本製品では、装置から送られる SNMP Trap を受信、解読して装置の状態変化をイベントとして扱い、装置の障害を管理します。
イベントは SNMP Trap の内容とユーザーの設定を基に作成されます。
作成されたイベントに対して以下のような処理を実行します。
ただし、以下のイベントではイベントログ表示および装置イベント表示だけ(一部イベントはイベントログ表示だけ)で、その他の処理は実行されません。
ユーザーオペレーションによるイベント(『ETERNUS SF Storage Cruiser イベント説明書』の「第1章 本製品の動作に関するイベント」の全イベント)
装置共通トラップイベント(『ETERNUS SF Storage Cruiser イベント説明書』の「第2章 監視している装置から送られてくるイベント」の装置共通トラップ)
性能情報機能の再確保開始/再確保成功イベント(『ETERNUS SF Storage Cruiser イベント説明書』の「2.8性能管理のトラップの説明」の性能情報の再確保開始、再確保成功)
ポーリング機能の異常時イベント(『ETERNUS SF Storage Cruiser イベント説明書』の「第3章 装置ポーリングイベント」のポーリング機能に異常があったとき)
参照
SNMP Trap の処理に対する細かいカスタマイズ方法は、「付録C カスタマイズ」を参照してください。
作成されたイベントをクライアントのイベントログに表示します。イベントログ表示はメニューの[表示]-[表示/非表示]-[イベントログ]で表示/非表示を選択できます。イベントの表示内容は、以下のとおりです。
表示項目名 | 内容 |
---|---|
状態 | 表示されたのイベントのレベルを表示します。 |
日時 | イベントが発生した年月日時間を表示します。 |
装置名 | イベントが発生している装置名を表示します。 |
モニタ | イベントを検出した運用管理マネージャ名を示します。 ETERNUS SF Storage Cruiser での表示名 : "SSC" |
イベントID | イベントに関連するIDが存在する場合、このIDを示します。 |
イベント情報 | イベントの内容を示します。詳細は、『ETERNUS SF Storage Cruiserイベント説明書』を参照してください。 |
以下はイベントログの表示例です。また、イベントログの1ラインをクリップボードへコピーできます。この機能を使用し、イベントログ情報をメールなどの文章に貼り付けし、メールを送信できます。
操作方法は以下です。
コピーしたいイベントログを選択し、ポップアップメニューを表示し、[イベントログをクリップボードにコピー]を実行します。これでクライアントのクリップボードにイベントログ情報がコピーされます。
作成されたイベントをクライアントの装置イベントに表示します。装置イベントは装置ごとのプロパティから確認可能です。
作成されたイベントを Systemwalker Centric Manager に通知します。事前設定は、「10.2 Systemwalker Centric Managerと連携」を参照してください。イベントの重要度レベルも同等に通知されます。
注意
サーバノードエージェントのイベントは Systemwalker Centric Manager に通知されません(ただし、Shell/Bat 連携は動作します)。Systemwalker Centric Manager のメッセージ監視機能で障害監視を実施してください。
作成されたイベントを以下のようなShell/Batファイルの呼出しの引数に設定し、呼び出します。
マネージャのOS種別 | ファイル名(絶対パス) |
---|---|
Windows | $ENV_DIR¥Manager¥etc¥opt¥FJSVssmgr¥current¥trapop.bat 引数1 引数2 引数3 引数4 引数5 引数6 |
Solaris OS、 | /etc/opt/FJSVssmgr/current/trapop.sh 引数1 引数2 引数3 引数4 引数5 引数6 |
引数1には、障害内容が入ります。
引数2には、対象装置のIPアドレスが入ります。
引数3には、対象装置のサーバノード名(FQDN)が入ります(フルドメイン名が確保できない場合はIPアドレスが設定されます)。
引数4には、1970年1月1日0時0分0秒 GMT をゼロとする現在時刻までのミリ秒数が入ります。
引数5には、障害レベルが入ります。(“INFO”、“WARNING”、“ERROR”)
引数6には、対象装置のアイコン名が入ります。
これらの Shell/Bat ファイルの中身を書き換えることで、障害内容の E-mail 連携/他管理ソフトウェア連携(管理ソフトウェアへのコマンドを発行して、管理ソフトウェアが管理しているログファイルに情報を書き込む定義など)などを実現できます。
サンプルの Shell/Bat ファイルが以下にインストールされています。このサンプルをコピーして連携用の Shell/Bat ファイルを作成してください。
マネージャのOS種別 | ファイル名(絶対パス) |
---|---|
Windows | $ENV_DIR¥Manager¥opt¥FJSVssmgr¥lib¥sample¥trapop.bat |
Solaris OS、 | /opt/FJSVssmgr/lib/sample/trapop.sh |
Shell/Bat 連携の機能を使用しない場合、Shell/Bat ファイルの作成は不要です。
Shell/Bat 連携の trapop.sh/trapop.bat の他に、任意の外部スクリプトを実行できます。スクリプトは SNMP Trap XML 定義ファイルごとに2つまで定義できます。スクリプト呼出しの引数は Shell/Bat 連携と同じです。
定義方法の詳細は、「C.6 SNMP Trap XML定義ファイル説明」を参照してください。
注意
外部スクリプト連携は SNMP Trap XML 定義ファイルで定義します。したがって、XML 定義ファイルが提供されていない装置では利用できません。
Shell/Bat 連携や外部スクリプト連携でのシェルスクリプトやバッチファイルでは、処理結果や処理経過などを画面に出力しないようにしてください(例えば、echo コマンドでメッセージを表示するような処理は行わないでください)。Windows では先頭に必ず"@echo off"を記述してください。
なお、各 SNMP Trap ごとにイベント表示・連携内容をカスタマイズ可能です。「C.6 SNMP Trap XML定義ファイル説明」を参照してください。
以下に、各 Shell/Bat ファイルのサンプル記述を説明します。
Solaris OS版、Linux版の trapop.sh のサンプル
本製品のイベントをメールで通知します。(実際に動作させるには、マネージャが動作している運用管理サーバ上で SMTP サーバが動作している必要があります。また、mail コマンドのパスはサンプルと異なる場合があります。動作環境に合わせて適宜変更してください。)
#!/bin/sh #HOSTNAME=`/bin/hostname` #MAILCMD=/bin/mail #TMP_FILE=tmp_mail_file.$4 # #echo "To: $MAILADDRESS" > $TMP_FILE #echo "Subject: SAN manager($HOSTNAME) event mail" >> $TMP_FILE #echo "" >> $TMP_FILE #echo "-----------------------------------" >> $TMP_FILE #echo " Storage System manager event mail " >> $TMP_FILE #echo "-----------------------------------" >> $TMP_FILE #echo $1 >> $TMP_FILE # #$MAILCMD $MAILADDRESS < $TMP_FILE #/bin/rm -f $TMP_FILE
上記 trapop.sh 設定の元、「5.3 管理状態確認テスト」の「【テスト3】イベントの Systemwalker Centric Manager 連携、Shell/Bat 連携の確認」に記述されている grtraptest コマンドを実行すると、以下のようなメールがメール送付先に転送され、擬似的に発生させる SNMP Trap で Shell/Bat 連携できているか確認できます。
Windows版の trapop.bat のサンプル
本製品のイベントをメールで通知します。(実際に動作させるには、SMTP プロトコルをサポートしている sendmail を搭載した UNIX 系サーバ、または標準添付の SMTP サービスをサポートする Windows Server が必要です。)
@echo off rem ## CAUTIONS ## Please do not comment out or delete the line of "@echo off" rem set INSTALL_DIR=install-dir ← インストールDIRパスを記述 rem set MAIL_SERVER_ADDRESS=mail@server.address ← メールサーバアドレスを記述 rem set MAIL_FROM=StorageManager ← メール送信元アドレスを記述 rem set MAIL_TO=your@E-mail.address ← メール送信先アドレスを記述 rem cd %INSTALL_DIR%¥etc¥opt¥FJSVssmgr¥current rem set STXSMAIL=stxsmail.exe rem set TMP_FILE=tmp_mail_file.%4 rem echo From: %MAIL_FROM% > %TMP_FILE% rem echo To: %MAIL_TO% >> %TMP_FILE% rem echo Subject: Storage system manager(%COMPUTERNAME%) event mail >> %TMP_FILE% rem echo.>> %TMP_FILE% rem echo ----------------------------------- >> %TMP_FILE% rem echo Storage system manager event mail >> %TMP_FILE% rem echo ----------------------------------- >> %TMP_FILE% rem echo %1 >> %TMP_FILE% rem set MAILCMD=%STXSMAIL% %MAIL_SERVER_ADDRESS% %TMP_FILE% rem %MAILCMD% rem del %TMP_FILE%
Bat ファイル内では、メールクライアント機能を持つ stxsmail プログラムを起動させることでイベント情報のメール送信を実現させています。stxsmail コマンドの詳細は「付録A ストレージ装置種別表記方法」を参照し、当 Bat ファイルを適宜変更してください。
上記 trapop.bat 設定の元、「5.3 管理状態確認テスト」の「【テスト3】イベントの Systemwalker Centric Manager 連携、Shell/Bat 連携の確認」に記述されている grtraptest コマンドを実行すると、以下のようなメールがメール送付先に転送され、擬似的に発生させる SNMP Trap で Bat 連携ができているか確認できます。
ポイント
Systemwalker Centric Manager 連携、Shell 連携、外部スクリプト連携を行う場合は、本製品に登録している装置について名前解決できるように、各装置のIPアドレスとホスト名の情報を、運用管理サーバが参照しているDNSサーバに登録するか、運用管理サーバ上の /etc/hosts ファイルに定義してください。