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ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

12.6.4 Exchange VSSバックアップ実行コマンド(swsrpvssbackup_exchange)

VSSと連携してストレージグループのオンラインバックアップを行います。

本コマンドでは、以下の処理を行っています。

  1. VSSと連携してアドバンスト・コピーを使用することにより、ストレージグループのバックアップデータをバックアップサーバ上に作成します。

    • スナップショット型バックアップの場合はOPC/QuickOPCを起動することによりシャドウコピーを作成します。

    • 同期型バックアップの場合は等価性維持状態のEC/RECをサスペンドすることによりシャドウコピーを作成します。(Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせでは、未サポートです。)

  2. ドライブ文字マップファイルにしたがって、ドライブ文字をバックアップボリュームに割り当てます。バックアップボリュームは、読み取り専用ボリュームとしてアクセスすることができます。

  3. バックアップデータに対してESEUTILを実行し、データ整合性の検証を行います。データ整合性に問題がない場合は、Exchangeにより不要ログの削除が行われます。

  4. リストア時に必要となるメタデータドキュメントをバックアップサーバの以下の場所に保存します。

    ファイル

    出力先

    ライタメタデータ
    ドキュメント

    [コピーセットグループ名が“BkupGroup”(デフォルト)の場合]

    環境設定ディレクトリ¥etc¥repl¥data¥exchange¥<Exchangeサーバのストレージサーバ名>¥metadoc¥<ストレージグループ名>.wmd.xml

    [コピーセットグループ名が“BkupGroup”(デフォルト)以外の場合]

    環境設定ディレクトリ¥etc¥repl¥data¥exchange¥<Exchangeサーバのストレージサーバ名>¥metadoc¥<ストレージグループ名>.<コピーセットグループ名>.wmd.xml

    注)Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせでは、<コピーセットグループ名>を指定した指定方法は、未サポートです。

    バックアップ
    コンポーネント
    ドキュメント

    [コピーセットグループ名が“BkupGroup”(デフォルト)の場合]

    環境設定ディレクトリ¥etc¥repl¥data¥exchange¥<Exchangeサーバのストレージサーバ名>¥metadoc¥<ストレージグループ名>.bcd.xml[コピーセットグループ名が“BkupGroup”(デフォルト)以外の場合]

    環境設定ディレクトリ¥etc¥repl¥data¥exchange¥<Exchangeサーバのストレージサーバ名>¥metadoc¥<ストレージグループ名>.<コピーセットグループ名>.bcd.xml

    注)Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせでは、<コピーセットグループ名>を指定した指定方法は、未サポートです。

  1. 指定方法

    プログラムディレクトリ¥bin¥swsrpvssbackup_exchange [-evs Virtual-Server-Name]
                                                       [-skipchk]
                                                       -sgname Storage-Group-Name
                                                       [-copygrp Copyset-Group-Name]
  2. オプションの説明

    オプション

    説明

    -sgname

    ストレージグループ名を指定します。
    スペースを含むストレージグループ名は、二重引用符(" ")をつける必要があります。

    -evs

    クラスタ運用を行っている場合、Exchange仮想サーバ(EVS)の名前を指定します。
    クラスタ運用を行っていない場合は、指定の必要はありません。

    -skipchk

    ESEUTILによるデータ整合性検証を行わない場合に指定します。

    -copygrp

    コピーセットグループ名を指定します。
    本オプションを省略した場合、コピーセットグループ名はデフォルトのコピーセットグループ:“BkupGroup”になります。
    本オプションは、Windows Server 2008とExchange Server 2007を組み合わせた環境では、未サポートです。

  3. 終了ステータス

    =0:正常終了
    >0:異常終了

  4. 実行例

    MSCSを使用したクラスタ運用のExchangeサーバ:VSVR上のストレージグループ:FirstStorageGroupをバックアップします。

    C:¥>set SWSTGNODE=nodeAGT
    C:¥>C:¥Win32App¥AdvancedCopyManager¥bin¥swsrpvssbackup_exchange -evs VSVR -sgname FirstStorageGroup -copygrp BK1
    swsrpvssbackup_exchange successfully completed
    C:¥>

    WSFCを使用したクラスタ運用のExchangeサーバ:VSVR上のストレージグループ:FirstStorageGroupのバックアップを実行します。

    C:¥>set SWSTGNODE=nodeAGT
    C:¥>C:¥Win32App¥AdvancedCopyManager¥bin¥swsrpvssbackup_exchange -evs VSVR -sgname FirstStorageGroup
    swsrpvssbackup_exchange successfully completed
    C:¥>

注意

次のような場合は、バックアップを実行できません。

  • 指定したストレージグループのデータベース情報が12.6.1 Exchangeデータベース情報登録コマンド(swsrpdbinfo_ex2k3/swsrpdbinfo_exchange)で登録されていなかったとき。

  • 指定したストレージグループのデータベース構成が変更されているとき。

  • コピーセット情報の取得に失敗したとき。

  • バックアップサーバとの通信に失敗したとき。

  • ストアがディスマウントされているとき。

  • 指定したストレージグループの中に、コピー種別の異なるコピーセットが存在するとき。

  • 指定したストレージグループの中に、コピー種別がSnapOPC、SnapOPC+、ECのコピーセットが存在するとき。

  • 同期型バックアップの場合、ストレージグループの全てのコピーセット同期処理が等価性維持状態になっていないとき。(Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせでは該当しません。)

  • ハードウェアプロバイダの処理で何らかのエラーが発生したとき(エラー内容についてはETERNUS VSS Hardware Providerソフトウェア説明書の「メッセージ」を参照してください)。(Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせのみ該当します。)

  • ハードウェアプロバイダコマンドで何らかのエラーが発生したとき(エラー内容についてはETERNUS VSS Hardware Providerソフトウェア説明書の「メッセージ」を参照してください)。(Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせのみ該当します。)

  • ハードウェアプロバイダの処理で何らかのエラーが発生したとき。

  • バックアップLUNのボリューム(パーティション)削除ができなかったとき。

  • バックアップLUNにシャドウコピーが存在する場合、シャドウコピーの削除ができなかったとき。

  • バックアップデータの整合性検証で異常が検出されたとき。

  • ライタメタデータドキュメント、バックアップコンポーネントドキュメントの保存に失敗したとき。

  • バックアップボリュームのドライブ文字の割り当てに失敗したとき。

注意

-skipchkオプションを指定した場合

-skipchkオプションを使用してデータ整合性の検証を省略した場合、本コマンド終了後に手動でデータ整合性の検証を行ってください。データ整合性の検証方法については、以下の「サポート技術情報」(Microsoft Knowledge Base)を参照してください。

[Exchange Server 2003 のデータ バックアップとボリューム シャドウ コピー サービス(スナップショットの整合性チェックの方法)](注)

http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;822896

(注)Exchange Server 2003とExchange Server 2007で、Exchange Server 2007に”*.stm”ファイルが存在しないこと以外に本記事の該当箇所に差異はありません。

注意

コマンドを強制終了した場合

本コマンドをタスクマネージャ、Ctrl-C等で強制終了させた場合、Exchangeライタがバックアップ処理中のままになってしまうことがあります。このような場合、本コマンドを再実行すると以下のようなエラーが出力され、バックアップを実行することができません。

「swsrp4648 VSS処理でエラーが発生しました。処理フェーズ=[BACKUP] Creation of Shadow Copy Set、検出API=StartSnapshotSet、エラーコード=0x80042316」

この状態を復旧するためには、“Microsoft Exchange Information Store”サービスの再起動によって、Exchangeライタを初期化する必要があります。

なお、“Microsoft Exchange Information Store”サービスを再起動すると、Exchange Serverに接続しているクライアントが予期せぬ終了や接続の終了を起こす可能性があるため、サービスの再起動を行う場合は、Exchangeの管理者と協議の上、再起動の契機を考慮して実施してください。

注意

複数コピーセット構成のストレージグループを処理している間にエラーが発生した場合は、本コマンドはその時点で処理を中断します。同期型バックアップを行っていた場合は、サスペンドされた同期処理は12.6.3 Exchange VSS同期処理コマンド(swsrpvsssync_exchange)で再開する必要があります。

なお、本注意事項は、Windows Server 2008とExchange Server 2007の組み合わせでは該当しません。