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ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

5.2.5 運用

Symfoware Server V9.2以降を使用した、ロードシェア運用時のバックアップ運用について説明します。

バックアップ運用を行う前に、「5.2.4 事前準備」を参照して、バックアップ運用に必要な環境設定を行ってください。

注意

運用については、コマンドを使用して運用してください。バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの格納先ディレクトリを指定して実行できる機能は、コマンドのみのサポートになります。

AdvancedCopy Managerのバックアップの運用には、以下の2種類があります。

ポイント

運用状態により、AdvancedCopy Managerのバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの取り扱いが異なります。

5.2.5.1 通常運用時

各ノードにAdvancedCopy Managerのエージェントをインストールして、ロググループ単位でバックアップ/リカバリを行います。バックアップ/リカバリの実行後は、バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをバックアップします。

図5.8 通常運用時のバックアップ/リカバリの関連図

ポイント

バックアップしたバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルは、ノード縮退運用においてバックアップを採取したStorageサーバとは別のサーバでバックアップ/リカバリ運用を行う場合に必要となる資源です。

ノード縮退運用(障害発生時のノード)では参照することができなくなるので、Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避してください。なお、二次退避する場合は、第三者による破壊から守るため管理者がOS機能を利用して適切なアクセス権限を設定することで、不正なアクセスから資源を保護してください。

5.2.5.1.1 バックアップの実行

以下に1つのロググループに着目した場合のバックアップの流れを記載します。

  1. ロググループ(DB)をバックアップします。

  2. バックアップ/リカバリの情報を管理している資源(バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイル)をバックアップします。

  3. バックアップに使用したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを、ノードの障害に備えて、Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避します。

図5.9 1つのロググループに着目した場合のバックアップの流れ

スナップショット型高速バックアップの実行

Symfowareのスナップショット型高速バックアップは、業務ボリュームまたはロググループを指定して、10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)で行います。ロググループ指定によるバックアップを行う場合、そのロググループに含まれる業務ボリュームすべてを一度にバックアップします。

次に挙げる方法でバックアップを行うことができます。

表5.18 スナップショット型高速バックアップの種類

バックアップ方法

説明

通常ダンプ

アーカイブログ運用中(通常運用中)のデータベースをバックアップします。

参照ダンプ

長期保存等の目的のためにアーカイブログ運用から切り離されたデータベースをバックアップします。

注)参照ダンプでバックアップする場合、Symfowareの“rdbrtr”コマンドを用いて、バックアップする業務ボリューム内の全DSI(実表に対してその格納構造を表現するもの)に更新抑止を設定(データ書き込み不可状態)する必要があります。

なお、ロードシェア運用時のバックアップでは、コマンドの実行時に以下のパラメタを指定する必要があります。

指定するディレクトリは、変更がなければ、「5.2.4.11 バックアップ管理簿の配置(退避)」で配置したディレクトリになります。

表5.19 コマンドの実行時に指定が必要なパラメタ

No

パラメタ

指定方法

1

バックアップ管理簿、リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリ

-altdirオプションで指定

2

コマンド実行ノードのRDBシステム名

-rdbnameオプションで指定

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n LG1/RDB1 -Xdevmap /acm/devmap.txt -altdir /acm/LG1 -rdbname RDB1
LG1/RDB1 swstbackup completed
#

<補足>ACMコマンドに指定する2つのRDBシステム名について

また、バックアップの実行後は、バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをバックアップしてください。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstresback /acm-bk/LG1 -lg LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1
swstresback completed
#

退避したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルは、ノード縮退運用においてバックアップを採取したStorageサーバとは別のサーバでバックアップ/リカバリ運用を行う場合に必要となる資源です。Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避してください。なお、二次退避する場合は、第三者による破壊から守るため管理者がOS機能を利用して適切なアクセス権限を設定することで、不正なアクセスから資源を保護してください。

注意

ロググループに含まれる業務ボリュームを個別にバックアップする場合は、参照ダンプは指定できません。

同期型高速バックアップの実行

Symfowareの同期型高速バックアップは、以下の手順で行います。

  1. 10.2.2.8 バックアップ同期処理開始コマンド(swststartsync)を用いて、業務ボリュームまたはロググループを指定し、バックアップ同期処理を開始します。ロググループを指定した場合、そのロググループに含まれる業務ボリュームすべてに対してバックアップ同期処理を実行します。
    開始したバックアップ同期処理のキャンセルは、10.2.2.9 バックアップ同期処理キャンセルコマンド(swstcancelsync)で行います。

  2. 10.2.2.10 バックアップ同期処理実行状況表示コマンド(swstsyncstat)で、バックアップ同期処理中のバックアップボリュームが等価性維持状態にあることを確認します。ロググループを指定してバックアップ同期処理を行っている場合は、ロググループに含まれるすべての業務ボリュームのバックアップボリュームが、等価性維持状態にあることを確認します。

  3. 業務ボリュームまたはロググループを指定し、10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)を実行してバックアップを採取します。10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)では、次に挙げる方法でバックアップを行うことができます。バックアップ実行コマンドを実行すると、その時点の状態がバックアップ履歴情報に登録され、バックアップ同期処理は停止されます。

    表5.20 同期型高速バックアップの種類

    バックアップ方法

    説明

    通常ダンプ

    アーカイブログ運用中(通常運用中)のデータベースをバックアップします。

    参照ダンプ

    長期保存等の目的のためにアーカイブログ運用から切り離されたデータベースをバックアップします。

注)参照ダンプでバックアップする場合、Symfowareの“rdbrtr”コマンドを用いて、バックアップする業務ボリューム内の全DSI(実表に対してその格納構造を表現するもの)に更新抑止を設定(データ書き込み不可状態)する必要があります。

なお、ロードシェア運用時のバックアップでは、コマンドの実行時に以下のパラメタを指定する必要があります。

指定するディレクトリは、変更がなければ、「5.2.4.11 バックアップ管理簿の配置(退避)」で配置したディレクトリになります。

表5.21 コマンドの実行時に指定が必要なパラメタ

No

パラメタ

指定方法

1

バックアップ管理簿、リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリ

-altdirオプションで指定

2

コマンド実行ノードのRDBシステム名

-rdbnameオプションで指定

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n -suspend LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1 -rdbname RDB1
LG1/RDB1 swstbackup completed
#

<補足>ACMコマンドに指定する2つのRDBシステム名について

また、バックアップの実行後は、バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをバックアップしてください。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstresback /acm-bk/LG1 -lg LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1
swstresback completed
#

退避したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルは、ノード縮退運用においてバックアップを採取したStorageサーバとは別のサーバでバックアップ/リカバリ運用を行う場合に必要となる資源です。Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避してください。なお、二次退避する場合は、第三者による破壊から守るため管理者がOS機能を利用して適切なアクセス権限を設定することで、不正なアクセスから資源を保護してください。

注意

業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前にバックアップ実行コマンドを実行すると、バックアップ実行コマンドはエラーとなります。

ポイント

同期型高速バックアップでは、同期処理を停止または一時停止(サスペンド)することによりバックアップが作成されます。10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)をサスペンド指定で実施すると、Suspend/Resume機能により、同期処理を一時停止(サスペンド)してバックアップを行います。Suspend/Resume機能については、「第6章 Suspend/Resume機能によるバックアップ運用」を参照してください。

5.2.5.1.2 リカバリの実行

以下に1つのロググループに着目した場合のリカバリの流れを記載します。

  1. ロググループ(DB)をリカバリします。

  2. バックアップ/リカバリの情報を管理している資源(バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイル)をバックアップします。

  3. リカバリに使用したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを、ノードの障害に備えて、Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避します。

図5.10 1つのロググループに着目した場合のリカバリの流れ

スナップショット型高速バックアップおよび同期型高速バックアップで退避したデータの復元には、10.2.2.3 リストア実行コマンド(swstrestore)を用います。

Symfowareのリカバリは、業務ボリュームまたはロググループを指定して、10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)でバックアップされた履歴管理されているバックアップボリュームから、10.2.2.3 リストア実行コマンド(swstrestore)を用いて行います。

なお、ロードシェア運用時のリカバリでは、コマンドの実行時に以下のパラメタを指定する必要があります。

指定するディレクトリは、変更がなければ、「5.2.4.11 バックアップ管理簿の配置(退避)」で配置したディレクトリになります。

表5.22 コマンドの実行時に指定が必要なパラメタ

No

パラメタ

指定方法

1

バックアップ管理簿、リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリ

-altdirオプションで指定

2

コマンド実行ノードのRDBシステム名

-rdbnameオプションで指定

また、リカバリの実行後は、バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをバックアップしてください。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -n LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1 -rdbname RDB1
LG1/RDB1 swstrestore completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstresback /acm-bk/LG1 -lg LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1
swstresback completed
#

退避したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルは、ノード縮退運用においてバックアップを採取したStorageサーバとは別のサーバでバックアップ/リカバリ運用を行う場合に必要となる資源です。バックアップ時と同様にStorageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避してください。

※リカバリ時にバックアップ管理簿のリストア履歴情報が更新されるため、バックアップ管理簿のバックアップが必要となります。なお、リカバリにより、リカバリ制御ファイルの内容が変更されることはありません。

また、業務ボリュームがSDXオブジェクトであり、かつ、論理ボリューム単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用する方式)を使用している場合は、リストア実行コマンド(swstrestore)実行後に以下のGDSコマンドを実行してリストア対象業務ボリュームを全ノードでオンライン状態にしてください。

/usr/sbin/sdxvolume -N -c <クラス名> -v <ボリューム名> -e allnodes

注意

ロググループを指定してリカバリを行う場合、ロググループに含まれる業務ボリュームを一度にリカバリします。

また、“-bundle”オプションを使用して同一ロググループの複数の業務ボリュームを一括してリカバリすることも可能です。これを、バンドル・リカバリと呼びます。

RAIDグループ内に複数のデータベーススペースが配置されている場合、これらのデータベーススペースを一括してリカバリすることにより、ログ適用にかかる時間が短縮され、リカバリ時間が短縮されます。

リカバリは、次に挙げる方法で実行することができます。

リカバリするデータのバックアップした方法(通常ダンプ/参照ダンプ)によって、指定できるリカバリ方法が異なります。次に示すような組み合わせで指定することができます。

表5.23 バックアップ方法とリカバリ方法の組み合わせ

バックアップ単位

バックアップ方法

リカバリ単位

リカバリ方法

最新状態への復旧

リカバリ終了点を指定した特定時点への復旧 *1

バックアップ時点への復旧

業務ボリューム

通常ダンプ

ロググループ

同一ロググループの複数の業務ボリューム

業務ボリューム

×

×

ロググループ

通常ダンプ

ロググループ

同一ロググループの複数の業務ボリューム

業務ボリューム

×

×

参照ダンプ

ロググループ

×

同一ロググループの複数の業務ボリューム

×

業務ボリューム

×

×

○:可能 ×:不可能

*1:リカバリポイントについては、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。リカバリポイントはデータベースのリカバリ時まで覚えておく必要があります。

注意

すべての方法において、リカバリ対象となるデータベーススペースがアクセス禁止状態になっている必要があります。アクセス禁止状態にするには、Symfowareが提供するコマンドの“rdbinh”コマンドまたは“rdbexspc”コマンドを用いて行います。コマンドの詳細については、『Symfoware Server RDB運用ガイド』を参照してください。

注意

ロググループに含まれる業務ボリュームを個別にリカバリする場合は、最新状態へ復旧するリカバリ方法のみ行うことができます。この場合、ロググループ内の表間のリレーションはデータベースの管理者の責任で整合させる必要があります。

注意

“最新状態への復旧”、“特定時点への復旧”を行う場合、アーカイブログファイルが外部媒体に保管されていれば、リカバリ時に必要なアーカイブログ退避ファイル名を列挙したファイルを、リカバリを行う業務ボリュームが存在するStorageサーバに作成しておき、リカバリ時に指定する必要があります。このファイルの記述方法については、『Symfoware Server RDB運用ガイド』を参照してください。

注意

10.2.2.3 リストア実行コマンド(swstrestore)で実行したリカバリが、作業ディレクトリの空き容量不足で失敗した場合、“-w”オプションを使用して、一時的に別のディレクトリを作業ディレクトリとして再実行することにより、リカバリが可能になります。“-w”オプションの詳細については、「10.2.2.3 リストア実行コマンド(swstrestore)」を参照してください。

注意

“リカバリ終了点を指定した特定時点への復旧”もしくは“バックアップ時点への復旧”を行う場合、Symfowareの管理情報を復旧する処理が行われます。この処理はリカバリの実行処理の一部として実施されるため、コマンドの処理に時間がかかります。

注意

データベーススペース単位にバックアップを実施した場合、ロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、世代指定に相対世代番号を指定するようにしてください。これは、以下の例のようにデータベーススペース単位にバックアップを実施した場合、特定の業務ボリューム(データベーススペース)の履歴が更新されるため、相対世代番号に対する絶対世代番号がそろわない状態が発生するからです。

(例)ロググループ(LOG1/RDB1)にデータベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)が存在する場合

1日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)をバックアップ

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d0s1
/dev/dsk/c1t0d0s1 swstbackup completed

2日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)を個別にバックアップ

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d0s1
/dev/dsk/c1t0d0s1 swstbackup completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d0s2
/dev/dsk/c1t0d0s2 swstbackup completed

履歴情報の表示

# /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp -n LOG1/RDB1
Server=SV01 Device=/dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point=DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE)
Generation Version   Backup-Date        Backup-Device       Status    Execute  ArcSerial
   1          2      2002/12/12 22:00   /dev/dsk/c1t0d2s2   succeeded   ----       5
   2          1      2002/12/11 22:00   /dev/dsk/c1t0d2s1   succeeded   ----       5
Server=SV01 Device=/dev/dsk/c1t0d0s2 Mount-Point=DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE)
Generation  Version  Backup-Date        Backup-Device       Status    Execute  ArcSerial
   1          1      2002/12/12 23:00   /dev/dsk/c1t0d2s3   succeeded   ----       5

以上のような履歴を使用したロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、指定するオプションによって使用されるバックアップデータが異なります。上記の場合、相対世代番号を指定した方が両データベーススペースとも2日目のバックアップデータが使用されるため、リカバリ後のデータベースの整合性を保つことができます。

表5.24 指定オプションとリカバリに使用されるバックアップデータ

世代番号の種類

指定

オプション

リカバリに使用されるバックアップデータ

DB1.DBSP1

(/dev/dsk/c1t0d0s1)

DB1.DBSP2

(/dev/dsk/c1t0d0s2)

相対世代番号

-g 1

2日目のバックアップデータ

(/dev/dsk/c1t0d2s2)

2日目のバックアップデータ

(/dev/dsk/c1t0d2s3)

絶対世代番号

-v 1

1日目のバックアップデータ

(/dev/dsk/c1t0d2s1)

注意

ロググループ単位にバックアップを実施した場合、データベーススペース単位バックアップや履歴の削除で絶対世代番号がそろっていない状態でも、ロググループ単位バックアップの絶対世代番号はそろいます。これは、以下の例のように絶対世代番号が小さい業務ボリューム(データベーススペース)の番号が、絶対世代番号が大きい業務ボリューム(データベーススペース)の番号に合わせられるからです。よって、絶対世代番号が小さい業務ボリューム(データベーススペース)では、途中の絶対世代番号が抜けた状態になります。

(例)ロググループ(LOG1/RDB1)にデータベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)が存在する場合

1日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)をバックアップ

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup /dev/dsk/c1t0d0s1
/dev/dsk/c1t0d0s1 swstbackup completed

2日目:データベーススペース1(DB1.DBSP1)とデータベーススペース2(DB1.DBSP2)をロググループ単位でバックアップ

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n LOG1/RDB1
LOG1/RDB1 swstbackup completed

履歴情報の表示

# /opt/FJSVswsts/bin/swsthistdisp -n LOG1/RDB1
Server=SV01 Device=/dev/dsk/c1t0d0s1 Mount-Point=DB1.DBSP1/LOG1/RDB1 (SymfoWARE)
Generation Version   Backup-Date        Backup-Device       Status    Execute  ArcSerial
   1          2      2002/12/12 22:00   /dev/dsk/c1t0d2s2   succeeded   ----       5
   2          1      2002/12/11 22:00   /dev/dsk/c1t0d2s1   succeeded   ----       5
Server=SV01 Device=/dev/dsk/c1t0d0s2 Mount-Point=DB1.DBSP2/LOG1/RDB1 (SymfoWARE)
Generation  Version  Backup-Date        Backup-Device       Status    Execute  ArcSerial
   1          2      2002/12/12 22:00   /dev/dsk/c1t0d2s3   succeeded   ----       5

以上のような履歴を使用したロググループ単位リカバリまたはバンドル・リカバリでは、相対世代番号に対する絶対世代番号がそろっているため、どちらの世代指定でも使用されるバックアップデータに違いはありません。

表5.25 指定オプションとリカバリに使用されるバックアップデータ

世代番号の種類

指定

オプション

リカバリに使用されるバックアップデータ

DB1.DBSP1

(/dev/dsk/c1t0d0s1)

DB1.DBSP2

(/dev/dsk/c1t0d0s2)

相対世代番号

-g 1

2日目のバックアップデータ

(/dev/dsk/c1t0d2s2)

2日目のバックアップデータ

(/dev/dsk/c1t0d2s3)

絶対世代番号

-v 2

ただし、“-v 1”を指定した場合は、データベーススペース2(DB1.DBSP2)のバックアップデータが存在しないため、リストアコマンドはエラーになります。

ポイント

バンドル・リカバリはGUIクライアントによる操作はできません。

ポイント

バンドル・リカバリを実行するには、あらかじめ「デバイスリストファイル」という一括してリカバリしたい業務ボリュームを列挙したファイルを作成しておく必要があります。デバイスリストファイルの詳細については、「5.2.5.1.3 デバイスリストファイルの記述方法」を参照してください。

5.2.5.1.3 デバイスリストファイルの記述方法

デバイスリストファイルは、リカバリを行うStorageサーバ上の任意の場所に作成します。このファイルをリカバリ実行時に指定することで、複数の業務ボリュームを一括してリカバリすることができます。

デバイスリストファイルの記述例を以下に示します。

#コメント行は「#」ではじめます。

# LOG01/GRP1
/dev/dsk/c1t0d1s3    # この部分にもコメントを記述することができます。
/dev/dsk/c1t0d1s4
/dev/dsk/c1t0d1s5
/dev/dsk/c1t0d1s6
/dev/dsk/c1t0d1s7
        :
        :

デバイスリストファイル作成時の規則を以下に示します。

注意

リストア実行コマンドで-bundleオプションが指定された場合、デバイスリストファイルに記述された業務ボリューム全てがリストアの対象となります。以下の場合、リストア処理はエラーとなります。

  • 業務ボリュームに関する記述が1件もなかったとき。

  • 業務ボリュームに関する記述は存在するが、記述形式に誤りがあったとき。

  • 業務ボリュームがSymfowareのボリュームでなかったとき。

  • 業務ボリュームが複数のロググループにまたがっていたとき。

  • 業務ボリュームに関する記述行以外に不正行が存在したとき。

  • 以下の例のように、1つの業務ボリュームを複数指定したとき。

    # 1業務ボリュームが複数ある例
    /dev/dsk/c1t0d1s4
    /dev/dsk/c1t0d1s4
            :
            :

5.2.5.2 ノード縮退運用時

障害発生時は、Symfowareのロググループが別のノードに引き継がれます。

このため、ファイルサーバなどにバックアップしておいた、障害が発生したノードに対応するAdvancedCopy Managerのバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをロググループが引き継がれたノード上にコピーします。

コピーした、バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを使用することで、通常運用時と同様に引き継がれたロググループのバックアップ/リカバリが可能となります。

図5.11 ノード縮退運用時のバックアップ/リカバリの関連図

注意

Symfoware Server V9.2以降を使用したロードシェア運用のノード縮退時には、運用環境の変更はできません。

5.2.5.2.1 バックアップの実行

以下に障害が発生したノードの1つのロググループに着目した場合のバックアップの流れを記載します。

  1. ファイルサーバなどに退避されているバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをロググループが引き継がれたノードにコピーします。

  2. バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルがコピーされた配置ディレクトリを指定してバックアップを実行します。

  3. ロググループ(DB)をバックアップします。

  4. バックアップ/リカバリの情報を管理している資源(バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイル)をバックアップします。

  5. バックアップに使用したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを、ノードの障害に備えて、Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避します。

図5.12 障害が発生したノードの1つのロググループに着目した場合のバックアップの流れ

ロググループの引き継ぎ先のStorageサーバでバックアップ/リカバリを行う手順は以下の通りです。

  1. バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの最新の退避データをロググループを引き継いだStorageサーバの「5.2.2.6 バックアップ管理簿/リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリの設計」で決定したディレクトリに配置します。

  2. 上記の配置ディレクトリを-altdirオプションに指定してコマンドを実行します。

バックアップの実行方法は-rdbnameオプションの指定パラメタが異なることを除いては通常運用時と同じです。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstbackup -n LG1/RDB1 -Xdevmap /acm/devmap.txt -altdir /acm/LG1 -rdbname RDB2
LG1/RDB1 swstbackup completed
#

バックアップの実行後は、通常運用時と同様にバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをバックアップしてください。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstresback /acm-bk/LG1 -lg LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1
swstresback completed
#
5.2.5.2.2 リカバリの実行

以下に障害が発生したノードの1つのロググループに着目した場合のリカバリの流れを記載します。

  1. ファイルサーバなどに退避されているバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをロググループが引き継がれたノードにコピーします。

  2. バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルがコピーされた配置ディレクトリを指定してリカバリを実行します。

  3. ロググループ(DB)をリカバリします。

  4. バックアップ/リカバリの情報を管理している資源(バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイル)をバックアップします。

  5. リカバリに使用したバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルを、ノードの障害に備えて、Storageサーバとは異なる場所(ファイルサーバなど)に二次退避します。

図5.13 障害が発生したノードの1つのロググループに着目した場合のリカバリの流れ

リカバリの実行方法も、-rdbnameオプションの指定パラメタが異なることを除いては通常運用時と同じです。

また、リカバリの実行後は、通常運用時と同様にバックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルをバックアップしてください。

[コマンド実行例]

# /opt/FJSVswsts/bin/swstrestore -n LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1 -rdbname RDB2
LG1/RDB1 swstrestore completed
# /opt/FJSVswsts/bin/swstresback /acm-bk/LG1 -lg LG1/RDB1 -altdir /acm/LG1
swstresback completed
#

また、業務ボリュームがSDXオブジェクトであり、かつ、論理ボリューム単位のバックアップ運用(GDS Snapshotを使用する方式)を使用している場合は、通常運用時と同様にリストア実行コマンド(swstrestore)実行後にリストア対象業務ボリュームを全ノードでオンライン状態にしてください。

5.2.5.2.3 ノード縮退運用からの切り戻し

ノード縮退運用から切り戻す場合は、バックアップ管理簿とリカバリ制御ファイルの最新の退避データを引き継ぎ元Storageサーバ(初期配置ノード)の「5.2.2.6 バックアップ管理簿/リカバリ制御ファイルの配置ディレクトリの設計」で決定したディレクトリにリストアしてください。リストア後の運用手順は「5.2.5.2 ノード縮退運用時」と同じになります。

5.2.5.3 バックアップ履歴の管理

10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)で行ったバックアップの履歴情報を、表示/削除することができます。

5.2.5.3.1 バックアップ履歴の表示

10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)で行ったバックアップの履歴情報については、10.2.2.6 履歴情報表示コマンド(swsthistdisp)を用いて確認することができます。

ポイント

バックアップ履歴の表示は、GUIクライアントによる操作が可能です。詳細については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「バックアップ履歴の表示」を参照してください。

5.2.5.3.2 バックアップ履歴の削除

10.2.2.1 バックアップ実行コマンド(swstbackup)で行ったバックアップの履歴情報については、10.2.2.7 履歴情報削除コマンド(swsthistdel)を用いて削除することができます。

ポイント

バックアップ履歴の削除は、GUIクライアントによる操作が可能です。詳細については、『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「バックアップ履歴の削除」を参照してください。

なお、ロググループに含まれる業務ボリュームのバックアップ履歴情報を個別に指定して削除する場合は、GUIクライアントによる操作はできません。