AdvancedCopy Managerのバックアップ運用では、バックアップボリュームとして登録されているボリューム群から、業務ボリュームの容量と同一のボリュームを、AdvancedCopy Managerが自動的に選択し、バックアップ先として利用します。
しかし、運用の都合上、バックアップ先ボリュームを意識したい場合は、あらかじめ「デバイスマップファイル」という業務ボリュームとバックアップボリュームの対応ファイルを作成しておく必要があります。
デバイスマップファイルは、バックアップを行うStorageサーバ上の任意の場所に作成します。このファイルをバックアップ実行時に指定する事で、バックアップ先を意識した運用が可能となります。
ポイント
複数世代管理を行う場合は、デバイスマップファイルを複数用意する必要があります。
また、バックアップもしくは同期処理の開始時に使用できるデバイスマップファイルは、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
未使用のバックアップボリュームを指定している
そのバックアップで削除される履歴で使用されているバックアップボリュームを指定している
そのため、バックアップボリュームを複数使用する運用の場合は、バックアップボリュームの状況に合わせてデバイスマップファイルを使い分ける必要があります。
同期型高速バックアップでバックアップボリュームが保存世代数しか用意できない場合、バックアップボリュームをテープなどの二次媒体に退避し、履歴の削除を行うことによってバックアップ運用を行うことができます。
この場合、バックアップ同期処理の開始時に指定するデバイスマップファイルは、直前の履歴情報の削除により未使用となったバックアップボリュームを指定したデバイスマップファイルになります。
デバイスマップファイルの記述例を以下に示します。
# コメント行は「#」ではじめます。 # 業務ボリューム名 出力先バックアップボリューム名 # Normal Disks /dev/dsk/c1t1d1 /dev/dsk/c1t1d21 /dev/dsk/c1t1d2 /dev/dsk/c1t1d22 /dev/dsk/c1t1d3 /dev/dsk/c1t1d23 # Volume Group /dev/vg01 /dev/vg02 # この部分にもコメントを記述することができます。 /dev/vg03 /dev/vg04 : : |
デバイスマップファイル作成時の規則を以下に示します。
1行に業務ボリューム名と対応する出力先バックアップボリューム名を記述します。業務ボリューム名と出力先バックアップボリューム名の間を1個以上の「半角空白またはタブ文字」で区切ってください。また、行頭から業務ボリューム名の間、および、出力先バックアップボリューム名の後ろから行末(改行記号)の間には1個以上の「半角空白またはタブ文字」が含まれていても構いません。
空白行(「半角空白またはタブ文字」)がファイルに含まれていても構いません。
記号「#」から行末まではコメントとみなされます。
1つのデバイスマップファイルの中で1つの業務ディスクに対して出力先バックアップボリュームを複数指定することはできません。このような場合は、最初に見つかった行の情報が有効になります。デバイスマップファイルからの読みこみ処理では、このような重複行の検出は行いません。
デバイスマップファイルには、処理対象以外の業務ボリュームの記述があっても構いません(冒頭に示した記述例を参照してください)。