定義更新を行う際、定義済みプロパティとシステムプロパティを定義値中の変数として利用できます。
以下のようにプロパティ名を{}で囲い、先頭に'$'を付加することでこれらのプロパティを指定できます。
${com.sun.aas.javaRoot} |
定義済みプロパティ
Java EE実行環境では以下のプロパティがあらかじめ定義されており、定義更新時に利用できます。
なお、これらの項目は参照だけ可能であり、ユーザがプロパティの値を変更することはできません。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
com.sun.aas.installRoot | Java EE実行環境のインストールディレクトリです。 |
com.sun.aas.javaRoot | JDK/JREのインストールディレクトリです。 |
com.sun.aas.instanceRoot | サーバーインスタンスのルートディレクトリです。 |
com.sun.aas.derbyRoot | Java DBのルートディレクトリです。 |
com.sun.aas.hostName | Java EE実行環境が動作するマシンのホスト名です。 |
file.separator | ファイルパスの区切り文字です。 |
path.separator | 環境変数の区切り文字です。
|
例
以下のように利用します。
> asadmin set IJServer001.java-config.java-home=${com.sun.aas.javaRoot} |
システムプロパティ
システムプロパティは、以下のそれぞれに対して定義できます。
ドメイン
設定
IJServerクラスタ
サーバーインスタンス
それぞれにシステムプロパティを定義した場合の有効範囲と指定方法は、以下のとおりです。
ターゲット | 有効範囲 | 指定方法 |
---|---|---|
ドメイン | Interstage Java EE DASサービスを含むすべてのサーバーインスタンスで有効になります。 | 固定文字列「domain」を指定します。 |
設定 | 指定された設定を参照するすべてのIJServerクラスタ配下のサーバーインスタンス、またはInterstage Java EE DASサービスで有効になります。 | 設定名を指定します。 |
IJServerクラスタ | 指定されたIJServerクラスタ配下のすべてのサーバーインスタンスで有効になります。 | IJServerクラスタ名を指定します。 |
サーバーインスタンス | 指定されたサーバーインスタンスで有効になります。 | サーバーインスタンス名を指定します。 |
同一のシステムプロパティが重複して定義されている場合は、より優先順位の高い定義内容が有効となります。
優先順位は、ドメイン < 設定< IJServerクラスタ < サーバーインスタンスです。
以下の項目については、各サーバーインスタンスで有効となる値が一意となるように設定してください。
これらの値は、IJServerクラスタが参照する設定、または、サーバーインスタンスのシステムプロパティとして定義されます。
なお、サーバーインスタンスの作成時、IJServerクラスタが参照する設定のシステムプロパティで定義されたポート番号が、他のサーバーインスタンスにより利用されている場合、設定で定義された値を起点に利用可能なポート番号が自動的に採番されてサーバーインスタンス配下にシステムプロパティが作成されます。
設定のシステムプロパティで定義されているポート番号を利用しているインスタンスが他に存在しない場合は、サーバーインスタンスのシステムプロパティは作成されず、設定のシステムプロパティの定義値がサーバーインスタンスで有効になります。
この場合、asadmin getサブコマンドによるサーバーインスタンスのシステムプロパティ参照に失敗します。
サーバーインスタンスで有効なシステムプロパティの値を確認するには、asadmin list-system-propertiesサブコマンド、または、Interstage Java EE管理コンソールを利用してください。
プロパティ名 | 省略値 | 範囲 | 説明 |
---|---|---|---|
HTTP_LISTENER_PORT | 28090 | 5001~65535 | HTTPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_LISTENER_PORT | 23700 | 1~65535 | IIOPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_SSL_LISTENER_PORT | 23820 | 1~65535 | SSL通信用のIIOPリスナーのポート番号です。 |
IIOP_SSL_MUTUALAUTH_PORT | 23920 | 1~65535 | SSL通信クライアント認証用のIIOPリスナーのポート番号です。 |
JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT | 28686 | 1~65535 | JMXコネクタが使用するRMIレジストリの接続ポート番号です。 注)設定値の更新後にInterstage Java EE Node Agentサービスの再起動が必要です。 |
例
以下のように利用します。
> asadmin set IJServer001.iiop-service.iiop-listener.orb-listener-1.port=${IIOP_LISTENER_PORT} |
また、以下の項目はIJServerクラスタごとに値を設定してください。サーバーインスタンスごとにシステムプロパティを設定することはできません。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
JMS_PROVIDER_PORT | JMSプロバイダのポート番号です。 |
例
以下のように利用します。
> asadmin set IJServer001-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT} |
システムプロパティの設定については、以下も参照してください。