ETERNUS ディスクアレイのEC(Equivalent Copy)/REC(Remote Equivalent Copy)機能を用いて、業務ボリュームから未使用のバックアップボリュームにコピーします。
同期型高速バックアップは、次のように処理が行われます。
9.2.2.8 swststartsync(バックアップ同期処理開始コマンド)(図の1)を実行すると、業務ボリュームと同容量の未使用バックアップボリュームが、未使用バックアップボリューム管理領域から選択され、バックアップ同期処理が開始されます。
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になります。この時点以降、業務ボリュームとバックアップボリュームの等価性は維持されます。この状態を等価性維持状態(図の3)と呼びます。
9.2.2.1 swstbackup(バックアップ実行コマンド)(図の4)を実行すると、バックアップ同期処理が停止し、バックアップ履歴情報を設定します。
バックアップ完了時にバックアップデータが保存世代数を超えた場合、もっとも古いバックアップボリュームを未使用のバックアップボリュームとします。
注意
業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前は、バックアップ実行コマンドを実行できません。
図4.4 同期型高速バックアップでのバックアップ方法
なお、同期型高速バックアップでは、Suspend/Resume機能を使用することで、ECによる等価性維持状態を一時中断(Suspend)/再開(Resume)することができます。Suspend/Resume機能を使用したバックアップでは、一時中断状態からの差分コピーを行うことによって、より高速な同期型バックアップ運用が可能です。
Suspend/Resume機能は、「第5章 Suspend/Resume機能によるバックアップ運用」を参照してください。
注意
すべてのバックアップボリュームが世代管理されており、未使用バックアップボリューム管理領域からバックアップボリュームを獲得できなければ、バックアップを行えません。
業務ボリュームがボリュームグループの場合は、ETERNUS ディスクアレイのEC/REC機能によるコピー処理は、ボリュームグループに対応する物理ディスク全体に対して行われます。したがって、ボリュームグループ内に複数の論理ボリュームが存在する場合は、全ての論理ボリュームのデータがバックアップされます。
注意
ボリュームグループをバックアップ運用に用いる場合は以下の点に注意する必要があります。
業務ボリュームがボリュームグループの場合は、業務ボリュームとは別のボリュームグループに業務ボリュームと同じ論理ディスクを構成し、かつ物理ディスクが同一サイズのボリュームグループをバックアップボリュームに登録してください。
業務ボリュームとバックアップボリュームを対応付けて運用する場合は、あらかじめ「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成します。デバイスマップファイルの詳細は、「4.4.10 デバイスマップファイルの準備」を参照してください。特にボリュームグループ単位でのバックアップ時は「デバイスマップ」指定をお勧めします。
バックアップ処理において、バックアップボリュームのLVM構成情報が、業務ボリュームのLVM情報で書き換えられてしまうため、バックアップ後処理において、LVM構成情報を復元します。詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
ボリュームグループをバックアップする場合は、全ての論理ボリュームをアンマウント/マウントするようにバックアップの管理者責任でバックアップ前後処理スクリプトを修正してください。詳細は、「付録A バックアップ/リストアの前後処理」を参照してください。
業務ボリュームに登録したボリュームグループ配下に複数の物理ディスクが存在する場合は、バックアップはエラーとなります。
バックアップボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にvgchange(1M)コマンドでバックアップボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中にバックアップボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなるばかりでなく、同期処理の停止(バックアップ実行コマンド、同期処理キャンセルコマンド)等の操作が実行不可能な状態になります。もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、ETERNUS Web GUI等を使用して同期処理を強制停止した後、バックアップボリュームをアクティブにしてください。