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Interstage Application Server/Interstage Web Server Java EE運用ガイド

9.8.1 定義時に利用できるプロパティ

定義更新を行う際、定義済みプロパティとシステムプロパティを定義値中の変数として利用できます。
以下のようにプロパティ名を{}で囲い、先頭に'$'を付加することでこれらのプロパティを指定できます。

${com.sun.aas.javaRoot}


定義済みプロパティ

Java EE実行環境では以下のプロパティがあらかじめ定義されており、定義更新時に利用できます。
なお、これらの項目は参照だけ可能であり、ユーザがプロパティの値を変更することはできません。

プロパティ名

説明

com.sun.aas.installRoot

Java EE実行環境のインストールディレクトリです。
デフォルト値は以下のとおりです。

  C:\Interstage¥F3FMisjee

  /opt/FJSVisjee

com.sun.aas.javaRoot

JDK/JREのインストールディレクトリです。
デフォルト値は以下のとおりです。

  C:\Interstage¥JDK5

  /opt/FJSVawjbk/jdk5

com.sun.aas.instanceRoot

サーバーインスタンスのルートディレクトリです。
デフォルト値は以下のとおりです。

  [Java EE共通ディレクトリ]¥nodeagents¥ijna¥[サーバーインスタンス名]

  [Java EE共通ディレクトリ]/nodeagents/ijna/[サーバーインスタンス名]

com.sun.aas.derbyRoot

Java DBのルートディレクトリです。
デフォルト値は以下のとおりです。

  C:\Interstage¥F3FMisjee¥javadb

  /opt/FJSVisjee/javadb

com.sun.aas.hostName

Java EE実行環境が動作するマシンのホスト名です。

file.separator

ファイルパスの区切り文字です。
すべてのプラットフォームで“/”が使用されます。

path.separator

環境変数の区切り文字です。

  “;”が使用されます。


  “:”が使用されます。

以下のように利用します。

> asadmin set IJServer001.java-config.java-home=${com.sun.aas.javaRoot}
> asadmin set IJServer001.log-service.log-directory=${com.sun.aas.instanceRoot}/logs


システムプロパティ

システムプロパティは、以下のそれぞれに対して定義できます。

それぞれにシステムプロパティを定義した場合の有効範囲と指定方法は、以下のとおりです。

ターゲット

有効範囲

指定方法

ドメイン

Interstage Java EE DASサービスを含むすべてのサーバーインスタンスで有効になります。

固定文字列「domain」を指定します。

設定

指定された設定を参照するすべてのIJServerクラスタ配下のサーバーインスタンス、またはInterstage Java EE DASサービスで有効になります。

設定名を指定します。
Interstage Java EE DASサービスの設定を指定する場合は、「server-config」を指定してください。

IJServerクラスタ

指定されたIJServerクラスタ配下のすべてのサーバーインスタンスで有効になります。

IJServerクラスタ名を指定します。

サーバーインスタンス

指定されたサーバーインスタンスで有効になります。

サーバーインスタンス名を指定します。
Interstage Java EE DASサービスのサーバーインスタンスを指定する場合は、「server」を指定してください。


同一のシステムプロパティが重複して定義されている場合は、より優先順位の高い定義内容が有効となります。
優先順位は、ドメイン < 設定< IJServerクラスタ < サーバーインスタンスです。

以下の項目については、各サーバーインスタンスで有効となる値が一意となるように設定してください。
これらの値は、IJServerクラスタが参照する設定、または、サーバーインスタンスのシステムプロパティとして定義されます。
なお、サーバーインスタンスの作成時、IJServerクラスタが参照する設定のシステムプロパティで定義されたポート番号が、他のサーバーインスタンスにより利用されている場合、設定で定義された値を起点に利用可能なポート番号が自動的に採番されてサーバーインスタンス配下にシステムプロパティが作成されます。

設定のシステムプロパティで定義されているポート番号を利用しているインスタンスが他に存在しない場合は、サーバーインスタンスのシステムプロパティは作成されず、設定のシステムプロパティの定義値がサーバーインスタンスで有効になります。
この場合、asadmin getサブコマンドによるサーバーインスタンスのシステムプロパティ参照に失敗します。
サーバーインスタンスで有効なシステムプロパティの値を確認するには、asadmin list-system-propertiesサブコマンド、または、Interstage Java EE管理コンソールを利用してください。

プロパティ名

省略値

範囲

説明

HTTP_LISTENER_PORT

28090

5001~65535

HTTPリスナーのポート番号です。
詳細は、「9.8.3 HTTPサービスの定義項目」を参照してください。

IIOP_LISTENER_PORT

23700

1~65535

IIOPリスナーのポート番号です。
詳細は、「9.8.4 IIOPサービスの定義項目」を参照してください。

IIOP_SSL_LISTENER_PORT

23820

1~65535

SSL通信用のIIOPリスナーのポート番号です。
詳細は、「9.8.4 IIOPサービスの定義項目」を参照してください。

IIOP_SSL_MUTUALAUTH_PORT

23920

1~65535

SSL通信クライアント認証用のIIOPリスナーのポート番号です。
詳細は、「9.8.4 IIOPサービスの定義項目」を参照してください。

JMX_SYSTEM_CONNECTOR_PORT

28686

1~65535

JMXコネクタが使用するRMIレジストリの接続ポート番号です。
詳細は、「9.8.5 管理サービスの定義項目」を参照してください。

注)設定値の更新後にInterstage Java EE Node Agentサービスの再起動が必要です。

以下のように利用します。

> asadmin set IJServer001.iiop-service.iiop-listener.orb-listener-1.port=${IIOP_LISTENER_PORT}
>asadmin set IJServer001-config.system-property.IIOP_LISTENER_PORT=33700
>asadmin set IJServer001-2.system-property.IIOP_LISTENER_PORT=33701

また、以下の項目はIJServerクラスタごとに値を設定してください。サーバーインスタンスごとにシステムプロパティを設定することはできません。

プロパティ名

説明

JMS_PROVIDER_PORT

JMSプロバイダのポート番号です。
詳細は、「9.8.10 JMSサービスの定義項目」を参照してください。

以下のように利用します。

> asadmin set IJServer001-config.jms-service.jms-host.default_JMS_host.port=${JMS_PROVIDER_PORT}
> asadmin set IJServer001-config.system-property.JMS_PROVIDER_PORT=37676

システムプロパティの設定については、以下も参照してください。