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Interstage Job Workload Server V9.2.0 セットアップガイド

2.3.1 バッチサーバ環境全体の設計

バッチサーバ環境の全体的な設計要素は以下です。

2.3.1.1 文字コードの設計

バッチ実行基盤で使用する文字コードを設計します。

Solaris/Linuxの場合

バッチ実行基盤が使用する文字コードを、設定および指定する箇所には以下があります。また、以下の文字コードはすべて合わせる必要があります。

Windows(R)の場合

バッチ実行基盤が使用する文字コードを、設定および指定する箇所には以下があります。また、以下の文字コードはすべて合わせる必要があります。

使用可能な文字コード

バッチ実行基盤で使用可能な文字コードを以下に示します。



Windows Server(R) 2008では、JIS X 0213:2004に対応した文字セット(以降、“JIS2004”と記述します)が使用できます。この場合、以下の注意事項があります。

2.3.1.2 ファイルシステムの設計

バッチサーバ環境で使用する以下のファイルシステムを専用で用意するかどうか設計します。

専用のファイルシステムを用意したイメージを以下に示します。

上記ファイルシステムは必須ではありませんが、バッチ実行基盤およびバッチ業務を安定稼働させるために専用のファイルシステムを用意することを推奨します。また、ディスクのアクセス競合によるジョブ実行の遅延を考慮し、“ファイル資源専用のファイルシステム”および“ファイル管理機能で使用するファイルシステム”以外については、それ以外のファイルシステムとは異なる専用の物理ディスクに配置することを推奨します。


“ファイル資源専用のファイルシステム”および“ファイル管理機能で使用するファイルシステム”以外の以下については、それぞれの設計と同時に専用のファイルシステムを用意するかどうかを設計してください。

ファイル資源専用のファイルシステムについて以下に説明します。

2.3.1.2.1 ファイル資源専用のファイルシステム

バッチ業務の運用に合わせて、バッチジョブで使用するファイルシステムの数および容量を設計してください。
たとえば、ジョブの実行環境ごとにバッチ業務の運用をわけた場合には、ジョブの実行環境ごとにファイルシステムを割り当てることで、バッチジョブが使用するファイルの管理が容易になります。


バッチ実行基盤で実行するバッチジョブが使用するファイル資源のうち、データ転送製品などでデータ転送してきたファイルを扱いたい場合には、以下の図のように、転送してきたファイルは、ファイル資源専用ファイルシステムには配置せずに、その他のファイルシステムに配置するように設計してください。

ファイル資源専用のファイルシステムに対する容量見積もりの考え方

1つのファイル資源専用のファイルシステムの容量見積もりする場合には、対象のファイルシステムを使用して動作するバッチアプリケーションを明確にします。
バッチアプリケーションが動作する際に必要となるファイルの最大サイズの総合計を見積もります。
見積もったファイルサイズを十分格納できるだけのファイルシステムを用意してください。

2.3.1.2.2 ファイルの事前容量チェック機能で使用するディレクトリ

ファイルの事前容量チェック機能を利用する場合、事前容量チェックを行うファイル資源専用のファイルシステムをファイルシステム設定ファイルに指定してください。


ファイルの事前容量チェック機能は、ファイル管理機能の内部でファイルシステムの容量管理を行います。ファイル資源専用でないファイルシステムをファイルの事前容量チェック機能で使用した場合、ファイル管理機能は正しくファイルシステムの容量管理を行えません。したがって、ファイルの事前容量チェック機能を利用する場合は、“4.2.2 ファイル管理機能の設定”でファイル資源専用のファイルシステムを設定してください。

ZFSファイルシステムについて

ファイル資源専用のファイルシステムをZFSファイルシステムに作成する場合、以下の注意事項があります。


ZFSファイルシステムの詳細および設定方法は、Solarisのマニュアルを参照してください。

2.3.1.2.3 ファイルパスの論理化機能で使用するディレクトリ

ファイルパスの論理化機能を使用する場合、ジョブで使用するファイルの格納先のディレクトリについて設計します。
設計要素には以下があります。

絶対パス

ファイルの格納先のディレクトリを、絶対パスで指定します。
バッチジョブ定義の資源定義で[ディレクトリを使用する]を選択し、絶対パスを指定します。

論理ディレクトリおよびデフォルト論理ディレクトリ

ファイルの格納先のディレクトリを、仮想化した名前(論理ディレクトリ名、デフォルト論理ディレクトリ名)で指定します。
ファイルを格納するディレクトリと論理的なディレクトリ名の対応関係を論理ディレクトリ定義に定義してください。
論理ディレクトリを使用する場合は、バッチジョブ定義の資源定義で[論理ディレクトリを使用する]を選択し、論理ディレクトリ名を指定してください。デフォルト論理ディレクトリを使用する場合は[デフォルト論理ディレクトリを使用する]を選択します。

論理ディレクトリ選択

ファイルの格納先のディレクトリを、ファイル名の命名規約にしたがって指定します。
ファイル名と論理ディレクトリの対応関係を論理ディレクトリ定義に定義します。
論理ディレクトリ選択を使用する場合は、バッチジョブ定義の資源定義で[デフォルト論理ディレクトリを使用する]を選択します。


ジョブごとに論理ディレクトリを割当てる場合のイメージを以下に示します。(例でのパス名などは、SolarisおよびLinuxの形式で記載しています。)

2.3.1.2.4 世代ファイルの格納先ディレクトリ

世代ファイルとして管理される各世代のファイルは、自動的にファイル名が付与され、すべて同じディレクトリ配下に作成されます。
ファイル名の重複を避けるために、世代ファイルを配置するディレクトリは、世代ファイル以外のファイルを格納するディレクトリとは異なるディレクトリに配置してください。



世代ファイルの運用時に、ファイルの事前容量チェック機能を利用して容量不足を検知する場合は、世代ファイルごとにファイルシステムを割り当てることで、世代ファイルの管理が容易になります。

2.3.1.3 バッチジョブ定義データベースの設計

バッチジョブ定義データベースに“バッチジョブ定義格納ディレクトリ”を利用します。バッチジョブ定義は、バッチジョブ定義格納ディレクトリに格納され、管理されます。

バッチジョブ定義格納ディレクトリの設計要素には以下があります。

登録するバッチジョブ定義

バッチジョブ定義格納ディレクトリに登録するバッチジョブ定義について、以下の値を決定します。

  1. ジョブ定義登録数
    バッチジョブ定義格納ディレクトリに登録するジョブ定義数を決定します。

  2. プロシジャ定義登録数
    バッチジョブ定義格納ディレクトリに登録するプロシジャ定義数を決定します。

  3. ジョブ定義内の最大ステップ数
    1つのジョブ定義内に定義する最大ステップ数を決定します。

  4. プロシジャ定義内の最大ステップ数
    1つのプロシジャ定義内に定義する最大ステップ数を決定します。

  5. ジョブ定義内の資源定義の最大数
    1つのジョブ定義内に定義する資源定義の最大数を決定します。

  6. プロシジャ定義内の資源定義の最大数
    1つのプロシジャ定義内に定義する資源定義の最大数を決定します。


ファイルのNetCOBOL連携機能のファイルの連結やダミーファイルを使用する場合も、資源定義の見積り方法に変更はありません。

バッチジョブ定義格納ディレクトリの配置場所

バッチジョブ定義格納ディレクトリを配置する、ディレクトリを決定します。
バッチジョブ定義格納ディレクトリは、上記“登録するバッチジョブ定義”で決定した値により、必要なディスク容量が変わります。
したがって、バッチジョブ定義格納ディレクトリを配置するディレクトリは、必要なディスク容量の見積もりを行い、十分に空きのあるファイルシステムにしてください。バッチジョブ定義格納ディレクトリのディスク容量が不足すると、バッチジョブ定義を追加で登録することができなくなります。


以下に当てはまるディレクトリにはバッチジョブ定義格納ディレクトリを作成することはできません。


バッチジョブ定義格納ディレクトリのディスク容量の見積もりについては、“2.3.4.1 バッチジョブ定義格納ディレクトリのディスク容量見積もり”を参照してください。