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Symfoware Server V10.0.0 セットアップガイド

D.11 ロードシェア運用の使用メモリ量

ロードシェア運用を行う場合に、RDBプロセス内に獲得するメモリ量です。

ロードシェア運用の使用メモリ量の概算は、次の式で見積もってください。

ロードシェア運用の使用メモリ量
      = 200KB 
        + フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量           ‥ (A)
        + リモートアクセスの使用メモリ量                           ‥ (B)
        + データベースアクセスの使用メモリ量                       ‥ (C)

(A) フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量

フラッシュトリートメントリカバリ機能を利用する場合に、RDBプロセス内に獲得するメモリ量です。フラッシュトリートメントリカバリ機能を利用すると、切替え事象(ノードダウンなど)が発生したときに、運用ノードで動作していたRDBシステムを待機ノードに高速に引き継ぐことができます。

フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量の概算は、次の式で見積もってください。

フラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量
      = Σロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量

    ロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量
          = BIログ域サイズ + min(AIログ域サイズ,リカバリログ量 × 2)
Σロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量

ロググループ単位のフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量の総和です。

ロググループ単位にフラッシュトリートメントリカバリの使用メモリ量を求め、それらを合計します。

ロググループには以下があります。

  • システムロググループ(RDBシステム内に1つ存在するロググループ。)

  • ユーザロググループ(スケーラブルログ運用を行う場合に追加定義するロググループ)

BIログ域サイズ

当該ロググループのテンポラリログファイル作成時に指定するBIログ域のサイズです。

AIログ域サイズ

当該ロググループのテンポラリログファイル作成時に指定するAIログ域のサイズです。

リカバリログ量

当該ロググループのテンポラリログファイル作成時に指定するリカバリログ量です。

min(AIログ域サイズ,リカバリログ量 × 2)

“AIログ域サイズ”と“リカバリログ量×2”を比較し、小さい値を見積りに採用します。

(B) リモートアクセスの使用メモリ量

他RDBシステムにコネクションを接続しているアプリケーションからの要求を実行するために、RDBプロセス内に獲得するメモリ量です。

リモートアクセスの使用メモリ量の概算は、次の式で見積もってください。

リモートアクセスの使用メモリ量
      = Σリモートアクセス単位の使用メモリ量

    リモートアクセス単位の使用メモリ量
          = 0.7MB
           + Σアクセス対象の表単位の使用メモリ量
           + BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量
           + 処理手順格納用バッファサイズ
           + ワーク域サイズ
           + ソート域サイズ

        アクセス対象の表単位の使用メモリ量
              = 10KB
                +(表DSO数 + インデックスDSO数)× 9KB
                + 当該RDBシステムに偏在する表DSI数 × 250
                + 分割数 × 704
                + 当該RDBシステムに偏在するDSI数 × 2400

            表DSO数 = 1

        BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量
              = ΣBLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量

            BLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量
                  = BLOB型の列の平均データ長
Σリモートアクセス単位の使用メモリ量

リモートアクセス単位の使用メモリ量の総和です。

リモートアクセス単位に使用メモリ量を求め、RDBシステムに同時に発生するリモートアクセスの使用メモリ量を合計します。

Σアクセス対象の表単位の使用メモリ量

アクセス対象の表単位の使用メモリ量の総和です。

アクセス対象の表単位に使用メモリ量を求め、それらを合計します。

インデックスDSO数

当該表に定義するインデックスのDSO数です。

当該RDBシステムに偏在する表DSI数

当該表を構成する表のDSIのうち、当該RDBシステムに偏在する表のDSIの数です。(当該RDBシステム配下に定義する表DSIが対象)

分割数

当該表の分割数(DSI分割数)です。

当該RDBシステムに偏在するDSI数

当該表を構成するDSI(表とインデックスのDSI)のうち、当該RDBシステムに偏在するDSIの数です。(当該RDBシステム配下に定義する表DSIとインデックスDSIが対象)

BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量

BLOB型の列を含む表をアクセスしない場合は、BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量は0バイトです。

BLOB型の列を含む表をアクセスする場合は、BLOB型の列を含む表アクセスの使用メモリ量を見積もります。

ΣBLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量

BLOB型の列を含む表単位の使用メモリ量の総和です。

BLOB型の列を含む表単位に使用メモリ量を求め、それらを合計します。

BLOB型の列の平均データ長

当該表のBLOB型の列の平均データ長です。(バイト)

当該表にBLOB型の列を複数定義する場合、列単位に平均データ長を求め、それらを合計します。

処理手順格納用バッファサイズ

SQLの処理手順を格納するバッファのサイズです。

クライアント用の動作環境ファイルまたはサーバ用の動作環境ファイルのOPL_BUFFER_SIZEで指定します。

リモートアクセス元の動作環境ファイルで指定した値が引き継がれます。

処理手順格納バッファのサイズの見積りについては、“D.8 アプリケーションの使用メモリ量”の“処理手順格納用バッファサイズ”を参照してください。

ワーク域サイズ

作業域(作業用テーブル)として使用するメモリのサイズです。

クライアント用の動作環境ファイルまたはサーバ用の動作環境ファイルのWORK_MEM_SIZEで指定します。

リモートアクセス元の動作環境ファイルで指定した値が引き継がれます。

たとえば、カーソル宣言にSCROLLを指定していろいろな方向にカーソルを移動したり、副問合せを利用したりする場合などに使用します。これ以外にも作業域的な目的で使用することがあります。

ソート域サイズ

ソート処理のための作業域として使用するメモリのサイズです。

クライアント用の動作環境ファイルまたはサーバ用の動作環境ファイルのSORT_MEM_SIZEで指定します。

リモートアクセス元の動作環境ファイルで指定した値が引き継がれます。

ソート域を必要とするSQL文を発行した場合に使用します。

以下のSQLなどが該当します。

  • ORDER BY句を指定している。

  • GROUP BY句を指定している。

  • UNIONを指定している。

  • JOINを指定している。

(C) データベースアクセスの使用メモリ量

D.9 データベースアクセスの使用メモリ量”を参照してください。