Ajaxフレームワーク ユーザーズガイド |
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第1章 概要 |
ここでは、Ajaxフレームワークの特長を説明します。
従来のWebアプリケーションは、HTMLで表現される画面部品群を利用して画面を開発していました。
Ajaxフレームワークは、HTMLで表現できる画面部品群に比べて、高機能、高品質、かつカスタマイズ容易な部品群を提供します。これにより、従来のHTMLでは実現困難だったレベルの操作性・画面表現が実現可能となり、Webアプリケーションのユーザビリティが大幅に向上します。
従来のWebアプリケーションでは、画面が遷移すると、画面全体の書換えが発生し、書換えが完了するまで、操作を行うことができませんでした。
Ajaxフレームワークは、非同期通信と画面の部分書換えにより、操作できない時間を大幅に短縮して、Webアプリケーションのレスポンスを改善します。これにより、ユーザに快適な操作性を提供し、データ入力業務などの作業効率化を実現します。
従来のクライアントサーバシステムでは、システムの初期導入時やバージョンアップ時に、クライアントアプリケーションの配付やインストールなどを管理する必要がありました。また、アプレットやFlashを利用したシステムでも、ランタイム(ブラウザプラグイン)を管理する必要がありました。これらの管理工数を削減するためには、クライアントサーバシステムやアプレットシステムをWeb化する方法があります。しかし、高い操作性を求められるシステムは、Webの操作性が低いため移行できませんでした。
Ajaxフレームワークでは、ユーザビリティの向上により、これらのシステムをWebシステム化できるので、クライアントアプリケーションやJava/Flashプラグインなどのクライアント管理コストが不要になります。
Ajaxフレームワークは、クライアントフレームワークと通信フレームワークを提供します。これらにより保守性・再利用性の高いシステムを短期間で構築できます。クライアントフレームワークは、高機能なHTML(JSP)+JavaScriptシステム開発を可能にします。通信フレームワークは、クライアント側データとサーバ側データの連携を容易に実現します。
Ajaxフレームワークは、タブ切替え可能なパネル、ソート/編集可能なテーブル、カレンダ日付入力部品、フォーカス制御、PFキーの利用、テキストフォーマッタ、テキスト入力バリデータなど、業務アプリケーション開発時に必要となるJavaScriptコードを部品として提供します。開発者が画面の随所で開発していた、低レベルなJavaScriptコードが不要になり、システム全体の開発量を大幅に削減できます。
顧客要件を確認するために業務システム画面のHTMLモックアップで、フォーカスの制御や、キー入力の制御などを行いたいといった要求があります。この場合、従来はJavaScriptによるプログラミングが必要でした。Ajaxフレームワークでは、HTMLを記述する感覚で、モックアップを作ることができます。
従来、企業内では、業務ごとに異なったシステムが利用されていました。このため、ある入力業務を行うには、複数の業務アプリケーション画面を起動したあと、一方で表示されている情報を見ながらもう一方で手作業による入力を行う必要がありました。
Ajaxフレームワークでは、企業内のサービスやインターネット上にあるWebサービスを組み合わせて、関連する情報を1つの業務画面に集約(マッシュアップ)することができます。これにより、手番や入力ミスを削減し、ユーザの作業効率の改善を実現することができます。
最近の業務システム構築では、既存システムを有効活用するために、既存システムを組み合わせて新たなシステムを構築したいというニーズが高まっています。また、インターネット上のWebサービスを業務システムで活用したいというニーズも高まっています。
Ajaxフレームワークでは、インターネット上にあるWebサービスや企業内の既存システムをブラウザ上で連携させることができます。これにより、既存のアプリケーションへの影響が少なく、より使いやすいWebアプリーションが短期に構築できるようになります。
一方、インターネット上のWebサービスをブラウザから直接呼び出す場合、クロスドメイン制約などのセキュリティ上の課題があります。Ajaxフレームワークでは、アクセス制御やロギングを備えたプロキシ機能を提供しており、このプロキシを利用することにより、より安全にサービスを呼び出すことができます。
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