント通知の抑止は、イベントの発生元ホストが、監視抑止の対象となっているノードであった場合に、[監視イベント一覧]に表示しないよう運用管理サーバで抑止します。

抑止解除後の監視再開時には、抑止前の状態を引き継いで監視を行うことができます。

2.4.1.2 ネットワーク/システムの稼働状況を監視する

ネットワーク機器とシステムの稼働状況の監視について説明します。

ルータなどのネットワーク機器、サーバ、クライアントなどをあわせてノードと呼びます。ネットワークに接続されているサーバやクライアント、ルータやゲートウェイなどのネットワーク機器(ノード)の稼働状況を、集中して監視します。

ノードの稼働状況は、対象ノードに対し、pingによるポーリング、SNMPによるインタフェース情報のMIB収集、プロトコル、またはDatabaseサーバの稼働確認により監視されます。

稼働状態の監視

サーバ、ルータなどのノードに対して、稼働/停止などの状態を監視画面に表示します。稼働/停止などの状態は、一定間隔ごとにポーリング、および任意のタイミングで監視し、稼働/停止等の状態を[Systemwalkerコンソール]の[監視マップ]に表示されているアイコンの枠に色で表示します。[Systemwalkerコンソール]から一目で稼働、停止などのノードの状態が確認できます。また、ノード状態変化を検出した場合、[Systemwalkerコンソール]の監視マップ上のノード状態色を変更するとともに、メッセージとして状態変化を通知できます。

通知と表示方法

監視結果を通知する動作は以下の2つを指定できます。

  • イベントを通知

    監視結果をイベントで通知します。

  • 状態を表示

    監視結果をノードアイコンの枠で表示されるラベルカラーで通知します。

Systemwalkerコンソールに通知する単位は以下の2つから選択できます。

  • プロトコル単位で通知/表示

    [イベントを通知]を指定した場合に、監視結果をプロトコル単位のイベントとして表示します。表示されるイベント、ラベルカラーは以下の通りです。

    イベントメッセージ

    ラベルカラー

    通知:106: %1ポート(%2)から応答がありました。

    正常:緑色
    すべてのポートから応答がある場合

    異常: 赤色
    正常以外の場合

    通知:106: %1ポート(%2)から応答がありません。

    異常:赤色
    すべてのポートから応答がない場合

    注意:緑色
    異常以外の場合

    %1: 指定した監視方法(ICMPやSNMPやHTTPなどのプロトコル名)が格納されます。
    %2: 監視に使用したポート番号が格納されます。

  • ノード単位で通知/表示

    [イベントを通知]を指定した場合に、監視結果をノード単位のイベントとして表示します。表示されるイベント、ラベルカラーは以下の通りです。

    イベントメッセージ

    ラベルカラー

    通知: 106: ノードが起動しました。

    正常:緑色

    通知: 106: ノードが停止しました。

    異常:赤色

  • インタフェースの監視を行う場合の動作について

    [監視方法]に[SNMP]を指定し、[インタフェースの監視を行う]を選択した場合の動作は、以下の2通りです。

    • [動作]で[イベントを通知]を指定した場合

      イベントメッセージ

      通知: 106: SNMPエージェントが起動しました。

      通知: 106: SNMPエージェントが停止しました。

      通知: 106: 一部インタフェースが起動しました。

      通知: 106: 一部インタフェースが停止しました。

    • [動作]で[状態を表示]を指定した場合、かつ[通知/表示単位]で[ノード単位で通知/表示]を指定した場合

      監視マップでの表示の初期設定

      監視リストの[稼働状態]カラムでの表示

      状態

      緑色

      SNMPエージェント動作中

      ノードが起動状態、かつ、SNMPエージェント動作中

      黄色

      SNMPエージェント動作中かつ一部インタフェースが停止中

      ノードが起動状態、かつ、SNMPエージェント動作中、かつ、一部インタフェースが停止中

      黄色

      ノードが起動状態かつSNMPエージェント未起動

      ノードが起動状態、かつ、SNMPエージェント未起動

      赤色

      ノードが未起動状態

      ノードが未起動状態

      なし

      -

      ノード状態が取得できていない(ノードの状態を監視していない)

監視マップの表示例を以下に示します。

メッセージで監視する

サーバ、ルータなどのノードに対して、状態の変化を集中的に監視します。稼働状態の監視は、特定の時刻や一定間隔ごとのポーリング、および任意のタイミングで監視し、停止状態への遷移、または起動状態への遷移をメッセージで通知します。ファイルサーバやルータなどの特に重要なノードの状態変化を集中的に監視する場合に使用します。監視対象として設定したノードの状態変化が監視され、状態の変化はトラップとして通知されます。

IPv4/IPv6デュアルスタックノードに対しては、IPv6インタフェースの稼働監視スクリプトにより、IPv6インタフェースの稼働監視が可能です。

ロードバランサの負荷分散で仮想化されたシステムに対して、ユーザから見たIPやURLを意識した仮想ノードを定義することができます。仮想ノードの定義によりロードバランサの負荷分散対象となる各サーバの稼働状況や、仮想ノードの動作状況を監視することができます。

仮想ノードの動作状況を監視することで、負荷分散対象の各サーバに障害が発生した場合に、負荷分散システムが、ユーザに対してサービスを正常な状態で提供できているかどうかを確認できます。また、オペレータに対して、障害状況の早期認識と対処を促すことができます。(仮想ノード監視) IPCOMは、負荷分散、帯域制御を行う専用装置です。WWWサーバなどへのリクエストによる通信負荷を平準化することで、サーバ能力を最大限に活用できます。通信障害や、サービス異常を自動検出し、サービスレベルを維持することができます。

また、DHCPクライアントのノード状態についても監視を行います。接続状況を定期的に監視し、新規追加、IPアドレスの変更、削除、および管理外端末からの接続を認識することができます。

ノードの状態の変化があった場合は、それぞれ以下のようなメッセージが[監視イベント一覧]に出力されます。

なお、稼働状態の監視は、SNMPエージェントが搭載されていないノードに対しても可能です。

2.4.1.3 ネットワーク/システムの性能を監視する

ネットワークに接続されているネットワーク機器やサーバなどのネットワーク性能情報、セグメントの性能情報を収集し、集中して監視します。また、システムの性能を集中監視し、システムの負荷増大などから発生するスローダウンなどを防止します。

以下の監視を性能監視で行います。

性能異常の監視

性能監視では、ネットワーク性能監視とサーバ性能監視を使い分けて、ネットワークやシステムの性能を監視できます。ネットワーク性能監視とサーバ性能監視の違いを以下に示します。

項目

ネットワーク性能監視機能

サーバ性能監視機能

監視方式

運用管理サーバまたは部門管理サーバからのポーリング監視

被監視ノード上での自律監視

監視情報

  • トラフィック情報

  • サーバ性能情報(基本情報)

  • サーバ性能情報

監視方法

  • 固定のしきい値による監視(サービスレベル監視)

  • 過去の統計情報との比較による監視(ベースライン監視)

  • 固定のしきい値による監視

しきい値

管理システム全体に1つのしきい値を設定

被監視ノード単位にしきい値を設定

情報蓄積

ポーリング結果をロギングし、ロギング結果は統計レポートとして出力可能

なし

トラフィックの異常およびサーバ性能情報の異常を監視します。サーバ、ネットワーク機器(SNMPのMIBIIをサポートするノード)、RMON(Remote network MONitoring)などから採取したトラフィック情報をしきい値監視し、異常が発生した場合にイベントとして通知します。

しきい値監視は、以下の2種類の方法で監視できます。

しきい値監視するトラフィック情報用CSVファイル、およびサーバ性能情報用CSVファイルの詳細については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

ハブ/スイッチングハブ/スイッチングルータ/VLANのネットワーク性能監視

ネットワーク性能監視機能において、ハブ、スイッチングハブ、スイッチングルータ、およびVLANの監視はできません。ハブ、スイッチングハブ、スイッチングルータ、およびVLANのトラック情報を把握したい場合には、各ポートに接続されているノードを監視対象にしてください。
ただし、以下の条件を満たすL3スイッチについては監視を行うことが可能です。

なお、ネットワーク性能情報の収集で必要となるMIBは、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

サーバ性能監視機能の監視項目については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“性能監視の監視項目一覧”を参照してください。

ネットワーク性能監視機能の監視項目については、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“性能監視の監視項目一覧”を参照してください。

性能情報の表示

性能監視で、サーバ、ネットワーク機器(SNMPのMIBIIをサポートするノード)、RMONなどの性能情報を表示します。トラフィック情報は、ネットワークの接続関係に従い監視できます。各ノード間の接続関係とともにトラフィック情報が表示されるので、トラフィック集中箇所等を迅速に発見できます。同時にサーバ性能情報も表示可能です。

性能監視では、サーバやルータなどから採取したトラフィック情報やサーバ性能情報をもとに、以下のような監視、操作が可能です。

性能監視マップの表示

性能監視マップには、監視対象の各ノードの接続関係およびトラフィック情報を表示します。性能監視が監視するトラフィックの異常が発生すると、イベントが監視画面に通知されます。監視画面から性能監視マップを表示し、トラフィック異常が発生した箇所周辺の状況を一目で把握できます。また、CPU情報やメモリ情報等のサーバ性能情報も表示されるので、性能異常の判断材料にすることができます。

さらに、性能監視マップから、各ノードのトラフィック情報の詳細や、各インタフェースのトラフィック情報の推移をグラフ表示することができます。また、性能監視マップから他アプリケーションを呼び出すことができるので、性能調査用のアプリケーションを呼び出すことにより、さらに詳細な異常の調査/解析を行うこともできます。

以下の2種類の性能監視マップを使用できます。

注意

監視対象がLinuxノードの場合の注意事項

パケット数の表示はできません。

ノード性能情報を表示

性能監視の監視対象としているノードの性能情報一覧を表示することができます。ノードのトラフィック情報およびサーバ性能情報を表示します。

注意

監視対象がLinuxノードの場合の注意事項

受信バイト数、送信バイト数、回線使用率だけ表示します。その他は“?”で表示されます。

性能情報の推移を出力

収集した性能情報を、以下の2種類の形式で出力することができます。

Global Enterprise Edition2.4.1.4 グローバルサーバのシステムを監視する

グローバルサーバのシステムの監視は、以下の事項について説明します。

監視パス

Systemwalker Centric Manager GEEは、被監視システムの監視・操作を行うために、以下の2つの監視パスを使います。

なお、PRIMEQUESTと連携した場合は、上記の監視パスのほかにPRIMEQUESTのサーバ管理専用ユニット(MMB: Management Board)を監視できます。

それぞれの監視パスについて説明します。

主監視パス

Systemwalker Centric Managerと被監視システム間のTCP/IP接続により接続した通信経路を、主監視パスといいます。被監視システムのうち、MSP、F4 MSP、XSP、SXOおよびOS/390(R)の監視・操作には、主監視パスが使われます。

被監視システム側では、MC/FSOCKETが動作し、被監視システムのシステム情報(システムコンソールに出力されるメッセージなど)を採取・送信します。Systemwalker Centric Manager GEEは、これを受け取り監視画面に表示します。また、Systemwalker Centric Manager GEEの監視画面からの操作は、MC/FSOCKETを経由して行われます。

主監視パスは、監視・操作の信頼性向上のために二重化することができます。ただし、SXOおよびOS/390(R)の場合は二重化できません。

代替監視パス

グローバルサーバにSVPMが接続されている場合は、SVPMと連携することにより、AVM/EXを監視・操作できるようになります。また、SVPMが監視するハードウェアの異常も監視できます。このSVPMと連携する通信経路を代替監視パスと呼びます。

MSPおよびXSPにSVPMが接続されている場合は、代替監視パスによって、主監視パスで監視できなかった以下の監視・操作ができ、システムの起動から運用までのすべての段階について連続した監視・操作ができます。

代替監視パスは、主監視パス接続後でもSVPMと連携することにより、AVM/EXを監視・操作できるようになります。また、SVPMが監視するハードウェアの異常も監視できます。代替監視パスは、SVPMのLANまたは装置を二重化することにより、監視・操作の信頼性を向上することができます。ただし、FTOPS-IIの場合は二重化することはできません。

なお、Systemwalker Centric Manager GEEは、MC/FSOCKETを介して被監視システムのシステム情報(監視メッセージ、動的状態情報など)を受け取り監視・操作を行いますので、代替監視パスによる監視を行う場合も、必ず被監視システムにはMC/FSOCKETを導入し、主監視パスによる監視を行ってください。

なお、以下の監視については代替監視パスでは監視できません。

また、以下のシステムの場合、代替監視パスを設定できません。

以下に主監視パスと代替監視パスの概要を示します。

図2.5 主監視パスと代替監視パスの概要

その他のパス

PRIMEQUESTと連携した場合、主監視パスや代替監視パスが接続されていない状態でも、TCP/IPのバスが接続されていれば、以下の情報がSNMPトラップとしてPRIMEQUESTから通知されます。

なお、以下に主監視パスと代替監視パス以外のパスの概要を示します。

図2.6 主監視パスと代替監視パス以外のパスの概要

監視メッセージ

Systemwalker Centric Manager GEEでは、被監視システムのシステムコンソールに出力される、以下のメッセージを監視することができます。これらのメッセージのうち、被監視システムごとに、どのメッセージが監視できるかを“監視メージ”に示します。

Systemwalker Centric Manager GEEがPRIMEQUESTと連携している場合、以下の情報がSNMPトラップとしてPRIMEQUESTから通知されます。

詳細な定義は、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 グローバルサーバ運用管理ガイド”の“PRIMEQUESTと連携するための定義”を参照してください。

なお、通知される情報は、監視システム側でメッセージに変換され、監視システム上でメッセージとして監視することができます。

詳細については、XSP動作機構のマニュアルを参照してください。

SVPMが導入されている場合は、さらに以下のメッセージも監視することができます。

○:使用可能

△:サブシステム監視機能は、Solaris上で動作するSystemwalker Centric Manager GEEで提供している機能です。
Linux上で動作するSystemwalker Centric Manager GEEでは使用できません。なお、サブシステムや業務が出力するメッセージを監視することで、サブシステムや業務を監視できます。

-:使用不可

注)PRIMEQUEST版のSystemwalker Centric Manager GEEで接続できるSVPM装置は、SVPM-Sのみです。

メッセージは、[メッセージ一覧]ウィンドウに表示されます。このうち、トラブルとして定義したメッセージは、[Systemwalkerコンソール]の監視イベント一覧に表示され、監視画面から対処することができます。

Global Enterprise Edition2.4.1.5 グローバルサーバのサブシステムを監視する

[Systemwalkerコンソール]からグローバルサーバ上のサブシステムを監視するために、以下の機能を使用できます。サブシステムを監視できるのは、主監視パスで接続しているときのみです。

グローバルサーバのサブシステムを監視する場合は、Systemwalker Centric Manager GEEで監視することができます。PRIMEQUEST上のLinuxでは監視することはできません。