Systemwalker Network Managerトラップ監視機能の設定方法について説明します。
トラップ監視設定の流れについて説明します。
監視対象の設定 |
↓
フィルタリングの設定 |
↓
メッセージ変換の設定 |
↓
設定内容の反映 |
トラップ監視を行うためには、トポロジマップへのノード登録と性能監視機能の監視対象への追加が必要になります。
1. トポロジマップに、トラップ監視を行いたいノードを登録します。登録方法については、「5.2 監視設定操作」を参照して下さい。
2. トラップ監視を行いたいノードを性能監視対象へ追加します。追加方法については、「5.3.1 監視対象の定義」を参照して下さい。
注意
既に性能監視の設定を行っている場合は、新たに定義をする必要はありません。
トラップ監視機能を使用する場合、構成情報定義に定義するノードとインタフェースIPアドレスは、監視するトラップの送信元IPアドレスと同一である必要があります。
以下の2つの観点でトラップをフィルタリングすることができます。
ノードフィルタリング
トラップの表示を許可、もしくは拒否する対象を、ノード単位で指定します。
OIDフィルタリング
トラップの表示を許可、もしくは拒否する対象を、トラップのOID単位で指定します。
ノードフィルタリング定義は、許可ファイルと拒否ファイルの組み合わせで設定を行います。
以下に格納されているcsv形式のファイルを編集して行って下さい。
・ノード許可フィルタ
$DIR1/FJSVipm/etc/trap.allow.ip
・ノード拒否フィルタ
$DIR1/FJSVipm/etc/trap.deny.ip
($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)
定義ファイルは、改行区切りでIPアドレス、もしくはネットワークアドレスを定義します。各ファイルには、最大で1000個まで定義することができます。
以下の定義方法に従って定義を行って下さい。
定義方法 | 形式 | 例 |
---|---|---|
単一指定 | xxx.xxx.xxx.xxx | 192.168.1.1 |
ネットワークアドレス指定 | xxx.xxx.xxx.xxx/yy | 192.168.1.0/24 |
範囲指定 | xxx.xxx.xxx.yyy-zzz | 192.168.1.100-200 |
全指定 | ALL | ALL |
コメント行 | # コメント | # 本社 |
参考
デフォルトの動作では、全てのIPアドレスからのトラップをフィルタリングします。
ノード許可フィルタとノード拒否フィルタでは、ノード拒否フィルタの内容を優先します。同じ定義を両ファイルに記載した場合は、トラップはフィルタリングされます。
ノード許可フィルタとノード拒否フィルタのいずれにも記載されていないIPアドレスはフィルタリングされます。
定義例
例1 192.168.1.1と192.168.2.0/24からのトラップのみを表示する場合
trap.allow.ip
192.168.1.1 192.168.2.0/24 |
trap.deny.ip
|
例2 全てのノードからのトラップを表示する場合
trap.allow.ip
ALL |
trap.deny.ip
|
例3 192.168.1.1と192.168.2.0/24をフィルタリングする場合
trap.allow.ip
ALL |
trap.deny.ip
192.168.1.1 192.168.2.0/24 |
例4 192.168.0.1 から 192.168.0.100 をフィルタリングする場合
trap.allow.ip
ALL |
trap.deny.ip
192.168.0.1-100 |
メッセージ変換定義は、許可ファイルと拒否ファイルの組み合わせで設定を行います。
以下に格納されているcsv形式のファイルを編集して行って下さい。
・OID許可フィルタ
$DIR1/FJSVipm/etc/trap.allow
・OID拒否フィルタ
$DIR1/FJSVipm/etc/trap.deny
($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)
各ファイルには、最大で100個まで定義することができます。
以下の形式で定義を行って下さい。
項目 | 値 | 必須 | 説明 |
---|---|---|---|
oid | 文字列 |
| フィルタリング対象とするトラップのOIDを記述して下さい。 |
generic-type | 数値 |
| フィルタリング対象とするトラップのGeneric Trap Typeを記述して下さい。 省略時は全てのGeneric Trap Typeが対象となります。 |
specific-type | 数値 |
| フィルタリング対象とするトラップのSpecific Trap Typeを記述して下さい。 省略時は全てのSpecific Trap Typeが対象となります。 |
参考
デフォルトの動作では、OIDでのフィルタリングは行いません。
OID許可フィルタとOID拒否フィルタでは、OID拒否フィルタの内容を優先します。同じ定義を両ファイルに記載した場合は、トラップはフィルタリングされます。
OID許可フィルタとOID拒否フィルタのいずれにも記載されていないOIDはフィルタリングされます。
enterprise項目に定義できる文字列の最大長は50バイトまでになります。
定義例
例1 全てのOIDをフィルタリングする場合
trap.deny
,, |
例2 coldStartとwarmStartのみ表示する場合
trap.allow
,0, ,1, |
trap.deny
|
例3 OIDが"1.3.6.1.4.1.211.4.2.2"、Generic Trap Typeが"6"、Specific Trap Typeが"1"のトラップのみ表示する場合
trap.allow
1.3.6.1.4.1.211.4.2.2,6,1 |
trap.deny
|
メッセージ変換定義は、以下に格納されているXMLファイルを編集して行って下さい。
$DIR1/FJSVipm/etc/trap.conv
($DIR1は、運用管理サーバのインストールディレクトリです。インストーラのデフォルトディレクトリは /opt となります)
XMLファイルのタグの形式は以下になります。
タグ名 | 値 | 必須 | 説明 |
---|---|---|---|
convert | - | ○ | 全体をくくるタグです。一つだけ定義可能です。 |
default-level | 文字列 |
| levelタグが省略された場合のデフォルトの障害レベルを定義します。重度障害(アプリケーション通信)にしたい場合はerror、警告(アプリケーション通信)にしたい場合はwarningと記述して下さい。 省略時はerrorになります。 |
enterprise | - |
| メッセージ変換定義の数だけ定義を行います。 最大で1000個まで定義可能です。 |
oid | 文字列 | ○ | enterpriseタグの配下に記述するタグです。メッセージ変換対象とするトラップのOIDを記述して下さい。 |
generic-type | 数値 |
| enterpriseタグの配下に記述するタグです。メッセージ変換対象とするトラップのGeneric Trap Typeを記述して下さい。 省略時は全てのGeneric Trap Typeが対象となります。 |
specific-type | 数値 |
| enterpriseタグの配下に記述するタグです。メッセージ変換対象とするトラップのSpecific Trap Typeを記述して下さい。 省略時は全てのSpecific Trap Typeが対象となります。 |
level | 文字列 |
| enterpriseタグの配下に記述するタグです。トラップの障害レベルを定義します。重度障害(アプリケーション通信)にしたい場合はerror、警告(アプリケーション通信)にしたい場合はwarningと記述して下さい。 省略時はdefault-levelタグの設定が適用されます。 |
message | 文字列 |
| enterpriseタグの配下に記述するタグです。表示したいメッセージを記述して下さい。 省略時はメッセージ変換を行いません。 |
注意
トラップをそのまま表示したい場合は、本設定を行う必要はありません。
enterpriseタグを複数定義する場合、より上で定義した変換定義が優先されます。
oidタグとmessageタグに定義できる文字列の最大長は255バイトまでです。
messageタグに日本語を設定する場合、文字コードはSJISにして下さい。
messageタグに日本語を設定する場合、機種依存文字は使用しないでください。
メッセージに「"&<>」を表示させたい場合は、以下のように記述してください。
文字 | 記述 |
---|---|
" | " |
& | & |
< | < |
> | > |
oidタグの定義方法
oidタグの要素には、RFC1213 に定義された文字列と、整数を使用し、ドット(.)区切りで指定してください。
例1のように、先頭はASCII文字列で、以降(1つめのドットの後ろ)は整数で表記します。
例1)
enterprises.211.4.1.3.53.100
ただし、RFC1213 に定義された以下のOIDに限り、文字列部分を数値で表現することができます。
文字列 | 数値表現 |
---|---|
enterprises | 1.3.6.1.4.1 |
iso | 1 |
org | 1.3 |
dod | 1.3.6 |
internet | 1.3.6.1 |
directory | 1.3.6.1.1 |
mgmt | 1.3.6.1.2 |
mib-2 | 1.3.6.1.2.1 |
experimental | 1.3.6.1.3 |
private | 1.3.6.1.4 |
これにより、例1は例2のように定義することもできます。
例2)
1.3.6.1.4.1.211.4.1.3.53.100
定義例
<convert> |
フィルタリング定義とメッセージ変換定義の内容は、Systemwalker Network Managerの起動時、もしくはipmDefTrapコマンド実行時に反映されます。
コマンドの詳細については、8.2.18 ipmDefTrap(トラップ監視機能の定義ファイル情報の反映)を参照して下さい。
注意
定義ファイルが誤っていた場合、syslogにエラーが出力されます。コマンド実行後は、必ずsyslogを参照して下さい。