サービス定義は、メッセージの送受信で使用するメッセージキューに関する各種情報とIDCMを使用する上で必要な各種情報を記述します。サービス定義は以下のセクションから構成されます。
一つのMNGRセクション
一つまたは複数のPSYSセクション
一つまたは複数のQUEUEセクション
一つまたは複数のRQUEUEセクション
サービス定義は以下の形式で記述します。
記述形式
[MNGR] cproc = クライアントプロセスのプロセス数 sproc = サーバプロセスのプロセス数 servicenm = IDCMのサービス名 servicenm2 = IDCMのサービス名2 [PSYS] name = DPCF通信パス名 sesno = 会話数 pservicenm = IDCMのサービス名 msghinf = メッセージヘッダ情報 [QUEUE] name = 送信キュー名 pldname = 受信キュー名(論理あて先、またはMQSeriesのキュー名) psysname = DPCF通信パス名 codecnv = 送信時のコード変換情報 attribute = 送信キューの属性 packmsg_cnt = パッキング数 packmsg_wtime = 最大遅延時間 [RQUEUE] name = 受信キュー名 codecnv = 受信時のコード変換情報 |
記述内容の説明
ACM連携サービスの動作する基本情報を記述します。記述内容を表10.4 MNGRセクションの記述内容に示します。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
cproc | 可 | 数値 | 0または1を指定します。 | 送信処理で使用するプロセスの数を指定します。 |
sproc | 可 | 数値 | 0または1を指定します。 | 受信処理で使用するプロセスの数を指定します。 |
servicenm | 可 | 文字列 | “ACMSE”,“ACMnn”(nnは00から99までの数値),または“MQDnn”(nnは00から99までの数値)のいずれかを指定します。 | ACM連携サービスのサーバプロセスが使用するIDCMのサービス名を指定します。
|
servicenm2 | 可 | 文字列 | “MQDnn”(nnは00から99までの数値)を指定します。 | AIM特化型ACM、およびMQD MQゲートウェイの両方と通信する場合は、本キーワードの指定が必要となります。 |
ACM連携サービスが他サーバにメッセージを送信する際に使用する通信パスに関する情報を記述します。一つのMNGRセクションでPSYSセクションは以下に示す数まで定義できます。
1~最大240 (注1)
1~最大999 (注1)
記述内容については表10.5 PSYSセクションの記述内容を参照してください。なお、この定義は、メッセージ送信側サーバにだけ必要です。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
name | 不可 | 文字列 | 8バイト以内の英数字および特殊記号で指定します。詳細については、“IDCM使用手引書”を参照してください。
| メッセージを送信する際に使用するDPCF通信パス名を指定します。 |
sesno | 可 | 数値 |
| ACM連携サービスが他サーバと通信する際に使用する会話数(ACMセション数)を指定します。 |
pservicenm | 可 | 文字列 | “ACMSE”,“ACMnn”(nnは00から99までの数値),または“MQDnn”(nnは00から99までの数値)のいずれかを指定します。省略値は“ACMSE”です。 | 相手サーバのサーバプロセスが使用するIDCMのサービス名を指定します。
|
msghinf | 可 | 文字列 | “SEND”、または“UNSEND”を指定します。 | 本キーワードは、MQD間のメッセージ交換を行うときに有効です。 |
注1) 実際に通信できる相手サーバの最大数は以下の計算式で決定します。
相手サーバ数 Σ(送信に使用するIDCMの会話数 + 受信に使用するIDCMの会話数) ≦ 240
相手サーバ数 Σ(送信に使用するIDCMの会話数 + 受信に使用するIDCMの会話数) ≦ 1024
注2) ACMセション数の見積もり方法 ACMセション数は以下の計算式を目安に求めてください。 (送信メッセージ長+100) / 回線速度(bps) + 0.03 ACMセション数 = -------------------------------------------------------- 0.03
メッセージの送信で使用するメッセージキューについて、送信キューと受信キュー(論理あて先、またはMQSeriesのキュー)との対応関係を記述します。一つのMNGRセクションでQUEUEセクションは1~999まで定義できます。記述内容については表10.6 QUEUEセクションの記述内容を参照してください。なお、この定義は、メッセージ送信側サーバにだけ必要です。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
name | 不可 | 文字列 | 8バイト以内の大文字の英数字で指定します。 | 送信キュー名を指定します。 |
pldname | 不可 | 文字列 | 8バイト以内の大文字の英数字で指定します。 | メッセージ送信先の受信キュー名(論理あて先、またはMQSeriesのキュー名)を指定します。 |
psysname | 不可 | 文字列 | 8バイト以内の英数字、および特殊記号で指定します。詳細については、“IDCM使用手引書”を参照してください。
| メッセージ送信先のサーバに対応するDPCF通信パス名を指定します。 |
codecnv | 可 | 文字列 | 以下のいずれかを指定します。
省略値は、“NOCNV”です。 | メッセージ送信時に各サーバのコード系に文字コード変換を行う場合、変換後の文字コード種別を指定します。
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attribute | 可 | 文字列 | “DISK”,または“MEMORY”のいずれかを指定します。 | メッセージキューの属性を指定します。送信キューの属性と受信キューの属性は同一にしてください。
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packmsg_cnt | 可 | 数値 | 1~40の範囲で指定します。 | 複数のメッセージをパッキングして送信する場合に、パッキングするメッセージの最大数を指定します。実際にパッキング可能な数は(注1)で示す値となります。 packmsg_wtimeキーワード値に指定した時間(秒)が経過しても、本キーワード値に指定した数にメッセージ数が満たない場合、その時点でメッセージを相手システムに送信します。 パッキング転送機能を使用する場合、[PSYS]セクションのmsghinfキーワードの値に関わらず、メッセージヘッダが相手システムに送信されます。 |
packmsg_wtime | 可 | 数値 | 0~300(秒)の範囲で指定します。 | メッセージがパッキング数に達しない場合に、待ち合わせをするための送信待ち時間(秒)を指定します。 パッキング転送機能を使用する場合にだけ有効です。 |
注1) 実際にパッキングできるメッセージの最大数は以下の計算式で決定します。
メッセージの最大数 = 32000 / (780 + 平均メッセージ長)
メッセージの受信で使用するメッセージキューについて、ACM連携サービスを使用する際の属性を記述します。一つのMNGRセクションでRQUEUEセクションは1~999まで定義できます。記述内容については表10.7 RQUEUEセクションの記述内容を参照してください。なお、この定義は、メッセージ受信時にMQDのコード変換機能を使用する場合にだけ必要です。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
name | 不可 | 文字列 | 8バイト以内の大文字の英数字で指定します。 | 受信キュー名を指定します。 |
codecnv | 可 | 文字列 | 以下のいずれかを指定します。
省略値は、“NOCNV”です。 | メッセージ受信時に各サーバのコード系から文字コード変換を行う場合、変換元の文字コード種別を指定します。
|
記述例
サービス定義の記述例をサービス定義の記述例に示します。
[MNGR] # 基本情報 cproc = 1 # 送信処理用プロセス数 sproc = 1 # 受信処理用プロセス数 servicenm = ACMSE # IDCMのサービス名 [PSYS] # 通信パス情報 name = PSYS01 # DPCF通信パス名 sesno = 3 # 会話数 pservicenm = ACMSE # IDCMのサービス名 msghinf = UNSEND # メッセージヘッダ情報 [QUEUE] # 送信キュー name = ACOMQUE1 # 送信キュー名 pldname = ACMLD01 # 送信先の受信キュー名(論理あて先、またはMQSeriesの キュー名) psysname = PSYS01 # DPCF通信パス名 codecnv = JEFASCII # 文字コード変換情報(送信時変換) attribute = DISK # 送信キューの属性 packmsg_cnt = 30 # パッキング数 packmsg_wtime = 10 # 最大遅延時間 [RQUEUE] # 受信キュー name = ACOMQUE2 # 受信キュー名 codecnv = JEFASCII # 文字コード変換情報(受信時変換) |