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Interstage Application Server MessageQueueDirector説明書

10.3.3 環境定義の記述

  ここでは、ACM連携サービスの環境定義について以下を説明します。

  なお、記述規約については、“付録A 定義記述規約”を参照してください。

10.3.3.1 サービス定義の記述

  サービス定義は、メッセージの送受信で使用するメッセージキューに関する各種情報とIDCMを使用する上で必要な各種情報を記述します。サービス定義は以下のセクションから構成されます。

  サービス定義は以下の形式で記述します。

記述形式

    
    [MNGR]
      cproc      = クライアントプロセスのプロセス数 
      sproc      = サーバプロセスのプロセス数 
      servicenm  = IDCMのサービス名 
      servicenm2 = IDCMのサービス名2

    [PSYS]
      name       = DPCF通信パス名
      sesno      = 会話数
      pservicenm = IDCMのサービス名
      msghinf    = メッセージヘッダ情報

    [QUEUE]
      name       = 送信キュー名
      pldname    = 受信キュー名(論理あて先、またはMQSeriesのキュー名)
      psysname   = DPCF通信パス名
      codecnv    = 送信時のコード変換情報
      attribute  = 送信キューの属性
      packmsg_cnt   = パッキング数
      packmsg_wtime = 最大遅延時間

    [RQUEUE]
      name       = 受信キュー名
      codecnv    = 受信時のコード変換情報

記述内容の説明

a) MNGRセクション

  ACM連携サービスの動作する基本情報を記述します。記述内容を表10.4 MNGRセクションの記述内容に示します。

表10.4 MNGRセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

cproc

数値

0または1を指定します。
省略値は1です。

  送信処理で使用するプロセスの数を指定します。
  メッセージ受信だけを行う場合は0を指定してください。

sproc

数値

0または1を指定します。
省略値は1です。

  受信処理で使用するプロセスの数を指定します。
  メッセージ送信だけを行う場合は0を指定してください。

servicenm

文字列

  “ACMSE”,“ACMnn”(nnは00から99までの数値),または“MQDnn”(nnは00から99までの数値)のいずれかを指定します。
  なお、同一サーバ内に複数のMQDシステムが存在する場合は、MQDシステム毎に一意な値を設定してください。
  省略値は“ACMSE”です。
  なお、MQD MQゲートウェイと通信を行う場合は、“MQDnn”を指定してください。

  ACM連携サービスのサーバプロセスが使用するIDCMのサービス名を指定します。

  •   AIM特化型ACMと通信を行う場合は、ACMコミュニケータ制御文のDESTSYS文のDESTNAMEオペランドの値を指定してください。なお、DESTSYS文を省略している場合は、CTRL文のDESTNAMEオペランドの値を指定してください

  •   MQDまたはMQD MQゲートウェイと通信を行う場合は、相手サーバのACM連携サービスのサービス定義、またはMQD MQゲートウェイのサービス定義のPSYSセクションのpservicenmキーワードの値を指定してください。

  •   同一サーバ内で複数のMQDシステムを使用する場合は、servicenmとservicenm2のキーワード値が、サーバ内で一意となるように値を指定してください。

  • 同一サーバ内のMQD MQゲートウェイとシステム内通信を行う場合は、MQD MQゲートウェイのサービス定義のMNGRセクションのservicenmキーワードの値と異なる値を指定してください。

servicenm2

文字列

  “MQDnn”(nnは00から99までの数値)を指定します。
なお、同一サーバ内に複数のMQDシステムが存在する場合は、MQDシステム毎に一意な値を設定してください。
  本キーワードを省略した場合、またはservicenmキーワードと同じ値を指定した場合、本キーワードは無効となります。

  AIM特化型ACM、およびMQD MQゲートウェイの両方と通信する場合は、本キーワードの指定が必要となります。
  AIM特化型ACM用のIDCMのサービス名をservicenmキーワードに指定し、MQD MQゲートウェイ用のIDCMのサービス名を本キーワードに指定してください。

b) PSYSセクション

  ACM連携サービスが他サーバにメッセージを送信する際に使用する通信パスに関する情報を記述します。一つのMNGRセクションでPSYSセクションは以下に示す数まで定義できます。

  記述内容については表10.5 PSYSセクションの記述内容を参照してください。なお、この定義は、メッセージ送信側サーバにだけ必要です。

表10.5 PSYSセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

name

不可

文字列

  8バイト以内の英数字および特殊記号で指定します。詳細については、“IDCM使用手引書”を参照してください。


  なお、同一サーバ内のMQD MQゲートウェイとシステム内通信を行う場合は、&SYSTEMを指定してください。

  メッセージを送信する際に使用するDPCF通信パス名を指定します。

sesno

数値


  1~240の範囲で指定します。(注2)


  1~1024の範囲で指定します。(注2)
  省略値は3です。

  ACM連携サービスが他サーバと通信する際に使用する会話数(ACMセション数)を指定します。

pservicenm

文字列

“ACMSE”,“ACMnn”(nnは00から99までの数値),または“MQDnn”(nnは00から99までの数値)のいずれかを指定します。省略値は“ACMSE”です。
  なお、相手サーバに複数のMQDシステムが存在する場合は、通信を行いたいMQDシステムのACM連携サービスのサービス定義(MNGRセクションのservicenmキーワードの値)と同一の値を指定してください。
  また、MQD MQゲートウェイと通信を行う場合は、“MQDnn”を指定してください。

  相手サーバのサーバプロセスが使用するIDCMのサービス名を指定します。

  •   AIM特化型ACMと通信を行う場合は、ACMコミュニケータ制御文のCTRL文のDESTNAMEオペランドの値を指定してください。

  •   MQDまたはMQD MQゲートウェイと通信を行う場合は、相手サーバのACM連携サービスのサービス定義、またはMQD MQゲートウェイのサービス定義のMNGRセクションのservicenmキーワードの値を指定してください。

msghinf

文字列

  “SEND”、または“UNSEND”を指定します。
  省略値は“UNSEND”です。

  本キーワードは、MQD間のメッセージ交換を行うときに有効です。
  相手サーバにメッセージヘッダを送信する場合は、“SEND”を指定します。
  なお、本キーワードに“UNSEND”を指定した場合、または本キーワードを省略した場合、メッセージヘッダは相手サーバに送信されません。相手サーバのMQDアプリケーションがメッセージを受信する時のメッセージヘッダは、表10.1 メッセージ受信時のメッセージヘッダの内容の形式となります。

注1) 実際に通信できる相手サーバの最大数は以下の計算式で決定します。

  相手サーバ数
    Σ(送信に使用するIDCMの会話数 + 受信に使用するIDCMの会話数) ≦ 240

  相手サーバ数
    Σ(送信に使用するIDCMの会話数 + 受信に使用するIDCMの会話数) ≦ 1024
注2) ACMセション数の見積もり方法
    ACMセション数は以下の計算式を目安に求めてください。
                           (送信メッセージ長+100) / 回線速度(bps) + 0.03
    ACMセション数  =   --------------------------------------------------------
                                               0.03
c) QUEUEセクション

  メッセージの送信で使用するメッセージキューについて、送信キューと受信キュー(論理あて先、またはMQSeriesのキュー)との対応関係を記述します。一つのMNGRセクションでQUEUEセクションは1~999まで定義できます。記述内容については表10.6 QUEUEセクションの記述内容を参照してください。なお、この定義は、メッセージ送信側サーバにだけ必要です。

表10.6 QUEUEセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

name

不可

文字列

  8バイト以内の大文字の英数字で指定します。

  送信キュー名を指定します。

pldname

不可

文字列

  8バイト以内の大文字の英数字で指定します。

  メッセージ送信先の受信キュー名(論理あて先、またはMQSeriesのキュー名)を指定します。

psysname

不可

文字列

  8バイト以内の英数字、および特殊記号で指定します。詳細については、“IDCM使用手引書”を参照してください。


  なお、同一サーバ内のMQD MQゲートウェイとシステム内通信を行う場合は、&SYSTEMを指定してください。

  メッセージ送信先のサーバに対応するDPCF通信パス名を指定します。

codecnv

文字列

以下のいずれかを指定します。

  • JEFASCII

  • JEFKANA

  • NOCNV

  • EUC

  • SJIS

  省略値は、“NOCNV”です。

  メッセージ送信時に各サーバのコード系に文字コード変換を行う場合、変換後の文字コード種別を指定します。

  • JEFASCII :
    JEF(英小文字使用)に変換します。

  • JEFKANA :
    JEF(半角カナ使用)に変換します。

  • NOCNV :
    コード変換しません。

  • EUC :
    EUCに変換します。

  • SJIS :
    シフトJISに変換します。

attribute

文字列

  “DISK”,または“MEMORY”のいずれかを指定します。
  省略値は、“DISK”です。

  メッセージキューの属性を指定します。送信キューの属性と受信キューの属性は同一にしてください。

  • DISK :
    ディスク型のメッセージキューを使用して通信を行う場合に指定します。

  • MEMORY :
    メモリ型のメッセージキューを使用して通信を行う場合に指定します。

packmsg_cnt

数値

  1~40の範囲で指定します。
  省略値は“1”(本機能を使用しない)です。

  複数のメッセージをパッキングして送信する場合に、パッキングするメッセージの最大数を指定します。実際にパッキング可能な数は(注1)で示す値となります。

  packmsg_wtimeキーワード値に指定した時間(秒)が経過しても、本キーワード値に指定した数にメッセージ数が満たない場合、その時点でメッセージを相手システムに送信します。

  パッキング転送機能を使用する場合、[PSYS]セクションのmsghinfキーワードの値に関わらず、メッセージヘッダが相手システムに送信されます。

packmsg_wtime

数値

  0~300(秒)の範囲で指定します。
  省略値は“0”です。

  メッセージがパッキング数に達しない場合に、待ち合わせをするための送信待ち時間(秒)を指定します。

  パッキング転送機能を使用する場合にだけ有効です。

注1) 実際にパッキングできるメッセージの最大数は以下の計算式で決定します。

  メッセージの最大数 = 32000 / (780 + 平均メッセージ長)
d) RQUEUEセクション

  メッセージの受信で使用するメッセージキューについて、ACM連携サービスを使用する際の属性を記述します。一つのMNGRセクションでRQUEUEセクションは1~999まで定義できます。記述内容については表10.7 RQUEUEセクションの記述内容を参照してください。なお、この定義は、メッセージ受信時にMQDのコード変換機能を使用する場合にだけ必要です。

表10.7 RQUEUEセクションの記述内容

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

name

不可

文字列

  8バイト以内の大文字の英数字で指定します。

  受信キュー名を指定します。

codecnv

文字列

以下のいずれかを指定します。

  • JEFASCII

  • JEFKANA

  • MSGHINF

  • NOCNV

  • EUC

  • SJIS

  省略値は、“NOCNV”です。

  メッセージ受信時に各サーバのコード系から文字コード変換を行う場合、変換元の文字コード種別を指定します。

  • JEFASCII :
    JEF(英小文字使用)から変換します。

  • JEFKANA :
    JEF(半角カナ使用)から変換します。

  • MSGHINF :
    メッセージヘッダに設定されている文字コード(EUC,SJIS,JEFKANA,またはJEFASCIIのいずれか)を元に変換します。なお、メッセージヘッダの文字コードを元に文字コード変換を行うためには、送信元のACM連携サービスのサービス定義のPSYSセクションのmsghinfキーワードに“SEND”を指定してください。

  • NOCNV :
    コード変換しません。

  • EUC
    EUCから変換します。

  • SJIS
    シフトJISから変換します。

記述例

  サービス定義の記述例をサービス定義の記述例に示します。

サービス定義の記述例
    
    [MNGR]                          # 基本情報
      cproc = 1                     # 送信処理用プロセス数
      sproc = 1                     # 受信処理用プロセス数
      servicenm = ACMSE             # IDCMのサービス名
    [PSYS]                          # 通信パス情報
      name  = PSYS01                # DPCF通信パス名
      sesno = 3                     # 会話数
      pservicenm = ACMSE            # IDCMのサービス名
      msghinf    = UNSEND           # メッセージヘッダ情報
    [QUEUE]                         # 送信キュー
      name      = ACOMQUE1          # 送信キュー名
      pldname   = ACMLD01           # 送信先の受信キュー名(論理あて先、またはMQSeriesの
                                       キュー名)
      psysname  = PSYS01            # DPCF通信パス名
      codecnv   = JEFASCII          # 文字コード変換情報(送信時変換)
      attribute = DISK              # 送信キューの属性
      packmsg_cnt   = 30            # パッキング数
      packmsg_wtime = 10            # 最大遅延時間
    [RQUEUE]                        # 受信キュー
      name    = ACOMQUE2            # 受信キュー名
      codecnv = JEFASCII            # 文字コード変換情報(受信時変換)